総合文化財センター常設展示室の期間展示コーナーを更新しました
常設展示室に期間展示コーナーを開設しました
「早池峰の自然・文化・歴史・人」「埋蔵文化財」の二つのテーマから、企画展などで紹介した資料を展示します。
期間展示は、3か月程度で展示替えを行います。ぜひ、ご覧ください。
令和6年度の予定
期 間 |
期間展示コーナー1 早池峰の自然・文化・人 |
期間展示コーナー2 埋蔵文化財 |
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6月から8月 | 早池峰山植物関係資料 | 滝大神1遺跡(東和地区) |
9月から11月 | ベルンドルフ関係資料 | 久田野1遺跡(花巻地区) |
12月から2月 | たばこ史料館関係資料 | 小田遺跡(大迫地区) |
3月から5月 | 山岳博物館関係資料 |
田屋遺跡(石鳥谷地区) |
期間展示コーナー1 早池峰の自然・文化・人



早池峰山(1,917m)は、深田久弥(ふかだきゅうや)の『日本百名山』に選定されており、田中澄江(たなかすみえ)の『花の百名山』では高山植物の宝庫として紹介されています。その美しい自然と豊かな植生を求めて、全国から登山者や高山植物の愛好家が訪れる人気の山です。
薬師岳を含む早池峰連峰には、およそ650種を超える植物が自生しており、そのうち約200種は、固有種や北限種・南限種などの希少な高山植物です。これらの植物群落は学術的にも極めて貴重であり、「早池峰山及び薬師岳の高山帯・森林植物群落」として、国の特別天然記念物に指定されています。
早池峰山に高山植物が豊富に生育している大きな要因の一つが、主に山を構成する蛇紋岩(じゃもんがん)です。蛇紋岩に多く含まれるマグネシウムイオンには植物の生育を阻害する性質があり、一般的な植物が根付くのは困難なため、過酷な環境に適応した特定の植物だけが生き残る生態系が形成されています。
このような厳しい環境のもと、氷河期以来の長い歳月をかけて土壌に適応してきた高山植物が今もなお命をつないでいます。その結果、早池峰山は「高山植物の宝庫」として、高い評価を受ける存在となっています。
期間展示コーナー2 埋蔵文化財



市内でも数少ない弥生時代の遺跡
滝大神(たきおおがみ)1遺跡は花巻市東和町砂子(とうわちょういさご)に所在(しょざい)し、JR釜石線晴(はれやま)山駅の南約2.6km、標高(ひょうこう)約170mで南から北西(ほくせい)へ張(は)り出(だ)す丘陵北端(きゅうりょうほくたん)の微高地上(びこうちじょう)に立地(りっち)し、遺跡の東~北側には毒沢川(どくさわがわ)の支流(しりゅう)・滝川(たきがわ)が北西に向かい流れています。
本遺跡は平成12年から13年に車庫建設(しゃこけんせつ)に伴(ともな)う発掘調査が行われ、主に縄文時代晩期(ばんき)から弥生(やよい)時代初頭(しょとう)(約3,000~2,000年前)にかけての多量の土器が出土し、また県内でも数少ないこの時期の竪穴住居跡(たてあなじゅうきょあと)が1棟(とう)見つかりました。ただし、この住居跡の大部分は調査区外にあるため詳しい規模等(きぼとう)は不明ですが、検出状況からみて直径4mから5m程の円形(えんけい)から楕円形(だえんけい)のものと推察(すいさつ)されます。
また、最近では令和4年にほ場整備事業(じょうせいびじぎょう)に伴い、公益財団法人(こうえきざんだいほうじん)岩手県文化振興事業団埋蔵文化財(いわてけんぶんかしんこうじぎょうだんまいぞうぶんかざい)センターによる発掘調査も行われています。
縄文時代から弥生時代へ移行(いこう)する時期の遺跡は市内でも少なく、貴重(きちょう)な遺跡です。
関連情報
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〒028-3203 岩手県花巻市大迫町大迫第3地割39番地1
電話:0198-29-4567 ファクス:0198-48-3001
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