令和7年7月 定例記者会見を開催しました

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ページ番号1023987  更新日 令和7年8月13日

記者会見の様子

開催日時

令和7年7月30日(水曜)午前10時30分から11時50分まで

開催場所

花巻市役所本庁本館3階 302会議室

会見項目

  1. 公募型プロポーザル方式による新花巻図書館整備基本・実施設計業務委託の業者選定を開始しました
    <担当 生涯学習部 新花巻図書館計画室>
  2. 住民票の写しや戸籍謄本などのオンライン交付申請を開始します
    <担当 総合政策部 広報情報課>
  3. 「イーハトーブフェスティバル2025」を開催します
    <担当 生涯学習部 賢治まちづくり課>
  4. 花巻市内で撮影が行われた映画「おいしい給食 炎の修学旅行」の上映会等を開催します
    <担当 商工観光部 観光課>
  5. 花巻市文化会館自主事業の映画上映会と音楽ライブを開催します
    <担当 生涯学習部 花巻市文化会館>
  6. 第35回宮沢賢治賞・イーハトーブ賞の受賞者を決定しました
    <担当 生涯学習部 賢治まちづくり課>

冒頭コメント

上田市長

おはようございます。暑い中お集まりいただきまして大変ありがとうございます。

全国的にそうなんですけれども、雨が降らないということで、ダムの水が減っているという状況がございます。豊沢ダムはもともと、雪解け水によってダムが満杯になっても、梅雨の時期に雨が降らなければ、水不足になる可能性のある、比較的小さいダムでございます。我々にとっては大変大事なダムなんですけれども、去年に続きまして今年も水不足の傾向が続いているということです。

岩手県内の他のダムも取水制限をしていると、北上市の夏油高原入畑ダムは、水がなくならないダムだと我々は認識しておりましたけれども、そこも水不足である。あるいは湯田ダム、胆沢ダム、御所ダムも取水制限をしなくてはいけない状況になっているということで、大変心配しているところであります。台風の被害についても心配なんですけれども、このような状況で2週間ぐらい雨が降らないかもしれないということになった場合には、台風の影響によって雨が降ってくれればいいなというふうに願っているところであります。

今年は米の値段が上がりまして、消費者の方が困っているという話もありますけれども、しかしながら我々は、生産者が生産を続けられる価格である必要があると思っておりまして、少なくとも今年産につきましては農協さんあるいは全農さんのご理解のもとにそういう体制が出来上がりつつありますので、しっかり生産ができなければ、やはり生産者の方々も十分な収入を得られないわけでございますので、その点も大変心配しているところでございます。

また、7月28日(月曜)の午後8時頃にクマが十二丁目地内の方のお宅に侵入したという通報がありまして、市の担当者、有害鳥獣対策アドバイザーなどが午後11時の段階で罠を仕掛けました。この判断については、やはり家の中に入ったクマが食べ物を食べてしまうと、また来るという可能性が高いということ、しかも比較的すぐ来るのではないかというようなことで、そういう判断のもとにおいて、通報があってから直ちに動いて罠を設置しました。罠の設置場所についても、しっかり情報を得て、分析して、かかりやすいところ、クマが侵入したお宅のすぐそばに設置したということでありまして、その予測通り、クマが来まして午前3時半頃にクマが罠に入ったということが分かりました。これは、くくり罠(イノシシやシカなどを捕獲する罠)が作動すると市の担当者に通知が届く装置がありまして、それをクマ用の罠に取り付けたものを設置していたことから、クマが罠に入ったことが分かりました。

そのほか、AIカメラについては大変役に立っておりまして、当初はクマが川からまちに入る場所と想定されるところにAIカメラを設置していたんですけれども、今はクマが出た場合に、色んなところにAIカメラを設置しますと、まちなか等でのクマの動きがAIカメラに映るということがありまして、そのことが罠を仕掛ける場合においても非常に役に立っているということであります。

AIカメラは8月1日(金曜)の臨時議会で補正予算を提案し20台増やします。罠についても、市は、花巻市猟友会の4台を含めて、合計20台保有していまして、他市に比べると比較的多くの罠を保有していますけれども、しかしこんなふうに頻繁にクマが出てきますと、例えば1箇所に1台だけではなくて2台、3台設置する場合もありますので、やはり数は確保しなくてはいけません。また、大きなクマになると、今のドラム缶の罠だと入らない場合もあるということで、ドラム缶ではなくて檻タイプの大型の罠も購入したいと考えています。これは8月1日の臨時議会で市議会に補正予算を提案しまして、予算を認めていただいた後に、手配を進めていくというようなことを考えております。

クマ対策としては他にも、子どもたちの安全のためにクマが通学路などに出て危ないときには、保護者の皆さんにお願いして、車で送り迎えしていただいています。それにプラスして、どうしても保護者の方が車で送れない場合は、タクシー代を市で負担しまして、タクシーを使っていただくということをやっております。あるいは先ほども申し上げましたけれども、人家の中に入ってくるクマ、餌を食べると何度も何度も来るというクマの傾向があるわけで、そのことが北上市で尊い人命が失われたことに繋がったわけであります。そして花巻においても、東和の前田地区でクマが餌を取りに何度も何度も来るという、似たような状況がありました。その時は罠を1台から2台に増やして、アドバイザーの判断で的確な場所に罠を設置しまして、その結果、そのような危険なクマをその日のうちに捕獲することができたわけです。

十二丁目のクマも東和の前田地区のクマも、罠を設置した日とほぼ同じ日にクマを捕獲できたということで、市民の皆さんの命を守っていくことについて、我々としては今後も頑張っていきたいと思っています。今年はブナの実の大凶作が予想されているわけでありまして、秋にかけてさらにクマが人里に降りてくる可能性がありますけれども、何よりも人命が第一ということで、できることを一生懸命やらせていただきたいと考えている次第であります。

公募型プロポーザル方式による新花巻図書館整備基本・実施設計業務委託の業者選定を開始しました

上田市長

項目1番目、新花巻図書館の整備に関連する基本設計、実施設計の業務委託の業者選定について、公募型プロポーザル方式により開始したということであります。設計業務については、通常は基本設計と実施設計を別々に行うんですけれども、今回は時間の問題もありますけれども、大体のプランを決める基本設計、そして具体的な部分を決める実施設計、この2つを同じ業者にやっていただくということで、そのことによって設計全てについて責任を持っていただくということになります。

提案の上限額は3億7,100万円です。議会で承認いただいている本件に関する予算は4億円を超えているわけでございますけれども、3億7,100万円というのは当初の我々の見積もりの結果による金額でございます。ただ、人件費の増大とか色んなことがありますので、今後進めていく中で3億7,100万円を超える可能性もゼロとは言えないということから、ある程度余裕のある予算を議会で承認いただいたということでございます。

選定や審査につきましては、選定委員会において最優秀者(優先交渉権者)および次点者を選定しますが、審査は2段階で行うこととします。応募資格は、一級建築士登録を受けた個人または法人で、延床面積500平方メートル以上の公共施設の設計実績を持つことを条件としました。もう少し大きな面積要件でもいいのではないかという考え方もあるかと思いますけれども、ある程度規模の大きい事務所から若手で色んなアイディアのあるような、そういう設計士さんにも応募していただくということを可能性として残したいということで、500平方メートル以上の公共施設の設計実績ということを条件にさせていただきました。

具体的な選定でありますけれども、第1審査は提案者の能力や技術者の資格、経験、同種業務の実績などを評価する「定量的評価」と、提案内容の独創性や実現力を評価する「定性的評価」の両面から総合的に判断します。また、市内業者が参画できる可能性を高めるため、市内業者を加えた共同企業体(JV)を結成する場合には、評価点に点数を加えます。2次審査では、提出された技術提案書やヒアリング内容をもとに、図書館としての性能、公共建築としての持続可能性、敷地の活用、この3項目について具体性と実現性を検証して最終的に選定委員会での合議を経て優先交渉権者と次点者を選定することにしております。

今回の公募型プロポーザルでございますけれども、一般社団法人日本建築学会のガイドラインを考慮しておりまして、このガイドラインにおいては、優れた設計者を選定する上で考慮すべき点として、設計提案には相応の時間と費用がかかることから、提案に対する適切な報酬が必要であるのではないかと記載されており、選定委員会においても同様の意見があったところであります。そのようなことで、公募型プロポーザル方式に関する提案謝礼について長野県など他の自治体での支払い事例を参考に、契約の相手方となった参加者を除く第二次審査参加者に対して30万円をお支払いすることとしました。

スケジュールでございますけども、7月24日(木曜)に公募を開始しました。第1次審査の参加表明書の提出は9月17日(水曜)が締め切りということになりまして、第1次審査の結果は9月30日(火曜)に公表する予定です。第2次審査につきましては、11月24日(月曜・祝日)に公開ヒアリングを行うということになりますけれども、その結果は12月3日(水曜)に公表する予定ということにしております。

プロポーザルの選定委員会については、建築設計や都市計画、図書館学などの分野で実績を持つ5名の専門家と副市長としました。これによって専門的な視点から総合的な審査を実現します。また、7月11日(金曜)にオンラインで開催された第1回新花巻図書館整備基本・実施設計業務委託プロポーザル選定委員会において、委員長を乾久美子氏、副委員長を吉成信夫氏に互選により決定しました。プロポーザル選定委員会の委員の名簿については、資料2ページの下に書いてあるとおりです。乾久美子氏は横浜国立大学大学院、建築都市スクールY-GSA教授、吉成信夫氏は元みんなの森ぎふメディアコスモス総合プロデューサー、東海国立大学機構参与、明石市本のまち推進アドバイザー、小野田泰明氏は東北大学大学院工学研究科教授、一般社団法人日本建築学会会長、竹内昌義氏は東北芸術工科大学デザイン工学部建築環境デザイン学科教授、この方は花巻市のリノベーションまちづくりに色んなご助言をくださった先生でありまして、結局、解体してしまいましたけれども、旧まん福の建物の活用等について学生さんたちと検討していただきました。早川光彦氏は富士大学経済学部経済学科教授、この方は図書館の専門家でありまして、新花巻図書館の計画を策定するにあたって、アドバイザーとしてご尽力いただいた先生です。

第1回の選定委員会については、先ほど申し上げましたとおり、7月11日(金曜)にオンラインで開催しました。会議は、このプロポーザルの審査項目など今後公表する内容を協議するということで、花巻市情報公開条例に基づいて非公開で実施しました。

会議では、委員長、副委員長の選任やプロポーザル実施要領等に関して意見を受け、事務局が修正後、メールで委員の確認を受けて、7月24日(木曜)に公告することで委員の了承を得ました。また、審査についても先ほど申し上げましたが、9月26日(金曜)に第1次審査を東京で開催し、第2次審査は11月24日(月曜・祝日)に花巻市において、提案者からのプレゼンテーションを公開ヒアリング方式で開催することとしています。

選定委員会のメンバーを見ますと、すごい方々ばかりということでして、感謝申し上げたいと思います。箱物ということだけではなくて、ソフトも含めて素晴らしい図書館になるように、こういう方々のご助言を得ながら進めていきたいと思っているところであります。

住民票の写しや戸籍謄本などのオンライン交付申請を開始します

上田市長

項目2番目、住民票の写しや戸籍謄本などのオンライン交付申請を開始するということで、これはマイナンバーカードを使って主にスマートフォン、パソコンもできますけれども、スマートフォンを使って、住民票の写しとか戸籍謄本などを取得することができるようになります。これは、8月1日(金曜)から実施いたします。今までは本庁舎あるいは総合支所の窓口で申請していただく、あるいは、一部についてはコンビニでマイナンバーカードを使って取得することができたわけでありますけれども、今回のオンライン交付申請はコンビニで取れるもの以外の書類も取れるということになります。オンライン交付申請の対象の証明書などは資料3ページに一覧を記載しております。

なお、このような証明書は今後もこれまで同様に窓口でも取れるということになりますので、マイナンバーカードをお持ちでない方やスマートフォンやパソコンを利用できない方などは従来通り窓口にお越しいただき申請をお願いいたします。本サービスの導入によって、交付申請はもちろん手数料などの支払いまでの手続きを全てオンラインで行うことができまして、申請いただいた証明書はマイナンバーカードの登録住所へお送りいたします。ちなみに手数料などの支払いはクレジットカード、ペイペイのみで可能となっております。

申請に必要なもの、スマートフォンで申請する場合については、資料4ページに書いておりますけれども、少し厄介なのはマイナンバーカードには2種類の暗証番号がございまして、4桁のパスワードを皆さん普段はお使いだと思います。しかし今回は4桁ではなくて、6桁から16桁の暗証番号を使っていただく必要がありまして、この暗証番号については、マイナンバーカードを取得されたときに市役所の窓口で登録されたものでありますけども、覚えていない方も多分いらっしゃいます。その場合には、暗証番号を再設定する必要がありますので、市民登録課に電話で問い合わせていただきたいと思います。申請から証明書受け取りまでの流れについては、資料4~5ページに記載のとおりです。

市役所に来ていただく市民は、他市の統計からすると、8割ぐらいが申請手続き等でございまして、今後このように市役所に来なくても申請できるということになりますと、市役所にお見えになる市民の数は多分、相当減ります。減り始めるのが5年後なのか10年後なのか15年後なのか、現段階では分かりませんけれども、私は今70歳を超えていますけれども、我々の世代はギリギリ、スマートフォンの操作ができる方も多いんじゃないかなと思っておりまして、そういう方が今後さらに高齢になった場合にはやはり、市役所に行かなくてもスマートフォンで申請できるという方が増えていくのではないかなと。そうしますと、早く証明書がほしい方については市役所に来ていただく方が早いですけれども、もう少し時間あってもいいよという方については、スマートフォンで申請すれば市役所に来なくてもいいわけでございまして、そうしますと、市役所の建物の規模とか、あるいは機能とか、大きく変わってくる可能性があると思っています。そういったことも見据えながら、今回こういったサービスを導入するということでございます。

「イーハトーブフェスティバル2025」を開催します

上田市長

項目3番目、イーハトーブフェスティバルの開催でございますけれども、本年度は8月30日(土曜)、31日(日曜)に宮沢賢治童話村で開催します。参加される方々については、資料6ページに書いておりますけれども、「イーハトーヴ子ども合唱隊」、去年も大変好評だったんですけれども、今年も2日間出演いただきます。8月30日(土曜)は大橋トリオさんのライブ、スタジオジブリ代表取締役プロデューサー鈴木敏夫さんのスペシャルトーク、鈴木さんは本年も参加いただけるということで、大変感謝しております。今回もジブリに関する色んなお話を聞けるのではないかなと期待しているところでございます。そして、「ルックバック」というアニメ映画を上映させていただくということでございます。31日(日曜)は日食なつこさんのライブ、ikire(イキレ)、橋本桃子さんのライブ、昨年に引き続きのご出演になります岩井俊二監督のスペシャルトーク、映画上映は、その岩井俊二監督の「Love Letter」ということでございます。今年もたくさんの人に来ていただければいいなというふうに思っておりまして、花巻の夏の風物詩として定着してきたんじゃないかなというふうに思っているところでございます。

花巻市内で撮影が行われた映画「おいしい給食 炎の修学旅行」の上映会等を開催します

上田市長

項目4番目、花巻市内で撮影が行われた映画、「おいしい給食 炎の修学旅行」の上映会を9月28日(日曜)、文化会館で開催します。

この映画は、1980年代の中学校を舞台に、給食マニアの教師と生徒による、どちらが給食をおいしく食べるかという闘いを描く学園グルメコメディです。青森県と岩手県が舞台でございまして、花巻市では令和6年11月に鉛温泉藤三旅館、田瀬振興センター、宮沢賢治記念館で撮影が行われたということでございます。上映会当日は主演の市原隼人さんや綾部真弥監督、岩淵規プロデューサーが登壇される予定です。

また、田瀬振興センターで学校シーンの撮影が行われたことを記念しまして、9月29日(月曜)に東和中学校に市原隼人さん、綾部真弥監督、岩淵規プロデューサーをお招きして生徒との交流イベントを開催します。こちらには一般の方は参加できないということですが、マスコミ取材は可能ということでありますので、ぜひ取材をお願いいたします。

花巻市文化会館自主事業の映画上映会と音楽ライブを開催します

上田市長

項目5番目、文化会館の自主事業、映画上映会と音楽ライブを開催します。文化会館については、来年は大規模な電気設備の工事、あるいはトイレの洋式化のために長く休館するんですけれども、今年は色んな事業をやっているということでございまして、8月11日(月曜・祝日)には大ヒット映画、実写版「はたらく細胞」の上映会を行います。1回目は午前10時開演、2回目は午後5時開演となります。この日にバックヤードツアーも開催しまして、大ホールの舞台裏で実際に使用する機材を間近で見たり触れたりしながら、演出機材の操作体験を行います。

また、8月31日(日曜)には映画「ネクタイを締めた百姓一揆」、これは新花巻駅の開設に関わる市民の頑張りを描いた映画でございますけれども、その映画を上映します。新花巻駅が今年で開業40周年を迎えるということで、それを記念いたしまして、新花巻駅がどうやってできたかということを、もう一度花巻の若い方も含めてですね、市民の方に知っていただきたいということで実施することにしたものでございます。映画上映後には、監督やキャストの方などとトークセッションを行う予定にしています。入場料は無料ですけれども、整理券は配布するということにしておりまして、整理券は資料9ページに記載の場所で配布させていただくということになります。

新花巻駅がなかったら花巻がどうなっていたかということを考えると、やはり先人が頑張って新花巻駅を作っていただいたということが、現在の花巻市に非常に大きな影響を与えたというふうに私は感じているところであります。これについては、建設費用に40億円以上、周辺の整備を合わせてかかったと思いますけれども、JR、当時の国鉄はお金出していないわけでありまして、市が約12億円、県が約16億円、そして市民や市内企業からの寄付がなんと11億円以上も集まりまして、それで作った駅であります。当時は法律で地方自治体が国鉄に寄付するということは禁止されていたんですけれども、これも運動して、特別法を作って、それで初めてできたわけでありまして、本当に我々としては、当時の人たちに感謝したいと思うんですけれども、その歴史を市民の方々にもっと知っていただきたいという思いを込めて、上映会を開催するということであります。また、関連企画としまして、「新花巻駅開業ものがたり展」ということで、新花巻駅開業までの歩みを当時の広報はなまきや新聞記事で振り返ります。文化会館の展示ホールで8月10日(日曜)から9月15日(月曜・祝日)まで開催させていただきます。入場料は無料ですので、こちらもどうぞご覧ください。

さらに、12月6日(土曜)には、国内外で活躍するバンド「Cody・Lee(李)」(コーディ・リー)のライブを行います。ボーカル兼ギターの高橋響さんは本市出身ということでありまして、こちらもぜひ皆さんに楽しんでいただきたいなと思っています。

項目1~5に関する主な質問

十二丁目で民家にクマが侵入して台所を荒らされた被害に関連して、例えばクマによる人身被害などがあった後、罠を仕掛けたとか、9月以降であれば猟銃を使用することも増えるかもしれないが、市としてどのような対応をとっているのか、市ホームページやラインでどのように公表するのか、情報提供の方針について考えていることを教えてほしい。

上田市長

我々としては、毎回ホームページなどで公表するという考えはありません。こういった考え方で対応しているということについては、ホームページには載せていますけれども、大々的に発表するということは考えていません。ただ、市民の方々、特にその地域の方には伝える必要がありますから、そのようにしていきたい。そうじゃないと皆さん心配ですので、今回の十二丁目にしろ、東和の前田地区にしろ、地域住民の方々はクマが捕獲されてすごくほっとされています。ただ、他のクマがいるかもしれませんので、しばらくAIカメラはそのまま残していますし、罠も洗浄した上でもう1回置きました。市民の方々に完全に安心してもらうわけにはいきませんけれども、まずは安心いただいている状況です。

先日、北上市長さんとお話ししまして、詳しい話は分かりませんけれども、クマを駆除したことについて、すごく非難の電話があるということのようです。また、報道もされていますけれども、北海道福島町でも同様にクマを駆除したことについて、ものすごい非難の電話があって仕事にならないということです。こういったことは、やはり非常に困ります。クマの命も大事ですけれど、我々は人間ですから、人間の命を大事にしなければなりません。そのために、別に駆除したくてしているわけではありません。人間の命を守る手段を取らなければならないときに、非難の電話がかかってきて、業務ができなくなるということになると、非常に困りますので、市として捕獲したクマをどうしたとか、こちらから積極的に発信するようなことはしない、ただ市民の方、地域住民の方には伝える必要があるというのが我々の立場です。

市ではここ数年、市街地で猟銃を発砲した事例はありません。それは、やはり法律的に簡単には使えない状況がございますし、クマの近くで猟銃を発砲するということは、打つ方も危険な状況にある可能性があるわけでございます。罠についても、先ほど申し上げましたとおり、やはり人を襲う可能性のあるような危険なクマが目撃されている限り、仕掛けなければならないわけですけれども、花巻市においては、昨年からクマによる人的な被害はない状況にあります。この状況は今後も続けていく必要がありますけれども、ただやはり、クマの出没には相当気を付けなくてはならないわけであります。

これも繰り返しになりますけれども、通学路にクマが出て危険なときには学校から保護者にすぐメールをしまして、保護者の方に車で子どもの送り迎えをしていただくようお願いしておりまして、どうしても保護者の方が車で送れない場合は、タクシー代を市で負担しまして、タクシーを使っていただくということをやっております。このようなことをしている市町村は多分全国でも花巻しかないのではないかなと思っています。とにかく子どもたちの安全を守るということが非常に重要だということで、このような他ではやっていないことをやらせていただいております。

また、クマが人家のそばに来て、徘徊をする場合があるんですけれども、十二丁目のクマもそうですし、東和の前田地区のように何度も何度も小屋にある飼料を食べに来たというようなこともあります。この前田地区の話を聞いていると、北上市で発生したクマによる死亡事故と似たようなケースだと感じていましたし、クマは美味しい食べ物があそこにあると覚えると、そこを自分のエサ場だと思って何度も来るという専門家の話もあります。そういった場合には、必ず罠を仕掛けなくてはなりませんし、捕獲したクマについては、一昨年捕獲したクマについては、豊沢の奥に離しましたけれども、専門家の話を聞くと、山に返してもすぐに里に戻ってくる可能性が高いということで、そうすると、クマを山に返すということが住民の安全に繋がるわけではないということになります。

昨年、花巻市と岩手大学が連携して、「ヘア・トラップ法」と呼ばれるクマの体毛を採取して、その地点に何頭ほどのクマが生息しているのかなどを把握する調査を太田地区において行いました。その結果、8月ぐらいまではクマは太田地区に住んでいるということで、どんぐりで山が豊かになってくると、山に戻ると、そういった結果が出ておりまして、昨年6月から11月の期間で太田地区には30頭以上の別な個体のクマが生息していたことが確認されています。そのクマが豊沢川沿いに川を下って、まちなかに来ているのではないか、そういう結果が出ました。

調査にご協力いただいた先生は、クマの数をとにかく減らさないといけない、クマが非常に増えておりますので減らさないと、今後もっとまちなかに来るよということをおっしゃっております。ちなみに岩手県でも昨年度、奥羽山脈沿いにおいてヘア・トラップを実施しましたけれども、その調査結果はまだ公表されていません。早くその結果を公表して、今後の対応について考えるべきだと思うんですけれども、いずれにしろ、そういった中で、県知事が定例記者会見で「クマの数を減らすことをしていかなければならない」という話をしておりまして、私もその通りだと思っています。人間の命を守るためには、多すぎるクマというのはやはり危険ですので、人里に住み着いていて、人間に危害を及ぼす可能性のあるようなクマは排除していかないと人間の安全は守れないというように思っています。

あと、猟銃の発砲については国が法律を変えまして、9月1日から市街地においても一定の要件を満たせば猟銃を発砲してもいい、ただし責任は市町村にあるということになっております。これまでも、「警察官職務執行法」により、警察官がハンターなどに発砲を命じることはできましたし、人家のないような場所では有害鳥獣駆除ということで、「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律」に基づいて銃を発砲することができましたけれども、先ほど申し上げましたとおり、有害鳥獣であるクマを銃で駆除するということは花巻市ではここ数年やっていませんでした。ただ、北上市の例にあるように、罠を仕掛けても全然捕まらない場合については、住民の命を守るために、クマを銃で駆除する必要が出てきます。このまちなかでの銃による駆除については、9月1日(月曜)よりも前に、罠では捕獲できない場合に「警察官職務執行法」や現行の「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律」に基づいてできるようにと思って担当部署にはマニュアルの作成を指示していましたけれども、多分、すぐにはなかなか完成できない可能性があります。しかし、何が起こるか分かりませんから、今そのマニュアルの作成に入っておけば、いざというときに不完全な状態でもそれを参考にしながら猟銃を発砲してクマを捕獲することもできるかもしれませんので、その準備を担当部署にはしてもらっているという状況です。

現在(7月30日)、津波警報が出ておりまして、すでに津波が観測されたところもあるようだが、東日本大震災の経験も踏まえて、現時点で想定している支援などがあれば教えてほしい。

上田市長

物資を受け取る側の準備ができてない段階で支援物資を送ると、うまくいかないという場合も想定されまして、能登半島地震のときも給水車を出して被災地へ向かったところ、受け入れ態勢ができないということで、途中で戻ったっていう話がございました。そういうことがありますので、県とか色々なところと打ち合わせながら進めていかなければならないことだと思います。

ただ、そういう中でも、必要なものはすぐに送れるような体制を構築しておく必要があると思っています。花巻市の場合、備蓄物資については本年度も予算を増やしまして相当確保しています。ですから、必要なものが出てきた場合には、すぐに対応できるように準備をしておいてほしいという話は担当部署にしております。

オンライン交付申請について、自分のスマートフォンで申請した後に、市で申請内容を審査することになるかと思うが、市における申請への対応作業は平日になるということか。

上田市長

はい。平日になります。

そうなると、24時間いつでも申請はできるが、実際に証明書等を受け取るまでには何日かかかるということですね。

上田市長

はい、そのとおりです。お急ぎの方は窓口に行っていただくとか、コンビニ交付が可能なものについてはコンビニ交付をご利用いただくとか、その方が早く受け取ることができます。

マイナンバーカードの花巻市の普及率はいくらか。

上田市長

今は資料がないので、後ほどご回答します。

※その後、広報情報課より「市民のマイナンバーカード保有率77.2%(令和7年3月末時点)」と回答。

第35回宮沢賢治賞・イーハトーブ賞の受賞者を決定しました

上田市長

それでは次に、第35回宮沢賢治賞・イーハトーブ賞の受賞者をご報告させていただきます。

宮沢賢治賞には、加倉井厚夫様。ブログサイト「賢治の事務所」を主宰し、賢治と天文学をはじめとする自身のエッセイや論考を発表、併せて宮沢賢治に関連する多彩な情報を紹介して、現代的なメディアで約30年間にわたり発信し続けている業績に対し贈呈しようとするものです。

宮沢賢治賞奨励賞は、2名の受賞者の方がいらっしゃいます。1人目は、谷口義明様。天文学の専門的な見地から賢治作品を解説した天文学の入門書『天文学者が解説する宮沢賢治『銀河鉄道の夜』と宇宙の旅』や放送大学のテキスト『宮沢賢治と宇宙』(共著)を執筆し、意欲的な研究を継続している功績に対して贈呈しようとするものです。2人目は、名取佐和子様。高校を舞台に、不登校となった「イーハトー部」の創立者が残した「本当の幸いは遠い」の意味を探る過程を賢治作品や関連する語を組み込みながら描き、賢治文学の主題である弱者へのやさしさを現代的に表した小説『銀河の図書室』に対して贈呈しようとするものです。

イーハトーブ賞には、瀬川正子様。賢治の友人藤原嘉藤治が開拓した紫波町の山麓に園芸施設を開設し、嘉藤治をしのぶ音楽会やパネル展を開催したほか、資料集『賢治さんの人格・芸術を世界へ 藤原かとうじが残したもの』を刊行、賢治文学の普及・研究活動に貢献してきた業績に対して贈呈しようとするものです。

イーハトーブ賞奨励賞は該当なしとなりました。

贈呈式は、9月22日(月曜)午前10時より、なはんプラザCOMZホールにて開催いたします。

宮沢賢治学会イーハトーブセンター青木代表理事

それでは選考の経緯をご説明申し上げます。

選考対象は宮沢賢治学会イーハトーブセンター会員の推薦によるもので、選考会議は2回行いました。宮沢賢治賞につきましては、選考対象は11件、3件が第2次選考に残り、1件が本賞に2件が奨励賞に選出されました。それぞれの賞の選考理由について説明が記者発表資料に書いてありますが、それについて若干の補足の説明をさせていただきます。

加倉井厚夫氏は、星の研究者と一般的には言われていて、在野の研究者であり、賢治文学と天文マニア等を結ぶような役割を果たしておられる方です。記者発表資料にインターネット普及間もない1996年からとなっていますが、1996年と申しますのは、インターネットの歴史の中で普及が始まったと言われるのは「Windows95」が発売された1995年、あるいは阪神淡路大震災が起こって、それに際してインターネットが急速に普及したのがその1996年とされているわけです。そこから既に発信を続けられて、来年がちょうど30年にあたるということになります。その長きにわたってブログで発信を続けてこられたということであります。その功績に関して、アクセス数が100万件を超えるということで、宮沢賢治の文学、特にその科学に関する関心を持っている人たちへの普及ということが非常にこのブログを通しなされたであろうというようなことが一つあります。また、そこに書かれている論考やエッセイが第一線のレベルであること。この第一線のレベルであるということを証拠立てるものといたしましては、岩手大学のリカレント教育プログラム「宮沢賢治 科学への眼差し」というプログラムがありまして、加倉井さんはその講師を務められております。それから、賢治学プラスという機関紙がありますが、そこで偶然ですけれども、谷口義明先生の著書について書評を書かれているということで地元の大学である程度アカデミックな評価を受けておられるということが一つございます。そのようなレベルの高さと、それから普及の度合いというようなこと、それがこういう現代的なメディアで発信されたことの意義というものが宮沢賢治賞本賞にふさわしいと評価されたものです。

宮沢賢治賞奨励賞の谷口義明氏ですが、谷口義明氏は銀河や巨大ブラックホールの誕生と進化の研究を専門にする天文学者と、このたび、たまたま偶然重なったわけですが、これは本当に専門の研究者です。その方が数年前から宮沢賢治の文学を入口にして、天文学的な意味だとか価値だとかいうものを、証拠立てるような著書を出版されたと。ここでは入門書を執筆されたというふうに書かれていますけども、実際には賢治の作品の表現をどう深く天文学の観点からどういう意味があるのかということを実証的に説明されております。宮沢賢治の文学研究においても一定の成果を上げられているということ、それから、賢治の研究の経歴は短いわけですが、現在もその自分の独自の観点から次々に問題意識を展開させて、研究を継続されているということで、奨励賞ということになりました。

名取佐和子さんですが、この方はゲーム会社でシナリオライターを務めながら小説を次々発表しておられます。この小説は、ブクログなどで本棚に登録している人がそれぞれの作品で1000名以上いるという、小説家としても人気作家と言っても良いのだろうというふうに思います。ということがあるのと、一番大きな理由は、この『銀河の図書室』っていうのが、宮沢賢治の作品を深く読まれて、その中でご自身の読書体験に基づいて、その小説のキャラクターが設定されているということ、それからもう一つは、その小説の中で、松本隆の『言葉の教室』っていう、現在のポップミュージックの作詞家ですね、その方とその賢治の詩の世界というものを結びつけたり、これはもちろん登場人物がそういうことをするわけですが、それを通して宮沢賢治の現代的な評価を繋ぐという、そういう役割も果たすものと思います。そして小説として面白いですね。また、私どもが選考している間には気がつかなかったのですが、どこかの課題図書になっているよと聞き、先ほどネットで検索して調べましたところ、全国学校図書館協議会の青少年読書感想文全国コンクール、今年は第71回なんですが、その高校生の部の課題図書としてこの『銀河の図書室』が偶然、今年の4月に上がっていまして、私達の選考結果と重なるということが生じております。ということでこの方も今後の作品が期待されるということもあり、あるいは高校生という若い層に賢治の文学が広がっていく。その繋がりになると考えられて、奨励賞ということになりました。

最後、イーハトーブ賞ですが、瀬川正子さんは皆さんもご存知の方が多いと思いますけれども、やはり藤原嘉藤治の、業績の中身をかなり具体的にいろいろな形で示してこられたということで、その業績とそれから特に資料集『賢治さんの人格・芸術を世界へ 藤原かとうじが残したもの』という、この資料集というのは宮沢清六氏と、それから藤原嘉藤治氏が宮沢賢治の文学の普及の過程でどういうやり取りをしていたかという、要するに宮沢賢治というのは生前、知られてない作家だったので、これがどのように普及していったかっていうのは、とても大事なところなんですね。そこについての資料ですね。清六氏と嘉藤治氏の往復書簡の翻字をなさったということで、いわば、地域に埋もれたそういう資料を我々研究者の目の前に形として提示してくださったとそういうようなことで、イーハトーブ賞の本賞にふさわしいということになりました。瀬川さんも富士大学で、公開講座の講師などを務められていて、アカデミズムの中でも一定の評価を得られているという方でございます。

以上が宮沢賢治賞イーハトーブ賞に関する選考経過の説明でございます。

それから最後に、イーハトーブ賞功労賞の説明をさせていただきたいと思います。こちらは宮沢賢治学会イーハトーブセンターの独自の賞でありますが、この方も選考対象は4件あって3件が第2次選考に残り1件が選出されました。川崎貴氏は阪神淡路大震災の年に神戸宮沢賢治の会を立ち上げられて、以来30年間代表として同会を牽引されて様々な活動を行っておられるということで、西の方は賢治の学会の会員も少なくて、ファンも限られるところがありますので、西部の方でそういう活動を続けてこられたということ、それから様々な活動の場を持たれているということ、この会の中心的な立場で活動をリードしてこられたこと、ということで、この川崎貴氏個人にイーハトーブセンター功労賞を贈呈するということになったものでございます。

本来であれば、選考委員長が、直接ご挨拶申し上げるところですけれども、今日は公務のためにやむなく欠席をしておりますのでご了承いただきたいと思います。以上で説明を終わります。

項目6に関する主な質問

宮沢賢治賞と奨励賞の違いについて、宮沢賢治賞が最高賞で、その次点の賞が奨励賞ということでよろしいか。

宮沢賢治学会イーハトーブセンター青木代表理事

奨励賞は、今後も更なる活動が期待される方に贈られる賞ということで、まだ活動の途中であろうということです。宮沢賢治賞の加倉井さんにつきましては、やはり30年間の積み上げがあって、本賞を受賞するにふさわしい活動を既にされてきた、特に2026年で加倉井さんの活動が30年になりますので、そのような理由でございます。

宮沢賢治学会イーハトーブセンターの会員数は。

宮沢賢治学会イーハトーブセンター事務局長

7月20日現在の会員数は1,010名です。

賞を取られた方をこういった場で発表する以外に、一般の方々が作品や業績に触れたりする機会はあるのか。

宮沢賢治学会イーハトーブセンター青木代表理事

学会では、年に2回以上のセミナーをやっていまして、私どもとしては広報活動もしているのですが、なかなか市民の方に来ていただけないという状況があります。今回の受賞作品は非常にポピュラーな内容を含んでいますので、贈呈式にぜひ来ていただきたいですし、高校生にぜひ来ていただきたい。作家の方が来られますし、ライトノベルですから、現代の高校生が読んでも面白いと思います。賢治の作品を知る入口にもなると思うので、ぜひ来ていただきたいですし、皆さまにも広報にご協力いただければありがたいと思います。

担当

総合政策部 広報情報課 広報係

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