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花巻市が平成27年度に取得した花巻城跡二之丸南御蔵跡付近の土地につきまして、昨年の11月から12月にかけて内容確認のため約650平方メートルを発掘調査しましたので、結果をお知らせします。
添付ファイルの図面と写真もあわせてご覧ください。

調査を行った場所について

調査地点は、花巻城跡の二之丸に位置しています。二之丸の規模は東西360メートル×南北150から200メートルで、面積は約50,000平方メートルです。幕末期の花巻城跡の古絵図によると、二之丸には公的機能を持つ施設が集約されていることが分かります。施設には、花巻城代の屋敷である御役屋(おやくや)、武芸鍛錬の場である稽古場(けいこば)、花巻の町に時を告げる鐘楼(しょうろう)、和賀・稗貫二郡から集められた年貢米を保管する南御蔵(みなみおくら)があり、周囲は堀と土塁(どるい、注1)によって守られています。

今回の調査地点は南御蔵の東側部分に当たります。また、現在は失われていますが、二之丸への東側の虎口(こぐち、注2)となる東御門とこれに付随する枡形(ますがた、注3)を構成していた土塁部分も調査区に含まれています。

南御蔵の建設時期は、盛岡藩の家老日誌『雑書(ざっしょ)』の慶安2年(1649)に二之丸の御米蔵の建築の記事がみられるので、この時期まで遡る可能性があります。なお、享保6年(1721)の『雑書』には、花巻城二之丸で火災があり、この際に御蔵が焼失したことが書かれています。

注1 土塁(どるい)とは、城館の防御のための土手のこと。
注2 虎口(こぐち)とは、城館の出入り口のこと。狭い道・狭い口という意味がある。「小口」とも書く。
注3 枡形(ますがた)とは、一般には敵が城内へ進入するのを遅らせるため設けられた城門内側の四角い空間のことを言うが、花巻城跡の東御門の場合は、道を直角に2度曲げて、敵が進入し難いようにしている。

発見された主な遺構

今回は花巻城時代の地層まで掘り下げて調査を行ったところ、南御蔵に関係する遺構(建物の痕跡)がみつかりました。

集石遺構(写真4から6)

集石遺構とは、内部に石が多量に入っている穴や、石が集中して検出された地点のことです。調査区の西縁部において、約12メートルの長さにわたり南北方向に直線的に並んで検出されました。この集石の配列方向は、花巻城の絵図面にみられる南御蔵の東壁方向と一致していることから、南御蔵に関係する遺構と考えられ、建物の礎石を安定させるため下に敷かれた「グリ石」(根固め石)である可能性があります。

炭化物・焼土粒分布範囲(写真4)

炭粒や焼土粒が広がっていた範囲です。調査区の北西側で、南北方向に直線的に並んで検出されました。長さは約19メートルで、幅は1から1.5メートルです。一部を掘り下げて調査しましたが、深さは5から10センチメートルでした。方向が集石遺構と並行していることから、南御蔵に関係する遺構と考えられます。

白色粘土分布範囲(写真7)

埋土に白色の粘土の塊を含む遺構です。調査区の南西隅付近で検出されました。遺構は、東―西から鍵状に曲がって南―北に方向を変えます。近世の遺構と考えられますが、詳しい調査を行っていないため性格や時期は不明です。白色粘土が分布する方向は、集石遺構や炭化物・焼土粒分布範囲と同じであることから、関係する遺構とも考えられます。

土坑(写真8)

性格不明の穴で、調査区の南西隅付近で1基検出しました。時期は近世と考えられます。

発見された主な遺物

花巻城時代の遺物は「いぶし瓦」という灰色の屋根瓦の破片2点などがあります。中世の遺物は16世紀末ころの中国産磁器、16世紀末ころの瀬戸美濃の皿、「かわらけ」と(素焼きの土器)が出土しています。全体としては、遺物の出土点数はわずかです。

調査のまとめ

集石遺構は、絵図にみられる南御蔵と方向が一致していることから、南御蔵に関係する遺構と考えられます。盛岡城跡の調査においても、礎石建物の周囲から同様の集石が検出されていて、今回検出された集石遺構は南御蔵の礎石を支えたグリ石(根固め石)の可能性が高いと考えています。

炭化物・焼土粒の分布範囲は、集石遺構と軸方向が同じことから、これも南御蔵に関係する遺構と考えられます。前述のとおり、南御蔵は享保6年に一度火災で焼失した記録があることから、検出された炭化物や焼土がその時の火災に伴うものである可能性も考えられます。

白色粘土分布範囲は、集石遺構、炭化物・焼土粒分布範囲の外側で検出されましたが、この遺構も他の二つの遺構とほぼ軸方向が同じで、やはり南御蔵と関係する遺構の可能性があります。

なお、今回の調査区は東御門の枡形に伴う土塁が存在していた場所でしたが、その痕跡を見つけることはできませんでした。

今回の調査で発見された遺構は、直接新旧関係を判断できる情報が得られなかったことや時期がわかる遺物が伴わなかったことから、遺構相互の関係については不明な点が多くありますが、来年度の調査結果も合わせて検討していきたいと考えております。

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平成28年度花巻城跡内容確認調査_図面・写真(PDF形式:3,119KB)

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