花巻の遺跡(46)「板橋遺跡」を紹介します
花巻の遺跡紹介
埋蔵文化財は、地中に眠っている文化財で、普段は私たちが直接目にすることができない文化財です。遺跡の地中には、石器や土器などの遺されたモノ、柱跡やカマド跡などの暮らしのアトがあり、私たちの歴史を考えるヒントが眠っています。発掘調査によって明らかになる、これらのモノやアトは、歴史や当時の文化を探る重要な手がかりとなります。
花巻市総合文化財センターは、市内約1,000か所の遺跡資料を収蔵する施設です。これまで市内で発掘調査された遺跡のうち、代表的なものについてご紹介します。
花巻市総合文化財センター 令和7年企画展「遺跡のモノがたり展 -大迫地域の遺跡-」の中でも板橋遺跡の紹介をしています
花巻市総合文化財センターでは、令和7年企画展「遺跡のモノがたり展 -大迫地域の遺跡-」の中でも板橋遺跡の紹介をしています。
詳しくは、下記企画展でもご覧いただけます。
花巻の遺跡紹介(46) 板橋遺跡
遺跡の概要
所在地
花巻市大迫町外川目第5地割
時代
縄文
出土遺物
縄文土器・土偶・石器・土製品・石製品
出土遺構
竪穴建物跡
報告書
○大迫町埋蔵文化財報告第21集
板橋遺跡(平成3年度)
解説
板橋遺跡(いたばしいせき)は、花巻市大迫町(はなまきしおおはさままち)の南東部(なんとうぶ)に位置します。花巻市大迫総合支所(そうごうししょ)から南東へ約7.3km、八木巻川(やぎまきがわ)上流の右岸段丘面上(だんきゅうめんじょう)に立地(りっち)しています。
この遺跡では、昭和30年代から多数の縄文時代(じょうもんじだい)の遺物(いぶつ)が発見されていたものの、その範囲(はんい)や内容は長らく不明でした。平成3年度に大迫町内遺跡発掘調査事業の一環として、大迫町教育委員会によって遺跡の範囲確認調査が実施(じっし)されました。
この調査により、縄文時代中期(ちゅうき)(約5,000~4,000年前)の竪穴建物跡(たてあなたてものあと)1棟(とう)、縄文時代後期(こうき)(4,000~3,000年前)の竪穴建物跡3棟が確認されました。出土遺物は、縄文時代後期から晩期(ばんき)(約3,000~2,300年前)のものが中心で、土器(どき)、石器(せっき)、土偶(どぐう)、土製品(どせいひん)、石製品(せきせいひん)などが含(ふく)まれます。土器の中では、器面(きめん)に粘土(ねんど)の粒(つぶ)を貼(は)り付けて装飾(そうしょく)した縄文時代後期後葉の「コブ付土器」が多く見つかり、中には、岩手県内でも出土例が少ない「水差形土器(みずさしがたどき)」と呼ばれる注口(ちゅうこう)土器もありました。
板橋遺跡は、土器、土偶、土製品、石器、石製品といった多様(たよう)かつ豊富(ほうふ)な遺物が出土した、非常(ひじょう)に貴重(きちょう)な遺跡です。


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〒028-3203 岩手県花巻市大迫町大迫第3地割39番地1
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