企画展「生誕130年 宮沢賢治展」開催のお知らせ
イベントカテゴリ: 歴史・文化 宮沢賢治
開催エリア:東和地域


企画展「生誕130年宮沢賢治展 岩手の美術風土と賢治─」
宮沢賢治(岩手県花巻市生まれ/1896~1933)は、詩人、童話作家、宗教家、科学者、教師など様々な顔を持ち、農民の文化的な生活向上を目指して羅須地人協会を設立するなど、短い生涯のなかで多面的な活動を展開しました。文学者として世界的な評価を得ている賢治ですが、一方で、彼が当時の美術動向に敏感に反応して描いた独創的な絵画作品の成立過程について、いわゆる「賢治と美術」との関わりについては、これまで一般にはあまり話題にされてきませんでした。
自らの詩を「心象スケッチ」と呼んだように、賢治文学には視覚的なイメージが色濃く映しだされており、その美術的素養を裏付けるものとして、代表作《日輪と山》のほか、シュルレリスム風の《無題(ケミカルガーデン)》や、抽象的な《無題(赤玉)》など、独自色に溢れる水彩画が残されています。さらに、彼の手帳やノートには、美術家さながらの手慣れた描写によるスケッチやドローイングの数々を見ることができます。
このような独創的な賢治絵画の創作背景を考えるとき、彼の周辺で話題となっていた美術動向を見逃すことはできません。彼の盛岡中学や盛岡高等農林時代に、「岩手毎日新聞」で連日報じられ衆目を集めていたのは、今日、日本近代美術の先駆者と称される地元出身の画家・萬鉄五郎でした。紙上に掲載された絵画はモノクロの荒い図版ながら、萬の作品に関する論争や話題が連日報じられ、岩手発の「新しい画家」や「新しい絵画」の登場を、県内をあげて注目することになります。そのような風潮のなか新しい美術への関心は、賢治の水彩画にも如実にあらわれることになります。なかでも強い影響をもたらした要因のひとつに、萩原朔太郎の詩集『月に吠える』を目にしたことが指摘されています。同書に掲載された田中恭吉、恩地孝四郎の作品と、賢治絵画の間には極めて近い類似性があり、これらの「新しい絵画」が賢治の絵画観の成立に果たした役割や相関を見ることができます。
また、賢治が生前に刊行した著書はわずか2冊にとどまりますが、その装幀や挿絵を手掛けたのは彼と同世代の県内の若い美術家たちでした。阿部芳太郎は『春と修羅』の製函と箱の表紙デザインのほか、賢治主宰の農民劇の舞台製作を手掛け、菊池武雄は『注文の多い料理店』の表紙画と挿絵を手掛けています。彼らに関わる資料や逸話からは、賢治と美術家との交友関係が浮かび上がり、彼の美的関心に刺激を与えたことが読みとれます。
本展では、宮沢賢治生誕130年を記念し、文学の創作を中心とした生涯の歩みをたどるとともに、これまで注目されてこなかった賢治の美術的側面に光をあてます。彼の独創的な絵画表現と視覚イメージの源を探りながら、賢治と美術との間に秘められた相関について初の検証を試みたいと思います。
- 開催期間
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令和8年9月19日(土曜)から令和8年12月6日(日曜)まで
- 開催時間
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午前9時 から 午後5時 まで
(入館は午後4時30分まで)
- 開催場所
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萬鉄五郎記念美術館
利用案内・アクセス - 費用
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必要
一 般 700(650)円
高校・学生 400(350)円
小・中学生 300(250)円
( )内は20名以上の団体料金 - 休館日
- 月曜日(月曜日が祝日の場合は直後の平日に休館)
会期中、一部資料は原画(原資料)と複製の展示入れ替えを行います。
常設(萬鉄五郎作品)作品は、本展開催中は企画展示内にて展示します。作品数が限られますので、あらかじめご了承ください。
特別公開
宮沢賢治「雨ニモマケズ手帳」、自筆水彩画 ほか
原画(原資料)展示期間: 2026年10月(予定。詳細は次回更新時にお知らせします。)
- 宮沢賢治「雨ニモマケズ手帳」
- 宮沢賢治《日輪と山》
- 宮沢賢治《無題(赤玉)》
- 宮沢賢治《無題(ケミカルガーデン)》
- 宮沢賢治《無題(みみずく)》
- 宮沢賢治《無題(月夜のでんしんばしら)》
いずれも、林風舎蔵
萩原朔太郎詩集『月に吠える』より 恩地孝四郎、田中恭吉「挿絵原画」
原画(原資料)展示期間: 2026年9月19日~11月1日
- 恩地孝四郎《抒情(よろこびあふれ)》
- 恩地孝四郎《抒情(ひとりすめば)》
- 恩地孝四郎《抒情(よろこびすみ)》
- 田中恭吉《冬の夕》
いずれも、萩原朔太郎記念・水と緑と詩のまち 前橋文学館蔵
注)資料保護のため、上記期間外は複製の展示となります。
関連事業
講演会「宮沢賢治・美術との相関」
講師:青木(秋枝) 美保 氏
宮沢賢治生誕130年記念第5回国際研究大会実行委員長
宮沢賢治学会イーハトーブセンター代表理事
日時:2026年10月24日(土曜)午後2時から
会場:萬鉄五郎記念美術館
対談:青木 美保 × 平澤 広(萬鉄五郎記念美術館長)
講演会とあわせて行います。
事前申し込みは不要です。参加ご希望の方は当日、直接美術館までお越しください。
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このページに関するお問い合わせ
萬鉄五郎記念美術館
〒028-0114 岩手県花巻市東和町土沢5区135
電話:0198-42-4402 ファクス:0198-42-4405
萬鉄五郎記念美術館へのお問い合わせは専用フォームをご利用ください。
