早池峰神楽

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ページ番号1003917  更新日 平成31年1月18日

霊峰早池峰山に抱かれながら、世代を超え、地域で大切に受け継がれてきた伝統の舞「早池峰神楽」。
早池峰神楽は大償(おおつぐない)と岳(たけ)の2つの神楽座の総称で、昭和51年(1976年)5月4日、国の重要無形民俗文化財に指定されました。また、平成21年(2009年)9月30日には、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の「無形文化遺産代表一覧表」に記載され、人類共通の遺産として世界に認められました。

早池峰神楽の起源

記録資料等は現存していませんが、岳の早池峰神社に文禄4年(1595年)と記された獅子頭があることや、大償に早池峰山の修験先達をつとめた山陰家から伝えられたという長享2年(1488年)の神楽伝授書があることから、その時代にはすでに神楽が存在していたことになり、その初源は南北朝時代にまで遡るものと考えられ、500年以上の伝統をもつ非常に古い神楽であるといわれています。
また、岳妙泉寺(早池峰神社)の開設が正安2年(1300年)と伝えられているほど早池峰山信仰の歴史が古く、修験山伏が行った祈祷の舞が神楽となったともいわれています。

「神楽」の語源

神楽という言葉は、神座(カムクラ・カンザ)からでたものといわれています。神座とは天上におられる神々が降りられた際、身を宿らせるところという意味で、はじめは高い峰や巨木などの自然物を指しましたが、次第に神社などの固定された人造物を指し、やがては場所を移動させて臨時的に設けられたものや面・装束・採物をつけた舞人そのものをも神座と見なすようになり、そこで行われている神楽全体を神楽というようになったと考えられています。

岳神楽と大償神楽

岳神楽

写真1:岳神楽山の神面

岳神楽が伝承されている岳地区は大迫町の中心部から北東に17キロメートル。集落としては最も早池峰山の近くに位置します。岳には早池峰の神を奉る早池峰神社があり、岳神楽はその奉納神楽です。地元では、神楽が下閉伊郡や宮古から法印(山伏)によって伝えられたともいわれていますが、資料が現存しないため伝承の由来は定かではありません。

大償神楽

写真2:大償神楽山の神面

大償神楽の伝承されている大償地区は、岳より12キロメートルほど下流、大迫の中心部からは約5キロメートル北に位置します。地区内にある大償神社の奉納神楽です。早池峰開山の祖といわれる田中兵部が建立した田中明神の神主より大償の別当家へ伝えられたものといわれています。

岳神楽と大償神楽の違い

岳神楽と大償神楽は、舞の種類に多少の違いがあるものの、筋運びはほとんど同じですが、舞で使用される山の神の面が、大償神楽では「阿(あ)」、岳神楽は「吽(うん)」の形をとっていることから、両神楽が「阿吽(あ・うん)」で対を成しているといわれています。
また、拍子を比較すると、テンポが異なるのが明らかであり、一般的には大償神楽が7拍子、岳神楽が5拍子といわれています。なお、ここでいう「拍子の違い」は、表現技法や演出効果の面からことばで説明できないものを数値化して表現したという説や、現在は6番で構成されている式舞が、古来は大償が7座で、岳が5座だったという説に起因するものなどの諸説があり、単に音楽上のリズムの違いを指すものではありません。
岳神楽は荒々しく勇壮で男舞がよく、大償神楽は優雅な女舞がよいといわれることもありますが、見る人の主観的な判断に左右されるところが強く、はっきりとした相違とはいえないでしょう。

舞の種類

神楽は2間四方にしめ縄を張りめぐらし、一面に幕を張り神座を設けます。

式舞

写真3:式舞の様子

式舞は、神楽を奉ずるとき最初に必ず舞う6曲の舞のことで、役舞あるいは座舞ともいわれます。浄め招魂、鎮魂、予祝、託宣などを内容として、「鳥舞」「翁舞(白翁の舞)」「三番叟(黒翁の舞)」「八幡舞」「山の神舞」「岩戸開の舞」の順に舞われます。式舞には表舞と裏舞があり、昼夜続けて奉ずる場合には、昼に表舞を、夜は裏舞を奉じるといった使い分けをするようです。

神舞

写真4:神舞の様子

神々の舞で、神話を内容としている舞で、「尊揃舞(水無月)」「天降り舞(天孫光臨)」「悪神退治」「天熊人五穀」「天照五穀」「三韓」「牛頭天王舞」「水神舞」「五大龍王」「恵比寿舞」などがあります。神舞は、幕内から登場するとき、必ず神の面をつけて登場します。面をつけた舞を「ネリ」といい、人間の体を借りた神の舞です。面をつけた舞手は神霊そのもので、託宣や祈祷をします。また、「舎文」と呼ばれる語りは物語性があり、語り手と舞手でその場面の情景を表します。後段になって舞手は神の面を取り外し、「クヅシ」という華やかな舞に変わります。これは、神に対する感謝の念を表した、人間の喜びの舞であるといわれています。

荒舞

写真5:荒舞の様子

その名のとおり非常に荒々しい舞で、動きが速く、体のさばきの激しいのが特徴です。荒舞は密教や修験道の関わりの強い鎮魂・悪霊退散の舞曲ともいわれておりますが、その由来や内容については神歌や詞章が伝わっていないため、はっきりとしたことは分かっておりません。荒舞には「注連切」「普将舞(諷誦)」「竜天(竜殿舞)」「笹割(笹分け)」「三神」「手剣」などがあります。

座舞

写真6:座舞の様子

合戦、仇討ちの物語の「鞍馬(鞍馬天狗)」「曽我兄弟」「木曽舞」「屋嶋(八嶋)」や、物語的な「鐘巻(道成寺)」「橋掛」「年寿」「機織」「汐汲(潮汲、塩汲)」「天女舞」「苧環舞」などがあります。物語の組み立てに合わせた舞で、神舞のように面をはずしての「クヅシ」舞はありません。

狂言

写真7:狂言の様子

狂言は台詞は決まっているものの、それにこだわらずアドリブを入れたり、舞手と観客たちがやりとりするなど、おもしろおかしくストーリーが展開します。昔は民家の座敷などに座を設けて神楽が舞われていたことが多く、当時の娯楽の一つでありました。狂言はその場の機転を利かせることがとても重要とされています。別名「お道化っこ(オドケッコ)」ともいいます。出し物には「狂言田植」「猿引き」「金堀り」「しゅうと見参」「箱根番所」「釣り狂言」「神の沢」「献上」「品物」「狐とり」などがあります。

権現舞

写真8:権現舞の様子

権現舞は、神楽の最後に必ず舞われる、あらゆる災いを退散、調伏させ、人々の安泰を祈祷する舞で、特に格式が高いものとして取り扱われています。権現とは、神の使いの聖獣の獅子としてではなく、神が仮の姿になって現れたことをいい、神の化身として扱っています。この権現様を奉じて、門ごとに権現舞を行い、また神楽を演じたりしています。

神楽暦

名称

開催日

会場

大償神楽舞初め 1月2日 神楽の館
岳神楽舞初め 1月3日 早池峰神社
大償神楽春の舞 4月下旬 神楽の館
早池峰神社例大祭宵宮 7月31日 早池峰神社
早池峰神社例大祭 8月1日 早池峰神社
大償神社例大祭 9月中旬 神楽の館
岳神楽舞納め 12月17日 早池峰神社
大償神楽舞納め 12月第3日曜 神楽の館

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