市長演述 令和3年第1回(令和3年3月議会)

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ページ番号1013808  更新日 令和3年2月26日

本日、令和3年第1回花巻市議会定例会が開催されるにあたり、令和3年度の市政運営に臨む所信の一端を申し述べさせていただきます。

はじめに

はじめに、新型コロナウイルス感染症対応についてお話しさせていただきます。

新型コロナウイルス感染症対応

感染拡大を防ぐ

昨年1月、国内で初めて新型コロナウイルス感染症の感染が確認されて以来、当市も新型コロナウイルス感染症の対応に注力してまいりました。この間、市民の皆様には、感染予防のため、行事・イベントの中止や公共施設の利用制限へのご協力や、常時マスクの着用などの対策を取っていただいておりますことに感謝申し上げます。

これまでに市内で32人の感染が確認されておりますが、岩手県保健福祉部及び中部保健所等と連携を密にし、県の積極的疫学調査の方針に基づき、濃厚接触者、接触者の追跡調査を行うなど感染拡大の防止に努めているところであります。

こうしたなか、日本国内においても、今月下旬から県外の国立病院等の医療関係者に対するワクチン接種が始まっており、市内の医療従事者等に対するワクチン接種も花巻市医師会及び医療機関と調整し、3月下旬から実施する予定となっております。

また、国は2月24日に高齢者用ワクチンの接種を4月12日から開始するとの首相コメントを発表しましたが、現時点において接種を所管する厚生労働省からワクチンの供給スケジュールや接種開始日は明確に示されておらないところであります。

当市では、2月1日付けで健康福祉部内に「新型コロナウイルス感染症ワクチン接種対策室」を設置し、現在職員12名体制で市民へのワクチン接種の準備を進めています。実際にワクチン接種が始まった場合には、さらに多くの職員の投入を見込んでいます。

高齢者等の接種に使用されるファイザー社製のワクチンは零下60度から90度で保管する必要がありますが、そのための冷凍保管庫は国から当市に対して6台支給される予定であり、2月10日に1台支給され、総合花巻病院に設置されました。

ファイザー社製のワクチン接種にあたっては、ワクチンを解凍後、速やかに接種する必要があるため、面積の広い当市においては、集団接種を中心とした接種とすることを予定しておりますが、花巻、大迫、石鳥谷、東和それぞれの地域における集団接種の会場設定をするとともに、接種券送付に向けた健康管理業務システムの改修、高齢者等の輸送手段の確保と輸送手段のスムーズな手配に必要なシステムの開発、接種券の印刷発送準備などを進めております。

なお、市民からの相談や集団接種の予約を受け付けるコールセンターについては2月17日に委託先と契約を締結したところであり、3月中旬頃に開設する準備を進めているところです。

ワクチン接種の準備については、今後も岩手県保健福祉部、中部保健所のご指導を得ながら、花巻市医師会、総合花巻病院などの医療機関の協力を得て、関係機関との協議・準備を続けていますが、速やかに市民へワクチン接種ができるよう準備を進め、多くの市民の皆様にワクチン接種を受けていただくよう周知に努めてまいります。

新型コロナウイルス感染症対応 市民の暮らし・経済対策

当市においては、感染予防のため、そして感染拡大の影響を受けている市民、事業者に対する支援を行うため、数度にわたる令和2年度補正予算を計上してきたところであります。

しかしながら、感染症の影響は、本年4月以降も継続すると考えざるを得ないところから、令和3年度当初予算案においてはワクチン接種に必要な経費も含めて、総額9億2,253万円の新型コロナウイルス感染症対策予算を計上しております。

市民の生命と生活を守る

感染拡大防止に向けて、振興センターや学校、スポーツ施設、文化施設などの公共施設について、市民の皆様が安全・安心して利用できるよう非接触型体温計等による体温測定や消毒などの感染症予防対策を徹底するとともに、振興センターの換気設備のない居室への換気扇設置や市内の公園トイレの水洗・洋式化の推進などの感染予防対策を強化・継続してまいります。

感染拡大に伴う休業等により収入が減少した世帯で、緊急小口資金などの生活福祉資金の特例貸付を受けた方へ、借入額の40パーセントを支援する「はなまき暮らしの継続応援事業」も継続して実施してまいります。

事業と雇用の持続化

市内事業者の事業継続や雇用維持に向けた取組といたしましては、感染拡大により売上が減少した事業者に対し、店舗の地代・家賃の2分の1を支援する家賃補助事業を令和3年度も継続するほか、資金繰り支援策といたしまして、県の制度融資へ保証料と利子の一部を補給する制度を3月1日から実施いたします。

国の雇用調整助成金の助成率が10分の10とならない事業者への上乗せ補助を行う「花巻市雇用安定助成金事業」、感染拡大により職を失った方や廃業された方などを正規雇用した事業所への「離職者等正規雇用促進奨励金事業」を継続して実施してまいります。

地場の市内事業者の事業継続と売上確保を目的とした「PayPay」を活用したポイント還元キャンペーンにつきましては、支援策として非常に大きな効果を発揮しておりますことから、令和3年度におきましても第3弾のキャンペーンを実施してまいります。

市内温泉施設や関係事業者の支援を行うための「温泉宿泊施設等利用促進事業」につきましても、宿泊者数等の推移及び国のGoToトラベルの実施状況、県の支援の有無、昨日の県議会における知事の発言によりますと、県は温泉宿泊費の3,000円の割引は継続しないという発言をされておりますけれども、それらも勘案しながら、令和3年度においても引き続き実施してまいります。

飲食業、自動車運転代行業については、12月に補正予算の議決をいただき交付手続きを行っていた30万円に加えて、4月以降の事業継続を支援するために、2月12日には20万円を追加交付する補正予算を議決いただき、合計50万円の交付を進めているところであります。

「PayPay」につきましては、1億5千万円ほどの予算をお認めいただいているところですが、現時点においては、3月末には予算額を超える見込みであり、大変好評に推移しているところです。

飲食業以外の業種の多くは、「PayPay」を活用したポイント還元キャンペーンにより売り上げを一定程度確保している事業者が多いと捉えておりますが、このような業種の一部からもさらなる支援の要請もいただいているところであります。県は2月25日に飲食業、小売業、サービス業、宿泊業など、具体的な業種はこれから検討するとしておりますが、その業種に対する支援策を公表したところでありますが、市としては、独自の施策・支援を行っている業種を除き、県の支援対象となる業種の事業者に対しても支援の必要性に応じて、市の上乗せ補助を検討しております。

本年度実施いたしました「花巻牛銘柄確立緊急対策補助金」や「肉用牛肥育経営安定緊急対策補助金」につきましても、引き続き実施してまいります。

財源及び補正予算の可能性について

令和3年度当初予算に計上するこれらの新型コロナウイルス感染症対策事業については、国の新型コロナウイルスワクチン接種対策費負担金や、令和2年度の国の第3次補正分として配分を受けた新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金6億616万5千円を主な財源として実施します。

しかしながら、当市としては、国や県の支援状況も見ながら、必要な場合には令和3年度補正予算を計上し、市民の命と生活を守り、事業者の事業継続を支援する必要があると考えております。

当市は、このための財源として国が早い時期に国の令和3年度予算の予備費または補正予算により、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の交付額を示すことについて、国に対して要望しており、また、当市の提案によって県市長会の要望項目に、この要望を入れていただくことが決定したところであります。

必要な場合には、当市の財政調整基金を取り崩すことも視野に入れる必要があると考えております。

市の人口動態について

市の住民基本台帳を基に集計した「住民登録人口集計表」による人口の推移は、令和2年末において、94,431人であり、前年比797人の減少。また、令和元年末は前年比755人の減少、平成30年末は前年比1,039人の減少となっております。

その内、転入から転出を差し引く社会増減について、総務省の「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数調査」によると、平成26年には297人の社会減であったところであり、その後も同様の傾向で推移していたところですが、平成30年は92人の減少、令和元年は147人の増加、令和2年については、市の住民基本台帳の速報値で見てみると、122人の増加となっております。当市において、令和元年から社会増に転じていることは大きな転換期と認識しております。

令和元年には、147人の社会増のうち、三重県から100人ほどの転入があったことから北上市への新規工場立地が大きな要素となったと捉えているところでありますが、それを除いても社会増となっているところであり、令和2年においても、そのような特殊要因による影響がほとんどみられないなかにあっても、122名の社会増となっています。

一方、出生から死亡を差し引いた自然増減については、平成29年で855人の減少、平成30年で935人の減少、令和元年で912人の減少と、自然減が増加の傾向にあります。65歳以上とされる高齢者人口のピークはすでに過ぎたと見込まれますが、75歳以上の後期高齢者数は今後も増加します。

当市の「合計特殊出生率」は平成28年に1.38、平成29年に1.47、平成30年に1.41と大きな変化がないなか、出生数については平成29年に608人、平成30年に570人、令和元年に507人と減少しております。この要因として、15歳から49歳の女性人口は、平成24年の17,886人から平成30年は16,231人と1,655人の減少となっていることが上げられます。特に20代・30代の女性人口の減少が大きくなっており、女性人口の減少が出生数の減少に直結しており、この傾向は今後も続く可能性が高いものと考えられます。

これらのことから、自然減は今後しばらく増加する可能性が高いものと考えられます。

社会増減の原因となる県外・県内の転出入の状況を見てみると、特に18歳から24歳の関東地方への転出超過が多く、令和元年度は173人の転出超過となっており、これは近年同様の傾向であり、進学や就職を契機に都市部へ転出していることがうかがえます。

一方、30代・40代を見てみると、県外・県内とも転出に比べて転入が増加傾向であり、特に県内においては、これまで転出超過となっておりました盛岡市を含む県央エリア、北上市・一関市を含む県南エリアにおいても、ここ数年では転入超過の傾向となってきております。これら30代・40代の転入超過に合わせ、14歳以下の人口も転入超過の傾向となっていることから、子育て世帯の転入が増えているものと推測されます。

このことにより、市がこれまで取り組んでまいりました子育て世帯、空き家バンク利用者や新規就農者への移住・定住支援であります「定住促進住宅取得等補助金」、あるいは、市街地や親の居住地区への住宅取得について支援する「子育て世帯住宅取得奨励金」などの住宅取得支援や高校生までの現物給付による医療費助成、第3子以降の保育料の対象拡充、産後ケア、産前・産後サポート、保育所の整備、保育士等確保対策、妊産婦交通費支援など、子どもを産み育てやすい体制づくりを進めてきたことにより、子育て世帯を中心とした若い世代に当市が居住地として選ばれ、結果として市内への転入が増加している要因となっているものと考えられます。

優良な住環境の整備

若い世代を転入により増やすことは社会増につながるだけではなく、女性人口の増加、出生数の増加につながり、結果的に自然減に一定の歯止めをかける効果もあります。

したがって、今後も子育て世帯の移住・定住を受け入れる施策をより推進するとともに、子育て世帯に魅力のあるまちづくりを行っていく必要があると考えます。

一方、当市は近隣市町に見られるような子育て世帯に魅力のある民間分譲集合住宅整備の動きは、残念ながら、見られない状況であります。

全国的に見ても民間開発業者は駅に近い分譲集合住宅の開発を優先する傾向がありますが、花巻駅は北上駅、一関駅などと異なり在来線のみの駅であり、その点で魅力に乏しいこと、花巻駅の東側は坂が多く分譲集合住宅の適地に乏しいこと、また西口は独立した生活圏となっており、花巻駅を利用した通勤等の利便性に欠けること、などの要因があると考えられます。

このことから、当市においては、このままでは民間分譲集合住宅の建設が急速に進展する状況にはないと考えられます。

そこで、子育て世帯にとっても魅力的な住宅の供給を視野に、花巻地域・石鳥谷地域の居住誘導区域、花南地区等の一部用途地域、大迫地区・東和地区の生活サービス拠点を対象として、優良な戸建て宅地開発に対する補助制度を創設いたします。

また、当市の空き家バンクを利用して成約した方は平成28年度から129件と空家の利用も促進されているところですが、今回新たに1年以上使用されていない空家・空き店舗等を対象に、同じ場所に家屋、店舗等を新築することを条件とした空家の解体費補助を新設いたします。

令和3年度のその他の主要施策

令和3年度のその他の主要施策につきまして、項目ごとにご説明いたします。

新花巻図書館

市では、これまでの市議会、市民の皆様からの意見、ワークショップ、令和2年12月の新花巻図書館整備特別委員会の報告を踏まえ、新花巻図書館について、これまで検討してきた経過とその概要、整備候補地の検討状況、ワークショップの開催結果をご説明し、市民との意見交換を行う、意見交換会をオンラインで1月28日、31日、2月6日の3回開催しました。

市民との意見交換は、新型コロナウイルスの感染拡大状況を踏まえ、昨年11月末から12月にかけて行う予定を延期し、まずはオンラインで開催することとしたものであります。

オンラインによる市民との意見交換会は、参加者が多いことを想定し、市から毎回同じ説明をすることを前提に3回開催し、それぞれ別の方に参加していただき広く意見をいただくことを期待したところでありますが、実際には、報道機関を含めて延べ36名、そのうち3回とも参加された方が6名、2回参加された方が2名、1回のみの参加された方が9名であり、報道関係者を除いた実人数は3回で合計17名にとどまったところであり、その中で3回すべてに参加された方に毎回多く意見をいただいたところです。

この意見交換の中では、図書館建設へのご意見として、賢治ゆかりの地として独自性を出し、もっと理念を議論するべきではないか、と言った意見がある一方、理念は平成29年8月に策定した「新花巻図書館整備基本構想」で既に示されており、気軽に広く市民が利用できるような施設にして欲しいと言った意見もあったところであります。

また、コロナ禍における新しい生活様式に沿った形での図書館のあり方について議論すべきではないか、図書館建設についての場所の議論だけ行われているように感じるが、図書館本体のサービスや図書の選書に関することについて議論が必要ではないか、保健センターやこどもセンターと連動して、子育て世代から意見を聞くなど、広く意見を聞く方法が必要ではないかなどのご意見をいただいたところであります。

場所についてのご意見としては、まなび学園周辺の中で総合花巻病院跡地が良い、との意見と、駅前が良いという意見が、それぞれ複数あったところでありますが、ワークショップにおいて、新興製作所跡地が良いと述べた方が、今回の意見交換会でも新興製作所跡地が良いとの意見を述べられたところでもあります。なお、人を集めるための複合的な施設や設備も検討すべきではないかなどのご意見もありました。

オンラインでの意見交換会に参加した方の実人数が3回で合計17名にとどまり、図書館利用者として期待する若い方々を含む幅広い層の一般の市民の参加が少なかったことから、市民との意見交換の場は今後別の手法で行うことも検討する必要があると考えているところであります。

新花巻図書館整備基本計画では、図書館のサービスの内容や種類、利用対象者別のサービス内容、開館時間や貸出し点数、蔵書資料の概要及びその選定、施設の規模や設備の概要など、今回の意見交換会でご指摘をいただいた事項も含めて定める必要がありますが、現在、富士大学の早川教授にご助言をいただきながら、基本計画の試案を作成しているところであり、それについて今回の意見交換会とは別の形で市民の意見を聞く機会も設定したいと考えているところであります。

子育て支援

妊娠40週を超えた妊婦の方で必要と認められた場合に従来の14回に加え1回分を、多胎妊娠された妊婦の方については新たに5回分の妊婦健康診査費用の一部を助成するとともに、退院直後の母子に対する心身のケア等を行う産後ケア事業について、これまでの週3回の開設に加え、新たに月2回拡充し、健やかな妊娠・出産を迎えることができるよう出産・乳児生育環境の充実を図ってまいります。

また、不妊に悩む方への経済的負担軽減のため助成額や回数を増やすほか、支援対象者について所得制限の撤廃、事実婚関係にある方や男性治療者も新たに対象とするなど事業の見直し・拡充を図ってまいります。

保育環境の充実

保育環境につきましては、施設数は充足したものの、保育士不足が依然課題となっておりますことから、市内私立保育園等の保育士等に対する再就職支援金貸付や保育料の減免・補助、日本学生支援機構奨学金等を対象とした奨学金返済支援補助に継続して取り組むとともに、市内の私立保育園などのAED整備について、引き続き市独自の支援を行いますほか、門扉、フェンス等外構の整備を推進します。

学童クラブにつきましては、施設の耐震上危険なことから、現在仮移転中の花巻学童クラブについて、ひまわり学童クラブと統合し、若葉学童クラブとして若葉小学校敷地内に整備を行ってまいります。

就学支援

経済的理由により児童生徒を就学させることが困難な保護者等に対し、就学に要する費用の一部を援助する「就学援助事業」を継続してまいります。

「はなまき夢応援奨学金」受給者につきましては、日本学生支援機構の給付奨学金に採択された方を新たに対象に追加するとともに、その奨学金との併用を可能とする制度改正を本年2月に行いました。「はなまき夢応援奨学金」の受給者は卒業後当市に在住する期間の返還を免除される制度であり、仮に返済期間(10年から15年)の全期間を当市に在住する場合には返還が全額免除されることとなります。日本学生支援機構の給付奨学金との併用により、例えば月額9万円の奨学金を受けることも可能となります。

大迫高校の生徒の確保につきましては、本年度の応募者が18名にとどまっており大変な状況となっているところですが、「地域みらい留学」の制度を活用し、大迫高校を全国に発信するとともに、大迫地域外からの通学者に対する通学費補助の実施を継続してまいります。県の教育委員会の方針では、大迫高校の存続は地元の生徒の高校進学の機会を確保するために存続することを決めたものですが、入学者が2年連続で20名以下となった場合、翌年から新たな生徒募集は行わないものであります。市としては教育委員会と共に存続のためにできることはすべて行うとの考えであり、地域の方々にも改めて大迫高校の魅力向上、そして地域の中学生の大迫高校への進学促進に、ご協力いただきたいと存じます。

着実な継続事業の進捗

道の駅「石鳥谷」整備につきましては、南部杜氏伝承館、酒匠館、りんどう亭大食堂の改修を継続し施設再編を着実に進めるほか、広場の整備工事に着手し、令和4年度に駐車場の整備を行う予定としております。
また、「まちの駅いしどりや酒蔵交流館」につきましては、耐震性の問題で令和2年4月から休館としておりますが、現行施設を解体し、代替施設の整備を進めてまいります。

花巻パーキングエリアへのスマートインターチェンジ整備については、令和3年度についても用地買収を進めるとともに、埋蔵文化財調査や一部工事に着手します。

山の神諏訪線や寺林線等の幹線道路整備や上町成田線等の南城小学校付近における歩道設置を進めるとともに、城内大通り一丁目線については、幸橋を利用した歩道の整備について、住民の皆様への説明を行います。

花巻駅東西自由通路整備及び駅の半橋上化については、令和2年5月から12月にかけて、市民や関係団体等を対象とした説明会において、多くの意見・要望が寄せられました。これを受け、令和3年度において、このような市民の意見・要望等を事業に反映することが可能か検討するため、平成30年度に報告された「東北本線花巻駅周辺整備基本計画調査」における概略的な設計内容や概算事業費等について、コストの削減も含めて見直すための追加調査などに要する費用を令和3年度当初予算案に計上しております。

情報通信環境の充実については、国の高度無線環境整備推進事業を活用しながら、令和3年度中の事業完了に向け、民間通信事業者を事業主体として進めており、市内の大迫・東和地域を含めて光ファイバーの利用エリアが拡大いたします。

企業誘致の推進につきましては、市内の産業団地全体の分譲率が95.1パーセントとなっており、未分譲地へのすでにいただいている引き合いも考慮しますと、新たな企業の進出希望があっても要望にお応えできない状態となっております。そのため、(仮称)花巻PAスマートインターチェンジ整備と連動し、花南地区における産業団地整備を検討しており、令和3年度は基本設計及び測量調査等を行うこととしております。

なお、産業団地候補地に農業振興地域内における農用地区域が含まれる場合は、農林水産省のガイドライン等に基づき進出を希望する企業の具体的な進出計画がなければ農用地区域からの除外が認められないこととなっておりますので、引き続き産業団地候補地として企業に紹介し、具体的な計画の策定に向けた働きかけを行っているところであります。

その他、既存の団地への立地に興味を示している企業については、新型コロナウイルス感染症により経済動向が不透明であることから立地検討が進まない状況でありましたが、「キオクシア岩手株式会社」が2棟目建設に向けた用地買収を発表し、市場動向を見ながら早期建設を目指すと報道されるなど変化も出てきているところから、岩手県や関係機関との情報交換や連携を進め立地に興味を示している企業に働きかけるとともに、すでに市内に立地いただいている企業への定期的な訪問などを含めた、あるいは開発業者との協議などを含めた企業動向の情報収集に努め、新規立地につながるよう取り組んでまいります。

花巻市立地適正化計画については、昨年6月、都市再生特別措置法が改正され、国の立地適正化計画制度において、居住誘導区域内の浸水想定区域における避難計画など含む防災対策・安全確保対策を示した「防災指針」の記載が義務づけられたことから、当市においても関連する地域防災計画並びに花巻市国土強靭化地域計画と整合を図りながら「防災指針」を作成します。

公共交通の確保

旧4市町の中心地を結ぶ基幹公共バス路線の維持を図るとともに、各民間事業者による支線バス路線の維持が困難となった場合は、予約乗合バスの導入を図ってまいりました。当市は、市内のバス路線を運行するバス事業者と情報交換を行ってきたところであります一方、県内のバス路線確保のためには県と市町村が一体となって必要な支援を行う必要があるとの提言を県に対して行ってまいりましたが、今のところ、県からはそのような動きはありません。

新型コロナウイルス感染症の影響によりバス事業者の経営はさらに難しい状況となっております。これについては私も直接、経営者の方から聞いているところであります。その中で、市内バス路線が近々廃止するとの情報はないところですが、一部路線については便数を減らす動きがでてきているところであります。

利用者が特に少ない時間帯のバス便は市から補助金をしても減便せざるを得ない、補助金があったとしても維持できないということをバス事業からは伺っているところでありますが、市としては減便を最低限のものにとどめ、利用者への影響の少ない時間帯にすべきと考えているところであり、市民に対しての説明が必要だということで、今後市民へ減便の計画を出来るだけ早い時期に公表することをお願いしているところであり、近々、そのような説明会が設定されるものと認識しているところです。

また、路線バス利用者の多いイトーヨーカドーバスターミナル内については、利用者のために風雨を避けるための待合所を新設整備いたします。

高齢者への通院支援を継続し、令和3年度からは新たに重度障がい者の通院時のタクシー利用料金の助成を行ってまいります。そのような要望を受け、それに基づき、そのような助成を行います。

防災危機管理体制の強化

防災危機管理体制については、昨年9月に新型コロナウイルス感染症対策を含む「花巻市指定緊急避難場所運営マニュアル」の作成と「花巻市指定避難所運営マニュアル」を改定したところであり、感染症対策のために必要な衛生用品や段ボールベッド等の備蓄・配備をさらに進めてまいります。

千年に一度または百年に一度の洪水が発生した場合、新堀地区、八重畑地区の浸水想定区域の避難対象者は千人を超え、百年に一度では1,300人、千年に一度では1,800人だったと認識しておりますが、両地区における指定緊急避難場所では収容しきれないことから、地域の皆様の意見を伺い、必要な場合には、北上川西岸の総合体育館などへ、早めにバスによる輸送等を検討し、避難方針の策定を進めてまいります。

消防力の強化

防火講話会や火災予防指導を強化し、市民への防火意識の向上を図るとともに高規格救急自動車2台、消防団の自動車ポンプ車1台、小型動力ポンプ積載車3台、小型動力ポンプ3台を更新します。また、消防団が活動しやすい環境づくりや、消防団員の加入促進に努めるなど消防団の強化を図ってまいります。

消防指令センターの共同化について

消防指令センターの共同化については、全国や県内の消防本部では、令和6年度から令和8年度にかけて、消防指令センターの更新が集中しておりますことから、財政負担も含めた今後の持続可能な消防体制の確立に向けた協議が進められており、岩手県内においても、令和8年度に県内全域を対象とすることを目指す消防指令センターの共同化について、県内消防本部間の協議が行われているところです。

当市においては、県内の協議に参加し、関係機関から情報を収集し、内容を分析・検討し、市民サービスへの影響をしっかりと見極め、慎重に判断してまいります。

福祉の充実

福祉の充実については、ひとり暮らし高齢者や高齢者世帯等の日常の見守りやその世帯が抱える困りごとへの相談対応のため、地域福祉訪問相談員、民生委員・児童委員と連携し訪問相談活動をサポートするとともに、民生委員・児童委員の負担軽減に努めてまいります。

また、高齢者が安心して暮らし続けていけるよう、介護予防をはじめ、自動車による付き添い支援や除雪等の多様な生活支援などを進めてまいります。

高齢者や障がい者等で、判断する力が衰え適切な判断ができない方を支える成年後見制度について、市内法人及び司法書士等の専門職と連携を図り、制度を担う人材の確保を進めるとともに、市民後見や法人後見など、本人にふさわしい成年後見制度の利用に向けた検討・専門的判断を行う地域連携ネットワークの組織化や、その事務の中枢を担う中核機関について、令和4年度の設置に向けた準備を進めてまいります。

障がい者の重度化・高齢化・家族支援が受けられなくなった場合を見据え、自立に向けたグループホームの体験の機会の場の提供や介護者の急病などの緊急時に対応できる受入体制を構築するなど、安心して地域で暮らせるよう、地域生活支援拠点等の整備を進めてまいります。

結びに

以上、私の令和3年度市政運営の方針と主要施策の概要について申し述べさせていただきました。
市民の皆様、市議会議員の皆様のご理解とご協力を心からお願い申し上げ、私の所信表明といたします。

担当

企画調整係

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