旧菊池家住宅西洋館が国の登録有形文化財に登録答申されました

旧菊池家住宅西洋館が登録有形文化財に登録答申されました

文部科学大臣の諮問機関である文化審議会（佐藤信会長）は、令和5年3月17日（金曜）に開催された同審議会文化財分科会の審議・議決を経て、登録有形文化財（建造物）として、旧菊池家住宅西洋館を登録するよう文部科学大臣に答申したと発表しました。

今回の答申に基づき、近日中に行われる官報告示を経て正式に登録された場合、花巻市では2件目の登録となります。

なお、今回の答申では、岩手県内から同館のほか、遠野市に所在する旧高善旅館（柳翁宿）1棟も答申されており、これらの案件が登録された場合、岩手県内の登録有形文化財（建造物）の件数は、100件となります。

旧菊池家住宅西洋館の概要

旧菊池家住宅西洋館（通称：旧菊池 捍(まもる)邸）は、大正15年（1926）年に建設された、花巻城下武家町の御田屋町に北面する半切妻・桟瓦葺の洋風住宅です。外観は下見板張りに縦長窓が並び、腰折屋根の玄関風除室や2階軒先のブラケットが装飾的です。平面は中廊下式で和室が主体ですが、洋風天井で戸は全て片開きドアであるなど、全体的に和洋折衷の独特な雰囲気を醸す貴重な建造物となっています。

宮沢賢治の寓話『黒ぶだう』の作中に登場する洋館と同館にはいくつかの類似点がみられることから、物語の舞台となったとも考えられています。