令和7年6月 定例記者会見を開催しました

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ページ番号1023815  更新日 令和7年7月2日

記者会見の様子

開催日時

令和7年6月25日(水曜)午前11時から11時50分まで

開催場所

花巻市役所本庁本館3階 302会議室

会見項目

  1. 新花巻図書館整備に関する設計業務等の予算が議決されました
    <担当 生涯学習部 新花巻図書館計画室>
  2. 花巻市防災訓練を実施します
    <担当 地域振興部 防災危機管理課>
  3. 「2025イーハトーブレディース駅伝」を開催します
    <担当 生涯学習部 スポーツ振興課>
  4. 「童話村の森ライトアップ2025」を開催します
    <担当 生涯学習部 賢治まちづくり課>
  5. 萬鉄五郎記念美術館企画展「かいけつゾロリ大冒険展」を開催します
    <担当 生涯学習部 萬鉄五郎記念美術館>

冒頭コメント

上田市長

6月の定例記者会見にお越しいただき大変ありがとうございます。今年も暦年だともう半年過ぎたところで、時の経つのは早いなと思っております。
今日は5項目について、お話をさせていただき、その上でご質問をお受けしたいと思いますので、よろしくお願いします。

新花巻図書館整備に関する設計業務等の予算が議決されました

上田市長

項目1番目、新花巻図書館整備に関する設計業務などの予算が議決されたということでございまして、これに伴って設計業務の準備に入っているということについてお話をさせていただきます。

新花巻図書館整備基本計画につきましては、教育委員会議定例会で決定いただきまして、その後、令和7年花巻市議会6月定例会において同計画に基づく新花巻図書館整備に関する設計等の補正予算を議決いただきました。今回の補正予算の内容でございますが、新花巻図書館の設計業者選定に関わる経費や現地の測量を行うための予算、そしてこの事業について国の補助金(都市構造再編集中支援事業補助金)を活用するために必要な「都市再生整備計画」を本年度中に策定するための予算など2,561万1,000円を計上させていただきました。

また、今回の設計でありますけれども、通常、市が行う設計業務は基本設計と実施設計を別々に発注いたします。しかしながら、今回は基本設計と実施設計を一括して発注させていただきたいということで、設計業務が令和7年度中に終わらず、令和8年度にかかるということでございますので、この2年間分について債務負担、要するに契約上の義務を負担しますよ、という補正予算についても先ほど申し上げました2,561万1,000円とは別に、議決をいただいたところであります。

本年度中に使う予算、2,561万1,000円の内訳については、新花巻図書館の設計業者選定に係る経費として35万9,000円。これは今回の設計業者の選定は単純に図書館特有の知識だけではなくて、もちろんそれも重要になりますけれども、建物の環境性能や交通計画、駐車場計画、広場設計など業務内容が多岐に渡り幅広い専門的な知識と経験が要求されることとなりますので、建築および土木分野について、横断的かつ総合的な技術力が必要になると考えております。そのようなことから、実施事業者の選定については、今回の図書館の設計業務と同種・類似の業務実績や経験、特定の課題に対する技術提案を応募者に求めて、提出された技術提案などを審査した上で、より優れた技術力を有する事業者を選定できる公募型プロポーザル方式によって選定いたします。

国交省の基準等からしますと、このような大きな建築に関する設計については、プロポーザル方式がむしろ一般的という考え方のようでありまして、花巻市においてもプロポーザルについては規則があるわけでありまして、それに基づいてこのプロポーザル方式により選定することといたします。

この公募型プロポーザルの実施のため、プロポーザル選定委員会を開催する必要がありますことから、当該選定委員に対する謝金等について予算措置をするということであります。プロポーザル選定委員会については、通常、花巻市の場合には市の職員が中心となることが多いのですが、今回は専門の方々を中心としていただくと、市の職員も1人、2人は入ることを想定しておりますが、基本的にはやはり専門の方々にお考えいただいて、適切な事業者を選んでいただくということを考えているところであります。

また、市内業者が単独でプロポーザルに参加することは内容的になかなか難しいかなということを考えているところでありますけれども、その上で市内業者にもできれば設計に入っていただきたいということで、市内業者を加えた共同企業体を結成して、このプロポーザルに応募いただいた場合には評価点を加点することで、設計段階で市内業者も参加できる可能性を広げたいというようなことを現時点において考えております。

内訳の2つ目、新花巻図書館用地等測量調査業務委託料として1,507万7,000円を計上しています。これは設計業務の基礎データとして現地の測量データが必要になりますので、用地測量および現況測量を実施するための委託料であります。以前にもお話したかと思いますが、地盤調査については、JR花巻駅の橋上化の関係でJR花巻駅舎の場所において調査済みであり、その調査結果によると、今回、図書館の建設を予定している場所においても地盤は強いというふうに想定されるところでありますけれども、しかしながら実際に設計の途中で改めて地盤調査を実施することを考えておりまして、令和8年度に実施することを考えておりますので、それに関する予算については今回の補正予算の中には入っておりません。

内訳の3つ目、これは先ほど申し上げた国の補助金を得る前提として今年度中に都市再生整備計画の策定が必要になります。その計画を策定するため、専門業者から支援を得るための費用1,017万5,000円を計上しています。これについてはもう今、手続きを進めているところであります。これによりまして、都市再生整備計画を策定し、来年度から国の補助金をいただきたいということで、今年度中に国に対する働きかけをしていくということを考えております。早ければ8月初めぐらいから具体的な要望活動を行うことができるように日程を調整している状況でございます。

続いて債務負担行為の概要についてお話しますけれども、新花巻図書館整備に関する設計については、可能な限り早期に図書館の整備を進めるため、基本設計及び実施設計をひとつの契約として一括で発注することとしまして、その設計は令和7年度から8年度までの2カ年で実施することとなりますので、4億800万円の債務負担行為について議決いただいたということでございます。

この基本設計と実施設計を一括で発注するということなんですけれども、PFI(プライベート・ファイナンス・イニシアチブ)ってありますよね、民間企業が建物を作って、国や地方自治体の計画等に基づいて民間企業がサービス提供を実施するといったような公共事業の進め方の手法でございますけれども、そのような場合にはこの基本設計と実施設計を一括で発注することは普通になっております。本件については、PFIではなくて市が作る建物になりますけれども、似たような考え方でそういう基本設計と実施設計をひとつの契約として発注するということを考えているわけです。

その場合のメリットですけれども、基本設計と実施設計が連続することで、高度な建築設計技術、環境などへの配慮、関係者間の合意形成といった幅広い技術力が必要になりますので、そのようなことができるより優れた業者の参加が期待できるということであります。また、図書館の設計全体に同一事業者が関与することになりますので、設計業務に対する責任が明確化されるため、設計成果としての質の向上も期待できることとなります。さらに手続き的にも、基本設計が終わった後に実施設計の契約を待つ必要がありませんので、設計工期の短縮が期待できることになります。そのようなメリットがありますので、本件は基本設計と実施設計をひとつの契約として一括で発注したいと考えているところでございます。

資料2ページ、設計業務の業者選定について記載しております、これは先ほどから申し上げている部分と重複する部分もありますけれども、基本設計および実施設計業務の一括発注にあたっては、同種業務・類似業務の実績や経験のほか、本業務にあたり配慮すべき点を設定し、それに対する技術提案を応募者に求め、その技術提案を審査して最も高い技術力を持つ業者を選定できる公募型プロポーザル方式により実施します。応募者に求める専門的な知識については、一般の建築設計のような定型的なものではなくて、図書館あるいは博物館などに特有の知識、建物の環境性能、図書館周辺の交通計画や駐車場計画、広場設計など多岐にわたる業務の実施を求めるものでありまして、そういったことについて経験のある建築・土木分野の横断的かつ総合的な技術力を持った業者による実施が必要だと考えているところであります。

この技術力でありますが、建物の構造設計のほか、新花巻図書館整備基本計画を実現するために必要な建物のレイアウトの比較検討、ワークショップの開催による市民の意見のとりまとめについても設計業者にやっていただいて、それを設計に反映することをやっていただきます。それからZEB Readyという、いわゆる高断熱化および高効率化など省エネ設備を備えた建築物の知識、あるいは資格が必要となります。このZEB Readyを備えた建物となった場合には、資料2ページの下段に書いてありますけれども、国の補助金は15億円を市としては想定しているところなんですけれども、ZEB Readyを備えていない建物を作った場合の補助金の上限は10億円になります。ZEB Readyを備えた建物になると、断熱効果が高くなりますので、光熱費も安くなりますし、建物自体が立派なものになるということだけではなくて、国の補助金も最大で5億円増えるということになりますので、このような高断熱化および高効率化など省エネ設備を備えた建築物を設計していただける業者である必要があるということになります。また図書館周辺の交通計画や駐車場計画などを作っていただく必要もありますし、あるいは今の広場でございますけれども、それをどうするか。その設計についてもやっていただくことになります。

市内に本店を有する一級建築士の事務所のうち、花巻市営建設関連業務委託資格者名簿に登録があるのは7社であり、そのうち3名以上の一級建築士を有するのは2社のみとなっています。市内業者または市内業者との共同企業体のみを応募要件とした場合、市外業者は共同企業体を組む市内業者というのはなかなか見つけられないわけでありまして、結果として応募者数が少なくなる可能性が高くなると、これは今我々がご相談している専門家からも同様のご意見をいただいておりますけれども、そのような可能性が高くなって、最良の成果を得るにふさわしい選定とは言い難い状況となるのではないかというように考えております。このことは、これから建設する新花巻図書館に対する市民の期待、ワークショップや市民会議をはじめ、たくさんの市民が関心を持ち、考え議論し積み重ねてきた単なる箱物ではない図書館を建築できるのか、そのような観点から見ても、このプロポーザルに応募いただく事業者は限定的ではなくて、できるだけたくさんの事業者に応募していただきたいと考えているところであります。従って先ほど申し上げたように、市内の事業者のみ、あるいは市内の事業者と組まなくてはいけないという条件を付けることはできないと考えております。

従って、我々としては市内事業者と共同企業体を作る場合には、そこに評価点を加えるということで市外の事業者だけではなくて、市内の事業者も入って、応募できるような道を残したいということで考えているところであります。ちなみに、例えば桜台小学校の長寿命化工事については市内の事業者の方に設計をしていただいていますし、今後の話としましては、矢沢義務教育学校の設計について、今後、実施設計に入る状況になっておりまして、これについても市内の設計事業者さんにお願いします。あるいは花巻球場についても市内の設計事業者さんに設計していただいて修繕する部分も出てきますし、文化会館の改修工事についても市内の設計事業者さんにお願いしますし、道路工事も含めて色々な工事について花巻市は市内の設計事業者に設計をお願いしている部分はたくさんございます。

また、先ほど申し上げましたけれども、今回の設計業務については、市民参加型のワークショップの実施等も含めて、基本設計の期間は7カ月、実施設計の期間は工事費の積算と建築確認申請も含めて11カ月と長期の業務を見込んでいるところであります。

設計業務の選定にあたっては、一般社団法人日本建築学会がまとめた「長く大切にされる公共施設を実現するための提言」の設計業者選定の指針に基づき、優れた設計業者を選ぶための作業を進めておりまして、これについては建築設計の専門家に既に相談しております。その方個人かその方が所属する組織かは別にいたしましてアドバイザリー契約を結ぶということを予定しております。また、プロポーザルの選定委員でございますけれども、先ほど申し上げた日本建築学会がまとめた指針によりまして、建築設計の専門家を含む行政外部の専門家を過半数とするなど、優れた設計業者を選択できるように進めてまいります。従って、市の職員中心ではなくて、建築設計の専門家、しかも図書館等についてノウハウのある建築家の方々が多くを占めるのではないかなということを我々としては期待しているところでございます。

新花巻図書館開館までのスケジュールでございますけれども、令和7年度において基本設計と実施設計の契約を結びまして、基本設計は令和7年度から8年度にかけて、実施設計は令和8年度に行うということにしております。先ほど申し上げたように、実施設計の段階から国の補助金をいただくということで、本年度中に国に対する働きかけをしていく必要があるとそのように予定しているところであります。

用地でございますけれども、これについてはJR東日本から買うことで進めておりまして、取得の時期につきましては、我々が事業を進める上で早く取得した方がいいということであれば、可能性としては現時点においてはないわけではない、ということです。既存の建物の解体については花巻市が解体する約束になっていますので、花巻市が解体することになります。その後、令和10年度に本体工事に入りまして、外構工事を令和11年度に開始しまして、令和12年度には全て完成する計画としています。

ちなみに概算事業費でありますけれども、令和6年10月時点の計算によりますと、39億9,000万円程度ということになります。財源については国庫補助金15億円、合併特例債23億6,000万円、それ以外の一般財源は1億3,000万円ということを計画しております。合併特例債については、返済額の70%について国から交付税措置されますので、国から交付税措置がされる分を除きますと、市の実質的な負担は8億4,000万円を見込んでいます。ただ、令和6年10月時点の概算事業費ですので、今の段階でいくらになるかということについては、実際に設計が終わって発注してみないと分からないところがあります。人件費については上がる可能性がありまして、今回の39億9,000万円の中でカバーできる部分もありますし、もしカバーできない部分があれば金額が増える可能性はもちろんあります。その場合には、合併特例債の金額を増やしていくということも考えております。

先ほど申し上げたように国庫補助金額は高断熱化および高効率化など省エネ設備を備えた図書館にした場合でも15億円が限界ということでありますので、もし事業費が増えた場合でも国からの補助金15億円はそれ以上は増えず、補助金増額ではなく合併特例債を増額することがあり得るということです。ちなみに合併特例債は令和8年3月時点における発行可能残高が約78億円でありますので、十分負担できる状況になっていると考えているところでございます。

花巻市防災訓練を実施します

上田市長

項目2番目、花巻市防災訓練の実施でございます。これは毎年実施しているわけでございますけれども、今年は6月29日(日曜)に実施します。今回の訓練は、大雨で北上川が増水して避難判断水位に達する見込みで、土砂災害の危険性が高まっているということから「警戒レベル3高齢者等避難」が発令されたことを想定して実施します。

具体的な内容については、資料3ページの表の中にございますが、災害対策本部の設置と災害情報報告を市役所の本館3階会議室で行います。これには陸上自衛隊の第9高射大隊の担当の方も来ていただきます。そして、指定緊急避難場所への避難訓練ですが、これは市のエリアメール、あるいは電話自動発信システムにより情報伝達を行います。電話自動発信システムによる情報伝達ですけれども、これは、市の担当者が実際に電話を掛けなくても録音した内容を自主防災組織の関係者の方に自動的で連絡する電話システムでありまして、今回もこれを使って行います。また、指定緊急避難場所29ヶ所を開設して、自主防災組織による避難訓練、段ボールベッド、テントなどの防災備品の設営を行います。

そのほか、避難行動要支援者の避難訓練、実際に要支援者の方に逃げていただくということをやります。これについては、自主防災組織と市の防災危機管理課で連携を取りながら進めていますけれども、話しを聞いていると、あまり上手くいっていないように感じています。初めてのことですので、やむを得ない、逆に言うと、上手くいかないということを学ぶのは大事だと思いますけれども、自主防災組織の方からは現実的ではないような訓練になっていないかというご指摘もいただいておりまして、今回の結果を踏まえて、さらに検討していきたいと思っています。

さらに、LINEを活用したデジタル受付の実証実験をまなび学園と宮野目振興センターで行います。これは県との共同で実施するものでございますが、高齢者の方はなかなか使うことが難しい、しかも避難してくる方、特に訓練のときに避難してくる方は高齢者の方が多いので、なかなかこういうシステムを導入しても上手くいかないことはありますけども、こういうことを毎年やっていくことによって、できる方が増えていくということを期待しております。

「2025イーハトーブレディース駅伝」を開催します

上田市長

項目3番目、イーハトーブレディース駅伝を今年は10月5日(日曜)に開催します。種目としてはレディースの部、シニアレディースの部、そして昨年度から始めました高校生の部、小学生の部です。小学生の部については、高学年の部と低学年の部に分けます。参加料でございますけれども、レディースの部、シニアレディースの部は1人につき2,000円、高校生の部は1人につき1,500円、小学生の部は1チームにつき3,000円となります。

参加申し込みでございますけれども、7月4日(金曜)から8月15日(金曜)まで、インターネットでの申し込みとなります。そのほか、大会前日の10月4日(土曜)には、ホテル花巻にて前夜祭を開催します。そして、県外からの参加チームには1チームあたり5,000円の宿泊費を実行委員会で補助します。

「童話村の森ライトアップ2025」を開催します

上田市長

項目4番目、童話村の森ライトアップについてです。今年は7月19日(土曜)から10月26日(日曜)の毎週土曜日、日曜日、祝日とお盆期間である8月9日から17日までは毎日開催します。大変好評でございまして、花巻の夏の風物詩として定着してきたのかなというふうに思っております。

期間中は「賢治の学校」「賢治の教室」、童話村にありますけれども、そこは開館時間をライトアップ終了時刻の30分前まで延長します。あと今年も屋台村を開催する予定にしています。関連イベントとしては、制作体験オブジェの展示、これは市内小学生が絵付けしたアクリル板をオブジェに仕上げ展示します。そのほか、「花巻傘」のライトアップ展示や賢治作品に登場する星座や星空を天体望遠鏡で観察するイベントである星空観察会を開催しますし、10月4日(土曜)には地元高校生による朗読や鹿踊の披露など、野外ステージでのイベントも開催します。

萬鉄五郎記念美術館企画展「かいけつゾロリ大冒険展」を開催します

上田市長

項目5番目、萬鉄五郎記念美術館で「かいけつゾロリ大冒険展」を開催します。「かいけつゾロリ」シリーズは、キツネの主人公ゾロリが弟子のイシシ・ノシシとともにいたずらの修行の旅を続ける物語です。1987年に「かいけつゾロリのドラゴンたいじ」が発表されてから現在まで75巻まで出版され、累計発行部数は3,500万部を突破する国民的児童書です。

企画展の開催期間は7月26日(土曜)から9月7日(日曜)まで、開館時間は8時30分から17時まで、入館料は一般700円、高校生・学生は400円、小・中学生は300円です。関連イベントとしまして、原ゆたか先生のサイン会、ギャラリートークを8月2日(土曜)に開催するほか、8月24日(日曜)には撮影会、かいけつゾロリがやってくる、を開催します。

こういった子どもたちの心が豊かになるようなイベントを開催できるということについて、非常に嬉しく思っているところでありまして、学芸員の方々が頑張っていただいておりまして、萬鉄五郎記念美術館の企画展は最近特に素晴らしいと思っております。

主な質問

防災訓練について、新たな試みとして避難行動要支援者の避難支援というものがあるが、内容について詳しく教えてほしい。

上田市長

消防団が自主防災組織と連携して要支援者の方の自宅に伺い、指定緊急避難場所など要支援者の個別避難支援計画に定める避難場所に連れて行くという訓練です。ただ、地域の方に聞くと、車で連れて行くけれど帰りの車は用意しないとか、あるいは避難場所となる指定緊急避難場所にはエアコンもないようなところで、炎天下に要支援者の方をそのような場所にお連れするのはどうなのかということについてお話しされた方がいまして、訓練の内容についての検討が不十分なのではないかと感じています。

そもそも要支援者がどこに逃げるかということについては、指定緊急避難場所に限るわけではありません。例えば、近所のより安全なほかの方のご自宅に逃げていただくとか、あるいは親戚の方のところへ逃げていただくとか、そういうことも含めた個別避難支援計画を作らなければなりません。冷房のないようなところに逃げていただくのは、本来の避難計画としてはいかがなものかなと。ですから、そこまで考えて計画を作らなければなりません。実際、洪水の危険性が発生したときに、動けない人をどこにどなたが避難させるのか、そこまでしっかり考えた上での計画が必要になってくるわけで、指定緊急避難場所にただお連れするということについて、少し計画が甘いのではないかなと思っています。

去年の8月末だと記憶していますが、稗貫川の水位が急激に増えました。北上川の水は増えるまで盛岡から石鳥谷まで4~5時間かかりますので、すぐに増えるということはありません。ただ稗貫川については、あっという間に増えます。稗貫川沿いの地区に避難指示の発令を検討して16時に出そうと決めたんですけれども、15時45分頃に雨も止んできましたので、気象台に聞いたら、南から雲が流れ込んで強い雨を降らせるという予報がなくなったということでしたので、避難指示を出すのを止めました。その時は結果的にそれでよかったのですが、その時に実際に避難指示を出したらどうなるんだろうな、逃げられない人がいるんじゃないかなと思いました。市としては、避難指示を出せばいいのかもしれませんけれども、実際に避難指示を出した場合に単独で逃げられない人の避難のことまでしっかり考えているのかなと。今回の避難訓練はそのことを考える上で良い機会と思っていたところですが、その点については検討がちょっと甘かったのではないかなと思ったのが正直な感想です。

ただ、今回の訓練を通して、実際に指定緊急避難所にお連れしたときに、要支援者の方が「私はエアコンもないこんなところにはいられませんよ」というようなことをもし言われたりすれば、それはその方の個別避難支援計画を見直す機会になるという意味で有意義なことと考えますので、今回の訓練は不十分な内容ではあってもそのまま実施するとしたところです。

東日本大震災以降、個別避難計画の作成が課題になっている。市としては個別避難計画の作成についてどのように考えているか。

上田市長

個別避難支援計画については、市内の多くの自主防災組織で作成しています。ただ、その地域の方々、自主防災組織の方々が実際に要支援者をお連れすることができるかというと、できない場合も多いと思います。そうしますと、例えば消防団が手伝って避難させるとなると、そこはもう1回計画を考え直さなくてはならい部分もあるのではないかなと思います。先ほど申し上げたように、稗貫川の氾濫想定区域や毎年のように土砂災害警戒情報の発表があり高齢者等避難が発令される東和町の田瀬地区などは特に具体的な逃げ方まで徹底して考えなければならないと思っています。今回の防災訓練の準備状況を聞いていますと、そこまでは深く検討されていないように感じていまして、今回の防災訓練を実施してみて、住民の方からこの訓練は意味がないのではないか、といった声が出てくるとすれば、それを受けて、我々は何を考えなければならないのか、防災危機管理課は6月から10月は出水期で非常に忙しい時期ですからその期間においてはなかなか検討できないにせよ、その後、冬の期間にそういうことを考えていきたいと思っています。

6月27日(金曜)にロピアがオープンするが、地域活性化に関する期待など、どのように考えているか。

上田市長

イトーヨーカドー花巻店については、私が市長になった頃から存続するのかなということについては心配していました。イトーヨーカドーの社長さんを含めて幹部の方にもお会いして、花巻を見てもらうなど店の存続のためにできることはやりたいということで、協力関係を一生懸命築いてきました。販売促進のために、私自身も東京のイトーヨーカドー店舗に行って、花巻の特産品をPRしたりもしました。ただ、状況を見ておりますと、イトーヨーカドー花巻店はずっと黒字でしたが、今の経済界の方々、特に外資系の方々は、投下資本に比べて黒字の幅がいくらなのかを重視しますから、黒字であっても十分ではないという言い方をされます。そういう中で見ていくとやはり外資系のファンドの圧力が強くなったということがあって、撤退する可能性は相当強くなっているなということは毎年見ていました。

もう一つの要因として、イトーヨーカドーの商品の配送ルートを見ますと、県内にはイトーヨーカドーの配送先は花巻しかありません、青森は八戸、弘前、五所川原などに店舗がありましたが、そっちがなくなると花巻への配送ルートがなくなりますから、当然、花巻店も存続は難しくなるかもしれないというような想定はしておりました。イトーヨーカドー花巻店の閉鎖が避けられないということになると、ベストはやはり後継の店舗が入るということでありまして、結果的に核テナントとしてロピアさんが入っていただいたことは、ベストだと思っています。同社は、今、食品スーパーとして非常に勢いがありますし、店舗数も年々増えていますし、利益も今年の3月で約70億だったと思いますけれども、すごい勢いのあるところだと思っています。

ロピアが花巻に進出を決めるについては、イトーヨーカドー花巻店がずっと黒字だったということも影響したのかもしれません。そういった意味では、イトーヨーカドー花巻店が頑張ってくださったのは意味があったのではないかなと思っています。また、ロピアは、イトーヨーカドー花巻店に勤めていた従業員で希望される方を引き続きロピアで雇ってくださったとのことです。そのことも感謝したいと思います。

ロピアについては、昨年3月に店舗の一つに初めて伺い、同社の東京の拠点で幹部にお会いした時に、ニューヨーク郊外の高級スーパーであるスチュー・レオナルドに似ていますねと言いましたが、その幹部の方によると、同社ではスチュー・レオナルドとカリフォルニア発祥のトレーダー・ジョーズには毎年社員を研修に出しているとおっしゃっていました。そういう意味では他のスーパーとはちょっと違う、商圏が広くなる可能性があるのではないかと期待しているところであり、花巻市民だけではなくて県内からも多くの方に来ていただけるようなスーパーになるのではないかと思っています。

新花巻図書館について、建物が2階建てになるのか3階建てになるのか、そういった部分が決まってくるのはいつ頃の予定か。

上田市長

来年のそんなに遅くない時期だと考えています。基本設計は来年度の初めぐらいには大体出来上がってくる予定ですので、その段階またはその途中になるかもしれませんけれども、ワークショップを行って市民の皆さんの意見をお聞きしながら進めたいと考えています。

新花巻図書館の設計業務の業者選定について、市外の業者同士の共同企業体でもプロポーザルに応募できることでよいか。

上田市長

はい。そのとおりです。

担当

総合政策部 広報情報課 広報係

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