令和3年第4回花巻市議会臨時会 開催前報告 新型コロナウイルス感染症対策について

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ページ番号1014149  更新日 令和3年4月20日

新型コロナウイルス感染症対策について

市長

新型コロナウイルス感染症対策について報告いたします。

まず、最近の国内における感染状況でありますが、全国各地で感染が急増し、国においては「まん延防止等重点措置」を10都府県に適用し、全国的かつ急速なまん延を防ぐこととしておりますが、拡大傾向は続いており、第4波ともいわれる状況となっていることは報道等で示されているところであります。緊急事態宣言の適用についても再度検討されているという報道もされております。

この感染拡大の理由として、新型コロナウイルスが従来型から変異株への置換わりが広がっていることが背景にあるといわれており、特に感染力が強く、重症化しやすいイギリス型と言われる「N501Y」が全国で広がっており、岩手県におきましても昨日までに2件の確認がされております。

さらに、免疫やワクチンの効果を低下させるブラジル型といわれる「E484K」の変異株についても国内において確認されており、さらには、「N501Y」と「E484K」の混合型、両方の性質を持つといわれる変異株も確認されているところであり、感染拡大については予断を許さない状況であると認識しているところであります。

PCR検査への助成制度創設について

市の施策について申し上げます。はじめにPCR検査への助成制度創設についてであります。

当市においては、現在のところ感染症患者の発生は限定的であり、また、感染源が分からないという感染はここ1~2か月は見られておりません。患者発生の際においても岩手県中部保健所による積極的疫学調査の実施が功を奏しており、これまでは感染が拡大する状況とはなっていないところであります。

しかしながら、東北地方においても宮城県仙台市では全国初のまん延等防止措置の対象区域に指定されているほか、先ほど申し上げましたとおり、全国的に変異型ウイルスによる感染の拡大がみられるなど、新型コロナウイルス感染症対策については、ワクチン接種はもとより、様々な感染拡大の防止対策が必要であると認識しております。

当市といたしまして、重症化リスクの高い高齢者施設、障がい者施設等において、新たに利用を始められる場合などにおいて、万一、感染していることにより、施設内で感染が広がることの無いように、この度、高齢者等施設へ新たに入所する方について、施設が必要と認めた場合、症状がない場合にも自費検査としてPCR検査を受ける場合の新たな助成制度を創設いたしたいと考えております。具体的には、高齢者、障がい者、生活保護者の救護施設に新規に入所する方、またはそれらの施設に新規に就業される方、さらには、公立や民間の保育園などの教育こども施設に新規に就業される方並びに市外から転校される小中学生とその家族がPCR検査を受ける場合について検査料金を助成するものであります。

このようなPCR検査実施については市内医療機関での検査を受けられることを前提とするものでありますが、これについては花巻市医師会と打ち合わせ・協議をしており、花巻市医師会のご理解とご協力をいただくものであります。

この新たな助成制度につきましては、本市議会臨時会に関係する補正予算を計上しております。

新型コロナウイルスワクチン接種について

次に、新型コロナウイルスワクチン接種についてであります。

新型コロナウイルスワクチンの接種にあたりましては、国の供給するワクチンがまだ少ない状況であり、当市においては明日4月21日を初日として在宅の91歳以上の方から接種を開始いたします。現在のところ国から当市へのワクチンは4月16日に1箱975回分が届いており、4月26日から5月9日までに、これまで県が発表していた1箱に加えて4箱、合計で5箱4,875回分が送付されるとの岩手県からの通知がありました。

高齢者として優先接種の対象となる令和3年度末に65歳以上となる方への接種券は、3月31日に3万3千751人分の発送を行い、4月1日には4月21日接種の花巻地域325名分と22日接種の大迫地域65名分について、それぞれの地域の91歳以上の方への接種日程や予約方法を案内する接種会場通知を発送したところであります。

4月5日から接種予約を受け付け開始したところ、大迫会場の65名分につきましては4月7日に、花巻会場の325名分につきましては4月9日にそれぞれすべての予約枠が埋まったところであり、コールセンター等に申し込んでも予約枠が埋まって申し込めなかった方につきましては、5月中旬から実施を見込む75歳以上の方への接種の際に併せて91歳以上の方の接種枠を設定することにより、重症化リスクの高い方へのワクチン接種を着実に実施してまいります。

また、4月14日と4月15日には、総合体育館にて花巻市医師会に全面的なご協力をいただき、医師、看護師、並びに会場で勤務する市職員による集団接種シミュレーションを実施し、実際の接種会場内の動線の確認や見直し、各部門に従事する職員の業務内容や手順の確認を行いました。

両日とも医療機関からは80名程度、市職員は70名ほどが参加し、接種を受ける住民役として花巻市保健推進委員と花巻市老人クラブ連合会から30名の参加を頂き、真剣で、かつ実践的な確認を行うことができました。

なお、花巻市の医師会の開業医の先生方のワクチン接種はまだ終了しておりません。今週末までにはされるという情報もございますけれども、4月21日、22日の最初のワクチン接種の段階では、先生方ご自身ワクチン接種を受けていない状況であります。県内の他市の中には、そのような状況で、医師会からワクチン接種の協力はできないと、一時的だとは思いますがそのような話があったということでございますけれども、花巻市医師会の場合は、自分たちが感染しないように最善の対策をとっている、従って自分たちがワクチン接種を受けていなくても、この高齢者に対するワクチン接種に協力するという力強いお言葉をいただいたところでありまして、我々としては大変感謝申し上げたいと考えております。

今後、5月からはワクチンの供給が増加することが報道されておりますが、現時点では4月26日から5月9日までに供給されるワクチンにつきましては先に公表された1箱のほかに4箱1,950人の2回分にとどまることから、5月12日に大迫地域、5月13日に花巻地域、5月15日には石鳥谷地域と東和地域でそれぞれ400人程度の集団接種を行うこととし、75歳以上の方々を優先して順次、接種対象人数について案内を通知するそれぞれの地域の中の地区を選定し、その地区の75歳以上の方々に会場案内通知を行い、コールセンター等で予約を受け付けていく予定としております。今後5月のワクチンの供給数が増加した場合には、集団接種の地区および対象者をそれに併せて増やしていく予定としております。高齢者施設へ入所されている方への接種につきましては、ワクチンの供給が更に増加された際に施設従事者への同時接種も念頭に5月以降に開始し、入院中の高齢者につきましても同様に5月以降に病院等で接種していただけるよう準備を進めてまいりたいと考えております。

これらワクチン接種に関する日程などの情報につきましては、市ホームページや市広報などにおいて、随時、市民にお知らせをしてまいります。

市消防職員の新型コロナウイルスワクチン接種の実施状況について

次に、市消防職員の新型コロナウイルスワクチン接種の実施状況についてであります。

消防職員は、新型コロナウイルス感染症患者や感染が疑われる傷病者と接する可能性が高い業務を行うことから、医療従事者等に含まれております。

当市消防職員も全員が医療従事者等として、新型コロナワクチン接種の日程が岩手県から示されております。

実施日につきましては、第1回目が本日4月20日、21日、23日の3日間、第2回目が5月11日、12日、14日の3日間の予定となっております。

実施場所につきましては、ほかの医療従事者の方々と同様、全日程とも総合花巻病院において、同病院の協力を得て実施することとなっております。

子育て世帯生活支援特別給付金について

次に、低所得の子育て世帯に対する子育て世帯生活支援特別給付金についてであります。

国では新型コロナウイルス感染症による影響が長期化する中で、低所得のひとり親、その他低所得の子育て世帯に対し、生活の支援を行うため、子育て世帯生活支援特別給付金の支給を行うこととしており、給付金の額につきましては、児童1人当たり5万円とされたところであります。

「ひとり親」世帯分の支給対象者につきましては、令和3年4月分の児童扶養手当の支給を受けている方、遺族年金や障害年金などの公的年金等を受給していることにより、令和3年4月分の児童扶養手当の支給を受けていない方、令和3年4月分の児童扶養手当を受給していないが、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて家計が急変し、収入が児童扶養手当を受給している方と同じ水準になっている方となっております。

申請の方法及び支給日などにつきましては、令和3年4月分の児童扶養手当の支給を受けている方については申請不要であり、花巻市においては、令和3年4月下旬に本給付金のご案内を送付し、受給の辞退をされる方の申出を受け、本給付金を希望される方へ、5月11日に児童扶養手当を受給されている口座への振込を行う予定としております。

また、それ以外の対象の方の給付金の受給につきましては、申請をいただく必要がありますことから、現在、申請受付の準備を進めており、準備ができ次第、市ホームページ、広報はなまき等で周知を行い、5月中旬を予定として申請受付、審査を経て、支給決定を行い、速やかな支給を行ってまいります。

その他低所得の子育て世帯への支給につきましては、現在、国において、具体的な制度の内容を検討中のため、詳細が示され次第、改めてお知らせするとともに、迅速な給付に努めてまいります。

「PayPayを活用したポイント還元キャンペーン」について

次に、地場店舗の事業継続を支援する「PayPayを活用したポイント還元キャンペーン」についてであります。

令和2年12月1日から令和3年3月31日まで実施しました、第2弾キャンペーンの結果でございますが、決済金額が11億6,222万円、ポイント還元額が1億9,870万円、キャンペーン対象店舗数が1,075店舗という実績となっております。

第1弾のキャンペーンは令和2年8月1日から9月30日までの2か月間実施したところありますが、1日あたりの平均決済金額を比較しますと、第1弾キャンペーンが458万6千円に対し、第2弾のキャンペーンが960万5千円と約2.1倍に増えております。

本事業につきましては、コロナ禍に対応した新しい試みが成功し、市内地場の事業者の売上向上につながったものと認識しており、対象店舗及び市民の皆さまからも多くの評価をいただいておりますので、第3弾キャンペーンを令和3年8月以降に実施することで現在検討しているところであります。

「温泉宿泊施設等利用促進事業」について

次に、「温泉宿泊施設等利用促進事業」についてであります。

「花巻市温泉宿泊施設等利用促進事業」につきましては、大型連休最終日である5月9日までの期間、県民等を対象に宿泊助成の金額を最大4,000円として実施しており、3月についても、県民の宿泊については、一昨年の140%という大きな利用をいただいておりますし、4月18日時点で当該事業に参加している温泉事業者からご報告いただいている4月の宿泊予約状況は、宿泊客全体では、コロナウイルス感染症の影響を受ける前の一昨年、平成31年4月比で51.7%、県内宿泊客は、139.2%、5月につきましては、宿泊客全体では、令和元年5月比で29.7%、県内宿泊客は、56.6%となっており、1月、2月の不振と比べて県民宿泊客が明らかに急激に増大しておりますので、大きな効果を表しており、先ほど申し上げましたように県内宿泊客は回復傾向にあるということが言えます。

国は令和3年3月26日に「GoToトラベル事業」が再開するまでの間、ステージ2相当以下の都道府県が、同一県内での旅行への割引支援を実施することを決定し、国による支援を希望する場合には、国から都道府県に補助金を交付する「地域観光事業支援」を実施することとしたところであります。岩手県では、宿泊・旅行の割引補助を行う「いわて旅応援プロジェクト」を実施することとし、当該事業の関連経費を盛り込む令和3年度一般会計補正予算を4月15日に県議会臨時会に提案し、議決され、翌16日から5月31日まで事業を実施しているところであります。

当該県事業は、宿泊及び日帰り旅行代金について、最大5,000円を割引くものであり、これに加え、県内の当該事業参画店舗で利用できる2,000円分のクーポン券を発行するものであります。

市が実施している温泉宿泊施設等利用促進事業と当該県事業は、5月9日までは併用することが可能であり、市としては、5月10日以降についても必要な支援は検討したいと考えておりますが、現時点においては5月9日まで併用することが可能であり、大型連休中に多くの県民の皆様にご利用いただきたいと期待するものであります。

ちなみに4月16日から4月18日の予約状況を各温泉旅館・ホテルから報告を受けておりますけれども、県民の予約は明らかに増えている状況でありますので、県の支援と市の支援の併用が県民の宿泊の増大につながるものというように考えている次第であります。

先ほども申し上げましたけれども、5月10日以降の本市事業の実施につきましては、宿泊者数等の推移及び国や県の施策などの実施状況等を勘案しながら検討してまいりたいと考えておりますが、現時点における全国の感染の状況をみますと、岩手県内の感染が大きく増大していない現状において、できるだけ花巻温泉郷の旅館・ホテル等を支援する必要があるという観点からは、我々は、内容については変更を考えたいと思っておりますけれども、引き続き実施する必要があるのではないかというように思っている次第でございます。

「中小企業経営支援事業補助金」について

次に、「中小企業経営支援事業補助金」についてであります。

花巻商工会議所では、新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けている市内中小企業者への事業継続の支援策として、「花巻商工会議所地域企業経営支援金」の申請受付を4月12日から開始しております。

この事業は、花巻商工会議所が県及び市からの補助を受けて実施しており、県補助分としては、令和2年11月から本年3月までの売上が前年同月比で50%以上の減少又は連続する3か月の売上の合計が前年同期比で30%以上減少していること、感染症対策に取り組んでいることなどの要件を満たす県内に店舗を有する小売業、飲食業、サービス業、宿泊業などを営む中小企業や個人事業主へ1店舗当たり上限40万円、複数店舗を経営する事業者にあたっては、最大で法人は200万円、個人事業主は100万円まで支給するものであります。

また、市では県補助分に該当する事業者のうち、これまで市独自に支援を行った飲食店、タクシー、貸切バス、自動車運転代行、温泉宿泊業などの業種を除く事業者に対して1店舗当たり一律30万円を上乗せして支給するものであります。

4月16日時点で、県補助分141、市補助分54店舗の申請を受け付けていると報告を受けているところでありまして、申請から支給に至るまでは最短1週間程度で事務を進めていただいております。

「中小企業に対する家賃補助」について

次に、「中小企業に対する家賃補助」についてであります。

市では、令和2年度に2回にわたり一定の売り上げ減少要件を満たす中小企業者を対象に、事業継続を支援するため家賃補助を実施してまいりましたが、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化しているため、本年度も引き続き家賃補助を実施いたします。

市内に店舗を有する小売業、飲食業、サービス業、宿泊業などを営む中小企業や個人事業主を対象として、令和3年4月から6月までの3か月分の地代・家賃等の月額2分の1を補助することとして、5月12日から申請の受付を開始することで準備を進めております。

「離職者等正規雇用促進奨励金」について

次に「離職者等正規雇用促進奨励金」についてであります。

市では、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、事業主都合により就労の場を失った方の再就職を支援するため、令和2年12月8日以降に正規雇用労働者として雇用した市内事業者に対し、対象労働者1人につき2か月相当の賃金を50万円を上限に支給する「花巻市離職者等正規雇用促進奨励金」を実施しております。令和2年度は、3月31日時点で市内2事業者に4名が雇用され、延べ153万2千円の交付決定を行ったところであります。

花巻管内の有効求人倍率は、本年2月時点で1.33倍と、1月時点の1.32倍から0.01ポイント増加しておりますが、コロナ禍の長期化により不透明な雇用状況が続くものと見込まれることから、本年度も引き続き実施いたします。

ちなみに、先日ハローワークの所長とお話ししましたけれども、花巻市内における事業主都合による解雇は他地域に比べると少ないというお話をいただき、また、市の事業も一定程度の効果があったのではないかというお話もいただいたところであります。

「肥育経営安定緊急支援事業」について

次に、「肥育経営安定緊急支援事業」についてであります。

肉用牛肥育農家に対する「花巻産牛銘柄確立緊急対策補助金」につきましては、3月までに市内の和牛繁殖農家から肥育素牛として導入した19経営体、黒毛和種160頭に対し、4月6日までに総額800万円を交付しております。

また、標準的販売価格と標準的生産経費の差額の9割を交付する肉用牛肥育経営安定交付金制度(牛マルキン)の交付を受けた農家が本来負担する1割を市が支援する「肉用牛肥育経営安定緊急対策補助金」については、3月までに牛マルキンの交付金が交付された21経営体、黒毛和種360頭に対し、3月23日までに総額592万円を交付しております。

なお、「花巻産牛銘柄確立緊急対策補助金」及び「肉用牛肥育経営安定緊急対策補助金」については、牛肉価格の相場が今後も不透明であり、肥育農家が安定的に経営できる環境が必要であることから令和3年度も引き続き事業を実施いたします。

「花巻米生産緊急支援事業」の実施について

次に、「花巻米生産緊急支援事業」の実施についてであります。

令和2年産の米価が下落したため、主食用米を生産している農業経営体に対し、米出荷に係る検査料及び紙袋経費相当額(米30kgあたり107円)を支援する「花巻米生産緊急支援事業」については、2,783経営体に対し、令和3年2月19日までに総額1億96万円を交付しております。

花巻市の令和3年度のコロナウイルス対策については、国の第3次補正の6億円を使ってすでに予算化しており、1回目の補正予算の結果、その6億円はすべて使用するということが予定されております。

昨日、全国知事会が地方創生臨時交付金を国の5兆円の予備費を使って早く交付してほしいと要望しておりますし、我々も岩手県市長会を通じてそのような要望をしておりますが、今現在はそのような交付が決まったという情報はございません。

今後、コロナウイルス感染の拡大がさらに想定される中におきまして、市民の健康、生活、あるいは事業者の事業の継続を守っていくためには、市としても更なる施策が必要になると我々は想定しているところでありますが、地方創生臨時交付金が交付されるまでは、我々としては、必要に応じて市の財政調整基金を利用してそのような施策をやっていくことも考える必要があるというように考えております。

今回、議会において議案として出します令和2年度の最終の補正予算、専決の議案でございますけれども、これをみてみますと、花巻市の財政調整基金でございますけれども、当初想定していたものより相当多い、5~6億円多いでしょうか、71億円くらいになると。まちづくり基金についても52億円くらいになるということでありまして、想定より多いわけであります。この数字は、決算が終わる前の言ってみれば速報ベースでありまして、決算を精査するときにこの数字は変わる可能性があるわけでございますけれども、それにしても、基金はそれなりにあるということでありまして、やはり基本は地方創生臨時交付金を交付してもらって、その中で必要な施策をやっていくということになるわけでございますけれども、必要に応じては、これを繰り出して使っていくということも、少なくとも地方創生臨時交付金の交付が決定されるまでは必要になると考えている次第でございます。

以上で、報告を終わります。

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