暖房器具編
暖房器具の火災事例
- カートリッジ式給油タンクのキャップの不十分な締め方による火災
- 使用中給油(火を消さずに給油)による火災
- ガソリンの誤給油による事故
- 周辺可燃物(布団、カーテン、スプレー缶等)による火災
- 消し忘れ(火を消さずに外出や就寝)による火災
暖房器具に代表される、石油ストーブはテレビと並び一般家庭での普及率が高い製品です。
最近は、強制対流式のファンヒータや、FF式温風ファンヒータが普及していますが、石油ストーブ(しん式ストーブ)は電気を必要としないことから、災害対策用品としても注目されています。特に平成7年の阪神淡路大震災では活躍した災害対策用品の一つです。
一方、「石油ストーブ類」は燃焼器具であることから、火災のほか、使い方によっては重篤な事故につながることが少なくありません。
使用時の注意事項は家の中での事故防止をごらんください。
カートリッジ式給油タンクのキャップの不十分な締め方による火災
ストーブに給油するため、消火ボタンを足で押して火を消してから給油タンクを抜いたところ、不十分な締め方により緩んでいた給油タンクのキャップが脱落し、こぼれた灯油がストーブ天板上に落下して残炎に引火し出火した。
対策
灯油キャップがなかなか締まらない場合は斜めに締めていないか確認し、カートリッジ式タンク給油後はいったんキャップを下向きにし、灯油漏れがないか確認したあとストーブまで運ぶように習慣づけましょう。
また、カートリッジ式給油タンクを引き抜くときは、消火したことを確認してから取り出しましょう。
使用中給油(火を消さずに給油)による火災
石油ストーブの火を消さずに、カートリッジ式給油タンクに給油しタンク室に入れようとしたところ、タンクのキャップが外れ灯油が漏れ出し、ストーブ周辺が一挙に燃え上がった。
対策
給油時には、必ず消火し、火が消えたのを確認してから、給油しましょう。
また、カートリッジ式給油タンクは、キャップが確実に締まっていることを確認してから、タンク室に入れましょう。
高齢者や女性で、キャップを締め付ける力が無いときはホームセンター等で、締め付けを補助する部品が売られています。ホームセンターや灯油販売店に相談してみてください。
ガソリンの誤給油による事故
石油ファンヒーターの燃料補給の際に、ガソリンの入ったポリタンクを灯油のポリタンクと間違えて給油。石油ファンヒーター自体が、燃え上がっていた。
<参考>
ガソリンを誤給油するケースは、こうしたガソリンと気がつかず給油する例の他に、使い方の分からない外国人(英語では灯油のことをケロシンと言い、石油=ガソリンと誤解している場合がある)が給油するケースなどがあります。
対策
灯油は無色透明で、ガソリンには赤い色が付いています。給油の際に、灯油の色を確認するようにしましょう。もし、ガソリンを給油したことに気がついた時は、それまで正常に燃焼していても即座に使用を中止しましょう。また、ポリタンクには内容物を表記しておき、何が入っているのか確認しやすくしておきましょう。
なお、10リットル以上のガソリンを保管する時は、法令で定められた専用の容器に保管することが必要です。ガソリンはポリタンクに保管してはいけません。
下記ファイルをご覧ください。
周辺可燃物(布団、カーテン、スプレー缶等)による火災
- 石油ファンヒーターが突然爆発して、部屋が炎に包まれた。
- 石油ファンヒーターの上に、洗濯物をつるして乾かしていたところ、洗濯物が落下し熱風により落下物が燃えた。
- 石油ストーブを部屋の片隅に置いていたところ、近くにあったカーテンに燃え移った。
対策
ストーブやファンヒーターの近くでは、スプレー缶等の可燃物を置かないようにしましょう。ストーブやファンヒーターの近くに洗濯物を干すのも止めましょう。
また、機器の設置場所は、壁等からできるだけ離し、カーテンの近くは避けましょう。
火災予防条例では、ストーブを使用する場合は周辺の壁等から一定の距離を保って使用するよう、基準が定められています。
石油ストーブの種類 | 上方 | 側方 | 前方 | 後方 |
---|---|---|---|---|
移動式ストーブ放射式 | 1メートル以上 | 50センチメートル以上 | 1メートル以上 | 20センチメートル以上 |
移動式ストーブ対流式 | 1メートル以上 | 50センチメートル以上 | 50センチメートル以上 | 50センチメートル以上 |
移動式ファンヒータ | 1メートル以上 | 15センチメートル以上 | 1メートル以上 | 15センチメートル以上 |
温風暖房機(FF式) | 60センチメートル以上 | 10センチメートル以上 | 1メートル以上 | 10センチメートル以上 |
消し忘れ(火を消さずに外出や就寝)による火災
石油ストーブを使用したまま消火せずに外出してしまい、留守中に火災が発生して家を全焼した。
<参考>
石油ファンヒーターには、「消し忘れ消火装置」が安全装置として付いていて、燃焼開始から3時間以内に自動的に消火される構造になっています。この消し忘れ消火装置は、昭和58年に就寝中の死亡事故があったことから開発され、昭和62年より業界が自主的に取り付けていましたが、平成8年よりJISに規定されました。
安全装置が付いているからといって過信し、機器を消火しないで外出するのは危険です。留守の間に、取り返しのつかないことになりかねません。
対策
外出や就寝の際は、必ず消火するように習慣づけましょう。また、機器の近くに洗濯物を干すのは火災の原因となり危険ですので、絶対に止めましょう。
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