平成28年10月27日更新:旧新興製作所跡地の上部平坦地の埋蔵文化財試掘調査の結果に関する情報

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ページ番号1001037  更新日 令和2年12月7日

旧新興製作所跡地の建屋解体等に関する情報

平成28年10月27日更新情報

新興製作所跡地上部平坦地の埋蔵文化財試掘調査について

平成28年9月13日から16日にかけて実施しました新興製作所跡地上部平坦地の試掘調査結果について、現時点での整理状況をお知らせいたします。
試掘調査は、本館・別館の底地などを除く支障物がない場所に12本のトレンチ(試掘溝)を設定して行いました。(試掘箇所、遺構・遺物の状況については添付の図面・写真を参照願います。)
北西部からは、柱穴・溝跡・土坑(用途が特定できない穴の跡)が検出されました。このエリアは、絵図面から花巻城の武家屋敷跡に位置しており、柱穴はこれに伴う掘立柱建物跡などの遺構である可能性があります。また、竪穴建物跡の可能性がある遺構が検出されたほか、近世の肥前産磁器(染付碗)の破片、平安時代の須恵器甕の破片が出土しています。
中央部からは、柱穴が散在する形で検出されたほか、溝跡を1本検出しました。
南東部では堀跡が1本検出されました。堀跡の総延長は20メートル以上あり、緩やかに湾曲して突端部を区画するように配置されていることが分かりました。堀跡からは遺物は出土していないため、詳細な時期は不明ですが、数種類残存する花巻城の絵図面のいずれにも描かれていないことから、それ以前の時代の遺構であると考えられます。
突端部では、柱穴と考えられる小さな土坑を1基確認しました。
これらの結果から、上部平坦地は戦前の工場建設や本館・別館建設の際にかなりの削平や破壊を受けてはいるものの、平安時代から近世までの遺構や遺物が残存していることが分かりました。昨年7月及び本年3月に開催した花巻城跡調査保存検討委員会において、試掘調査前の当該地について意見を伺ったところ、北西部の地点は削平を受けていないと考えられること、突端部周辺には古い時代の城館の遺構が残っている可能性があること、浅い遺構は削られているかもしれないが堀のように深く掘り込まれたものは残っている可能性があることなどのご指摘をいただいており、今回の試掘調査結果は、委員ご指摘の予測が裏付けられた結果でありました。
今回の試掘調査の結果は、去る10月3日に開催いたしました花巻城跡調査保存検討委員会で報告し、委員からは、本館の下にも堀が残っている可能性があることや、堀の断面形状から推定して当該地に花巻城以前の遺構が残っている可能性があることなどのコメントをいただいております。
しかしながら、同委員会としては、今回の試掘調査結果は一定の遺構の残存は確認できたものの、本館及び別館建物付近を除く断片的な情報であることから、遺跡全体についての把握は難しく、今回は試掘調査の概報の報告を受けたということにとどめ、今後、本館及び別館の基礎解体が行われる場合にはその立会調査結果も踏まえ、時代が複合して残されている上部平坦地の遺跡の分析を示して欲しいとの意見がありました。教育委員会としては、これまでの調査結果を精査した報告書を作成し、遺跡の取扱いについても方針の原案を示して、再度、同委員会と協議することといたしました。
次回の花巻城跡調査保存検討委員会は、教育委員会が11月まで実施する予定の花巻城二の丸・南御蔵跡の内容確認調査結果の報告と併せて平成29年1月頃に協議する予定としております。
なお、今回の試掘調査により遺構の残存が確認されたことから、当該地の開発に伴い遺跡が消失する場合には、文化財保護法の規定に基づく手続きを経て、開発者の負担により記録保存のための発掘調査が必要となります。

埋蔵文化財に関するお問い合わせについては、花巻市教育委員会教育部文化財課(0198-45-2111内線351 ) までお願いします。

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