令和7年9月 定例記者会見を開催しました

開催日時
令和7年10月2日(木曜)午前11時から午後0時5分まで
開催場所
花巻市役所本庁本館3階 302会議室
会見項目
- 新花巻図書館整備基本・実施設計業務委託に係る公募型プロポーザルの第一次審査が終了しました
<担当 生涯学習部 新花巻図書館計画室> - クマ撃退用スプレーの購入費用に関する補助制度を創設しました
<担当 農林部 農村林務課> - 中野洋昌国土交通大臣に対し要望活動を行いました
<担当 総合政策部 秘書政策課、建設部 都市政策課、生涯学習部 新花巻図書館計画室> - インフルエンザと新型コロナウイルス感染症の予防接種が始まります
<担当 健康こども部 健康づくり課> - 花巻市女子野球タウン推進事業「少年少女野球教室」を開催します
<担当 生涯学習部 スポーツ振興課> - 第12弾「がんばれ花巻!対象のお店で最大20%戻ってくるキャンペーン」を開催します
<担当 商工観光部 商工労政課> - 花巻市文化会館開館50周年記念「千住真理子ヴァイオリン花巻スペシャルコンサート」を開催します
<担当 生涯学習部 花巻市文化会館>
冒頭コメント
上田市長
9月の定例記者会見でありますけれども、議会の関係等もありまして、10月に開催させていただくことになったことについて、まずはお詫び申し上げたいと思います。今日は7項目について、お話をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
新花巻図書館整備基本・実施設計業務委託に係る公募型プロポーザルの第一次審査が終了しました
上田市長
項目1番目、新花巻図書館整備基本・実施設計業務委託に係る公募型プロポーザルの第一次審査が終了したということであります。募集の方法につきましては、すでにいろいろなところでご説明申し上げていますけれども、全国各地から専門的な知識や経験、幅広い技術力を有した方々などからも応募いただきたいということで、地域を限定せず、公募方式とすることとしたわけでございます。
審査は、第一次審査と第二次審査に分けるということでございまして、第一次審査では書面審査、第二次審査についてはプレゼンテーションしてもらうというようなことを計画したところであります。審査は5名の専門家の皆さんと副市長で構成する選定委員会で行います。この選定委員につきましては、図書館の専門家として有名な吉成先生や富士大学の早川先生、そして、横浜国立大学の大学院教授の乾先生、東北大学の小野田先生、東北芸術工科大学の竹内先生、竹内先生はリノベーションの関係で花巻のために働いてくださった先生でございますけれども、そういう素晴らしい方々にメンバーになっていただいております。このような素晴らしい先生方は、小野田先生にご紹介いただいたわけでありまして、そういった面から小野田先生にまず感謝申し上げたいと思います。また吉成先生は、図書館の専門家として全国的に有名な先生でございますけれども、実は岩手県でも、一関の図書館とか美術館の建設について力を発揮されたという方でございまして、そういう方々に集まっていただいて審査をしていただいたということになります。本当にこれ以上ないような専門家の方々に参加いただいて、しかも特に宮沢賢治の関係もあって、花巻の図書館について非常に大きな関心をお持ちいただいているということでございまして、改めて感謝申し上げたいと思っております。
第一次審査の応募者でございますけれども、JVもありますし、単独のところもありますけれども、全国から61者の応募がございました。第一次審査については、当初5者に絞る想定でしたけれども、東京都内で3時間以上にわたって選定委員会の皆さんが議論をして、どうしても5番目と6番目が選びきれないということで、協議の結果6者を第二次審査の対象者として選んでいただきました。
応募のあった61者すべてに対しまして、第一次審査の審査結果についてご連絡を申し上げたわけですけども、第二次審査に進む6者に対しては、それぞれの提案に対する講評と第二次審査の参加の案内を通知して、第二次審査用の提案書類を11月19日までに提出することを求めている次第であります。なお、第二次審査は11月24日に花巻市文化会館大ホールで行います。当初は中ホールを考えていたんですけれども、プレゼンテーションと審査委員との質疑応答について一般公開するということで、このように大変な反響がある中で、たくさんの市民の方々が傍聴にお見えになるのではないかなということで、大ホールに会場を変えました。
このプレゼンテーションと質疑応答については、会場での一般公開のほかに、できれば動画で公開するということも検討したいと考えておりまして、これについては選定委員の先生方のご意見を聞いた上でないとできませんけれども、そういったことも今検討している状況です。審査については、プレゼンテーションと審査委員との質疑応答終了後に選定委員だけで協議を行って、最優秀者と次点者を決定するということになります。
クマ撃退用スプレーの購入費用に関する補助制度を創設しました
上田市長
項目2番目、クマ撃退用スプレーの購入費用に関する補助制度を創設したということでありまして、クマについては全国的にそうですけれども、特に岩手県ではクマによる被害が多い状況です。花巻市においてもクマの目撃情報が増えておりまして、9月21日時点で去年より157件多い377件の目撃情報が報告されております。しかも今年はブナの実(どんぐり)が大凶作という見通しになっておりますので、秋にエサが足りなくて里に下りてくるクマが多いのではないかということで、大変心配している状況であります。
ブナの実ですけれども、よく言われるのは、ブナの実が豊作であると生まれるクマの子どもが多いと、そして翌年のクマの数が増えるということを言われています。そういう意味で、今年は生まれるクマの子どもの数は多くないのかもしれません。しかし、エサがないということで、里に下りてくる可能性が非常に高いということを大変心配している状況であります。これにつきましては、木を山にもっと植えるべきである、そうすればクマは山にエサがあるので、里に下りてこないのではないかという方もいらっしゃいますが、専門家はそういった意見は言っておりませんし、我々も間違いだと思います。
そもそもブナの実をクマが食べるのは基本的に秋です。春と夏は、ブナの実はクマの餌にはなりません。従って、山に木をたくさん植えても、春と夏、特に夏はエサが足りなくなりますので、クマが里に下りてくることが多くなります。そうすると、秋にブナの実がたくさんあるとしても、春と夏にはクマは里に下りてきて、人間に危害を加える危険性が高くなるということになります。そういうことを考えますと、山に木を植えて、クマのエサになるブナの実が山にあれば、里に下りてくるクマが減るのではないかという考えは少し違うのかなと思っておりますし、最近は多くの専門家の先生方は、やはりクマの数が増えすぎていると、それを調整しなければ人身被害は減らないというようなお考えを持っているというふうに私どもは理解しています。そういう状況でありますけれども、クマが出た、クマと遭遇した場合に、どうやってクマから身を守るかということは大変重要になります。報道などでもあるとおり、かなり酷い傷を負うことが多いと聞いておりまして、そういうことからも人身傷害を減らすということ、これは本当に大事なことであります。
我々としましては、小学校とか中学校の通学路付近でクマが出て危険な場合などは、保護者の皆さんに子どもを車で送り迎えしていただくとともに、花巻市でタクシー代を出すというようなことを行い、クマによる人身被害が絶対起こらないように、できることは全てやろうという考えでおります。
その中で、クマ撃退用スプレーについてでありますけれども、素人が使ってもなかなか上手く使えないということもあるようですけれども、希望する方については、クマ撃退用スプレーを使っていただくということもあり得るということで、市としては、クマ撃退用スプレーを購入される方について、その購入費用の一部を補助するという制度を創設したわけであります。補助率は4分の1、補助上限額は1本につき5,000円としています。また、小中学校とか保育園等について、いざという時のためにクマ撃退用スプレーを配備する必要があるのではないかということで、これについても、市でクマ撃退用スプレーを調達しまして、配布するということで、準備を進めているところであります。
そのほか、9月から市街地での「緊急銃猟」が可能になったわけですけれども、市では2ヶ月ほど前からマニュアル作成に着手しております。花巻市の場合には、国が作成した緊急銃猟に関するガイドラインをそのまま使って、花巻市のマニュアルを作るだけではなくて、まちなかなどで銃を使う例として例えば「警察官職務執行法」に基づいて、警察官がハンターなどに発砲を命じる場合があります。その場合にどういう準備をするかということについては、緊急銃猟の場合と違います。緊急銃猟は、先日の山形県鶴岡市で全国最初の事例がありましたが、クマが警察官やハンターに向かってきたため、結果的に「警察官職務執行法」に基づいて、警察官がハンターに発砲を命じ、ハンターがクマを駆除しました。「緊急銃猟」による場合には、突発的に銃を打つことはできませんし、また、あらかじめ周辺の交通規制を実施するといったことが必要になりますけれども、「警察官職務執行法」による場合には、そういうことはできない可能性もあるということになりますけれども、そういった場合にどうするかということも含めたマニュアルを今、作っているわけでありまして、担当部署の案については出来上がって、県や警察にご相談しているということであります。
マニュアルはできれば10月中に完成したいと思っておりますけれども、これは県や警察が他の業務でお忙しい状況の中で見ていただきますので、10月中に完成させるということをはっきり申し上げることはできません。ただ、早く作りたいですし、もし、先ほど申し上げたように緊急銃猟や警察官職務執行法に基づく発砲などを行う必要性が出た場合には、完成版のマニュアルではなくても、現段階の案を使って実施するということもあり得るというように考えております。
ちなみに、実際に猟銃でクマを駆除する方(ハンター)の人選ですけれども、猟友会の協力を得まして11人をリストアップしておりますので、花巻市の場合にはクマを駆除する人がいなくて、猟銃でのクマの駆除ができないとか、そういった状況にはございません。市の農村林務課に所属している方、会計年度任用職員でありますけれども、その方が有害鳥獣対策アドバイザーということで、大変活躍いただいています。罠の設置やAIカメラの設置とか、非常に大きな役割を果たしていただいていますけれども、その方のご協力もあって、ハンターの人選についてもスムーズに進めることができたと我々は思っています。ちなみに花巻市ではここ数年、有害駆除を目的として猟銃をクマに向けて発砲した事例はございません。全て罠猟でクマを捕獲するということをやっております。ですから、緊急銃猟のように猟銃を使った有害駆除というのは、ここ数年花巻市においてはやってなかったことで、そういったことをやるということになりますので、大変慎重にならなければいけないと、そのように思っております。
中野洋昌国土交通大臣に対し要望活動を行いました
上田市長
項目3番目、中野洋昌国土交通大臣に対する要望活動についてご報告します。庄子賢一衆議院議員からご紹介いただきまして、佐々木雅文参議院議員、菅原ゆかり花巻市議会議員にご同行いただき、要望させていただいたものであります。要望の中身としましては、JR花巻駅東西自由通路整備、新花巻図書館整備についてであります。
JR花巻駅東西自由通路整備につきましては、令和6年度に都市再生整備計画が採択されておりまして、令和7年度に行っている実施設計、あるいは西口の駐輪場整備工事等について国庫補助の支援をいただいているところであります。これについては令和10年度まで事業が続きますので、引き続き補助をいただきたいことと、満額をお願いしたいということを要望させていただいた次第です。
新花巻図書館整備につきましては、図書館の整備基本計画が教育委員会議において今年議決されたことを受けて、項目1番目でご説明したように基本設計と実施設計の設計者の公募、選定手続きを進めているところであります。新花巻図書館整備については、国から都市再生整備計画の採択はまだされていない状況でございますので、我々としてはこの採択を今回お願いしました。以前にも、総務副大臣や国土交通省、財務省などの中央官庁の幹部の方々、にはお願いをしておりますけれども、今回は国土交通大臣に直接お願いしたということでございます。
それによって、都市再生整備計画の採択後、本格的に整備が進むということを我々としては期待しているところであります。今は事務レベルでの打ち合わせが多いんですけれども、我々としては花巻市におけるこの計画の必要性については、ご理解をいただいていると思っています。その上で、駅の橋上化と図書館の整備自体は別々の事業でありますけれども、今後は、図書館の整備をJR花巻駅東西自由通路整備の計画にまとめ、都市再生整備計画上は一つの計画として実施するということも場合によってはあるのではないか、というようなご意見もいただいています。そういった可能性も含めて、我々としては図書館の整備を都市再生整備計画として採択していただくことを目指したい、国の補助の予算化をお願いしたいと思っております。
今朝の新聞にこの要望に関する記事が出ました。その中で、国土交通大臣のお言葉として、国土交通省として進めていくというような趣旨のご発言があったというふうに報道されておりまして、そういうことも見ましても、我々としては図書館についても、計画の採択や補助金の交付について期待できるのではないかなというふうに思っています。
インフルエンザと新型コロナウイルス感染症の予防接種が始まります
上田市長
項目4番目、インフルエンザと新型コロナウイルス感染症の予防接種についてでございます。インフルエンザについては、子どもと妊婦の予防接種、あとは65歳以上の高齢者などに対する予防接種の費用について市で補助をするということを今年もやらせていただきます。
また、新型コロナウイルスについては高齢者の予防接種について市で補助します。自己負担額は6,400円、生活保護世帯については自己負担なしということになります。日本感染症学会、日本呼吸器学会、日本ワクチン学会の3学会は、コロナワクチンの定期接種を強く推奨するという共同見解を発表しておりますから、我々としては高齢者で、コロナワクチンの接種を受けたいという方については、市として補助して、受けていただきたいというふうに思った次第であります。
花巻市女子野球タウン推進事業「少年少女野球教室」を開催します
上田市長
項目5番目、花巻市女子野球タウン推進事業「少年少女野球教室」でございますけれども、市は一般社団法人全日本女子野球連盟によって、昨年11月30日付けで東北第1号となる「女子野球タウン」に認定されました。この時は、メジャーリーガーの菊池雄星投手にも来ていただいたということがありました。
今回のこの女子野球タウン推進事業でありますけれども、10月19日(日曜)に花巻東高校野球場で実施するということでありまして、花巻東高校を卒業された佐々木秋羽(しゅう)選手も所属している「読売ジャイアンツ女子野球チーム」が花巻に来まして、宮本和知(かずとも)監督によるトークショーとか、あるいは花巻東高校女子硬式野球部とのエキシビションマッチが開催されます。また、このイベントの参加賞である缶バッジを提示すると、K・O・Hを無料で見学できることになっています。ぜひ皆さんに楽しんでいただきたいと思います。
第12弾「がんばれ花巻!対象のお店で最大20%戻ってくるキャンペーン」を開催します
上田市長
項目6番目、PayPayの第12弾でございます。最大20%のポイントが戻ってくるキャンペーンを今年は11月1日から30日まで実施します。全国で花巻が一番、実施回数が多いと思うんですけれども、これは基本的には地元の店舗、コロナ禍のもとにおいて売り上げ減ったということで、その支援として実施させていただきましたが、その効果が大きいということと、最近の物価高において市民生活の支援にもなるということで、今年も国の交付金を活用しながら事業を実施させていただくということにしております。
花巻市文化会館開館50周年記念 「千住真理子ヴァイオリン花巻スペシャルコンサート」を開催します
上田市長
項目7番目、あの有名な千住真理子さんのコンサートを文化会館の開館50周年記念として11月30日に開催します。千住真理子さんのほかに、真理子さんの実兄で作曲家の千住明さんをゲストに迎え、お二人のトークや明さんの指揮による市内中高生の合唱などもあるということです。
文化会館では最近こういう事業が多くなっていますけれども、今ですね、電気設備のLED化やトイレの改修など、6~7億円ぐらいかけて実施しています。特にトイレについては利用者から洋式化をやってほしいという声が大変強かったですので、過去に行った洋式化も含めて、もっと使いやすい洋式化を全般的に導入するというようなことも考えています。そういうことを考えたときに、こういったコンサートを行うと、場合によっては数百万円単位で赤字が出る場合もあると思いますけれども、とにかく文化会館を使わないと、もったいないということで、こういったコンサートなど、色々なイベントを実施する回数が増えています。先日、映画「おいしい給食 炎の修学旅行」の特別先行上映会を文化会館でやったんですけれども、これも有料のチケットが売り切れということで、若い方も含めて大変多くの方に来ていただいて、文化会館を使っていただいているという状況でございます。
上田市長の今後の進退について
上田市長
最後に私の今後の進退について、お話をさせていただきたいと思います。私は、4選を目指さないということを正式に公表させていただきます。これにつきましては、本年3月8日に私の後援会の支部長会議が開かれまして、その場でも私は4選を目指さないということを皆さんにお話したところです。その気持ちは3月8日より以前からありましたけれども、4選を目指さないことの公表が早すぎてしまうと、いわゆるレイムダック化してその後の仕事について差し支えがあるのではないかということで、そういうことも考えて、まだまだ市には様々な課題などがありますので、それをしっかりやるということ、そして4選を目指さないことは9月議会が終わるまでは公表しないということを、後援会の幹部の方々に話をして、今まできたわけであります。
3期で終わるということでありますけれども、1人の首長があまり長くやりすぎると、やはり違った見方、考え方等の部分がなくなるというようなこともあって、よく言われますのは、3期ぐらいがラインではないかという、一番いいっていう言い方はおかしいですけどね。4期ではなくてもいいのではないかという意見、考え方も結構あるわけでありまして、岩手県内の首長さんも、4期目を目指した方もいますけれども、自ら3期でおしまいにするとか、あるいは選挙の結果、そうなるという方が多い、そのように考えているわけであります。今回、3期満了を迎える方は、私の知っている限りにおいては、県内の首長さんは全員がそうですね。久慈市長さんはまだ公表していないと思いますけれども、条例で3期という制限がある中で、それを尊重すると言っているので、どうなるかはまだ分かりませんけれども、3期ということについてはやはり意識をされていると思います。
そういうこともあるということと、あとは年齢的な問題もあります、私は今71歳で、来年の4月には72歳になります。仮にそれから4年近く市長をやりますと、後期高齢者になってしまいまして、私の場合、やはり体力的にも今までやれていたことができなくなると思うわけでございます。私も最近よく疲れているように見えると言われるときがありますけどね。やはり体力的には非常に疲れるんですね。特に市の職員との打ち合わせというのは、大変大事な打ち合わせになります。市の職員の言ったことをそのままいいよと言うのであれば、あまり問題ないんですけれども、やはり市の職員が言っていることに、さらに何かを付け加えるとか、そういうようなことをするためには、非常に大きなエネルギーを使います。もちろん、市の職員も大変だと思いますけれども。そういうことを考えると、10年前にはできていたことが、やはりできなくなってくるということがあります。それから、私は若い時から、どちらかと言いますと、ワークホリックに近い仕事をずっとしてきました。考えてみると、特に市長になってからは家族との触れ合いというのは、家の中ではもちろんありますけれども、一緒に外出するとか、そういうことは、ほぼできない状況になっています。そういうことを考えると、やはり家族も市長退任後の一緒の生活をしたいという、あんまりやりすぎますとね、今度は「濡れ落ち葉」と言われちゃいますけれども、今のところは一緒に過ごしたいということを言ってくれていますので、それに応える必要がある。今だったらまだそういうことができるかもしれないというふうに思った次第です。
そして、さらにもう一つは健康上の問題です。私には持病がありまして、定期的に通院していて、1日に結構な量の薬を飲んでいます。そういう状況であるということ、そして今年の6月に人間ドックを受診しまして、処置をしなくてはいけない、外科的な処置術が必要になる病気が発見されまして、これの対応をしなければいけないということです。大きな病院に行っていますけれども、先日、先生とお話しましたら、すぐに外科的な処置が必要とか、そういったことではないということです。外科的な処置をするとしても、私の任期が切れる来年2月になってからでもいいのではないかということでした。家族はやはり早く外科的な処置をしてほしい、11月にもしてほしい、そういう意向はありました。しかし、先生に伺うと、外科的な処置の1カ月ぐらい前から何回か検査をしなければならないということで、そうしますと、10月に何回も検査をするというのは、なかなか日程的に難しいです。また、11月に手術して、その後2週間ほど休むということも日程上なかなか難しい状況でありますので、来年の2月に任期が終わった直後に外科的な処置をするということを今考えている次第です。
4期目は目指さないということは、先ほど申し上げたように家族との間で早くから決めておりましたから、外科上の対応が必要であるという健康問題とは直接は関係ないところでありますが、後援会の方々にも理解していただいた上で来年の2月4日まではしっかり仕事をさせていただいて、その後は完全に公務から離れるということにさせていただくことを決めたということであります。
主な質問
新花巻図書館のプロポーザルの第二次審査について、11月24日にプレゼンをして、その後に選定委員による協議とあるが、当日のうちに最優秀者と次点者を決めるということか。
上田市長
選定委員の皆さんの協議次第ですから、もう少し話し合いたいという可能性がないとは言えないかもしれません。我々としては、当日のうちに結果が出るのではないかなということを期待しています。
市長の進退について、12年間を振り返って上田市長が特に力を入れて推進してきたと思う事業や今後の花巻について、道筋ができたなと感じている事業について教えてほしい。
上田市長
私自身が評価する話ではないと思いますし、まだ任期も4カ月ほどありますから、まずはしっかり仕事をしていきたいなと思っています。新花巻図書館の整備についても、先ほど申し上げたように、設計者を選定するという手続きがありますから、それについてはしっかりやっていきたいと思います。その上で、ある意味ではやれることはやれた部分があるんじゃないかなと思っています。前回の選挙の時の公約は、ほとんど全部やっていると思います。
あとはやはり、まちを元気にするということ、人口減少については、やはりしっかり立ち向かわなければならないというようなことをお話しておりました。大きな対策としては、二つあると思っていまして、一つは子育てを支援するということです。これについては、子育て支援を市がやったからといって、すぐに人口が増えるものではないというようなことは子育て支援が進んでいる韓国でもそうですけれども、日本全体でも今そういう状況にあります。しかしやはり、子育てしやすい環境というのは大事だと思うんですね。生まれる子どもの数は、特にコロナ禍以降減っていますけれども、花巻は、子育て支援がしっかりしているという評価をいただいているのではないかなと思っていまして、それでも生まれる子どもの数は減っていますけれども、市がやったことについては、効果があったのではないかなと思っています。
また、人口の社会増減については、暦年集計では平成30年までは、大変大きなマイナスでした。それが数年間にわたってプラスに変わりまして、最近また数十人のマイナスになっていることについて、大変残念ですけれども、やはりこれは市が行ってきた子育て支援の効果が出てきていることは間違いない、実際、市の支援を使っている方が結構多い状況です。あとは、特に若い女性は都会思考が強いということを言われていますけれども、やはり魅力のある中心市街地が必要だということを言い続けてきたわけでありまして、これについては時間がかかっておりますけれども、それこそ駅の橋上化ですとか、新しい図書館をまちの中に作るとか、あるいはリノベーションのまちづくりを進めていくとか、色々あります。リノベーションのまちづくりについて、きっかけはですね、私がオガール(紫波町)の岡崎さんとお会いして、リノベーションに関する話があって、清水先生などをご紹介いただいて、それがきっかけでリノベーションスクールをやりました。ですから、そういう意味では岡崎さんに大変お世話になりました。リノベーションによってマルカンデパートが復活しまして、若い人もそれを支援して、うまくいったとか、まちの中にそういったところが増えている状況です。あとは、市内で買い物ができるところは絶対必要だということで、我々はイトーヨーカドーの支援について力を入れてきました。一時的には、イトーヨーカドーの社長さんが花巻のイトーヨーカドーを大幅にリニューアルするお考えがあった時期がありました。ただそれは、イトーヨーカドーの内部、セブン&アイ・ホールディングスの意向や、あるいは外資系の方々の意見もあって、そういうことができなくなったわけですけれども、しかしながら、イトーヨーカドー花巻店はずっと黒字が続く中で、撤退したわけですけれども、その後にロピアが来てくれました。これは大変大きかったと思います。数年前は、イトーヨーカドーは外資系の圧力もあって、花巻からの撤退は避けられないなと我々は思いましたけれども、結果的にロピアが入ってくれて、そういった意味ではベストだったんじゃないかなと、ロピアが来ることによって他の花巻市内のテナントも残りましたし、あるいはニトリのように若い方が好むような店も新しく入ってくれましたし、非常によかったと思っています。
あとは、ヨーカドーのような店がなくなると非常に困るなと、残したいと思ったんですけれども、一方でなかなか難しいかなと思っていたところ、沖田地区の大規模小売店舗の計画が出てきまして、それについては我々も反対しないで、一緒に考えていこうということで、それが今、都市計画の変更の縦覧が進んでいますけれども、そっちの方に結びついていると思っています。
ですから、そういう部分で、花巻のまちなかに若い人が好むような拠点、あるいは店を設けるということについても、市として考えてきた部分については実現しているんじゃないかなと思っています。生協の方のショッピングモール、きらきらモールについても、新しい店ができるという動きが出てきていますから、多分若い人たちが喜ぶような店になりそうですし、そういうことで全国的に地方が衰退している中では、運が良かったのかなと思う部分もありますけれども、非常に善戦しているんじゃないかな、他の市に比べても良い状況になっているんじゃないかなと、私は考えています。
そのほか、総合花巻病院について、1年半前に5億円の財政支援、補助を市がしました。これについては色々なご批判もいただきました。しかし、総合花巻病院は、花巻市民の健康を守る上で絶対に必要な病院ということで補助しましたけれども、ただ、マネジメントを変えないといけないというのが我々の考えでして、さらに、市が補助するについて、市だけが補助するのではなくて、金融機関にも一緒に支援していただきたいということで、市が病院の了解をいただいた上で、金融機関に声をかけて、一緒になって再建策を練りました。当初は、金融機関が一緒に支援するということについては、やはり難しい部分がありましたけれども、最終的には金融機関債務減免も認めていただき、ギリギリのところで再建ができたということでございます。我々としては、場合によっては民事再生法の適用申請による再建もやむを得ない、そういう考えで、金融機関や病院と交渉しまして、何とかそういうことができたということになります。その後について、病院はまだまだ赤字ですけれども、赤字になっても解散しないように公益財団法人から公益社団法人へ移行しまして、これについては県の認可をいただきました。そういうことで、資金繰りさえつけば続くという体制はできましたし、医師も今、確保しつつありますので、まだ油断はできませんけれども、総合花巻病院がしっかり再建できる体制が整いつつあると思っています。近隣の市あるいは県立病院などの赤字状況と比べると、総合花巻病院の経営は相対的には良くなっていますから、市が早い時期に支援したということは、正しい方向だったのではないかなと。支援が遅れますと、コストも上がりますから、建設費が上がってきていますから、今だったらもっと支援が難しかったのではないかなと思っています。
高齢者の方については、とにかく命と生活を守るということを絶対にしなくてはいけないということで、公共交通がなくなってきている中でも、予約乗合交通とか、市がコミュニティバスを運行するとか、そういうようなことはしっかりできてるんじゃないかなということで、他市と比較しても遜色のないことができていると思います。これについてはさらに、必要なことについてはやっていかなければなりません。
そのほか、コロナ禍において、花巻市はいち早くワクチンを打てました。ワクチンを打つことによって、救えた命が相当あったと思っていまして、そこは医師会の先生方の頑張りとか、市の職員の頑張り、担当部署だけではなくて他の部署からも手伝ってもらって、保健推進委員の方々にもご協力いただきました。コロナの関係でさらに言えば、温泉はお客さんが非常に少なくなって、経営が苦しい状況だったんですけれども、私は議会で、花巻の温泉、ホテル、旅館は潰さないよう支援するということを申し上げましたけれども、市で15億円以上の支援をしています。都道府県をまたいでの移動が制限されたことから、特に県民の利用者に補助することによって宿泊を増やすということで、そうすると、その何倍かの売り上げになるわけで、そのことによって、花巻の温泉、ホテル、旅館は潰れずに済んだということです。コロナ禍が終わった後に、観光庁が1施設当たり最大1億円を補助する。その代わり、補助率が2分の1なので、自分たちも最大1億円を出さなければならないんですが、花巻の温泉等は、その金額を出せました。そして、国の補助金をもらって高付加価値化して、そのことが結果的に宿泊料金の上昇に繋がりまして、市民がなかなか使いにくいというような声もありますけれども、しかし温泉等は花巻市の経済にとって非常に大事な部分を占めますので、そこは上手くいったと思います。多分、北東北あるいは東北の中で、一番元気な姿になっているんじゃないかなと思っています。
そういうことを、今ちょっと思いつきというか、気が付いたことをお話しましたけれども、これをどう評価するかというのは、私個人がするものではないですが、やれたことはあったかなと思います。
ただ時間かかったものについては、もっと早くできなかったのかなという反省もあります。新花巻図書館については、議会の特別委員会の意見書に基づいて進めたんですけれども、それでもまだ、その前の方針についていろいろと言う方がいらっしゃるのは大変残念ですけどね。その中でも、多くの市民の方々にはご理解いただけているんじゃないかなと私は思いたい。9月の議会でも、市長部局に補助執行させることについてのやり方がおかしいとか、請願がありましたけれども、議員の大多数の方はそんなことはないということで、否決いただきましたので、そのようにご理解いただいているんじゃないかなと思います。
いずれにしましても、任期が4カ月まだありますので、しっかりやっていきたいと。4カ月は長いなというのが正直な感想なんですけれども、やはり体力的には相当厳しい部分はありますけれども、新しいことはなかなかできないかと思いますが、今やっていることをしっかり形として作っていきたいなというふうに考えています。
次の市長になる方について、上田市長の後継はいるのか。いなければ、どのような方に次の市長になってほしいか、考えを聞きたい。
上田市長
次の市長選挙については、色々な動きがあると思いますが、後継という言葉自体が違うと言いますか、誰が後継ですよと私が言える立場ではないと思います。ですから、私がやったことも含めて、次はどういう市長がいいか、市民の皆さんが選ぶべき話です。具体的に次の市長は誰がいいとか、そういうことはありませんし、ただやはり、市民が選ぶ方がいいと思います。中央の政治の方が誰がいいと言って、その方を選ぶというような、昔は花巻でもあったかもしれませんけれど、そのようなことで、その方を市民が選ぶんだったら、それを否定するわけではないんですけれども、やはり市民の皆さんがしっかり考えた上で選んでいただくということを期待したいと思います。
クマ撃退用スプレーの補助制度について、申請は受け付けているということでよろしいか。
農村林務課長
はい、受付は開始していまして、お問い合わせもいただいています。
市長退任後、やりたいこととか、やろうと思っていることがあれば教えてほしい。
上田市長
今までのワークホリックから正反対のことをしたいなと思っています。やはり一番は、家内と一緒に過ごしたいなと思っていますし、若いときに住んだところを一緒に回りたいなと思います。
行政との関わりとかを考えているようなことはあるか。
上田市長
全くないです。体力的な限界まで仕事をしたのかなと、自分では思っていますので、そのようなことは全く考えていません。
クマ撃退用スプレーについて、使い方を市民の方に体験していただくとか、訓練していただくとかそういう機会を作る考えはあるか。
上田市長
そういった機会は必要だと思いますので、どういう形で行ったらいいか検討していきたいと思います。
これまでの実績や進めてきたことの中で、できなかったこと、花巻がこれからやるべきであることについて、どのように考えているか。
上田市長
できなかったことについては、やはり人口が減っていますので、やったこと自体の効果は一定程度あったとは思いますけれども、人口が減るというトレンド、特に今は75歳以上の方が増えていまして、65~75歳までは減り始めています。団塊の世代が75歳になるとともに、それ以上の方が増えていますので、残念なことなんですが亡くなる方も増えるということです。そして、生まれる子どもの数もやはり減っているということで、そうしますと、簡単なことではないんですけれども、人口減少をできるだけ止めるということについては、続けていくべきだと私は思います。
あとは、子育て支援に関して言えば、子育て支援をしたからといって、生まれる子どもの数が必ずしも劇的に増えるわけではないというのは、韓国の例もそうですし、日本もそうですし、ヨーロッパもそうです。しかし、子育てをしている親御さんを支援するということは、やはり続けていくべきだと思いますし、その上で、今後大事になることは、人口が減った場合に、一体どうするのかっていうことをもう1回考える必要があると思います。私は先ほど申し上げたように、まちなかについてはなるべく人口を維持する、若い人たちが住みたいと思えるまちを作っていくということが必要になってくるので、そこは続ける必要があると思います。
一方、中山間地の場合には、なかなかそういうことは難しいです。でも、中山間地を維持するために何をやっていくべきかということを考えなければならない。長い目で見た場合には、中山間地も集落がなくなってくるということがあるかもしれませんけれども、そのスピードを遅らせるために何をしなければならないのか考える必要があります。私がよく申し上げているのは、中山間地のあまり大きな圃場整備ができないようなところでは、機械化しやすい米の生産を続けていくというのは、難しいと思います。野菜とか果物も人手がかかりますからできない、そうすると、牧草地にしてしまって、農地のまま、国の補助も得ながら、集落としてやるべきこと、例えば、お買い物に行けない方を、近所の方が支援してお金を少し得るとか、そういうことを今後やっていく必要があるんじゃないか、そういうことについて、さらに考えていく必要あるんじゃないかなと思っています。
米についても、今朝の新聞に出ていましたけれども、自民党総裁の候補者のうち1人の方は増産と言っていましたけれども、他の方は増産という言葉を避けている、私はそれが正しいと思います。米を増産してしまって、その結果、米の需給バランスが来年度とか再来年度に崩れてしまった場合、米の値段が暴落する可能性がある。それを所得補償とか収入保険でカバーしようという候補者の考えもありましたけれど、そんなことは無理だと思います。例えば、所得補償については、10アールあたり15,000円の所得補償をやった時期があるんですね。その頃は1俵60キロの米を売ったことで得られる生産者の収入が9,100円とか、そういう時期です。そうすると、仮に10アールあたり10俵とれたとして、所得補償を含めて生産者の収入は1俵あたり1万500円程度に過ぎず、再生産できる収入にならないんですよね。ですから、所得補償だけで生産者に再生産できる収入を保障することは無理で、生産調整によりコメの価格を維持することが必要です。増産して、後は輸出するという意見についても、何を言っているんだというのが、私の正直な感想です。ですから、意外といいなと思っているのは、今回の候補者5人のうち4人は米の増産という言葉を避けていることです。
転作についても色々ありますし、水田活用の直接支払い交付金についても、その条件として、5年に1回の水張り要件を設けるとした時期がありました。私はこれに大反対しまして、決まったことについて何を言っているんだと中央の意見もありましたけれども、結局、我々の意見通りの結果となり、5年に1回の水張り要件はなくなりました。やはり中央に対して働きかけていくことはすごく大事で、米の増産についても、我々の危惧が現実化する可能性があるんじゃないかということを国に対して私は言っています。日本のコメ生産を守らないと消費者にとっても、日本の米が食べられなくなって困ったことになります、ですからそういうことをしっかり考えてほしい、そういった地方の声を届けていくことは今後も大事であると思っています。
1人の首長が長くやるのはあまり良くない、3期ぐらいが良いのではないかということだが、長く務めることによって良くないと市長が考える理由を教えてほしい。
上田市長
そこまではっきりした意見ではありませんし、人によって違うと思います。私のように色んなアイデアを出して、市の職員は大変ですけど、それでやれたこともあると思いますし、よかったこともあったと思います。
ただ、違うやり方があってもいいんじゃないかということです。ですから、そういう意味では、3期ということがよく言われる一つの根拠にはなるだろうと思います。ただ、体力が続いて、まだまだやりたいという方が4期目を目指すということがいけないとか、そういうことではありません。あくまでも私個人についての考えです。
3期で勇退というのは、市長に立候補したときから思っていたことか。
上田市長
行政に携わった経験がありませんでしたので、何期が適当であるというしっかりした意見を持っていたわけではありません。ただ、立候補した段階では2期はやりたいとは思いました。2期目が終わる段階で、まだまだやることがあるし、体力的にもまだできると思ったので、3期を目指したということです。
担当
総合政策部 広報情報課 広報係
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