H22年度 花巻市立 南城小学校 校内研究
1 研究主題
自分の考えを持ち、表現する子どもの育成
―国語科・算数科における「書く活動」を取り入れた授業づくりを通して− |
2 研究目的
新学習指導要領の完全実施を目前にひかえた今、これまで以上に『自ら学ぶ意欲』と『主体的に学び続ける力』の育
成 が求められる。しかし、本校児童の実態をみると、学習が受身になりがちで、複雑な思考を要する学習を苦手として
いる。国語科では、これまでどの授業にも必ず「書く活動」を設定してきたものの「文章を書くことが苦手」「何を書いてい
いか分からない」という子どもが見られる。また、算数科では、自分で行った算数的活動を、自分なりの言葉で説明する
ことを苦手とする子どもが多く見られる。これらの要因として、国語科では要約文等「書き方」の具体的方法・読みの力を
育てる「用語」の指導が十分でなかったこと、算数科では、数学的な思考や表現力を育てることを意識した指導が十分で
なかったことが考えられる。
そこで、今年度は、これまで国語科で積み上げてきた読解力を身につけさせる授業を大切にしながら、学習指導要領
改訂の趣旨を生かし、「自分の考えを持ち、表現する子ども」を育てるために、国語科と算数科を2本柱として、「書く活
動」を授業の中に効果的に取り入れていくこととした。
3 研究目標
自分の考えを持ち、表現する子どもを育てる指導のあり方を、国語科・算数科の授業を通して明らかにする。
4 研究の仮説
国語科と算数科の学習指導過程において、一単位時間の中に『自分の考えを持つ場』『自分の考えを表現する場』を
確 保し、を次のような手立てを講ずれば、自分の考えをしっかり持ち、表現する子どもが育つであろう。
1 課題に対して自分の考えをもたせるための手立ての工夫
2 「表現する」ことができる力を高める手立ての工夫
3 振り返りの場の工夫
4 学習を支える日常活動及び学習環境の充実
5 研究の内容
○研究内容
ア課題に対して自分の考えをもたせるための手立ての工夫
@ 課題に対する解決の見通しの求め方
A 自己決定の場の設定
イ「表現する」ことができる力を高める手立ての工夫
@「一人学び」における「書く活動」の工夫
A「まとめ」における「書く活動」の工夫
B 習得したことを活用する場の工夫
ウ振り返りの場の工夫
@ 自己評価のあり方
A 相互評価のあり方
・学習感想
エ学習を支える日常活動及び学習環境の充実
@ 語彙を増やすことを意識した指導
・辞書引き
・使えるようにしたい言葉の指導
A 学習時の音読の充実
B 家庭での音読の奨励
C 読解力向上のためのドリル学習の活用
D 学習コーナーの設置
6 研究の方法
(1)研究方法
ア 授業研究(研究仮説に基づく授業実践)
イ 理論研究(先進校や文献を基にした研究)
ウ 実態調査(意識調査)
(2)検証方法
ア 子どもの活動の様子やテストにより、変容を把握する
イ 子どもの意識調査を行い、変容を把握する
7 研究組織の構成・内容
(1)研究推進委員会
・校長、副校長、教務主任、学年主任によって構成し、研究推進について話し合いを行う。
・研究推進に係わる企画、立案
・国語・算数部会との連携、調整
・研究推進委員会は、必要に応じて随時行う。
(2)研究部
・研究計画の立案とその推進(研究会の実施、先進校視察校外研修)
・研究推進委員会の進行
・授業記録の作成
(3)全体研究会
・研究にかかわる共通理解
・授業研究の交流検討
(4)国語・算数部会
・国語部会と算数部会の2部会とし、具体的な研究実践を行う。
8 研究の基本的な考え方
主題「自分の考えを持ち、表現する子ども」について
「自分の考えを持つ」とは、
○考え:筋道を立てて、あれこれと頭を働かせた内容のこと
<国語科において>(説明文)
・発問に対する考えを持つ
・言葉や文を分析して、必要な情報とそうでないものを取捨選択しながら自分の考えを持つこと
<算数科において>
・既習を基に見通しを持つこと
・見通しを元に一人学びにおいて、自分なりの考えを持つことととらえていく。
※自分の考えを持つために国語科においては教材文を、算数科においては問題文を読ませること(音読)が大事となる。
「表現する」とは、
○問題を解決する時に、自分の考えをノートにまとめる「書く活動」とおさえる。
<国語科において>
・課題に対する自分の考えを書くこと
・吹き出しに気持ちを想像して書くこと
・学習
<算数科において>
課題解決のための自分の考えを書くこと
・自分の考えをノートにまとめること(相手にわかりやすく説明すること)
「書く活動を取り入れた授業づくりについて」
「書く活動」とは
「読むこと」の読解学習において、文章から読み取ったことや、文・言葉をもとにしながら考えたことをノートや補助プ
リントなどに書く活動ととらえる。算数科においては、課題に対しての自分の考えを整理して書く活動ととらえる。「書く
活動」は 、個人差も生じる活動なので、主に「一人学び」「学習のまとめ」に位置づける。「書く活動」のねらいを活か
していくために、指導過程の中に位置づけ、日常的に実践されることが大切である。
<ねらい>@問題意識を持たせる。A自分の考えをまとめさせるB筋道を立てて考えさせる。C学習に集中させる。
D学習を定着させる。
9 研究の具体的内容
( 1 )「自分の考えを持たせるための手立て」の指導について
ア 解決の見通しの持たせ方
見通し @どうやって解こう Aあれを使おうかなB答えはどれくらいかな
見通しを持たせた一人学び @自分なり考えを持つ活動 A既習事項を使って課題解決を図ろうとする活動
見通しを持たせることは、考えることの意欲を高め、充実した成果をあげていくために大切である。見通しをもつ
ことが不十分であると、途中で投げ出したり、取り組みさえも始められなかったり、ということになってしまう。
そこで、問題把握・課題把握のところで以前似たような問題を学習したことはないか、既習内容を想起させるこ
とが大事になってくる。課題に対して見通しを持てた子供は、たとえ途中でうまくいかなくても修正を繰り返して進ん
でいけると考えられる。読み取りの視点や解決方法を明確にして、自信を持って一人学びができるようにする。こ
れによって、児童が主体的に自分の考えを持つことができ、意欲的に交流し学習内容を深めていくことができると
思われる。そこで、既習内容を想起させるような問題の提示、発問、掲示などを工夫する必要が大事になってくる。
イ 自己決定の場の設定
学級の子供たちの名前をカードに記したものを板書に位置づけて、子どもたちの授業への参加度を高めていく。
そして、授業中の個々の反応、解決状況、集団の反応をとらえていくものとする。
@ 見通しの場面で A 学びあいの場面で
※少人数であれば黒板を使って自己決定をさせることが可能であるが、人数が多い場合は難しい。
(2)「表現する」ことができる力を高める手立てについて
○一人学びをする習慣を身につけさせ、自力解決する喜びや充実感を持たせたい。
ア 「一人学び」における書く活動
<国語科において>
■課題に対する自分なりの考えを整理していく活動を「一人学び」ととらえ、ひとりひとりが語句や文に着目して、自
分で文章の内容を読み取るために「書く活動」を取り入れる。
<算数科において>
■問題を解決する時に、言葉(文章)や操作・図・表などを駆使して自分のノートにまとめる活動ととらえる。国語科
で習得した順序をあらわすことば(まず・次に・最後)等を使いながら自分の考えを整理していくことを大事にしてい
く。
☆相手に分かるように書かせることも大切である。
イ 「まとめ」における書く活動
■課題に対するまとめ・学び合いによって深まった考えを加えて書く活動ととらえる。まとめにおける「書く活動」を
積極的に取り入れていく。これにより、自分の学習の成果をとらえることができると考える。また、授業者も児
童の読みがより確かなものになったか、どのように読みが変容したかが分かり、支援をする際の重要な資料と
なる。
ウ 読み取ったこと(習得)を活用する場の工夫
■昨年度まで校内研究で取り組んできた習得型の学習で得た力(読み取った力)の定着を図るために、本年度
は活用型の学習を重要視していくこととする。これは、昨年度までの学習のゴールの時間を充実させるための
もので、説明的文章において様々な用語・取り組ませ方の具体的方法を指導していくことが最も大事である。
・サイドラインを引く・言葉や文を書き抜く
・絵や図で表す・書き込みをする
・表にまとめる・小見出しをつくる
・要点をまとめる・構成図を作る
・要旨をまとめる・視写をする
・問題文を書く(書かせることによってスタート時の集中度が変わる)
・自分の考えを書く
・友達の考えや自分の考えを整理して書く
(3)振り返り場の工夫
○授業中の自分の取り組みや考えのよさに気づき、学習の成果を自分で確認できるようにする。また、「次の時間はこ
んなことをがんばろう」という次の意欲につなげる場となればよい。
・その単元の時間を通してどんな力を育て伸ばしたいのかを明確にし、基準となる観点を明らかにする必要がある。
そして、児童に具体的自己評価・相互評価の観点や内容を示しておく必要がある。自己の学習を振り替えさせる場
とする。
ア 自己評価のねらい・・・学習内容・確認・自己評価力をつけることをねらいとする。
イ 学習感想・・・授業の終わりに「学習感想」を書く場を設け、一人ひとりが授業中の自分の取り組みや考えのよさ
に気づき、学習の成果を自分で確認できるようにする。
(4)日常活動及び学習環境の充実ア語彙を増やすことを意識した指導(辞書引き・使えるようにしたい言葉の指導)
@ 辞書引き・・・児童には手元に辞書を置くようにして、言葉の意味を調べたいときにすぐ調べられるようにさせた
い。辞書を活用した意味調べなどを重ねることで言葉への感性を育てたいと思う。
A 使えるようにしたい言葉の指導・・・読書後の感想を書く場面や、授業の書く振り返りの活動で、「使えるようにしたい
言葉の指導」カードを活用し、語彙を増やしていく。
イ 音読の充実
○音読は、すらすらと文章を読ませるための学習である。音読の形態と効果を認識し、何がどう書かれているか
読み取る力をつける。そのために音読を全身で言葉を認識するための訓練ととらえ、音量・口形、抑揚等の技
術的なスキルアップを図る。音読は国語の学習について大変重要で、音読の基礎は説明文で養われるともい
われる。
@ 学習時の音読
■学習時の音読は課題を解決するための音読であり、視点を明確にした、音読をさせたい。
・今日の学習で分かったこと・大事だと思ったこと ・参考になった友達の考え・よくわからなかったこと
・もっと考えたいこと、やりたいこと ・今日の自分にほめたいこと
(5)日常活動及び学習環境の充実
ア 語彙を増やすことを意識した指導(辞書引き・使えるようにしたい言葉の指導)
@ 辞書引き・・・児童には手元に辞書を置くようにして、言葉の意味を調べたいときにすぐ調べられるようにさせたい。
辞書を活用した意味調べなどを重ねることで言葉への感性を育てたいと思う。
A 使えるようにしたい言葉の指導・・・読書後の感想を書く場面や、授業の書く振り返りの活動で、「使えるようにしたい
言葉の指導」カードを活用し、語彙を増やしていく。
イ 音読の充実
○音読は、すらすらと文章を読ませるための学習である。音読の形態と効果を認識し、何がどう書かれているか読み
取る力をつける。そのために音読を全身で言葉を認識するための訓練ととらえ、音量・口形、抑揚等の技術的なス
キルアップを図る。音読は国語の学習について大変重要で、音読の基礎は説明文で養われるともいわれる。
@ 学習時の音読
■学習時の音読は課題を解決するための音読であり、視点を明確にした、音読をさせたい。
・一斉読み ・一人読み ・追い読み ・句読点、一文読み ・役割読み ・テレパシー読み ・音読対話
A 家庭音読
■音読を家庭学習に位置づけ、全校で取り組んでいく。学年の実態に応じて、音読カード等を活用する。
ウ ドリル学習の活用
<国語科>
■読解力を向上させるには、言語力向上が欠かせない。本校で用意している次の4つのドリルの中から、子ども達
の実態に応じながら、授業中・宿題として積極的に取り組んでいく。特にも今年度は、「くもん小学校ドリル」を朝
学習時に使用する。
<算数科>
■算数科のドリルは、国語同様授業中、宿題として取り組ませていく。今年度は「赤ねこ計算スキル」を全校で取り
組むこととし、授業の中で使用する。朝学習で使用できそうなプリントを学年ごとの棚にストックして、上学年が下
学年のプリントも使用できるようにしながら、基礎基本の定着を図っていく。
◎あかねこ計算スキル(授業の中で)
・基本、発展プリント(朝学習で) ・観点別到達プリント集 ・マンガで分かる算数プリント
・くり返し練習算数プリント
エ 学習コーナーの設置
■学習コーナーには、単元に入るまでの、または単元に入ってから習得した事項を児童の目に触れることができる
よう掲示し、短時間で課題解決の見通しが図れるようにする。
・一斉読み ・一人読み ・追い読み・句読点、一文読み ・役割読み・テレパシー読み
・音読対話 ・まるごと読解力◎くもんの小学校ドリル(朝学習で)
・国語の基本 ・豊かな読解力がつく国語のプリント)
平成22年度の校内研究計画(PDFファイル)