時空を超えてつむぐ 多和英子vs放菴・達吉・鉄五郎
イベントカテゴリ: 歴史・文化
開催エリア:東和地域
- 開催期間
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平成27年9月5日(土曜)から平成27年10月25日(日曜)まで

鉄という素材に取り組みながら、1980年代末から作品を作りつづけてきたアーティスト多和英子の創作の軌跡を代表作15点と新作によって紹介します。
もとより鉄は、固く、重く、強い素材ですが、多和英子は、逆にやわらかく、軽く、時にしなやかに感じられるように、ダイナミックに、そして繊細に造形します。
彼女の創作は、6ミリの鉄線を一本、一本溶接し、あたかも一本の糸から布を織りあげるように、平面をつくり、それを曲げ、重ねています。小さな鉄工所のようなアトリエで、ひたむきに溶接する時間は長くつづきます。そのアトリエの敷地には野菜作りの小さな菜園があります。制作する、つまり溶接することは、草花や野菜作りとつながっているようで、野菜を育てるように、自然の息吹を感じながら溶接して作品をつむぐのです。「山のように、水のように、風のように」表現したいと願いながら作品をつくりつづけています。こうしてつくりあげられた、冷たく、黒い鉄の塊は、ときに暖かな肌合いをただよわせています。多様で混迷をつづける現代において、生活や暮らしに根ざした創作は、確実に地についた歩みといえます。同時にめまぐるしく変化する現代美術のシーンにおいて、その造形は人間が生きることの切なる祈りにも通じ、皮相な流行とは一線を画した遍的なものといえます。
今回の展覧会は、そうした多和英子の鉄による立体造形を、日本の近代美術に名をのこした三人の芸術家を顕彰する三美術館の共同企画として開催します。
その芸術家とは、小杉放菴(1881–1964)、藤井達吉(1881–1964)、萬鉄五郎(1885–1927)です。小杉放菴は、洋画から日本画へと転じ、とくに水墨画において、東洋思想への傾倒を背景にしながら恬淡とした独自の画風で知られています。藤井達吉は、さまざまな素材と技法を自在に駆使して、絵画、図案、工芸にわたりひろく、豊かな作品をのこしました。さらに萬鉄五郎は、1910年代の前衛的で先駆的な表現から、油彩画、水墨画両面において東洋的な表現を求めて、自然の胎動を感じとった画風を築きました。個性のことなる三人ですが、いずれも大正、昭和を代表する芸術家たちといえます。
今回の展覧会は、各会場において多和英子の作品とともに、三美術館の所蔵作品とをあわせて鑑賞していただきます。自然とむきあう近代と現代の美術、およそ90年の時と場所を超えた創作の響きあいに出会う、これまでにない機会となりますので、是非ご覧ください。
展覧会名
時空を超えてつむぐ 多和英子vs放菴・達吉・鉄五郎
会期・会場等
会期・開館時間
平成27年9月5日(土曜)から平成27年10月25日(日曜)まで
午前8時30分から午後5時まで(入館は午後4時30分まで)
休館日
月曜(9月21日、10月12日は開館)、9月24日(木曜)、10月13日(火曜)
入館料
一般500(450)円、高校生・学生300(250)円、小・中学生200(150)円
(カッコ内は20名以上の団体料金)
会場
萬鉄五郎記念美術館(岩手県花巻市東和町土沢5区135番地 電話 0198-42-4402)
主催
萬鉄五郎記念美術館、多和英子 vs 放菴・達吉・鉄五郎展実行委員会
助成
一般財団法人地域創造
後援
岩手日報社、岩手日日新聞社、盛岡タイムス社、河北新報社盛岡総局、朝日新聞盛岡総局、読売新聞盛岡支局、毎日新聞盛岡支局、産経新聞盛岡支局、日本経済新聞社盛岡支局、NHK盛岡放送局、IBC岩手放送、テレビ岩手、めんこいテレビ、岩手朝日テレビ、花巻ケーブルテレビ、エフエム岩手、ラヂオもりおか、奥州エフエム、えふえむ花巻
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このページに関するお問い合わせ
萬鉄五郎記念美術館
〒028-0114 岩手県花巻市東和町土沢5区135
電話:0198-42-4402 ファクス:0198-42-4405
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