平成28年2月 定例記者会見を開催しました
開催日時
平成28年2月25日(木曜)午前11時から11時50分まで
開催場所
花巻市役所本庁本館 3階委員会室
会見項目
- 花巻市の公共施設等総合管理計画の取組みについて(担当 財務部 契約管財課 公共施設計画策定室)
- 東京ヤクルトスワローズ畠山選手の表彰について(担当 生涯学習部 スポーツ振興課)
- 弁護士の採用について(担当 総合政策部 総務課)
- ピロリ菌検診の実施状況について(担当 健康福祉部 健康づくり課)
- こどものインフルエンザ予防接種費用軽減事業の実施状況について(担当 健康福祉部 健康づくり課)
- 花巻市学力向上アクションプランについて(担当 教育部 小中学校課)
花巻市の公共施設等総合管理計画の取組みについて
市長
公共施設等総合管理計画の策定の取り組みの一環として、花巻市は今年1年間で、公共施設の実態の把握を進めてまいりました。
その中で、今後40年間で、市の公共施設・建物・道路・下水道等を更新、維持していくためにどれくらいのお金が必要になるか試算いたしました。この試算は、国の試算ソフトを使って実施したものです。その結果については概要版として、市のホームページに先日掲載させていただき、また、市議会議員の皆さんにも説明させていただきました。現在、さらに作成作業を進めており、本年3月中に発表することを考えております。
具体的な中身についてですが、まず公共施設の状況として、建物施設は642施設あり、延床面積は52万7千平方メートル、棟数は1,707棟となっております。このうち、築30年未満は52.2パーセント、築30年以上は44.8パーセントという状況です。人口1人当たりの延床面積は5.31平方メートルとなっており、全国平均の3.78平方メートルを上回っております。ただし、花巻市と同程度の規模の市と比べた場合、特別に多いわけではないと理解しています。
耐震化率については88.7パーセントという状況です。一部小さい建物でまだ耐震化していないものもありますが、大きな建物についてはほぼ耐震化を終えています。大きな建物で残っているのは、湯口中学校校舎と大迫中学校校舎ですが、湯口中学校については今年の9月に新しい校舎が出来上がります。大迫中学校についても平成28年度の予算で建て替えを実施する予定となっています。
インフラ施設については、市の道路延長が3,308キロメートル、橋りょう数は1,029橋、下水道管は総延長897キロメートルとなっています。下水道管についてはまだ新しい施設ですので、すぐに建て替え・更新の必要はないわけですが、40年の期間で例えば20年経った段階から更新が必要になってくることが予想されます。道路・橋りょうについては建設後30年から50年を経過したものが多く、今後急速に老朽化が進行することが予想されます。
このような中で、今後40年間に建て替えを含め更新あるいは維持していくために必要な金額でありますが、建物施設については約1,937.6億円という試算になっています。40年間の中での年平均は約48.4億円となります。一方、平成27年度までの過去5年の間に、市が建物施設について投資してきた経費は年平均で27億円となっています。
インフラ施設については、今後40年間で更新にかかる費用は約1,772.9億円、年平均では44.3億円、過去5年間の投資的経費の年平均は約36.3億円という状況です。
建物施設とインフラ施設を合せますと、今後40年間で更新にかかる費用は約3,710.5億円、年平均では約92.7億円、過去5年間の投資的経費の年平均は約63.3億円という状況です。これについては、新たな施設を建設する場合の補修あるいは更新費用は入っておりません。例えば、花巻の中心部に図書館を新設する構想を持っていますが、このような施設の補修等の費用は入っていないということになります。
建物施設とインフラ施設を合わせた経費について、先ほど申し上げたように、今後40年間の年平均約92.7億円に対し、過去5年間の年平均約63.3億円ですので、約30億円が年平均で足りないということになります。試算では、国の試算ソフトの設定を60年間で建て替えすることにしておりましたので、これについて建て替えではなく大規模改修などによって、必要な経費を減らしていくことが考えられます。この検討が今後必要になってくるだろうと思います。
今後の予定ですが、市の公共施設の管理運営の基本方針となる公共施設等総合管理計画を平成28年度中に策定いたします。
これを受け、平成29年度から個別的な施設計画の策定を進めていきたいと考えています。この策定については、市民の方々の意見を十分反映する必要があると考えております。
先日、コミュニティ会議の代表者を中心とした研修会に、静岡県牧之原市の西原市長にお越しいただき、ファシリテーションの手法を使った意見集約の方法等について学びました。今後このような手法を使うことも検討しながら、40年後に花巻を支えるような年代の方々も含め、幅広い層の意見を聞いていきたいと考えております。
東京ヤクルトスワローズ畠山選手の表彰について
市長
昨年、プロ野球セ・リーグで打点王に輝いた花巻市湯口出身の東京ヤクルトスワローズ畠山和洋選手に対して、このたび、花巻市スポーツ栄光特別賞を授与させていただきます。3月15日に明治神宮球場に伺いまして、畠山選手に表彰状と記念品をお渡しします。
過去同様の賞としては、花巻市スポーツ栄光賞として、選抜高校野球大会準優勝、夏の大会では準決勝に進んだ花巻東高校野球部に平成21年4月に授与させていただいております。また、全日本大学野球選手権大会において北東北勢として初めて準優勝した富士大学野球部に平成21年7月に授与させていただいております。
畠山選手には、今回、新たにスポーツ栄光特別賞を新設して授与させていただくことを考えております。
畠山選手は湯口中学校の野球部の出身です。実は私は湯口中学校野球部のOBでして、畠山選手のお父さんとはチームメートでした。その息子さんが今回ヤクルトスワローズで大活躍したことは、私個人としても非常にうれしく思っております。今回の賞は畠山選手に対し、花巻市民が大変喜んでいる、勇気づけられているというメッセージを伝えるために授与させていただくものです。
弁護士の採用について
市長
花巻市は私が市長に就任してからもコンプライアンスに関する問題が発生しています。
これについて、市の職員に注意喚起しておりますが、やはり法律の問題は知識がなくては遵守も難しいということがあります。
そのような中、市の職員ではない外部の弁護士先生に相談する機会が増えています。職員には、99パーセント大丈夫と思っても1パーセント問題があれば、しっかり確認するように話しております。市外の弁護士先生に相談する場合、市の職員もある程度の知識を持って効率的に相談する必要があるという観点から、今回、弁護士を採用することに決めたところであります。
採用する方は、深田哲史(あきふみ)さんという方です。職名は法務専門監とし、課長級で採用します。任期は3月14日から平成31年3月13日までの3年間とし、常勤で活躍いただきます。担当する業務は、訴訟関係・行政不服審査関係・その他の紛争等の整理処理、市の施策の法的妥当性・法令への適合性の検証、職員のコンプライアンス意識や法務能力向上のための研修、職員からの法令解釈等の法律相談などです。
今回の採用に当たっては、日本弁護士連合会や岩手弁護士会のご協力をいただき、1年以上前から募集活動を行ってまいりました。最終的には、担当部長が日弁連主催の説明会に出席し、その結果、何名かの応募をいただき、その中から私も含め面接をさせていただいて決定したところでございます。
弁護士の採用は、全国の地方自治体では76団体で107人の事例があり、東北では13例目、県内では4例目ということになります。
これでコンプライアンスがすぐ完璧になるということでは必ずしもありませんが、今回の採用により、市の職員の自覚をさらに高めていけたらいいと考えています。
ピロリ菌検診の実施状況について
市長
花巻市では平成27年度の新規事業として、胃がんの原因菌であるピロリ菌の検診を実施いたしました。これは県内の自治体では初めての取り組みです。
対象者は、20歳、25歳、30歳、35歳、40歳の花巻市民4,786人でありましたが、このうち半数近くの2,067人が受診されました。これは当初の予想を上回る数字でした。
今回の検診の結果、271人の方がピロリ菌陽性と判定されました。この方々についてはピロリ菌の除菌治療を推奨しております。この除菌治療は多くの場合保険診療の対象となり、自己負担は1万円から1万5千円ということですので、ぜひ実施していただき胃がんリスクを減少させていただきたいと考えております。
検診の検査方法は、便中のピロリ菌抗原検査ということで、市が検査キットを対象者に配布して、対象者が検体を検査機関に郵送する方法で行いました。医療関係者の話を聞くと、この検査方法は、クリニックで受けるピロリ菌検査と精度は変わらないと伺っております。
最終的な受診率は男女合計43.2パーセント、陽性率は男女合計13.1パーセントという結果でした。
こどものインフルエンザ予防接種費用軽減事業の実施状況について
市長
花巻市では昨年度から子どものインフルエンザ予防接種費用に対して助成を行っておりますが、本年度はこの助成額の拡充を行いました。
対象者は、花巻市に住所を有する生後6カ月から小学6年生までの子どもです。
平成26年度の助成額は1人当たり1回1,000円でしたが、平成27年度については、小学校未就学の乳幼児および小学校に在学している児童の第2子以降については、助成額を1人1回当たり3,000円に拡充しました。現在の接種費用から考えると、実質無料化となっております。
接種の状況ですが、平成26年度は接種率53.9パーセントでしたが、平成27年度については、未就学児が64.3パーセント、小学生1人目が51.2パーセント、小学生2人目以降が53.2パーセントとなり、合計では57.4パーセントになりました。接種率が上がっていることから考えると、この政策の有効性があったものと考えております。
花巻市学力向上アクションプランについて
市長
花巻市の子どもの学力向上は喫緊の課題になっております。
昨年2月に花巻市学力向上アクションプランを策定いたしましたが、平成27年度の全国学力・学習状況調査の結果、花巻市の学力に問題があるという結果でありました。そこで、この学力向上アクションプランを一部改訂して、さらに強力に推進していくことを考えております。
各教科の平均正答率について、平成27年度の全国学力・学習状況調査を見ますと、花巻の小学生は全国平均、県平均を上回っています。しかし中学生になりますと格段に下がっています。
花巻市の子どもたちには伸びる力があると考えておりますが、それを十分伸ばし切れていないというのが教育委員会および市の問題意識です。翻ってみますと、花巻からは、新渡戸稲造を生んだ新渡戸家が出たほか、札幌農学校の校長および北海道帝国大学の初代総長をされた佐藤昌介、同じく北大の総長をされた島善鄰(よしちか)、そして宮沢賢治が生まれました。世界に羽ばたくような大変優秀な方が花巻から出たわけですが、同じ能力を今の子どもたちも持っていると思いますし、それを生かし切れていないということであれば、我々大人の世代として、大変な責任を持っていると思っています。その中で教育委員会では、平成27年2月に策定した花巻市学力向上アクションプランを改訂し、さらに強力に推進していくことを考えているということです。
教育長
資料に記載のとおり、特に中学校において芳しくないという状況です。実は平成26年度の結果に基づいて本年度もこのプランの素案を策定し試行してまいりましたが、なかなか市全体のものにならなかったという経緯があります。
これまで各学校とも連携し、さまざまな工夫をしてきましたが、やはり個々の対応では難しいということで、このほど改善を加え平成28年2月より花巻市学力向上アクションプランとしてスタートいたします。保護者の皆さん、子どもたちにもしっかり認識してもらい、さらに地域の協力をいただきながら、市全体の取り組みにしていきたいと考えております。
この花巻市学力向上アクションプランの狙いは、あくまで諸調査における正答率の向上、学力の向上であり、目指すところは全国の平均以上ということを考えております。
その方策といたしまして、まず一つ目は、実態に即した形で手法を共通化し、各学校で実践していくことです。既に現在、各校においては取り組みの強化を進めており、その中で次年度の教育計画を立案しているわけですが、指導計画、いわゆるカリキュラムマネジメントも大胆にやっていただくことをお願いしております。
二つ目の方策は授業の改善です。分かる授業、できる授業、目当てのはっきりした授業にしていくため、校内研修をはじめ先生方のOJT(トレーニングの手法)を活用しながら、子どもたちにとって、「分かって良かった」という授業にしていきたいと考えています。
三つ目は家庭学習です。家庭学習時間が少ない理由には、習慣形成や予習復習の課題提起の仕方、あるいは中学校の部活動、地域のスポーツ少年団活動などの要因が考えられます。こういったことを全て分析した中で、PTAや地域団体と連携しながら、合理的な子どもたちの家庭生活の保障を進めていきたいと考えております。また併せて、テレビやさまざまなメディアとの付き合い方も一つの大きなポイントと考えております。
これらの取り組みは学校だけではできませんので、教育委員会といたしましても、教育研究所の機能あるいは指導に当たる職員体制の整備を進め、そして先ほど申し上げたとおり、PTAや地域の関係団体との連携を深め、子どもの学び全体についての環境醸成を進めてまいりたいと考えております。
主な質問
畠山和洋選手への表彰について、畠山選手は長年活躍しているが、今回の表彰は打点王というタイトルを取ったことについての表彰か
市長
長年活躍してきましたので、当然これまでにこのような賞があっても良かったかもしれませんが、今回、打点王という客観的な基準ができたことが大きな理由になります。また、畠山選手に対し、市民の気持ちを表したほうがいいという市民の声もありました。それを参考にさせていただきまして、今回表彰させていただくことにいたしました。
来年度、地域おこし協力隊を最大5人採用する意向と以前伺った。現在採用している隊員の活動を見て判断されたと思うが、どのような理由から補充することを考えたか
市長
抽象的な話になりますが、現在活動している地域おこし協力隊には大変よくやってもらっていると思っています。
例えば大迫で活動する2人は、ぶどう農家を全てインタビューして実態の把握に努めています。現在、大迫総合支所が中心となり、大迫のぶどう作りを考える組織を立ち上げようとしています。その話し合いを進める中で、彼ら2人が持っている情報、あるいは彼ら2人の外から見た視点での意見を出していただいています。
また、地域おこし協力隊は、地域の方によく受け入れられております。例えば東和で活動する2人は、報告会を開いたところ、70人くらいの人が集まったと聞いております。
彼らは総合支所で勤務していますが、若い人が入ったことで総合支所の雰囲気が活性化したと聞いており、市の職員に対する影響も非常にいいものがあると考えております。
このような若い人たちに、新たな視点で活動していただきたいということで、現在、具体的な新しい施策について総合政策部で考えておりますが、これを進めるに当たり新たに5人必要という判断になりました。
ピロリ菌検査について、今回未受診だった方々に対し、再度受診を勧める考えはあるか
市長
来年度対象になる人に加えて、今回未受診だった人に受診を呼び掛けることを検討していきたいと考えています。
弁護士の採用について、弁護士会に入ることを禁じる自治体や、弁護士会に入ることを認め、公費で会費を負担する自治体もあるが、花巻市はどのように考えているか
市長
弁護士会に入ることについては問題ないと思っています。むしろ弁護士の先生方と情報交換することは大事だと思っております。公費負担についてはまだ考えておりません。
弁護士会に入るということは、市の仕事をしながら弁護士の仕事をできるということか
市長
弁護士会に入った場合においても、花巻市の職員として市の職務に専念していただきます。
採用する弁護士の年齢や経験等を知りたい
市長
年齢は32歳で、経験は2年です。現在東京にお住いの方です。
花巻市学力向上アクションプランについて、昨年策定していたものか
教育長
素案として準備し施行はしていましたが、今回改善して新たなプランとしたものです。
ピロリ菌の検診で、当初の予想より受診率が高かったということだが、予算についてはどう対応したのか
健康福祉部長
予算については当初20パーセント程度の受診という想定でしたので、予算に不足が生じるわけですが、ピロリ菌以外の検診をさまざま実施していますので、検診事業全体の予算の中で支出をさせていただきました。
公共施設等の将来更新費用の試算について、建物施設とインフラ施設を合わせた試算では、毎年約30億円不足するということだが、この数字についての所感を伺いたい
市長
はっきりしていることは、この通りにはできないということです。費用的に大きいのは施設の建て替えであり、実施は相当困難になるだろうと思います。建て替えをせず、少ない費用で改修をするなど、今後真剣に考えなければならないと思います。
また、人口減少が進む中で、施設の統合を視野に入れて考えなければならないということだと思います。そのときに、市から統合すると言うのはなかなかできないと思います。市民の方々でどこを残して、どこを統合するか、十分に議論していただく作業が必要になると思います。
市としては、今回作る計画を、20年後、30年後の人たちが実施しないことがあってもいいと思います。その時点の人たちがその時点で考えればいいことです。ただし、今の世代の私たちが、20年後、30年後の人たちに過度の負担を掛けないようにすることが大事であり、そのために公共施設等について今やるべきことを考えていく必要があり、その内容を計画に反映させることだと思っています。
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