消防腕用ポンプの紹介
腕用ポンプとは、明治時代に火災現場で使われていた消防ポンプのことをいいます。
現在の消防ポンプ自動車の性能とは比べようもありませんが、防火への意気込みは、今も昔も変わりません。
腕用ポンプの由来
腕用ポンプが日本で使用されるようになったのは、明治8年(1875)フランスから9台購入し、東京の消防に配置したのが始まりであるといわれています。
このポンプは、花巻地方では最初のもので、明治31年(1898)4月に川口組初代組頭澤田藤五郎氏が私財を投じて東京横山町の岡崎屋茂兵衛製造所に特注制作にあたらせたものです。当時としては最新鋭のポンプで、当時300円(平成6年の米価換算額で230万円)であったといわれています。製法・仕上がりとも精巧で、特に浮き文字の造りは近隣にその例はなく、文化財としての価値も高いものがあります。
昭和31年7月まで火災現場で実際に使用されていましたが、消防自動車の配置により花巻市消防団第一分団第一部に払い下げられ保存されていたものを、昭和49年4月20日、部創立80周年を記念して寄贈されたものです。
浮き文字の造りは『花巻町一部』
腕用ポンプ車のデータ
- 製造購入年
- 明治31年4月
- 製造所
- 東京横山町一丁目
岡崎屋茂兵衛製造所 - 購入価格
- 300円
- 型式
- 乙一号ピストン式
- 給水口
- 口経3吋1口
- 放水口
- 口経2吋1口
- 管創
- 1本
- 台車
- 巾1.5メートル長2メートル
車輪木製金輪式 - 装備器具
- 吸管3本
ホース6本
麻ロープ1本 - 雪道用木製橇
- 一式
- 所要人員
- 約50名
- 放水能力
- 約一馬力
- 吸引水量
- 270リットル毎秒
- 水力
- 高さ約27メートル
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