令和元年12月 定例記者会見を開催しました

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ページ番号1011026  更新日 令和2年1月6日

写真:記者会見の様子

開催日時

令和元年12月23日(月曜)午前11時から正午まで

開催場所

花巻市役所本庁本館3階 302・303会議室

市長からの報告事項

  • 1年間の振り返りについて
  • 岩手県の周産期医療と厚生労働省における再編・統合再検討対象の東和病院について

会見項目

  1. 萬鉄五郎記念美術館の令和元年度地域創造大賞(総務大臣賞)受賞が決定しました(担当 生涯学習部 萬鉄五郎記念美術館)
  2. 花巻住宅用火災警報器給付事業を1月6日から実施します(担当 消防本部 予防課)
  3. “宮沢賢治のイーハトーブ花巻レストラン“を小岩井農場TOKYOで開催します(銀河鉄道の夜をテーマに2月7日から1週間開催)(担当 農林部 農政課)
  4. “令和元年度花巻市成人式“を1月11日に開催します(記念行事のテーマは「#魂 -令和のつながり900人のstart-」)(担当 生涯学習部 生涯学習課)

参考資料

花巻市政 2019年の振り返り

1年間の振り返りについて

市長

今年は、いろいろなことが進んだ1年だったかなと思っております。まちなかの活性化につきましては、災害公営住宅が上町・仲町に完成いたしました。これについては、国交省住宅局長から、非常に取り組みがいいということで表彰をいただきました。あるいは、まちなかの花巻中央広場の整備も今年できました。さらに言えば、リノベーションのまちづくりも進んだ1年だと思っております。

そして、道路関係で言いますと、国道4号の拡幅が、国交省の審議会で適当であるという判断をしていただいて、今、都市計画の変更手続きを国と県がそれぞれしてくださっているという状況です。来年度からはいよいよ具体的な事業化に進むということを我々としては期待しているところです。花巻スマートインターチェンジにつきましても、事業化が国交省によって決定されました。現在、花巻市と国、NEXCO、岩手県で協定を結ぶ準備をしておりますけれども、これに基づいて具体的なそれぞれの負担が決まって、来年度からの事業化、具体的なその事業の手続きが進んでいくと、用地買収が最初になりますけれども、そういうことが進んでいくということを期待している次第でございます。

また、今年の県議会の10月だったでしょうか、花巻大曲線の小倉山の2工区の4号トンネルの予算化がなされました。これについては、国からの社会資本整備総合交付金が本年度初めに決定したわけですが、それを受けて岩手県が予算化をしてくださって、いよいよこのトンネルの工事が進むということになります。令和5年度ぐらいにはトンネルが完成して、全線の改良化が終了する予定になると伺っているところでございまして、これも花巻市の観光にとっても大変重要で花巻南温泉峡の中を通る道になりますので、そういう意味で秋田あるいは西和賀、雫石に行く観光ルートになると思っておりますし、また、沢内の方々にとっては、内陸に来るための道になりますので、花巻の病院を使うというような場合にも利用できますし、命の道になるのかなと考えている次第です。

そして、東和では東和コミュニティーセンターの建設が完了しまして、実際に利用を始めていただいている状況でございます。道の駅「はなまき西南」についても工事が始まっておりますし、道の駅「石鳥谷」の大幅な改造についても、国の支援を得ながら実際の工事が始まりつつあります。現在は木を切って抜根して、駐車場の整備について着手しているわけですが、来年度については、伝承館の曳き上げが始まると本格的な事業が始まるというようなことになります。

このように、今年は私が市長になった後に予定した事業等について、具体的に形がはっきりしてきたという年になりました。その中で、総合花巻病院の建設も今年完了いたしまして、3月1日にいよいよ開院するという予定になっております。

岩手県の周産期医療と厚生労働省における再編・統合再検討対象の東和病院について

市長

今、大きな課題としてありますのは、周産期医療です。東北大学の産婦人科医局が、現在中部病院に3人の産婦人科医を派遣しておりますが、この方々を来年に引き揚げるということを発表したわけでございます。その中で我々としては、岩手県、あるいは花巻市・岩手県の医師会にもお話しまして、その方々のお力によって岩手医大と十分にお話をいただいて、岩手医大の方から中部病院に産婦人科医を派遣してくださるということについて、岩手医大が岩手県の周産期医療を守るというような、そういう決断の下に派遣いただくという話が進んでいるということです。これについては、大変感謝している次第でございます。

周産期医療については、国の方でも大変大きな課題になっているわけでございまして、私も厚生労働省の医療のトップの方と直接お会いしてお話しましたが、周産期医療は大変大きな問題になっていて、これは単に配属を決めるということだけではなくて、厚生労働省は岩手県、県単位でこの周産期医療の産婦人科をどのように配属するか決めてくださいという考え方ですが、そもそも県に産婦人科医の数が少ない場合において、その中でどう配属するかということを県がいくら考えても、解決しませんよと申し上げています。

医大あるいは医学部の産婦人科医局の先生方にお話を聞きますと、病院の産婦人科には最低10人の産婦人科医が必要だという先生もいらっしゃいますし、8人は必要だという先生もいらっしゃいます。厚生労働省は5人から8人必要というようなことをおっしゃっていますが、いずれにしましても、今岩手県は県立病院の産婦人科に産婦人科医を最低3人配属する基準があるようでございますけれども、産婦人科学会は3人では足りないと、やはりその8人とか10人は必要だとそういう考え方が一般的であるわけです。

医療の方も2024年からは、働き方改革で残業についての規制ができます。そういう中で、また、産婦人科は特に女性で若い方が多く、その方々自体もお子さんをお産みになる、あるいはそのお子さんを育てることになるという中で、なかなか夜勤ができないという状況の下において、今までのように一つの病院の産婦人科で産婦人科医3人とかではなかなか対応できないということがコンセンサスとしてほぼ出来上がっているということです。そうすると、一つの病院の産婦人科に仮に産婦人科医8人とか10人が必要ということになった場合、岩手医大の産婦人科の医局には34人しかいらっしゃらない。この中で、岩手県だけではなくて八戸や鹿角にも岩手医大の産婦人科医局が医師を派遣している状況の下において、岩手県内の病院にお勤めいただける産婦人科の先生が仮に30人だとしても、産婦人科医10人の病院をいくつつくれるか。岩手医大の医局には当然もっとたくさん必要になりますから、そのほかの二つの病院それぞれに10人の産婦人科医は派遣できないということになってくるという大変な状況に今なっているわけでございます。

そういう中で、いかにして花巻を含む岩手中部、あるいは県内全体の産婦人科の医療を守っていくかということについては大変大きな課題になっているということになります。

今日、実は新聞を見ましたら、宮城県南部の周産期医療を担い、常勤の産婦人科医が5人いる病院について、産婦人科医2人がおやめになり、もう一人の常勤医は非常勤の医師になる、その結果としてその病院は分娩を取り扱うことをあきらめざるを得ない状況になる、しかし東北大の産婦人科医局は後任の産婦人科医を派遣できないという記事が出ていました。これは大変大きな問題だと思いますけれども、東北大は基本的に、東北6県のための帝国大学時代の医学部であったわけですが、現在は実際的には宮城県を中心とする病院しかカバーできない状況になりつつある中で、宮城県内ですら中核となる産婦人科のある病院に産婦人科医を派遣できなくなるという状況が出ているということだと思います。このような厳しい状況は岩手県を中心とする病院をカバーしている岩手医大の産婦人科医局も同様であると伺っております。

したがって、我々もそのような状況を考えた上で、岩手県内の病院における産婦人科の配置について考えていかざるを得ないという状況になっているということ。これは県の担当部局の方はよくご存じで我々もよくお話しますけれども、非常にしっかりしたお考えを持っていますので、我々も大変信頼していますが、実はそういう苦しい状況にあるということで、これを今後やはり県民の方々にもお伝えいただいて、その上で、この岩手県内の病院の産婦人科をどうしていくかということを考えていく必要性が出てきている状況になっているということを我々としても認識せざるを得ないと考えている次第でございます。

私は厚生労働省の方には、やはり産婦人科医については日本全体として、もう少し数を確保するという施策をする必要があると。特に、地方で働く産婦人科医を養成するということを考えていかなければ、その中でどう配属を決めても絶対数が足りない部分については、これは大変な問題になるということで、産婦人科医を増やすという施策をすべきという話を直接させていただきましたけれども、そのように考えている次第です。

また、東和病院を含め公立・公的病院について、再編・統合の検討をすべきだという、これも厚生労働省がそういう考えを最近公表しております。これについては、岩手県の中で、驚くことに盛岡市立病院、市立水沢総合病院や県立江刺病院などもその再編の対象として、厚生労働省はリストに入れているわけですけれども、その中で東和病院も入っていることから、東和地域を中心とする方々が大変心配をされています。これについては、私が申し上げたいのは、今回の厚生労働省の方針により、東和病院が統合される心配は必要ないということでございます。

今、国が言っているのは急性期の病床を減らすということです。一方、回復期や地域包括ケアの病床は増やすという、これが国の厚生労働省の構想でございます。その中で、花巻市、それから岩手中部医療圏の状況ですけれども、総合花巻病院については、移転改築するについて、岩手医大、中部保健所、医師会の先生方、県立中部病院、そういう方々と十分打ち合わせをして、急性期の病床ではなく回復期と地域包括ケア病床を中心とする病院という方針を立てたわけです。高度の医療については中部病院とか岩手医大附属病院にお願いして、総合花巻病院は回復期とか地域包括ケア中心の、いわばかかりつけ医的な病院となるということを決めたわけでございます。東和病院も今、回復期と地域包括ケア病床中心の病院になっており、総合花巻病院の病床数は東和病院の入院機能が維持されるという前提で病床数を決められたということになります。花巻市は、北上市、遠野市、西和賀町と共に岩手中部医療圏を構成していますが、岩手中部医療圏において急性期の病床を中心とする県立中部病院と回復期、地域包括ケア病床を中心とする総合花巻病院、東和病院などという考え方はむしろ厚生労働省が今、各地で求めている新しい医療計画、あるいは公立・公的病院を統合する考え方も、既に先取りをしているわけでございます。

そのような考え方に基づき、東和病院は残すということは花巻市を含む岩手中部医療圏の医療計画の中に入っているわけでして、これが岩手県全体の地域医療計画を構成する計画ということになります。したがって、岩手県が検討していく岩手県全体の地域医療計画も、東和病院が残るという前提での計画になると我々は理解していますし、県もそのようなことをおっしゃっているわけです。

我々は東和病院が存続すると考えておりますので、この部分について、我々が心配する必要もないですし、岩手県も全く同じような考え方であるということを申し上げたいと思います。

そういうことで、今年、医療について大きな動きがございましたけれども、周産期医療については、岩手医大のご協力をいただきながら、中部病院の周産期医療を守っていけるという方向が出ましたけれども、まだまだいろいろな課題がある中で、県や国に対して働き掛けをしながら今後も我々としてできることをやっていきたいと思っている次第でございます。

萬鉄五郎記念美術館の令和元年度地域創造大賞(総務大臣賞)受賞が決定しました

市長

1件目、萬鉄五郎記念美術館の令和元年度地域創造大賞(総務大臣賞)受賞が決定したということでございます。

この賞ですけれども、1月17日(金曜)に東京で表彰式がございます。この受賞理由ですが、旧東和町の日本近代絵画の先駆者である画家・萬鉄五郎を顕彰する。東和町時代ですが、町民運動によって誕生し、長年にわたり作家研究を行うとともに、岩手県初の町立美術館、現在は市立美術館ですが、公立美術館として萬の作品に加えて県内作家の発掘や、萬の前衛性を継ぐ若手美術家の紹介に尽力したこと、そして、商店街や地域住民と連携した「街かど美術館」や「アート&クラフトマーケット」にまちの方々が中心になって取り組み、アートによる誇りと活力ある地域づくりに貢献したということが受賞理由となっております。

今回受賞されたほかの施設としましては、宮古市民文化会館、そして塩竃市杉村惇美術館、神奈川県立近代美術館、上田市交流文化芸術センター、大阪府立江之子島文化芸術創造センター、アルカスSASEBO、そうそうたるところが選ばれておりますけれども、その中に、萬鉄五郎記念美術館が選ばれたということになります。

花巻住宅用火災警報器給付事業を1月6日から実施します

市長

次に、花巻住宅用火災警報器給付事業を1月6日から実施するということでございます。

これは、花巻市の事業者の方に過日、花巻市に贈与いただいた火災警報器について、有効に活用しようという事業でございます。

具体的には、市として支援する必要がある方々に対して給付することにいたしました。給付対象者は、火災警報器が未設置で市民税非課税世帯または生活保護世帯であって、次のいずれかに該当する世帯ということになります。

1番目は65歳以上のひとり暮らし世帯、2番目は75歳以上の高齢者のみの世帯、3番目は身体障害者手帳の交付を受け記載されている等級が1級または2級の方が属する世帯、4番目は療育手帳の交付を受け程度の表示記号がAである方が属する世帯、5番目は精神障害者保健福祉手帳の交付を受け障害等級が1級である方が属する世帯、6番目は要介護認定を受け要介護4または要介護5である方が属する世帯、7番目は前各号に掲げる世帯のほか市長が必要と認める世帯です。
ただし、平成18年6月1日以降に建築された住宅、または公営住宅に居住する世帯は除くということになります。

申請受付は1月6日からになります。給付個数は500個で先着順、設置基準に準拠した個数を給付ということですけれども、世帯によっては複数以上の給付もありうるということになります。

申し込み方法としましては、消防本部予防課または各消防署・分署へ申請していただくと、申請はご本人だけではなくて、親族等の方からも受け付けることにさせていただいております。問い合わせ先は花巻市消防本部になります。

これにつきましては、特に要介護4とか5の方など、ご自身で申請できない方もたくさんいらっしゃると思いますので、それについては大変恐縮ではありますけれども、民生委員とかそういう地域の方々のお力もお借りしたいというように思っております。

“宮沢賢治のイーハトーブ花巻レストラン“を小岩井農場TOKYOで開催します(銀河鉄道の夜をテーマに2月7日から1週間開催)

市長

3番目は、宮沢賢治のイーハトーブ花巻レストランを小岩井農場TOKYOで開催するということでございます。

東京駅前にある立派なビルの「丸の内ビル」でございますけども、そこのレストラン・小岩井農場TOKYOで宮沢賢治のイーハトーブ花巻レストランを2月7日から2月13日まで期間限定で開催するということでございます。全てのメニューが、宮沢賢治の代表作の一つ『銀河鉄道の夜』をテーマにした創作メニューに変わります。

ビジネス街の中心地でもあるわけですけれども、ビジネスマンの方々を含めて、あるいは東京駅に近いですから、首都圏の方々に来ていただいて、そのようなメニューを楽しんでいただきたいと思います。

この企画ですが、『宮沢賢治の花巻レストラン』を市のウェブサイト「まきまき花巻」、これも非常に好評ですけれども、ここで執筆した兵庫県在住の中野由貴さんと、「ものがたりグループ☆ポランの会」によるトーク&朗読イベントも開催するということになります。

食材については、花巻産農畜産物を十分に使いますので、その魅力も知っていただきたいということです。

開催店舗は先ほど申し上げましたように、丸の内ビルディングの5階、開催期間は2月7日から2月13日まで、営業時間は、昼の部が午前11時から午後4時まで、そして、夜の部は午後5時30分から午後11時までということになります。

賢治×花巻の農・食トーク&朗読イベントについては、2月8日の午後2時30分から午後4時まで、内容は中野由貴さんと「ものがたりグループ☆ポランの会」によるトーク&朗読、料金は2,200円、先着25名、事前申し込みが必要ということでございます。

ポイントでございますけれども、先ほど申し上げましたように『銀河鉄道の夜』をテーマにした創作メニューということで、『宮沢賢治の花巻レストラン』で架空のレストランに見立てて紹介されたメニューが本当のレストランで堪能できるということでして、メインの食材は花巻産、小岩井農場産、岩手県産を使用するということになります。

具体的には、花巻が誇る「黄色のトマト」これを使っていただく、あるいは「花巻黒ぶだう牛」を使っていただく、これは、育てる時に、エーデルワインの原料として使用されたブドウの搾りかすをえさにして育てた黒ぶだう牛のステーキをエーデルワインの赤ワインソースを使って召し上がっていただきます。そして、花巻のブランドポークで、花巻のふるさと納税でも多分1番人気があると思いますが、「白金豚ロース」のごま風味焼きを提供していただく、そして、この前NHKのテレビでも放映された石黒農場の「ほろほろ鳥」も使っていただく、あるいは花巻産の雑穀を使ったイカスミリゾットを花巻の野菜とともに召し上がっていただくということで、花巻産の食材を使っていただいたメニューが提供されます。

「宮沢賢治のイーハトーブ花巻レストラン」は、今年の2月に初開催しましたが、今回で2回目になります。初開催時は6日間で約600人が来店してくださったということでございます。今回もこのような東京の中心で、花巻の食材を使ったメニューも紹介させていただきますので、その結果、花巻の食材についての親しみというか、その味の良さを味わっていただいて、花巻の食材のさらなる販売につなげていきたいというように思う次第でございます。

トークイベントにご出席いただく中野由貴さんは、『宮澤賢治のレストラン』『宮澤賢治のお菓子な国』『にっぽんたねとりハンドブック』等、宮沢賢治に関する本もお書きになっていますし、宮沢賢治学会員、あるいは希望郷いわて文化大使にも就任されていらっしゃるということでございます。「物語グループ☆ポランの会」は、東京の演劇集団ということでございまして、宮沢賢治の童話作品あるいは詩等について、取り上げてくださっている会でございます。

“令和元年度花巻市成人式“を1月11日に開催します(記念行事のテーマは「#魂 -令和のつながり900人のstart-」)

市長

4番目でございますけれども、令和元年度の花巻市成人式を1月11日に開催いたします。

今年も成人の日の前日で、土曜日にやります。これは花巻市の住民基本台帳に搭載されている方だけではなくて、ほかの市町村に転出した方で出席を希望する方、花巻の中学卒業したあるいは高校卒業した方で出たいという方いらっしゃいますので、そういう方々にも、出席いただきます。

今年も成人の方々、そして来年度成人迎える方々が実行委員会を大きく組成しまして、今準備をしていただいているということです。今年は「♯魂 -令和のつながり900人のstart」がテーマでということでございます。
中身としましては、写真を集めたり、動画やお世話になった方からのメッセージ動画を上映したりするほか、数名の新成人がそれぞれの決意を壇上から発表するということでございます。そして初めての取り組みとして、会場入り口付近に“おしゃれに”記念撮影できるフォトスポットを設置する予定ということでございます。

花巻市政 2019年の振り返り

市街地の再生と地域医療の充実

市長

花巻市市制2019年の振り返りということで、どんなことがあったかということをまとめさせていただきます。中身について、大きなことは先ほどお話させていただきましたけれども、市街地の再生と地域医療の充実については、花巻駅・石鳥谷駅と岩手医科大学附属病院を結ぶ利用者連絡バスを運行させていただいています。これは前にもお話しましたけれども、岩手医大の要望に基づいて、花巻市としてこれを運行開始させていただいたわけでございまして、運行の主体は、花巻市が90パーセント以上の株を持っております東和町総合サービス公社になります。したがって、東和町総合サービス公社にとっても、これにより売り上げが増える、あるいはその利益も増えるという状況になるわけでございます。

今のところ、利用者は多くないのですが、それでもやはり直行便で便利だという声はございますので、我々としては今後とも続けていきたいと思っています。利用者が便利だということになりますと、今後は利用が増えるのではないかなと思っている次第です。

次に花巻地域については、先ほども申し上げましたけれども、災害公営住宅、そしてそれに近接する、子育て地域優良賃貸住宅、これは民間の方に造っていただいて、国と市が家賃補助等、あるいはその建設費の一部補助をさせていただいているということですけれども、これが完成しまして、今年の4月1日に入居が開始されております。

災害公営住宅30戸のうち、今27戸にお入りいただいています。あとの3戸については、我々としては、被災者の方々が入居を希望されない場合には子育て世帯等に入っていただくということも考えていたわけですけれども、これについては国の方とまだ協議をしておりますが、被災者の方々にお入りいただくのであればそれが1番いいということになりますので、現在被災者の方々を対象に再募集をかけているところです。

次に花巻中央広場について、7月5日にグランドオープンして、今、12月1日から25日まで、クリスマスツリーやビックリースの展示も行っているということです。この前、ワインパーティーを開きましたけれども、大変好評でございました。雨が降って心配しましたが、それでも皆さんに喜んで楽しんでいただけたと思っております。

総合花巻病院については、11月16日に完成して、市民対象の内覧会には、予想以上にたくさんの方に来ていただいたということでした。やはり大変関心が高いなということを感じた次第です。先ほど申し上げましたけれども、回復期あるいは地域包括ケア中心ということになりますけれども、リハビリの施設も大変整っていますし、廊下についても広い、あるいは各病棟それぞれに入院した方々が交流できるスペースも十分確保しているということで、大変使い勝手のいい建物ができたと思っています。

常勤医につきましても、現時点で12人が確保されております。できれば常勤はもう一人確保したいという考えとのことですが、興味をお示しになる方はいるものの条件面等で合意ができておらず、まだ決まっていないということのようです。

先ほど申し上げましたように、周産期医療については今、岩手県の中において同一の医療圏、花巻市の場合には、北上市と遠野市、西和賀町と岩手中部医療圏を構成しておりますが、同一の医療圏で複数の周産期医療を備えた病院を確保するということは、今の国の方針、あるいは医大、医学部の方針とはかけ離れている状況でございまして、総合花巻病院に産婦人科ないし複数以上の産婦人科医を確保して助産師外来を開設するのは困難という状況だと思っています。

厚生労働省も、院内助産院の考え方を持っているようですが、通常分娩に応じる院内助産院を設置するにあたっては、いざというときにはしっかり治療できるよう産婦人科医を十分確保しない形での助産師外来、特に分娩を進める助産師外来を勧めてはいないと認識しております。

またさらに申し上げれば、助産師も今岩手県では非常に不足しておりまして、助産師自体を確保するのは難しいという状況になります。花巻には二つクリニックがあります。工藤医院、産婦人科とKUBOクリニックですね。

KUBOクリニックは、来年の3月中旬から分娩はしないという方針を出しておりまして、我々としては助産師を確保することによって、続けていただけないかという話をしまして、先生にも一時、そういうことを考えていただいたのですが、やはり先生自体1人で分娩をやっていくというのは難しいということを、今お考えになっています。したがって、KUBOクリニックについては、分娩は取りやめるということになると思います。KUBOクリニックが分娩を取りやめるのは、助産師さんがおやめになるということがきっかけになったわけでございまして、助産師の確保も大変難しいということを伺っております。

工藤医院については、助産師を市の助成制度も使っていただきながら増やすということで、今動きがあるということを聞いておりますので、我々としてはぜひ、助産師を増やしていただくということをお願いしたいと考えている次第です。

次に、12月14日から12月25日までやっております「HANAMAKI ART STATION」に、八重樫季良さんのアールブリュット作品を利用して展示いただいています。大変好評で、12月25日までじゃなくもっと長くしてほしいという声も聞こえてきていますが、これはJRのお考えもありますので、我々としては延ばせますということは申し上げられない状況です。

そして、大迫地域については、大迫地域スクールバス・スクールタクシーへ一般の混乗を今年の1月の初めに開始させていただいて、この結果、一般の方が特に朝早く病院に行く方が、スクールバス・スクールタクシーに無料で乗っていただくということをさせていただいています。

石鳥谷地域については、道の駅「石鳥谷」施設再編事業が国の支援も得ながら始まりました。具体的な個々の事業についてはもう少し早く出来上がるのもありますけどれも、2023年に全面的なリニューアルオープンを予定しております。

東和地域については、東和コミュニティーセンターが11月18日に供用開始し、地域の方には大変喜んでいただいていると考えております。

子育て支援の充実

市長

子育て支援の充実については、保育園が増えました。今年の4月に二つの保育園が開設され、一つが規模増大、それから来年4月には三つの保育園が開設予定になっております。計算上は、これによって十分保育施設は確保できるということになりますけれども、特に0歳児については保育士の確保がなかなか難しいところがありまして、この0歳児についての待機児童の完全解消ができるかどうかについては、ちょっと心配なところはあります。ただ、この数年間において、施設が出来上がり、また、その保育士の確保策も奏功しておりますので、待機児童については減少しております。

それから、ロタウイルスの予防接種の費用助成を始めていること、産後ケアについては非課税世帯について無料化したということ、そして今年、エアコンの設置を、花巻市内の小中学校については国の支援を得ながらやりましたし、それ以外にも幼稚園、保育園、こども発達相談センターには市独自の施策として設置しました。今年の夏は、夏休みを除くと暑い日が比較的少なかったのですが、それでもやっぱり大変喜んでいただいて、子どもたちから気持ちがいいという声が出ております。

産業振興で仕事と賑わいのあるまちづくり

市長

産業振興については、ワインフェスティバルなどいろいろやっておりますし、また、今年は上海と花巻空港を結ぶ国際定期便ができましたし、東和温泉と道の駅「とうわ」のリニューアルオープンもさせていただきました。

市民の利便性・安全の確保

市長

市民の利便性・安全の確保につきましては、先ほどお話しましたけれども、花巻スマートインターチェンジ、それから国道4号拡幅、主要地方道花巻大曲線のトンネル等について大きな進展がありました。

そして花巻駅自由通路橋上化の検討につきましては、JR東日本と話を進めているところですけれども、JR東日本の構想について、我々としてなかなかそこまでは市の負担はできないということで、規模機能を縮減していただいて、新たな案を出していただいたという状況でございます。

市としましては、市の財政余力とか、あるいは国の補助が果たして得られるかということについて確認作業を進めているということで、その結果によって、さらにJRとの話し合いがもう少し必要になります。もう少し規模・市の負担を減らすということについての交渉はまだ必要になりますけれども、その結果を踏まえた上で、これを取り上げるべきかどうかということについて考えていきたいというようなことを、来年については市民の皆さんに問い掛けるということをやっていきたいと思っています。

新花巻図書館の建設場所については、これはJRとの間の基本的な話はほぼついてきているということでございまして、その上で、花巻市の方でどういう形態で事業化を進めるかということについて今詰めている状況です。その結果を踏まえて、これは来年のあまり遅くない時期に、そういう花巻市の考え方は公表できるのではないかなと考えておりまして、いずれにしても、JR東日本との打ち合わせを踏まえた上で進めていきたいと考えております。

あと、今年は台風19号で、農作物の被害が多く出てしまいました。

市民とともに国内外の交流を推進

市長

国内外の交流につきましては、平塚市・十和田市との交流、35周年・30周年の記念式典を開催しました。そしてホットスプリングスとの姉妹都市提携25周年、花巻東高校とレイクサイド高校との姉妹校締結20周年を記念して花巻東校野球部員がホットスプリングスに遠征し、合同練習や親善試合を行いました。遠征の費用は花巻市では負担しておりません。花巻東高校の事業としてやっていただいたということです。

この遠征には、高野連の許可をいただいたと伺っております。花巻市民とホットスプリングス市民の長年にわたる交流が評価されての許可と伺っている次第ですが、私はそれ以上に花巻東高校の野球部員の日頃の生活態度などに対する評価が高かったということも大いに影響したのではないかと推測しているところです。

東京2020オリンピック・パラリンピックに向けた取り組み

市長

オリンピック・パラリンピックにつきましては、ホストタウン事業、オーストリアとアメリカでございますけれども、オーストリアのオリンピック選手に今年来ていただきましたし、来年も多分、最終の調整で花巻市にお見えになると思います。

そして東京オリンピック・パラリンピック実行委員会、外務省が費用を出してくださり、私と花巻東校野球部員2名、そしてホットスプリングスのメアリー・ズーニックさんがロサンゼルスのジャパンハウスで開催されたシンポジウムに参加しました。

また、アメリカの陸上を応援するということで、市内在住のアメリカ人のお力をいただいて、小学生が応援メッセージ等をアメリカの陸上競技連盟に送付したということもありました。

さらに、11月4日には、橋本大臣を含めて、私あるいは花巻中学校出身のハンドボール選手のU18日本代表の藤原ひなたさん等が、福島県のJヴィレッジで開催されたオリンピック・パラリンピックホストタウンサミットのパネルディスカッションに参加しました。

そして、オーストリアのハープ演奏家が花巻に来てハープの演奏会を開催したり、あるいは田瀬湖のボート場で日本代表チームが今年も合宿したりというようなこともございました。

主な質問

助産師と看護師の支援について、今実際に申し込み・活用があったか。また、市長の考えではどのくらい助産師が不足しているか

市長

これについては、市内の産科のクリニックを対象にしています。KUBOクリニックと工藤医院の二つです。

KUBOクリニックに関しましては、先ほど申し上げましたように、助産師が来年3月におやめになると、それで残る助産師だけでは分娩等について対応できないということで、分娩をやめるということをお決めになったわけです。我々としては、先生とお話して、助産師を確保できれば続ける可能性があるかということですね。これについては、その段階で続けるという、コミットはなかったのですが、その可能性はあるということですね、そのような可能性があったことから助産師を確保するための支援が必要だろうということで、この事業を始めたわけです。

しかし、KUBOクリニックの先生は、年齢的なこともあり医師1人で分娩を継続するのはやはり厳しいということで、分娩はしないということをお決めになったようです。したがって、そうすると助産師の方が何人か今いらっしゃるのですが、分娩をしない産婦人科であれば、同クリニックではこれ以上増やす必要がないというご判断だと理解しています。

工藤医院、ここは帝王切開をしない通常分娩だけに対応されていますが、さらなる助産師の確保について動いておられます。何人か助産師さんを増やすということで今予定されておりますけれども、その中で一部の方は、花巻市の助産師等確保支援事業の基準に合致するということで、その方については花巻市の助成の対象になる可能性があるということで、今打ち合わせをしているということでございます。

花巻駅橋上化について、JRからの案が1回目は橋上駅、2回目は半橋上駅で提示されたのか、また、それぞれいつ頃提示があったのか

市長

橋上駅・半橋上駅の違いでは必ずしもないです。最初の段階でも、橋上駅もあるし半橋上駅もあった。ですから、現在は半橋上駅ということで出ていることは間違いないのですが、ただ、橋上駅と半橋上駅の違いというのは、私共の素人から見るとよく分からないというのもあります。したがって、使い勝手という面で半橋上駅の方が、極めてレベルが違うということではないと私共は考えています。

1回目がいつ出て来たかというのは、ちょっと正確な記憶がございませんけれども、半年以上は前ですね。JRでは専門家の方々が相当検討していて、図面等を引いた上で、具体的な金額について積算をしているんですね。2回目についてそれらの修正に半年近くかかって、出てきたのが11月中頃だったですかね。議会でも、時間がかかっているというような話がありましたけれども、率直に言って時間がかかることは当然だろうと感じております。JRには一生懸命やっていただいたと考えており、我々としては感謝しています。2回目の案を作成するにあたっては、市の財政事情も考慮いただいたと感じております。

我々としてさらに検討し、JRともさらに協議し、国の支援の可能性も検討した上で、もし、この事業を行うべきとの判断となった場合には、公表して市民の意見を聞いていきたいと思っています。

今のところ、まずは事業費が課題ということか

市長

そういうことですね。JRの出してきた案は、機能として100点ではないかもしれません。ちょっと我慢するところはもちろんありますが、西側から入れるという部分を確保できますから、そういう意味では十分お考えいただいた案だなという感じは持っています。

新しい図書館の利用の増加にもつながるか

市長

そういうことになりますね。図書館は、高校生とかそういう方々が来やすい場所ということになりますので使いやすくなりますよね。まちの人たちも来やすくなるし、活性化につながる可能性があります。これは上町とは結構距離がありますけれども、花巻駅の東側がやはり1番元気がない状況ですから、上町の活性化とともに駅前を活性化することによって、中央が復活する可能性が出てくるのではないかと思っています。

花巻は、企業の誘致も団地の整備、あるいは今の段階での誘致も進めていますけれども、こういうのも見えてくればいいと思っています。それもありますが、花巻市はベッドタウン的な色彩も出てきています。盛岡に通う人たち、あるいは矢巾、北上、金ケ崎に通う人たちもいます。よく申し上げているのですが、魅力がなければベッドタウンとしても成り立たないだと思うんですね。東京は、我々が若い時、勤めている時には、都心で働く人々がどんどん郊外に住宅を求めて出て行ったのですが、郊外に魅力なければ、都心に戻って来ているんですね。郊外のベットタウンは非常に廃れつつあるところもあるといわれています。よく国道16号沿いって言いますけれども、ベッドタウンとして発展するためにはやはりまち自体に魅力がないといけない、そういう意味でまちの中心地に人が集う場所をつくるというのは、私は大きな意味があるのではないかと思います。

ですから、そういう意味で、やはり、いろいろな考え方がありますけれども、もし国の支援を得られながら、市の財政もできる範囲であれば、花巻駅の自由通路・橋上化の事業も私は進めていきたいと思っています。しかし、これは、いずれにしろまだ中身をお出ししてないわけですから、その上での話になると思います。

「HANAMAKI ART STATION 福祉×アート×駅」の評判がよく、延長できないかという話も実際あるようだが、第2弾を市の施設で行うような考えはあるか

市長

それは具体的な計画は今ないです。ただ、今回の展示もやはり芸術として非常に評価が高いですよね。駅が非常に華やかになりますし、そういう意味ではほかの施設で開催することはありうると思います。市民の皆様が見やすい場所で適当な施設が場所があれば、それは検討していく可能性は大いにあると思っています。

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