市長演述 令和8年第1回(令和8年3月議会)

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ページ番号1025001  更新日 令和8年2月25日

はじめに

本日、令和8年第1回花巻市議会定例会が開会されるに当たり、新市長としての私の市政運営に臨む所信の一端を申し述べます。

この度の任期満了に伴います市長選挙におきまして、多くの市民の皆様から御賛同と御支援をいただき、市政を担うこととなりました。
市民の大きな期待を感じ、大変やりがいのある仕事に就かせていただき光栄であると同時に、身が引き締まる思いであります。

花巻市は、立地やインフラ、観光資源に恵まれ、歴史と伝統を積み重ねてきたまちであり、今、国内外から注目を集めている、ヒト・モノ・コトが豊かな、大きな可能性に満ちているまちです。
一方で、人口減少に伴う担い手不足、コロナ禍や物価高騰等の影響による地域経済の停滞、市街地へのクマの出没など、地方に共通する課題や、花巻市特有の課題も有しているのも事実であります。それらに真正面から向き合い、乗り越えていかなければなりません。
1市3町の合併により新たな花巻市が発足して20年の歳月が経過いたしました。この節目となる今こそ、花巻市の新たな舵取り役として新しい風を吹かせてまいります。これまで取り組んできたことに更に磨きをかけながら、これまでできなかったことに果敢に挑んでいきます。
市民が安心して暮らせる花巻、多くの人を惹き付け、市民自身が誇りに思う花巻、「より住みやすく、より魅力的な花巻」の実現に向けて、市政を進めてまいります。

市政運営の基本姿勢

そのための私の市政運営に当たっての3つの基本姿勢について申し上げます。

1つ目は、これから申し上げる、花巻市のまちづくりの方向性、8つの「目指す姿」に向けて、着実に歩みを進めていくということです。花巻市は、約9万人の人口を有する大きな自治体です。担うべき仕事は、幅広いものがあり、各般の施策を同時並行で取り組む必要がありますが、市政運営に当たっては、常にこの「目指す姿」に立ち返りながら、私が総合調整を図り、市政を着実に前に進めてまいります。

2つ目は、信頼される市政です。複雑な課題の解決や大規模な施策の推進等に取り組んでいくためには、開かれた市政、信頼される市政が不可欠です。市民の皆さんの声をよくお聴きし、ビジョン・構想を共有して、お互いの対話と理解を重視する、市民に開かれた信頼される市政を行ってまいります。

3つ目は、「市民との共創」であり、市民とともにまちをつくり上げていく姿勢であります。広く地域と市民一人一人の暮らしに目を配り、問題への気づきを積極的に行っていきます。対話から生まれるアイディアを大切にし、花巻を応援してくださる方々の力も合わせて、多くの方々と連携して実行していきます。誰もがチャレンジできる花巻をつくってまいります。

市政運営の重点項目

次に、改めて先ほど申し上げた私の考えるまちづくりの方向性、8つの「目指す姿」を具体的にお示しいたします。

1つ目は「すべての世代が安心して暮らせる花巻」であり、救急等の医療体制や保健・福祉サービスの拡充を進め、病気になっても高齢になっても、安心して暮らせるまちをつくってまいります。
総合花巻病院の経営状況に目を配りながら、医師確保と診療体制・救急体制の拡充を支援してまいります。
日々の暮らしと医療・福祉・介護のスムーズなつながりを強化し、サービスを受ける方とその家族が安心できる体制をつくってまいります。
周産期医療につきましては、産科医師や助産師等を確保するための市独自の支援を継続実施していくとともに、岩手中部医療圏の地域周産期母子医療センターに位置付けられている県立中部病院の医療体制の拡充について、引き続き県に要望してまいります。
がん検診をはじめとする各種健(検)診体制の充実にも力を入れ、疾病の早期発見・早期治療を促すとともに、フレイル予防により健康寿命を延ばし、いつまでも元気で御活躍いただくことにつなげていきたいと考えております。

2つ目は「未来を担う子どもたちを地域で育む花巻」であり、適切な情報提供で子育てしやすい地域を形成し、地域みんなで子どもを見守り、育む環境を整えてまいります。
妊娠期からの支援として、産前産後サポート事業や産後ケア事業を推進し、子育て支援の充実を図ってまいります。
システムを活用して子育てに関する情報を発信し、地域で安心して子どもを産み育てることができる環境を整えてまいります。
地域の子育て拠点となるよう、子どもが雨天時等でも安全に遊べる屋内型施設の整備に向けた調査・検討を進め、多世代が交流しながらみんなで子どもを見守り、育む環境を整えてまいります。
教育の面では、「誰一人取り残さない教育」を推進するとともに、小・中・高・大学を通じたキャリア教育にも力を入れてまいります。
また、この春から始まる小学校の学校給食費の無償化に加え、就学前の副食費及び中学校の学校給食費の負担軽減に向けた取組を進めてまいります。

3つ目は「市民が生涯を通じて文化やスポーツに親しめる花巻」であり、誰もが気軽に文化やスポーツに親しめる環境づくりを進め、市民が生き生きと暮らせるまち、交流が広がるまちをつくってまいります。
国際スポーツ大会等の大規模大会の誘致や、スポーツ医科学の振興に取り組み、市民の競技力向上と健康づくりを推進するほか、教育委員会と連携し、中学校の部活動の地域展開を円滑に進めてまいります。
文化活動につきましては、文化・芸術活動、郷土芸能、地域のお祭り等への支援を充実させてまいります。
文化やスポーツは、市の魅力を発信して様々な交流を促す重要なコンテンツの一つであると考えることから、世界に向けた発信力の強化を図ってまいります。

4つ目は「農林業・商工業と人材が育ち、豊かで活力ある花巻」であり、女性や若者が地元で活躍できる環境づくり、地域特性に合った農林業や特色ある商工業をいかすための人材の育成・確保、新たな企業を呼び込むための産業団地の整備等を進め、人や資源をつなぎ合わせることで、花巻の経済を大きく豊かに循環させてまいります。
農林業につきましては、関係機関と連携し、平野部や中山間地など地域の特性に応じた支援、基盤整備の促進、スマート農業の推進などによる効率化への支援等を進めてまいります。
商工業につきましては、起業を希望する方への支援や市内企業の持続的な経営を支援するほか、中心市街地においては、特に若い方のチャレンジを応援していきたいと考えております。
また、旧3町を含む、市街地の空き物件の活用による創業支援や物件のマッチング支援等により、中心市街地の活性化にもつなげてまいります。
各産業を通じて、担い手の確保が課題であると考えており、各種制度を活用した就労支援や経営支援、奨学金返還支援等により人材の育成・確保に取り組むことで「働くなら花巻」の体制を確立し、そのことを強力に発信してまいります。
また、DX化等の経営力強化に向けた支援や花南産業団地の整備等による企業誘致も着実に進めてまいります。

5つ目は「災害に強く、より安心で安全な花巻」であり、災害への備えや市街地に出没するクマの人的被害への対策を強化するとともに、公共交通機能を維持し、安全・安心に暮らせるまちをつくってまいります。
防災訓練で明らかになった課題の解決に取り組むとともに、防災講話等の開催を通じて、市民の防災力の向上につなげ、災害への備えを進めてまいります。
クマの人的被害防止については、これまでも全国から注目される対策を実施してきたところでありますが、引き続き、専門家等から助言をいただきながら、箱わなでの捕獲に加え、河川敷や山林における緩衝帯の整備、ハンターの養成など、長期的な対策を進めてまいります。
また、コミュニティバスやタクシー等の公共交通機関について、市民や関係機関の御意見をいただきながら、利便性の向上を図り、高齢者等の交通弱者や観光客の移動を支えてまいります。
加えて、道路交通網等のインフラ整備も重要であり、改良や維持補修で長寿命化に取り組んでまいります。

6つ目は「観光資源等を磨き、つながりを強化して、世界から訪れたい花巻」であり、豊富な観光資源を磨き上げ、つなぎ合わせることで、交流人口の拡大と経済活動の活性化を図ってまいります。
多彩な歴史や文化・自然等の地域資源をいかし、景観整備、二次交通の充実や多言語対応による情報発信の強化のほか、観光客の利便性向上や周遊促進の効果が期待される観光DXの推進、外国人観光客誘致にも積極的に取り組み、世界から訪れたい花巻をつくってまいります。

7つ目は「花巻にふさわしい街並みや景観で快適に過ごせるまち」であり、化製場の悪臭対策や新興製作所跡地の建物解体物の適正処理等に取り組んでまいります。
化製場の悪臭問題につきましては、県が主導して根本的な解決を図るよう対策を講じていただくことが極めて重要であると考えており、引き続き県に強く要望していくとともに、県や排出事業者を含めた関係機関等との協議の場を設け、必要な対策を検討してまいります。
新興製作所跡地につきましても、現地に残置されているガレキ等の解体物が早期に処理されるよう、県において処理責任者に指導していただくよう、引き続き強く要望してまいります。

市役所庁舎の在り方の検討に当たりましては、市民参加で継続的に議論していく場を設け、他の公共施設の将来を見据えた統廃合や再配置を含めた適正配置の検討も含めて進めてまいります。

8つ目は「花巻の魅力を発信して『つながる花巻』」であり、花巻の魅力を効果的に発信し、まちを応援するファン、関係人口や交流人口、定住・移住を更に拡大させ、花巻を大きく豊かに循環させてまいります。
ふるさと納税の取組を更に推進するほか、民間企業や団体との公民連携事業を積極的に導入し、新たな力を育ててまいります。
青少年の海外派遣研修など、世界とつながる事業についても積極的に推進してまいります。

これらの方向性について、各計画や施策に溶け込ませながら、花巻市の行財政の体制を築き、力強く歩みを進めていく所存であります。

令和8年度の主要施策

次に、令和8年度の主要な施策を、第2次花巻市まちづくり総合計画長期ビジョンに掲げる2つの重点施策推進プロジェクト、子ども・子育て応援プロジェクト、花巻で暮らそうプロジェクト及び6つのまちづくり分野ごとに申し上げます。
なお、令和8年度当初予算編成に当たっては、骨格予算として編成しましたが、私の進める方向性「目指す姿」に合致し、市民にとって必要な、すぐに事業を進めていくべきと判断したものにつきましては、政策的な経費であっても、当初予算に計上したところであります。

人口動態の状況

はじめに、人口動態の状況について申し上げます。
本市における令和7年中の人口動態の状況を住民基本台帳の実績データから速報値として集計した結果によりますと、令和7年12月31日現在の住民基本台帳人口は、前年比マイナス1,249人の88,618人となったところであります。
その内訳として、転入者数と転出者数の比較による社会増減数はマイナス96人となり、子育て世代の転入超過の傾向は継続しているものの、若年層の転出超過が続いており、さらに出生数と死亡者数の比較による自然増減数については、マイナス1,153人となっており、人口減少の最大の要因が大幅な自然減である状況が続いております。

このような人口減少のスピードをできる限り緩やかにし、人口規模が縮小する中にあっても市全体の活力を持続させていくため、本市におきましては、「第2次花巻市まちづくり総合計画」において6つのまちづくり分野の政策を横断的に推進する「子ども・子育て応援プロジェクト」と「花巻で暮らそうプロジェクト」を設定し、人口減少対策を計画的かつ強力に推進してきたところであり、このようなこれまでの取組をしっかりと引き継ぎ、必要な見直しを行いながら、この課題に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。

子ども・子育て応援プロジェクト

次に、重点施策推進プロジェクトの1つ目「子ども・子育て応援プロジェクト」について申し上げます。
母子保健については、引き続き地域で安心して子どもを産み育てられる環境整備のため、こども家庭センターにおいて医療機関等と連携し、全ての妊産婦、子育て世帯、子どもに切れ目ない情報発信・相談・支援を行うとともに、児童虐待の防止や早期発見に向け、関係機関と連携した見守りに努めてまいります。

妊娠期からの支援として、産前産後サポート事業を拡充するとともに、産後間もない母子をサポートする産後ケア事業の充実に向け、新たに日帰り型又は宿泊型のサービスを提供しようとする事業者へ事業開始準備の支援を行ってまいります。

また、保育園等に入所していない満3歳未満児を一定時間を上限に保育園等で預かる乳児等通園支援事業(こども誰でも通園制度)については、本年4月から市内の公立・法人立合わせて5園で実施してまいります。

子どもが雨天でも安全に遊べる屋内型施設を含む子育て支援複合施設については、地域の子育て拠点として多世代が交流しながらみんなで子どもを見守り、育む環境を整えていくことも視野に整備に向けた調査・検討を進めてまいります。

全ての子どもと妊産婦を対象に所得制限を撤廃した医療費助成や、国の保育料無償化の対象とならない3歳未満児の保育料の一定額引下げ、3歳未満の第2子以降の児童の保育料無償化、在宅育児世帯への支援のほか、3歳以上の児童を対象に幼児教育・保育施設の利用世帯から徴収している副食費の第1子への一部補助や第2子以降への全額補助等の支援策を継続し、妊産婦や子育て世帯の負担軽減に努めてまいります。

乳幼児のRSウイルス感染症予防のための母子免疫ワクチンについては、本年4月から定期予防接種とする国の方針を踏まえ、妊婦が自己負担なく接種を受けられる体制を構築してまいります。

学校給食については、国から小学校給食費の負担軽減策が示されたところであり、本市におきましては、国の支援額の不足分を市が全額負担し、完全無償化を実施いたします。
また、中学校給食費については、これまでと同様に保護者負担額を令和4年度の金額に据え置き、物価高騰分を市が負担し、保護者の経済的負担の軽減に努めるとともに、無償化の早期実現に向け、引き続き国に要望してまいります。

花巻で暮らそうプロジェクト

重点施策推進プロジェクトの2つ目「花巻で暮らそうプロジェクト」について申し上げます。
若い世代や子育て世代の移住・定住を促進する「定住促進住宅取得等補助金」、「若者世代等空き家取得奨励金等」、「子育て世代等住宅取得奨励金」等の支援策を継続するほか、「移住支援金」、「UIJターン者就業奨励金」、「日本学生支援機構奨学金返還支援事業補助金」を継続し、若い世代や子育て世代の本市への移住・定住と市内企業への就業、担い手の確保につなげてまいります。

市内産業団地の分譲率は、本年1月末時点で96.0パーセントと高水準であり、市内に進出を希望する企業の要望に応じることができていない状況にあることから、引き続き花南産業団地の整備を進めてまいります。
花南産業団地の中央部B工区は、昨年12月に整備が完了し供用開始となりました。分譲区画8区画のうち、3区画は、2社と売買契約を締結しており、残る5区画についても早期分譲に向けて、企業誘致活動を進めてまいります。
また、南側C工区についても、需要に応じて速やかに分譲できるよう造成工事や道路工事等の整備に努めるとともに、北側A工区については、埋蔵文化財発掘調査を進めてまいります。

大型案件の進捗

JR花巻駅橋上化・東西自由通路整備については、昨年12月議会において工事費に関する債務負担行為設定の補正予算の承認をいただき、JR東日本と工事実施に関する施行協定を締結したところであり、西口駅前広場整備と併せて、国の財政支援を得て工事に着手してまいります。

新花巻図書館整備については、令和8年1月に「昭和設計・tデ・山田紗子(すずこ)建築設計事務所共同企業体」と基本・実施設計業務の委託契約を締結し、現在、基本設計に関するワークショップを実施しておりますが、そこで得られた御意見については、設計者の意見をいただきながら、丁寧に検討してまいります。
また、専門家の助言を得ながら蔵書の収集方針や職員配置等について検討を進め、利用者にとって利便性の高い図書館の実現を目指してまいります。

矢沢地区義務教育学校整備については、令和10年4月の開校に向けて実施設計業務を進めるとともに、設立委員会を中心に引き続き地域と連携しながら開校に向けた準備を進めてまいります。
また、矢沢学童クラブの整備を矢沢地区義務教育学校の整備進捗状況を確認しながら適切に進めてまいります。

令和8年度のその他の主要施策

しごと

続いて、6つのまちづくり分野のうちの「しごと分野」の取組について申し上げます。
農業については、米価の高止まりが続いた場合、供給が需要を大きく上回り米価の下落が懸念されますことから、引き続き需要に応じた生産を進めていく必要があり、国内需給状況を的確に把握し、備蓄米の確保量を増やしながら必要に応じて市場に放出できる体制を整えるよう、国に要望してまいります。

「水田活用の直接支払交付金」については、国において令和9年度から仕組みの転換を行うこととし、本年6月頃までに詳細を取りまとめるとしておりますことから、国の動向を注視してまいります。

中山間地については、国の「中山間地域等直接支払交付金制度」の継続による集落維持を前提に、地域の状況に応じて圃場整備や粗飼料生産中心の営農形態への転換を支援してまいります。
また、「集落機能強化加算」の第7期対策以降の継続について国に要望してまいります。

担い手不足への対応としては、「地域計画」(地域農業経営基盤強化促進計画)に基づく、担い手への農地集積や地理的な集約を引き続き進め、効率化を図ってまいります。
また、農業後継者として期待される新規就農者の確保・育成を図るため、国・県事業の活用や市単独事業により支援してまいります。

森林林業については、森林環境譲与税を財源とした森林経営の推進や人材の確保・育成への支援等を通じて、森林林業の再生に取り組むとともに、合板材の素材やバイオマス発電の燃料としての木材供給など、森林資源の活用を推進してまいります。
また、森林作業道の整備や高性能林業機械の導入を支援し、林業関係団体や山林所有者が施業しやすい環境を整備してまいります。
加えて、地域の里山整備を支援し、人間が利用する場所と鳥獣が生息する場所との境界(緩衝帯)を整備し、有害鳥獣の被害防止に努めてまいります。

クマの人的被害対策については、AIカメラの活用等の取組を継続するとともに、有害鳥獣対策支援員の増員を図り、市民の安全確保に最大限努めてまいります。

観光業については、引き続き県や近隣市町、一般社団法人花巻観光協会等の関係機関と連携し、魅力的な各種イベントの開催支援や効果的な観光情報の発信等を通じ、観光客入込数の増加と観光消費額の向上に努めてまいります。
また、外国人観光客誘致が本市の観光振興に重要な取組であることから、一般社団法人東北観光推進機構や県等の関係機関と連携し、海外の旅行会社や個人向けのプロモーションを展開し、外国人観光客の更なる誘致に向けて取り組んでまいります。

商工業については、令和7年12月時点で花巻管内の有効求人倍率が1.28倍と、県内では北上・水沢管内に次ぐ高水準にあり、深刻な人手不足が続いていることから、市内企業の経営者や人事担当者向けセミナーのほか、高校生を対象とした企業見学や一般求職者も対象とした市内企業の合同説明会を開催し、市内企業と求職者が交流する機会を提供してまいります。
また、花巻市企業検索サイト「おしごとNAVI花巻」による市内企業の情報発信のほか、ワーク・ライフ・バランスの充実等による働きやすい職場環境づくりを働きかけてまいります。

暮らし

次に「暮らし分野」の取組について申し上げます。
市道整備については、幹線道路や歩道等の整備を促進するとともに、橋梁やトンネル等の点検・補修を進め、安全・安心な道路インフラの確保に努めてまいります。

令和7年8月に国の「かわまちづくり支援制度」に登録された「花巻地区かわまちづくり計画」については、国土交通省東北地方整備局岩手河川国道事務所と本市によるハード整備を進めるとともに、「花巻地区かわまちづくり計画推進協議会」において新規イベント等を検討し、賑わい創出のための準備を進めてまいります。

公共交通の維持・確保については、民間路線バスへの補助や市コミュニティバスの運行を継続してまいります。
また、本年3月末の花巻温泉線・成田線の一部区間廃止に伴い交通空白地域となる地域の移動手段を確保するとともに、市内6地域で運行している予約乗合交通については、地域内交通の要として利用促進に努めてまいります。

公共下水道等の汚水処理事業は重要なライフラインであることから、適切に維持管理するとともに、老朽化施設については、国の交付金を活用し長寿命化を図るほか、「花巻市上下水道耐震化計画(下水道)」に基づき、総合体育館や医療機関等に接続する下水道管路の耐震化を推進してまいります。

住環境を整備するため、優良な宅地開発を行う事業者に造成費用を補助するほか、管理不十分な空家が周辺地域等へ悪影響を及ぼさないよう、空家所有者の調査や空家除却費用の補助を通じて指導や支援を行ってまいります。

健康・いのち

次に「健康・いのち分野」の取組について申し上げます。
新たな乳幼児健診として、令和8年度から5歳児健診を実施いたします。本健診では小児科医の診察に加え、子どもの発育や発達、生活習慣等を心理士や保健師等に相談いただくことにより、就学を控える保護者の不安軽減を図るとともに、適切な支援につなげてまいります。

一人暮らし高齢者や障がい者等の通院にかかるタクシー代等を支援する通院時交通費助成については、支給方法をチケット払いに変更し、利便性の向上を図ってまいります。

高齢者が慣れ親しんだ地域で自立して健康的に過ごすことができるよう、介護予防の情報を広く提供するとともに、高齢者自身による主体的な健康づくりや介護予防の取組の充実を図ってまいります。
また、介護保険サービスの充実については、需要に応じたサービスの提供体制を確保するため、新卒者への家賃支援等により介護サービスに携わる人材の確保に取り組んでまいります。

ひきこもりの状態にある方やその家族への支援として、安心して過ごせる居場所の提供や相談者の希望により相談者宅を訪問するアウトリーチ支援など、よりきめ細やかな支援を行ってまいります。

気象災害や地震災害から市民の命を守るためには、日ごろからの備えが重要であることから、自主防災組織への支援や地域防災の中核となる防災士の育成を継続するとともに、「花巻市防災士会」とも連携し、地域の防災力向上に取り組んでまいります。
災害用物資の備蓄については、「花巻市災害用物資備蓄指針」に基づき備蓄物品の充実に努めてまいります。
本年3月に納車予定のトイレカーについては、市内の各種イベントでの活用を通じて災害時にスムーズな利用ができる下地をつくってまいります。

積極的な火災予防広報により、市民の防火意識の高揚を図るほか、消防施設等の整備や消防水利の維持管理と、林野火災注意報や警報の的確な発令により、一層の火災予防に努めてまいります。

また、消防団については、組織の見直しや施設整備を適正に行い、活動の充実・強化を図ってまいります。

子育て・人づくり

次に「子育て・人づくり分野」の取組について申し上げます。
生涯学習の推進については、市民が知識や経験を得る機会となる学習講座の充実を図るとともに、市民の主体的な学習活動を支援してまいります。

国際理解と友好都市交流については、引き続き青少年海外派遣研修事業等を実施し、市民の国際理解や多文化共生への理解の促進を図るほか、今年で提携40周年を迎える国際姉妹都市米国バーモント州ラットランド市との記念事業を実施し、両市の交流を推進してまいります。

スポーツの推進については、現在策定を進めております「第2期花巻市スポーツ推進計画」に基づき、各種施策に取り組んでまいります。
昨年11月に本市と日本航空株式会社との間で締結した「花巻球場の愛称命名及び施策の連携に関する契約」に基づき、同社と連携したイベントの開催等の取組を進めてまいります。
女子野球タウンの推進については、女子選手のプレー環境向上のため、JALスタジアム花巻の改修に向けた実施設計を行うとともに、女子硬式野球イーハトーブ花巻大会の開催支援や少年少女野球教室等の開催に取り組んでまいります。

文化会館については、4月6日から10月29日まで全館を休館とした上で、市内外からの来館者に心地よく施設を利用していただけるよう、施設のリニューアルを図ってまいります。

本年は、宮沢賢治生誕130年に当たりますことから、特別企画「賢治のチェロとトシのヴァイオリンで奏でる弦楽四重奏」コンサートのほか、宮沢賢治学会イーハトーブセンターと協力して「宮沢賢治生誕130年記念第5回国際研究大会」を開催いたします。

宮沢賢治童話村は、開村から約30年が経過し、老朽化が進んでいることから、全体の在り方を検討し、効率的な改修を行うため、リニューアルに係る基本構想・基本計画の策定に向けて取組を進めてまいります。

本年は、早池峰神楽が国の重要無形民俗文化財に指定されてから50年の節目を迎えることから、これを記念し、県内外の国の重要無形民俗文化財に指定されている神楽団体との共演イベントを実施いたします。

地域づくり

次に「地域づくり分野」の取組について申し上げます。
27地区のコミュニティ会議の運営や自主的な地域づくり活動等を引き続き支援し、市民の創意工夫による地域の文化と個性をいかしたまちづくりを進めてまいりますとともに、行政区長やコミュニティ会議会長等の負担軽減について引き続き検討してまいります。
市が実施する事業等に市民が積極的に関わることができるよう、まちづくり基本条例、市民参画条例等に基づく市民の市政への参画と協働の機会の拡充を図り、市民が意見を表明する機会を保障することで、市民と市との協働によるまちづくりに取り組んでまいります。

女性や若者など、多様な価値観を持つ人がお互いを尊重し働きやすく暮らしやすい社会を実現するための企業や地域におけるアンコンシャス・バイアス(固定的な性別役割分担意識)の解消に向け、性的少数者(LGBTQ)も含めたジェンダー平等に関する理解促進を図るセミナーの開催や情報提供の充実に取り組んでまいります。
また、令和7年4月から運用を開始した「花巻市パートナーシップ制度及びファミリーシップ制度」の周知を図り、法律上の婚姻制度を利用することができない、あるいは利用が容易でない方の生活上の困難や生きづらさが軽減されるよう努めてまいります。

移住・定住の推進については、移住支援相談員や移住コーディネーターをはじめ、地域の移住・定住推進団体との連携により、移住・定住希望者や移住者等への相談体制の充実に努めるとともに、若い世代や子育て世代への住宅取得支援策等を継続して実施してまいります。
また、移住定住ポータルサイト「いいトコ花巻」等により、本市の魅力を効果的に情報発信するとともに、首都圏における移住イベントへの出展等を通じて、更なる本市の認知度向上に努めてまいります。

行政経営

次に「行政経営分野」の取組について申し上げます。
本年は、新市発足から20年の節目の年でありますことから、「花巻市合併20周年記念式典」の実施に向け、準備を進めてまいります。

自治体DX(デジタル・トランスフォーメーション)については、市民サービスの向上と庁内業務の効率化の二つの観点から、引き続き重点的に取り組んでまいります。特に令和8年度は、行政手続のオンライン化の推進、市民と市役所の接点となる窓口改革を進め、利便性の高い「行かない・書かない・待たない・迷わない窓口」の実現に向けた取組を推進するほか、庁内業務における生成AIの活用をより一層推進し、効率的かつ質の高い行政運営を実現してまいります。

行政情報の発信については、広報はなまき、市ホームページ、LINE、フェイスブック、エックス等の多様な媒体を効果的に活用しながら、引き続きタイムリーでわかりやすい情報発信に努めてまいります。現在月2回発行している広報はなまきについては、各世帯への配布作業に携わる行政区長等の労力負担の面で大きな課題があると捉えておりますことから、将来的な発行回数の見直しも見据え、LINEによるプッシュ型の発信や動画を用いた広報など、デジタルを活用した情報発信をさらに強化してまいります。

行政組織については、上水道の整備や管理業務が厚生労働省から国土交通省へ移管され、上下水道行政が一元化されたことに伴い、市民生活部生活環境課が所管している岩手中部水道企業団に関する業務を建設部下水道課に移管し、業務の効率化を図ってまいります。
また、新花巻図書館が計画策定段階から整備段階へ移行したことから、「新花巻図書館計画室」を「新花巻図書館整備室」へ名称変更するほか、システムによる伝票審査が定着したことから、各総合支所市民サービス課の会計業務を本庁会計課へ集約するほか、「いわて消防指令センター」の運用開始に伴い、二つの係体制としている消防本部警防課の通信指令を一つの係に集約いたします。

物価高が続き、社会保障費や人件費の増加等が見込まれる中、国は経済・物価動向等を適切に反映し地方財政措置を講ずるとしていることから、市税や地方交付税、各種交付金等の一般財源の歳入は、総じて増加する見込みであります。一方で、障がい福祉や子育て支援等の充実に伴う扶助費や給与改定が見込まれる人件費等の義務的経費が歳入の増加以上に見込まれることから、安定的な財源の確保と経常的な経費の抑制に努めてまいります。
また、市政課題に対応する上で不足する財源については、基金の活用や国庫・県補助金、交付税措置がある有利な地方債を活用することとしております。
今後行われるJR花巻駅橋上化・東西自由通路整備や西口駅前広場整備、新花巻図書館整備、矢沢地区義務教育学校整備等の大型プロジェクトの事業の推進と、将来を見据えた必要な市民サービスの維持・向上に向け、しっかりとした財政見通しを立てながら、より一層の健全財政の維持に努めてまいります。

自主財源の確保に向けた取組の一つとして、平成18年の合併以降、据え置いたままとなっている市の施設使用料や各種証明書の手数料等の見直しに着手しており、近隣市町の動向や関係団体等の意見を伺いながら、令和8年度中の各種使用料・手数料に係る条例改正、令和9年4月1日の改定を目指して検討を加速してまいります。

イーハトーブ花巻応援寄附金については、花巻の魅力ある返礼品を出品してくださる返礼品事業者、本市を応援してくださる全国の寄附者に心から感謝を申し上げますとともに、いただいた御寄附は御希望の使途に沿って、本市のまちづくりへ広く活用させていただきます。
なお、特定財源である本寄附金は、制度改正等の影響もあり令和5年度をピークにやや減少傾向にあることから、引き続き返礼品事業者の御協力を賜りながら、寄附者のニーズを捉えた新たな返礼品の掘り起こしや磨き上げに努めてまいります。

結びに

以上、私の市政運営の基本姿勢、市政運営の重点項目、令和8年度の主要施策について申し上げました。
私の考える8つのまちづくりの方向性、「目指す姿」に向けて、より開かれた信頼される市政、市民との共創により、「より住みやすく、より魅力的な花巻」の実現のため、力強く歩みを進めていけるよう、お示しした主要施策への御理解をお願い申し上げます。

さらに、私の公約に基づいた新たな取組につきましては、市民、関係機関・団体等の皆様の御意見を伺いながら、引き続き十分に練り上げてまいります。

結びに、市民はもとより市議会や関係機関・団体、市職員等が世代や立場を超えて、一丸となって「わくわくする花巻」を展開していけるよう、皆様の市政運営への御理解と御協力を心からお願い申し上げ、令和8年度の施政方針といたします。

担当

総合政策部 秘書政策課 企画調整係

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