市長演述 平成28年第1回(平成28年3月議会)

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ページ番号1003185  更新日 平成31年1月18日

本日、平成28年第1回花巻市議会定例会が開会されるにあたり、平成28年度の市政運営に臨む所信の一端を申し述べるとともに、主要施策の概要についてご説明し、市民の皆様と議員各位のご理解とご協力をお願い申し上げます。

はじめに

花巻市は、平成18年1月1日、旧花巻市、大迫町、石鳥谷町、東和町の1市3町が合併し、新生花巻市として歩み始めてから、10年が経過いたしました。合併から10年の歩みを検証しつつ、これからの花巻市発展のため、関係機関の指導を得ながら、また、市民、議員の皆様の意見をいただきながら、各分野において全力を尽くすことを念頭に、市政運営を行ってまいります。

私は、平成26年2月、市長就任以来、「若者の力を活かし、若者が花巻で暮らせるまちをつくり、定住人口を確保すること」を目標の第一に掲げ、市民の皆様の声に耳を傾け、市民の皆様に行政の情報をタイムリーに発信することを考え、市政を推進してまいりました。

この2年の間、地域の皆様の意見をお聞きするため、各総合支所で執務を行い、地域の団体の方々や地域の皆様と意見交換を行っているほか、市内27コミュニティにおいて市政懇談会を開催し、全ての地区に出席してまいりました。
平成27年度に開催した市政懇談会につきましては、まず、花巻市が直面している課題、市民の皆様にお伝えしなければならない情報を、私が直接、お話しさせていただき、その後に市民の皆様と意見交換を行いました。
いずれの地域、団体におかれましても地域の課題やご要望あるいは、市政に対する建設的な意見などを頂戴しております。

同時に、市の情報をタイムリーに発信することにつきましては、これまで、定例記者会見の開催、フェイスブック及びツイッター等のいわゆるSNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)を導入したほか、ホームページの充実に取り組んでまいりました。また、広報はなまきの紙面構成を見直し、重要な施策や策定を進めている計画につきましては、市民の皆様の目に触れるよう積極的に取り上げております。
さらに、まちづくりに関することや市民の皆様にとって重要な計画等につきましては、内部で検討している段階であっても、可能な限り議会や市民の皆様にお示しし、広く意見をお聞きしながら進めてまいりました。

「市民の意見を聞く」、「市民にタイムリーに情報発信する」ことにつきましては、これで充分ということはなく、市政懇談会あるいは意見交換会に出席する市民の方の数が限られている地区もあり、また、ホームページやSNSヘアクセスする市民の方につきましても年齢により偏りがある実態もあります。
いかに市民の皆様の声を聞き、タイムリーに情報発信するかにつきましては、これまで以上に広く市民の意見を聞く方法や、情報提供の手法を検討しながら、今後もより一層推し進め、市民の皆様の意見を市政に反映してまいります。

また、若者の力を活かすまちづくりにつきましては、地域おこし協力隊の活動や、リノベーションまちづくり、あるいは若者が主体となる各種イベントなどにより具体的に動きが見えてきたものと感じております。
地域おこし協力隊につきましては、昨年8月以降5名の方が着任し、若者の視点、移住者の視点で地域の住民の方々と連携を図りながら、花巻地域でのリノベーション事業を含めたまちづくり、大迫地域でのぶどう栽培を中心とした新規就農支援、東和地域での商店街の活性化及び新規就農支援に取り組んでおります。また、リノベーションまちづくりにつきましては、昨年4月に株式会社花巻家守舎が設立され、民間事業者による遊休不動産を活用したプロジェクトが動き出しております。
このような若者によるまちづくりの動きを定住人口の確保につなげていくために、平成28年度は地域おこし協力隊の取り組みを拡大し、4月に石鳥谷地域に着任する2名の方に加え、新たに5名の方を採用し、地域課題の解決を図っていくこととしております。また、リノベーションまちづくりにつきましては、シンポジウム等の開催により遊休不動産の掘り起こしに努めるとともに、第2、第3の家守事業者を育成していくための支援を行ってまいります。

私は、市長就任以来、消費地に足を運び、関係機関と連携し積極的なトップセールスに努めてまいりました。
農業関係におきましては、市産農畜産物の中心となるコメをはじめ、リンゴ、りんどう、ネギなどの果樹、花き、野菜等や肉牛につきまして、大手コメ卸業者や大手酒造会社、中央・地方のそれぞれの卸売市場などを、生産者や農協の皆様と一緒に尋ね、企業のトップや市場関係者と直接情報交換を行うとともに、消費者目線での意見を直接伺ってまいりました。
また、企業誘致に向けた折衝企業の新規掘り起こしを行っておりますほか、市内の既存企業の販路拡大や商品開発につながる関係性の構築に向け、様々な企業を訪問することにより連携を進めております。
私は、これらのトップセールスにより、良好な関係が構築され、トップ同士でなければ得られない情報、様々な施策の構築につながるヒントなどを入手することができたと感じております。今後も、積極的なトップセールスを引き続き行い、地域の企業や生産者につなげる取り組みを行ってまいります。

各種計画の推進によるまちづくり

冒頭に申し上げましたとおり、花巻市は、合併10周年の節目を迎えました。去る2月6日には、関係各位のご臨席を賜り、花巻市合併10周年記念式典を開催したところであります。
合併から10年の歩みを踏まえつつ、花巻市は、これからの将来を見据えたまちづくりのために、さまざまな計画の策定に取り組んでおります。これらの計画の策定にあたりましては、先に申し上げましたとおり、議員や市民の皆様に対し、計画案の段階から意見を伺い、いただいた意見を反映させながら取り組んできたものであります。以下、個別の計画について概要をお示ししながら、現在の計画の進捗状況、今後の方針について申し上げます。

1点目は、新市建設計画の変更であります。
新市建設計画につきましては、平成17年2月、当時の花巻地方合併協議会が策定したものであり、計画期間は平成18年度から27年度までの合併後おおむね10年間となっておりましたが、「東日本大震災による被害を受けた合併市町村にかかる地方債の特例に関する法律」の施行及び一部改正により、合併特例債の発行期間が10年間延長できることになりました。花巻市におきましても、この法律改正に呼応し、有利な財源である合併特例債を活用するため、計画期間を平成37年まで延長し、主な施策を追加するなど計画の一部変更を内容とする変更案の策定に取り組み、本定例会にご提案させていただいております。

2点目は、過疎地域自立促進計画であります。
花巻市は、大迫地域、東和地域が過疎地域の指定を受けておりますが、過疎地域自立促進特別措置法の失効期限が平成33年3月まで 5年間延長されたことを受けまして、この法律改正に呼応し、有利な財源であります過疎対策事業債を活用し、大迫地域、東和地域の産業の振興や交通通信体系の整備、情報化及び地域間交流の促進等に取り組むため、平成28年度から5年間を計画期間とする過疎地域自立促進計画の策定に取り組み、計画案を本定例会にご提案させていただいております。

3点目は、立地適正化計画であります。
花巻市では、衰退が進む旧花巻市の中心市街地の活性化を図るとともに、当市における花巻、大迫、石鳥谷、東和の4つの生活サービス拠点における医療・生活・商業のサービスの機能を維持していくため、国の支援制度の活用が期待できる立地適正化計画の策定に取り組んでまいりました。
立地適正化計画につきましては、国土交通省のご指導をいただきながら計画案を策定し、改めて議員、市民の皆様にお示ししながら意見を伺いたいと考えているところであります。
なお、立地適正化計画におきましては、総合医療施設を旧花巻市の中心部における「まちなか」にしっかりと確保していくことを最重要課題としておりますが、公益財団法人総合花巻病院では、施設の老朽化により移転整備が必要と判断し、旧岩手県立花巻厚生病院跡地へ建て替えの検討を進めております。現在、医療専門家や市長などで構成する「総合花巻病院移転整備検討委員会」におきまして、総合花巻病院が策定する移転整備基本構想案について意見をいただいているところでありますが、市といたしましても、昨年2月に策定した「地域医療ビジョン」で掲げた施策の方向性と合致していることから、本構想案の具体化を支援してまいります。

4点目は、公共施設等総合管理計画であります。
花巻市では、現在「公共施設等総合管理計画」の策定に取り組んでおりますが、これに先立ち、将来的な人口構造の変化や今後の建て替え・大規模改修等に係る経費の試算等を交えつつ、市が保有する公共施設等の実態を客観的に洗い出し、将来にわたり適切なサービスの提供と持続可能な財政運営を両立させるために、今後の維持管理・運営のあり方を検討する基礎資料として、「花巻市公共施設白書2015」の作成を進めてまいりました。この白書により、建物施設、インフラ施設を、必要な更新を行いながら現状のまま維持することが大変難しい、そのような課題が明らかになってきたことから、公共施設等総合管理計画におきまして、将来の公共施設等の更新や管理運営の方針を定めてまいります。

花巻市まち・ひと・しごと創生総合戦略の策定とその対応

冒頭に申し上げましたとおり、私は市長就任直後から、定住人口の確保に取り組み、平成26年度には人口減少対策を重点戦略の一つとして花巻市まちづくり総合計画第1期中期プランを策定いたしました。また、平成26年11月に制定されました「まち・ひと・しごと創生法」を受けて、昨年10月には、花巻市の人口減少対策、また、地方創生の指針として、「花巻市人口ビジョン」「花巻市まち・ひと・しごと創生総合戦略」を策定いたしました。
「花巻市人口ビジョン」の内容は、花巻市の人口動態を分析し、将来の人口推計を行いながら、おおむね2060年までの将来人口を設定したものであります。また、「花巻市まち・ひと・しごと創生総合戦略」の内容は、「人口減少と地域経済縮小の克服」、「まち・ひと・しごとの創生と好循環の確立」を目的に今後5年間の政策、施策を示したものであります。
本戦略につきましては、10月の策定後、さらに充実した内容とするため、市民、関係団体、有識者の皆様から意見を伺っており、その内容を反映した改訂版を3月に策定することとしております。
なお、地方創生の取り組みとして、1月8日に花巻信用金庫と「地方創生に向けた包括連携協定」を、1月15日に株式会社岩手銀行と「地方創生の連携に関する協定」をそれぞれ結びました。今後、金融機関が保有している情報やネットワークを活用しながら、産業の振興や移住定住の推進に連携して取り組んでまいります。
また、地方創生に向けた大学等との連携につきましては、地(知)の拠点大学による地方創生推進事業、いわゆるCOC+(COCプラス)事業を推進し、県内の大学、関係団体とともに、地域を担う人材育成を推進してまいります。

平成28年度の主要イベントに向けた取り組み

平成28年度は、大きなイベント、大会が開催されます。
9月3日、4日には、早池峰神楽が国の重要無形民俗文化財第1号に指定されて40周年となることを記念し、日本全国に伝承されている神楽を招聘して相互の交流を行うとともに、神楽の里としてのイメージアップと伝承活動の充実を図るため、「全国神楽大会ハヤチネ 2016」を大迫において開催いたします。

また、本年は、宮沢賢治の生誕120年の節目にあたりますことから、ゴールデンウィークから10月末までの間の連休などを中心に、宮沢賢治童話村のライトアップや、宮沢賢治記念館、イーハトーブ館、博物館などで、夜間も施設を開放するナイトミュージアムを行うほか、宮沢賢治の生誕の日である8月27日前後には、宮沢賢治童話村をメーン会場に特別イベントを行うなどの生誕記念事業を行ってまいります。

すでに冬季大会が開催されている希望郷いわて国体、希望郷いわて大会(障がい者スポーツ大会)でありますが、花巻市では、1月にアイスホッケー競技会が開催され、盛況のうちに終了いたしました。8月から10月に開催されるいわて国体では、正式競技と特別競技、公開競技、デモンストレーションスポーツ併せて10競技が、いわて大会では正式競技3競技が、それぞれ花巻市を会場として、開催されることとなっております。

いずれのイベント、大会におきましても、全国からたくさんの方が花巻市においでになります。花巻を全国に発信する機会でありますことから、花巻にいらっしゃる方々を、花巻らしい「おもてなし」で温かく迎え入れるとともに、より多くの市民の皆様がイベント、大会に関わっていただけるよう、機運の醸成を図ってまいります。

平成28年度の主要施策

次に、平成28年度の主要な施策を、花巻市まちづくり総合計画長期ビジョンに掲げる、しごと、暮らし、人づくり、地域づくり、そして行政経営のまちづくり分野ごとに申し上げます。

しごと

農業につきましては、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)の最終合意により、本市農業へも少なからず影響が及ぶものと懸念いたしておりますことから、基幹産業である農業の振興のため、農業生産者を積極的に支援してまいります。
本市の農業の根幹をなす水稲につきましては、全国の平成27年産主食用米の作付けが、はじめて生産数量目標を下回ったという状況ではありますが、今後も需要が減少し続けると見込まれる中で、需給バランス確保の観点から、飼料用米等への作付拡大を推進するとともに農家の経営安定対策に引き続き取り組んでまいります。
なお、国では、農業政策の見直しの一環として、平成30年産米から行政による米の生産数量目標の配分を廃止することとしておりますが、農業や農村全体に及ぼす影響が大きいことから、平成30年以降も、国が責任を持って米の需給調整を行うよう、花巻市として岩手県市長会、東北市長会を通じ、国に要請しておりますほか、機会を捉えて政府関係者や国会議員に直接要請しているところであります。
また、女子就農希望者の発掘・誘導、技術指導体制の整備による農業の担い手の育成、支援を行うほか、農業へのICT技術の活用を導入するための環境整備を図るとともに、専門家などの支援を受けながら、生産・加工・流通が連携した6次産業化の推進に取り組んでまいります。
豊かな森林資源の活用に向けた取り組みを推進するため、現在、市有林の活用に向けた調査を進めておりますが、平成28年度からは、実際に市有林の一部を伐採して木材を売却するほか、改築を進める大迫中学校の新校舎への活用を図ってまいります。
また、平成28年度に稼働予定の株式会社花巻バイオマスエナジーが行う木質バイオマス発電におきましては、建築資材に不適な低質材も燃料として活用できることから、花巻市森林組合をはじめ市内業者との連携を行い、地元産木材の活用を図るなど、林業の振興に努めてまいります。

工業振興につきましては、企業支援情報の発信に努め、花巻版ビジネスアイディアグランプリを実施するなどの創業支援、事業領域の拡大に向けた支援に取り組むとともに、生産性の向上を図り、「売れる」製品の開発体制の構築など市内企業の技術力・経営力の向上と競争力の強化を図ってまいります。
また、企業誘致につきましては、特に自動車産業における戦略的な新規企業の掘り起こしや、東海地域からの技術移転、市内企業の新規参入に向けた人材育成・設備投資などを支援し、本市における集積拡大を図ってまいります。
新たな工業団地・流通団地の整備につきましては、投資効果をしっかりと見極めたうえで、開発に向けた手続きを順次進めてまいります。

商業振興につきましては、旧花巻市の中心市街地における商業施設の衰退については現在も進行しており、これをとどめることにつきましては、行政の力だけでは、はなはだ困難ではありますが、新たな創業や、商業団体自らが行う自立的・持続的な事業、イベントを引き続き支援するなど、商店街や関係機関と連携するとともに、イトーヨーカドー花巻店の活用を含め、まちなかの賑わいづくりに努めてまいります。
なお、昨年12月3日に、株式会社セブン-イレブン・ジャパン、株式会社イトーヨーカ堂と「地域活性化包括連携協定」を締結いたしましたことから、連携事項に基づき、農産物の販路拡大や魅力ある特産品の全国展開など、地域の活性化に向けて協力して取り組んでまいります。

観光振興につきましては、訪日外国人観光客受け入れ増加のため、Wi-Fiなどの環境整備、外国語表示や免税店の拡充などを行うとともに、国際定期便の就航や国内就航先空港を経由した花巻空港の活用、格安航空会社の誘致などにつきまして、岩手県や関係団体と連携して取り組むなど、誘客の促進を図ってまいります。また、映像作品のロケ誘致、団体旅行における貸切バスツアーの支援を行うなど観光コンテンツの創出と活用を図るとともに、他市町と連携した体験型観光に取り組むなど、広域観光ネットワークの拡充を図ってまいります。

雇用環境の充実につきましては、市内高校生、大学生の地元企業への就業定着率の更なる向上を図るため、合同研修会や市内事業所説明会、見学会を開催するほか、高齢者や障がい者の就労環境の整備を行ってまいります。

暮らし

環境の保全につきましては、第2次花巻市環境基本計画の計画案を本定例会にご提案し、ご審議いただくこととしておりますが、ご決定いただいた場合には、計画に基づき、施策や取り組みを推進してまいります。

道路等の生活基盤の整備につきましては、市道寺林線・都市計画道路上町花城町線等の幹線道路の整備を進めるとともに、豊沢橋や今年8月の供用開始を目指している太田橋の架け替え、歩道の設置等を進め、安心・安全で快適な道路環境の充実に努めるとともに、道の駅設置に向けた調査を行ってまいります。
新花巻駅駐車場は、西側無料駐車場の一部を4月から有料化することとしておりますが、駐車場の良好な管理運営に努めるとともに、更なる舗装整備を実施し、利便性の向上に取り組んでまいります。
住宅の安定確保を図るため、UIJターン者のうち、子育て世代と空き家バンク利用者に対する住宅取得等補助や、高齢者向け優良賃貸住宅の家賃補助を実施するとともに、引き続き天下田アパート等公営住宅の改修を進めてまいります。
また、先に申し上げましたとおり立地適正化計画の策定に取り組み、旧エセナ跡地の整備に着手いたします。

防災危機管理体制の構築につきましては、自主防災組織と市が連携して防災訓練を実施することにより、災害時に住民が確実に避難行動をとれる体制を目指すとともに、大規模災害にも対応できる備蓄を目的とした備蓄計画の見直しを行ってまいります。
新たに土砂災害警戒区域に指定された地域や新たな浸水想定区域をハザードマップに掲載し、災害時に住民が確実に避難できるように周知するほか、避難勧告等を発令した場合に広く避難を呼びかけるため、土砂災害警戒区域の世帯や公共機関への防災ラジオの貸与、有償配布を実施してまいります。
東日本大震災により市内に居住している被災者の生活の安定を図るため、各種情報の提供、交流活動事業補助、引越し補助、タクシー助成等の事業を継続するとともに、被災者を対象としたアンケート調査を実施し、今後の支援事業の充実を図ってまいります。
避難行動要支援者が災害時において確実に避難できるようにするため、一人ひとりの支援者や避難方法を定めた個別避難支援計画を策定してまいります。

消防・救急救助体制につきましては、「災害に強い安心・安全なまちづくり」を目指し、より一層の消防力の充実と強化を図るため、指揮車、高規格救急車の更新整備を進め、小型動力ポンプ付き水槽車を導入いたします。
また、救急救命処置範囲の拡大に対応できる認定救急救命士の養成や応急手当の普及啓発に取り組むとともに、地域防災力の中核を担う消防団の教育訓練や資機材等における機能の強化を図りながら、入団しやすい環境づくりと消防団員の確保に努めてまいります。

周辺への影響が問題となっている空き家の対策につきましては、空き家等の所有者や近隣住民等への迅速な対応を行うため、空家等対策計画を策定するとともに、空き家等の現地調査及びデータベースの構築を引き続き行ってまいります。

地域福祉につきましては、平成27年度から施行された生活困窮者自立支援制度に基づき、市が主体となり関係機関と連携しながら、生活に困窮されている方の自立を総合的かつ包括的に支援してまいります。

高齢者福祉につきましては、高齢者が住み慣れた地域で生活を継続できるよう、地域包括ケアシステムの一環として、介護予防・日常生活支援総合事業の平成29年4月の実施に向けて実施単価を決定いたしまして、その単価を日常生活圏域ごとに説明を行っているところでありますが、今後も引き続き地域住民と協働する中で事業を進めるとともに、地域密着型サービスの基盤を整備するほか、高齢者を中心とした地域の支え合いの仕組みづくりや介護予防施策の充実、介護サービス提供体制の整備を図ってまいります。
また、認知症施策総合推進事業により、認知症の方やその家族への支援に力を入れるとともに、医療介護連携推進事業により、切れ目のない医療・介護サービスの一体的な提供体制の構築に向けた取り組みを推進してまいります。

障がい福祉につきましては、障がいのある方が住み慣れた地域で安心して自立した生活ができるよう、地域における相談体制の中核的な役割を担う基幹相談支援センターを設置し、サービス等利用計画の作成や障がい福祉サービスの提供を行う相談支援事業所等と連携を図りながら、迅速丁寧な障がい福祉サービスの提供に努めるほか、重度心身障がい者の経済的負担を軽減するため、医療費の助成を引き続き行ってまいります。
また、イーハトーブ養育センターにつきましては、利用する児童等がよりよい環境のもとでのびのびと活動できるよう、施設移転整備の支援を行ってまいります。

健康づくりに関しましては、疾病等の早期発見・早期治療を図るため、各種検診の受診率の向上を図るとともに、子どもに対するインフルエンザの予防接種費の助成を引き続き行うほか、高血圧の世界基準のきっかけとなった大迫生活習慣病対策の取り組みを広く周知し、健康づくりの意識向上を図るため、大迫生活習慣病対策30周年記念事業を開催してまいります。
母子保健の充実につきましては、乳幼児、妊産婦に対する医療費の助成を引き続き行うとともに、新たに現物給付方式を開始し、医療機関の窓口での負担軽減を図ってまいります。
地域医療の充実につきましては、岩手医科大学附属花巻温泉病院が現在150床ある入院病床を本年4月以降に一部休床させ、稼働病床を100床に減らすとの情報を得ておりますが、総合花巻病院の移転整備の支援も含めて、将来における医療供給体制の構築に向けて、不足する医療従事者の確保に向けた取り組みの推進を図るほか、医療機能の整備・充実など、地域医療ビジョンに掲げる施策を着実に実施してまいります。

人づくり

子育て環境の充実につきましては、ひとり親家庭の父または母に対する支援を拡充し、ひとり親家庭の経済的な安定と自立を支援してまいります。
また、心身障がい児の保護者が安心して子育てができる環境づくりを推進するため、中軽度の障害のある、中学生から18歳までの児童に対する新たな医療費助成制度を開始いたします。
花巻市子ども・子育て支援事業計画「イーハトーブ花巻子育て応援プラン」に基づき、子どものための教育・保育給付の実施及び法人立保育園、認定こども園、小規模保育施設、認可外保育施設の運営を支援するほか、放課後における児童の健全育成のため、学童クラブの運営や施設整備の支援、放課後子ども教室の運営の充実に努めてまいります。
また、こどもの発達に係る相談や早期療育の場であるこども発達相談センターが老朽化していることから、改築整備に着手いたします。
公立保育園の運営につきましては、少子化が進展する中で地域の保育を確保しながら、人材や財源の集中化による保育サービスの更なる充実を目指し、民営化に取り組んでまいります。

学校教育につきましては、児童生徒の学力の調査結果を見ると、花巻市の小学生の各教科の平均正答率は、全国、県平均を上回る項目が多い一方で、中学生は下回っている状況であることから、「花巻市学力向上アクションプラン」に基づき、各学校による組織的な取り組み、授業改善の推進、家庭学習の充実を図るとともに、はなまき授業サポーターや中学サポーターを活用した少人数指導の充実等に取り組み、児童生徒の確かな基礎学力の向上に努めてまいります。

教育環境の充実につきましては、児童生徒の安全と快適な教育環境を創出するため、湯口中学校及び大迫中学校の全面改築を行うほか、大迫学校給食センターの整備に着手いたします。
また、経済的理由により就学困難な学生が進学等で希望する学習を継続することができるよう、魅力ある奨学資金貸与制度とするため、入学一時金の導入や成績要件の廃止などの見直しを行い、ニーズに合わせた運用を実施してまいります。
なお、奨学金制度を活用した人材の確保を図るため、市奨学金の返還者で、市内認可保育園で勤務している保育士、市内大学を卒業後に市内に居住している方々に対し、奨学金の返還支援を行ってまいります。

生涯学習につきましては、市民のニーズにあった生涯学習機会を提供するため、各種事業を開催してまいります。
国際姉妹・友好都市との交流におきましては、各都市との青少年や市民等の相互交流を通じて、市民の異文化理解と国際感覚の醸成に努めてまいります。
なお、平成28年は、米国バーモント州ラットランド市との国際姉妹都市提携30周年となる記念の年でありますことから、10月中旬にラットランド市において開催される記念行事に公式訪問団として訪問し、お互いの友好の絆を深めてまいります。

スポーツ振興につきましては、地域における生涯スポーツを推進するとともに、本市の強みである高速交通網の利便性や恵まれた資源を活かした、大規模スポーツ大会の開催や合宿誘致等のスポーツツーリズムを引き続き推進してまいります。

地域づくり

地域づくりの拠点である振興センターにつきましては、コミュニティ会議の方々と話し合いを重ね、平成28年度からは市職員を配置せず自主的な地域づくり活動を行うため、自ら運営していく体制とすることといたしました。なお、振興センター単位で実施する生涯学習事業につきましては、各コミュニティ会議に実施をお願いすることとなりますが、地域に密着した効率的・効果的な事業の企画運営の充実を図るため、市といたしましても引き続き支援してまいります。
また、地域住民の対話によるまちづくりを推進するため、1月30日に静岡県牧之原市の西原茂樹市長を講師にお招きし、ワークショップ形式による対話の手法を学ぶ研修会を開催し、コミュニティ会議の代表者の方々にご参加いただきました。
今後、より多くの地域住民の意見を引き出し、合意形成を図っていく手法につきまして、地域の皆様とともに検討してまいります。

男女共同参画の推進につきましては、第2次花巻市男女共同参画基本計画の計画案を、本定例会にご提案し、ご審議いただくこととしておりますが、ご決定いただいた場合には、この計画に基づき、市民一人ひとりがまちづくりに参画できるよう、男女共同参画を推進してまいります。
また、若い世代の結婚の希望をかなえるため、結婚活動支援団体に対する支援や、はなまき婚シェルジュの育成を引き続き推進してまいります。

移住・定住につきましては、花巻市の魅力を発信するため、首都圏で開催しているシティプロモーションイベントを継続して実施するとともに、花巻市の魅力を市民とともに発信するワークショップを開催するほか、空き家バンク等の登録件数を増やすなど、移住定住の受け入れ環境を整備してまいります。
イーハトーブ花巻応援寄附金につきましては、平成27年度に記念品の拡充等に取り組んだ結果、全国から約2億円の寄付をいただきました。今後も、更なる記念品の拡充を図るとともに、いただいた寄附金を有効に活用するための事業の創出に努めてまいります。

大迫、石鳥谷、東和の各地域における施策について申し述べます。私は、地域の課題は、地域の皆様と地域に精通する職員が一緒になって話し合い、解決するのが望ましいとの考えに基づき、総合支所の機能強化を図ってまいりました。平成28年度におきましても、それぞれの地域における課題に対し、迅速に対応してまいります。
大迫地域につきましては、登山道の整備、案内標識の設置などの早池峰地域の環境整備を図るとともに、ぶどう栽培農家の減少や労働力及び後継者不足等を解消するため、農家や関係機関・団体等で構成する大迫地域ぶどう産業振興協議会で (仮称)ぶどう産業振興ビジョンを策定し、労力支援や栽培面積の拡大支援、6次産業化に向けた支援等により、ぶどう産業の振興に取り組みます。
また、地域おこし協力隊を活用し、森林所有者の意向調査を行うとともに、山を管理しながら収入を得る自伐型林業の体制づくりに取り組むなど、地域の豊富な森林資源の有効活用を図ってまいります。

石鳥谷地域につきましては、中心市街地の賑わいづくりのため、まちの駅いしどりや酒蔵交流館を核とした各種イベントへの支援、空き店舗を活用した、高齢者に配慮した買い物、憩いの場の運営支援を行うとともに、地域おこし協力隊による地域資源の発掘や、ビジネス化、観光化に取り組み、地域の魅力情報発信を行ってまいります。
また、交流人口の拡大のため、南部杜氏の里として特色のある道の駅石鳥谷の施設再編を推進いたします。

東和地域につきましては、谷内振興センターの施設整備を引き続き行うとともに、耐震診断の結果、安全性確保が困難となった東和コミュニティセンターの整備につきまして、地域の皆様とともに検討してまいります。
また、地域おこし協力隊を活用し、りんごやぶどうなどの果樹に特化した、新規就農希望者の受け入れ体制づくりに取り組んでまいります。

近隣市町との連携につきまして申し上げます。
総務省が定める定住自立圏構想におきまして、現在の制度においては、花巻市は中心市になり得ないことから、これまで国に対しまして中心市の要件緩和を要望してまいりました。平成27年1月に、国からは「中心市の要件緩和について検討を行い、平成27年度中に結論を得る」旨の回答をいただいたことから、市の職員が総務省に出向き、直接担当者と協議を重ねており、本年1月27日には、県及び近隣市関係者とともに、私も総務省地域自立応援課を訪問し、担当課長に再度要望したところであります。また、この件に関して、県にも全面的に協力いただいているところであり、今後も県の協力を得ながら国に働きかけを行ってまいります。
また、中心市の要件緩和にかかわらず、近隣市町との連携は重要であり、地理的、文化的につながりの深い遠野市や、すでに定住自立圏の圏域を形成している奥州市、北上市、金ヶ崎町、西和賀町とは、今後も、定住自立圏の枠組みに捉われない連携を図ってまいります。

来年度の組織体制等につきまして申し上げます。
平成28年度の組織改正にあたりましては、「市役所の組織や部、課、係の体制や名称は、市民にとって分かりやすいものであることが必要であり、毎年の大きな変更は避けるべきである」そのような方針に立ち、喫緊の課題に対応するための、課の新設と課内室の新設・廃止のみを行います。
まず、総合政策部に人事課を新設いたします。これは、内部通報窓口でありコンプライアンスの担当でもある法規文書係と人事を担当する人事係を別の組織とするため、現在の総務課を総務課と人事課に分割し、2課体制とするものであります。また、課内室であった建設部都市政策課都市再生室、生涯学習部生涯学習交流課国際交流室を、業務量や業務の性格から課と同等の室に昇格いたします。国際交流室の昇格に伴い、生涯学習交流課を生涯学習課に改称いたします。
総合政策部総務課のマイナンバー対策室、財務部資産税課の家屋調査室につきましては、業務の終了等により廃止するとともに、生涯学習交流課の課内室であった少年センターを市民生活部市民生活総合相談センターに移管いたします。
なお、3月14日から、コンプライアンスの徹底、政策形成にかかる法的な課題の解決、市職員全体の法務能力の向上を図るため、新たに特定任期付職員として弁護士を採用することとしております。
また、岩手県から都市計画法に基づく開発行為の許可、農地法に基づく農地の転用の許可等に関する事務の権限移譲を受けることから、執行体制の整備を含め、その確実な実施に努めてまいります。

結びに

以上、私の平成28年度市政運営の方針と主要施策について申し述べさせていただきました。
冒頭に申し上げましたとおり、合併から10年の礎(いしずえ)のもと、これからの花巻市の発展ために、そして、若者が花巻で暮らせるまちをつくり定住人口を確保するために、全力を尽くしてまいりたいと考えておりますので、市議会並びに市民の皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。

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秘書政策課
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