令和3年3月 定例記者会見を開催しました
開催日時
令和3年3月29日(月曜)午前11時から午後0時10分まで
開催場所
花巻市役所本庁本館3階 302・303会議室
会見項目
- 新型コロナウイルス感染症に関する花巻市の対応について
(担当 新型コロナウイルス感染症対策本部) - 宮沢賢治草稿とみられる「S博士に」のインク元素分析の結果等について
(担当 教育部 花巻市博物館) - 宮野目学童クラブの増築工事が完了しました(定員を60名から80名に増員し、待機児童を解消)
(担当 教育部 こども課) - 4月から医療用ウィッグ購入費補助の補助上限額を拡充します
(担当 健康福祉部 健康づくり課) - 4月から市税等のスマートフォン決済を開始します
(担当 財務部 収納課) - インフルエンザ予防接種費用軽減事業の実施状況について
(担当 健康福祉部 健康づくり課)
新型コロナウイルス感染症に関する花巻市の対応について
市長
第1点の新型コロナウイルス感染症に関する花巻の対応についてお話申し上げたいと思います。
まずはコールセンターの設置についてでございます。
ワクチン接種に関連しまして、市民の方々からの質問があるということを想定し、コールセンター、外部に委託しておりますけれども、3月26日の金曜日に開設させていただいたところであります。これは平日だけではなくて、土日祝日も営業するということで午前8時30分から午後5時15分まで開設させていただいております。
ワクチン接種に関する相談対応、接種会場通知が届いた方のワクチン接種日時の予約受付、ワクチン接種当日の移動手段の相談・予約受付についてやっていただきます。現時点においては、接種会場通知を出していない状況であり、ワクチン接種日時の予約受付、あるいは交通手段の相談予約受付はまだ開始しておりませんので、ワクチン接種に関する相談・一般的なことについてご相談いただくということになっております。
今の段階で開いても、なかなかご相談する内容がないのではないかということもあったわけでございますけれども、当初はもう少し早く開設を予定しておりましたが、3月26日に開設させていただいたということであります。何でも結構ですので、質問のある方についてはコールセンターに電話していただきたいと思います。
それから4月に供給されるワクチンの接種日程ですけれども、これはもう報道されておりますように、4月のワクチンの供給が非常に限定的で、医療関係者のワクチン接種も十分進んでいない状況であります。
花巻市においては、まだ医療関係者のワクチン接種が始まっておりません。国立病院あるいは県立病院の方が優先的に始まっておりまして、その中でも感染症対策についての病床があるとか、そういうところが優先だと理解しておりますけれども、そういうところがやっておりまして、総合花巻病院のような公益財団法人は公的な機関ではありますが、まだ始まってないという状況であります。これはワクチンの供給がまだ十分にされてないということが原因で、近々始まるものと我々は期待しておりますが、報道等によると、医療関係者のワクチン接種も終了するのは5月にずれ込むのではないかというような話もあります。
その中で、4月に市民に使うワクチンの量ですけれども、これは国から県の方に通知がありまして、県の方では基本的にほぼ各市について、横並びの数量2箱分975人分を供給するということを発表しております。
花巻市はこれを受けまして、まず高齢の方に接種していただきたいと考えておりまして、自宅にいる方で975人分というと、大体91歳以上になるということでありまして、91歳以上の方から接種を開始するということに決めたわけであります。
他市町村においては、高齢者施設にいらっしゃる方等について、高齢者施設での接種を始めるところが多いわけでありますが、花巻市の場合には、まず自宅にいる方々について接種をするということを決めたわけであります。
これについては、花巻市と花巻市医師会、あるいは総合花巻病院で会議を定期的に開いておりまして、ワクチン接種についてご相談させていただいているわけですけれども、少なくともワクチンの供給量が増えた場合において、集団接種をするということが見込まれることから、そのために小人数でまずスタートした方がいいのではないかという考え方もございまして、集団接種をやることにしたわけであります。
そして、このワクチンの供給量が増えた場合に、1会場当たり600人程度の接種を考えているわけですが、今回は数が少ないということで、1会場で多くても330人程度、高齢者の方については付き添いの方がいらっしゃるとか、あるいは接種までの時間を要するのではないかとか、いろいろな課題があると予想され、小人数でまず接種をするということを決めました。これについては、医師会の先生方のご助言等がありまして、花巻市はそのようにやるということを決めたわけです。
第1回目は、4月21日で花巻総合体育館、その後、大迫、石鳥谷、東和でも実施いたしまして、5月8日には生涯学園都市会館(まなび学園)で接種するということを考えております。
5月以降の接種日程ですけれども、ワクチンの供給について具体的な数字がまだ国から示されてないところでありまして、それ次第になりますが、5月以降、本格的にワクチンの供給が開始された場合には、花巻地域においては花巻総合体育館、生涯学園都市会館(まなび学園)で実施します。それから、花巻市交流会館などでの接種、一部地域振興センターも考えておりますけれども、そういうところでの接種を考えます。
大迫地域については大迫交流活性化センター、石鳥谷地域については石鳥谷生涯学習会館、これも地域振興センターも考えますので、ここだけではございませんが、そういうところでやります。東和地域についても東和コミュニティーセンターなどでやるということにしております。
この接種の終了がいつになるか分かりませんので、我々としては念のため、12月までこれらの施設について予約済みでありますけれども、ワクチンの供給の状況により、日程並びに会場を決定していくということにしております。
昨日のニュースによりますと、国の補佐官の方が、接種会場ごとにワクチンの種類、例えばファイザー製のワクチンだったら花巻会場のここはファイザーだけにしますとか、決めるということをお話されました。これについては、そのような通知はまだ厚労省からないと理解しておりますので、非常に突然の発表であります。
このようなことになった場合においては、今まで我々が考えていた接種会場の場所や日程もまた変えなくてはいけないということになりまして、混乱するのではないかなという危惧はありますけれども、いずれにしても現時点でワクチンの供給のスケジュールが示されておりませんので、我々としてはそれに対応していきたいと考えております。
そして接種会場において、事前にシミュレーションするということを考えておりまして、関係者によるシミュレーションを4月15日の午後2時から午後3時30分の間に、花巻市総合体育館で実施することを決めております。新聞によると、こういうことをやっていないところがまだ多いということでしたけれども、すぐにワクチン接種が始まるわけではないわけでありまして、3月にすぐやらない市町村が多いというのは、私は当然といえば当然なのかなと思いますが、4月21日の開始に備えて4月15日にそのようなシミュレーションをやるということにしております。
メディアの方々の取材はお受けするということにしておりますけれども、一部立ち入り制限区域を設ける場合があります。これについては、医師会の先生方と打ち合わせの上、そのようなにさせていただく場合があるということであります。
それから交通手段の確保については、先ほどコールセンターにご連絡いただくという話をしましたけれども、その上で、そういう交通手段を配置するためのシステムを導入しておりまして、それについてのデモンストレーションは先週の金曜日に担当の方で行ったという報告を受けています。私は具体的な中身が分からないのですが、非常に良いシステムだということが分かったという報告を受けております。ただ、これは実際の現場でどのように使うかということについては、1度のデモンストレーションではなくて、今後さらに何度も何度も、例えばどこの地区で何人の方が要望した場合にはどうなるかというような、いろいろなパターン、センスティビティーと言いますか、そういうことを試してみる必要があると思うので、そこはしっかり準備するようにというお願いを担当部署の方にはしているところです。
高齢者へのワクチン接種ですけれども、国の基準によりますと、まずは65歳以上の方ということになっております。その中で、国は3月12日の手引きで、65歳以上の中でワクチン供給量の内容によっては、さらに分けることが可能だということを言っておりまして、市としてはそれを受けて、まずは高齢の91歳以上の方からするというように決めたわけであります。なせ91歳以上なのかということはあると思いますが、医療関係者はエビデンスと言い方をしますよね。ちょっと英語の感覚からすると違うと思いますが、意味としては、科学的な根拠があるのか、医学的な根拠があるかどうかということだと思います。
そういう意味では、91歳以上の方が特に先にやらなくてはいけないという医学的な根拠があるわけではございません。ただ、975人しか接種できない場合において、高齢の方から考えていくと、91歳以上の方について、接種していただけるのではないかということで、まずそこを考えたということであります。
先ほど申し上げたように高齢の方について、接種の申し込みは大変難しいわけでありますけれども、これについては、まずコールセンターへ電話予約いただくということもしますし、専用ウェブサイトで予約していただけるかどうかは分かりませんが、そういうことも考えます。
それからLINEのアプリについては、今問題になっていますので、我々としては総務省の方に、この予約についてLINEを使っていいのかいうことについての問い合わせをもう10日ぐらい前にしておりますけれども、今のところ、まだ返事がないという状況であります。LINEを使うということについては、そもそも総務省から提案があったわけでありますけれども、現時点において、国の方針はまだ決まってないのかどうか、我々の方にはLINEを使っていいとも悪いとも連絡が来ていないという状況であります。
91歳以上の方ですので、電話で予約するとことが不可能な方もいらっしゃると思います。ご家族が一緒の方については、ご家族にやっていただけると思いますけれども、そういうご支援をする方がいない場合、電話できないという方について、どのように予約していただくかということを検討していかなくてはいけません。地域の方々にお願いして、代わりに申請していただくとか、そういうことをする必要があるかどうかということを今検討している状況であります。
そして移動手段については、先ほど申し上げましたけれども、乗合タクシーやバス等の送迎をするという準備をしておりまして、これについて、接種の予約の段階でご希望を出していただくということを考えております。タクシー協会とはもう話をしていますし、バス等を使う場合については、市の第三セクターもございますので、必要に応じてその手配の準備はできているところであります。
高齢者施設に入所されている方の接種については、これもワクチンの供給量によりますが、5月以降にそれぞれの施設でワクチン接種を開始するということについて、医師会の先生方とお話をしているという状況であります。
そして高齢者へのワクチン接種体制につきましては、今後ワクチンの供給量・種類等に基づき、花巻市医師会、総合花巻病院とのワクチン接種準備会で接種対象を検討していきます。ファイザー社のワクチンの場合は非常に扱いが難しく、冷やさないといけないということですけれども、ほかのワクチンについて、場合によっては診療所とかそういう場所でのワクチン接種も考えられるということで、それについては医師会の先生方、総合花巻病院で接種していただくことも一部考えておりますが、そういうことをご相談しながら決めていきたいと考えております。
接種時期については4月21日に開始し、8月中に完了の予定ということをこの資料に書いておりますけれども、この前までは6月中に終わるというのが国の話でありましたし、我々はそれに基づいて準備していました。またさらに、7月中までかかるというのは、担当部署の方から1週間ぐらい前に聞いた話でありまして、さらに8月中までかかるかもしれないというようなことなのですが、いずれにしろ、これは全てワクチンの供給量次第でございまして、まだはっきりしたことは申し上げられないということであります。
次に花巻・遠野地域外来検査センターの休止についてということでありますけれども、これについては、岩手県中部保健所、それから花巻市・遠野市各医師会、総合花巻病院、花巻市・遠野市による地域外来・検査センター運営協議会において、4月1日から当検査センターを休止扱いとする方向性が決められました。
現時点では、各医療機関、あるいは診療所、クリニックでPCR検査をやっていただいており、花巻市の場合は30以上の診療所でできますし、総合花巻病院でもできます。その結果、実はこの外来検査センターで検診する方は非常に少なくなっていて、ここ1カ月以上、外来検査センターで検査した方はいないというような状況にあります。そういうことで、休止について遠野市の方も問題ないということで休止するということにさせていただいたわけであります。
ただ、廃止ということにはしないで休止ということにしています。これは将来的にどうなるか分からないということですから、そのときに備えて、場所の確保はしておいた方がいいということで、専門家の皆様の助言をいただきながらそのように決めさせていただいたということであります。
次に新型コロナウイルス感染症に関する支援についてですけれども、県が1店舗当たり最大40万円の支援をするということを決めました。我々としては、この県の支援制度に上乗せして、市としても支援したいということで決めさせていただいたわけであります。
事業主体としては花巻商工会議所にお願いいたしますが、このお金については市の予算の中で拠出させていただくということになります。
対象は、先ほど申し上げた県の地域企業経営支援金の対象業種を営む事業者ですが、花巻市は、飲食店等、そして温泉宿泊施設、貸切バス、公共交通事業者に対して独自の支援しておりますので、その独自の支援をしている事業者については対象外とさせていただきます。
売上要件については、県の企業経営支援金と同じで、1カ月の売上が前年同月と比較して50パーセント以上減少、あるいは連続する3カ月の売上の合計が前年同期と比較して30パーセント以上減少している事業者ということになります。
1店舗につき30万円ということでありまして、例えば県の場合には、法人は200万円が上限、そして個人は100万円が上限ということで、大体3店舗ないし5店舗ぐらいが上限になっているわけですけれども、花巻市の場合も1店舗につき30万円ということでありますが、店舗の上限は設けないということでありますから、仮に事業者が5店舗を経営されている場合には150万円ということになります。
申請は4月12日から4月28日まで、なはんプラザで受け付けていただき、予約については花巻商工会議所にお願いするということであります。
結果的に県と花巻市の支援の両方を受けた場合には、一店舗当たり最大70万円の支援を受けられるということになります。
すでに実施済みの、花巻市の飲食店の事業者に対する支援は、一店舗当たり最大50万円であります。したがって、県の制度と合わせると、一店舗当たり最大90万円の支援を受けられるということになりますので、飲食店等について今回の花巻市の支援には追加しないということになります。飲食店の事業者は、花巻市の50万円の支援にプラスして、今回の県の40万円と合わせて90万円を受け取っていただくということになります。
次の5ページ目でございますけれども、PayPayのキャンペーンでありますが、これは大変好調でありまして、過日、還元額1億5,000万円の予算でしたが、5,000万円の予算を追加させていただき、議会で承認をいただいたということであります。
この還元額でございますけれども、昨年8月から9月30日までの2カ月間で4,565万6,000円の還元額となり、その結果、売上が2億7,977万7,000円確保されたわけであります。
今回のキャンペーンですけれども、途中経過の3月21日現在で、還元額が1億6,443万6,000円、売上が9億5,007万3,000円ということで、昨年8月・9月のキャンペーンに比べて、さらに金額が増えております。1日当たりの決済金額が855万9,000円で、前回は458万円ですから、2倍までは増えていませんが、それに近い数字になっているということでございます。
これは、参加する店舗が増えたということもございますけれども、もう一つは利用する皆さんに慣れていただいたということ、そしてさらに言えば、特に3月については、進学とかそういう方々の需要、例えば制服について、地場店舗でこのキャンペーンを使って購入していただく方々が増えているというような事情から、大変好調で当初の予算を超えたということになります。
我々としては、当初の予算を超えるのは良いことだと考えておりまして、それだけ地場の店舗の事業継続に資することになりますので、当初から必要な場合には補正予算を計上することを申し上げておりましたけれども、そのようになったということであります。
これについては、地場の店舗の方々から高く評価していただいていると感じております。今まで大手のチェーン店等の地方への進出により、地方の商店が疲弊する、しかしなかなかそれに対応する地方の地場店舗の支援施策について、効果のあるものがなかったのですけれども、このPayPayのキャンペーンは、その意味での効果もあったのかなと感じているところであります。
令和3年度につきましても予算化しておりますので、4カ月実施した場合4カ月休まなくてはいけないというのが国の指導によるPayPayの考え方ですけれども、そうしますと8月・9月ぐらいには、またこのようなキャンペーンができるのかなというように考えている次第であります。
それから次に花巻温泉郷の宿泊施設の利用状況、利用促進事業の期間延長でございますけれども、2月20日に1泊当たり2,000円から最大4,000円まで助成額を増やしたわけですが、これを4月1日から5月9日まで延長するということにしております。
2月の記者会見で申し上げた次第ですけれども、花巻温泉郷の宿泊施設は大変厳しい状況でした。1月の段階では、前々年度の数パーセントぐらいのところまで利用が落ちたところがありまして、このままだと事業の継続が難しい施設も出てくることも想定される状況でしたが、花巻市内において、感染者がこのところ1カ月以上出ていないということも大きな影響がありますけれども、2月20日から4,000円の補助金を出すことになりましてから、急激に宿泊の利用状況が回復しています。
利用者は、この事業の補助金の対象になる県内の方が多いのですが、数字で申し上げますと、昨年との比較は参考になりませんので、平成31年の3月で比べますと、宿泊数で69.7パーセントまで回復している状況です。その中で県内のお客様は平成31年の3月で比べますと、137.4パーセントということであります。
この数字から明らかなように、今回の花巻温泉郷の宿泊者の回復は、花巻市のこの4,000円の補助金が大きな要素になったことは間違いないということでありまして、宿泊施設によりましては、県内のお客様は平成31年の3月で比べますと、292.8パーセントになっているところもあり、大手でも146.7パーセントとか非常に大きく回復しております。大変良かったなと思っております。
その中で、国に対して我々は、対象を県内だけにしてGo Toトラベル事業を実施してくださいということを申し上げたのですが、報道等によりますと国の方では、Go Toトラベルという名前自体が非常に悪いイメージがあるのでできないということで、Go Toトラベルに似たような形の宿泊助成を県に対して行うことを決めたということであります。
我々は、市が実施している助成について支援がないのはいかがなものかということで、観光庁に問い合わせたり、いろいろな方に聞いたりしておりますけれども、今のところ市が実施する助成については、今回の国の支援の対象にならないということのようでございまして、いかがなものかなと思っています。
県は今、そういう制度がないわけでありまして、ただ、こういう国の支援制度も出た場合において、昨日も県の幹部とお話しましたけれども、当然お考えになっていると思います。
ただ、これについては、新たな制度になりますから、議会で予算を通さなくてはいけないということを考えますと、ゴールデンウイーク前にこれを実施できるのだろうかということがございます。我々としては、いずれにしろ4月から市のこの施策は継続して、花巻温泉郷の回復の状況を確実なものにするということを続けていきたいと思っておりますし、連休の5月9日まで支援して、場合によっては県の支援と一部重なるかもしれませんけれども、続けていって、県民の方々にご利用いただきたいと考えている次第です。
次に地代・家賃の実績につきまして、先ほど申し上げたPayPayあるいは飲食業に対する支援などと並んで、この地代・家賃の補助によって事業の継続を図る、例えばスナックについては、なかなかお客様がいないかもしれないですが、地代・家賃の負担がなくなることによって、店を閉めないで続けられる可能性がある、状況が良くなった場合にまた再開するということが期待できるのではないかということもありまして、地代・家賃の実施をしております。
令和2年度の実績としましては、236事業者に使っていただきまして、3,579万1,000円の実績を上げているわけであります。ここで書いている、令和2年4月から令和2年9月までを対象とした令和2年度全体の地代・家賃補助の累計については507事業者6,662万1,000円で、そのような支援をさせていただいております。
令和3年度についても予算を計上しておりますので、具体的な実施時期・補助額等の詳細については、現在検討をしているということで、令和3年度早々に具体的な内容をお示しして補助をさせていただくということを考えております。
次に失業者生活見舞金の状況ですけれども、これは新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、事業所の経営悪化等を理由とした事業者都合により解雇される、あるいは雇い止めをされる方々に対して一律に10万円の見舞金を支給しているものであります。実績としては3月26日時点で75件、支給合計額750万円でございますけれども、これについて、交付対象期間を令和3年9月まで延長するということにしておりまして、過日、令和3年度第1号補正予算で予算化させていただいたということであります。
次の花巻市雇用安定助成金の期間対象延長については省略させていただきます。
その次のはなまき暮らしの継続応援支援金でございますが、これは国の制度に基づきまして、社会福祉協議会が行っている緊急小口資金、総合支援資金の特例貸付を受けた方について、特にその収入が減っている方々を対象としまして、貸付総額の40パーセントを市が交付するというものであります。そうしますと、このような生活に困っている貸付を受けた個人の方については、さらに花巻市から40パーセントの支援金が出るということになります。
国の方でも、住民税の課税対象世帯でない方々について、この貸付金の返済を求めない、免除するという動きがありますけれども、具体的になかなか動いていない部分もあるように私は理解していますが、花巻市の方ではこれをすでに実施させていただいております。
特例貸付の利用実績でありますけれども、3月26日時点で緊急小口資金が284件、総合支援資金が52件で、このうち花巻市の支援金の交付申請をして交付決定されている方々は176件ということになりまして、交付決定額が1,420万円になっております。
次の8ページでありますけれども、飲食店・自動車運転代行業の経営支援金の実績につきまして、飲食店や自動車運転代行業は先ほど申し上げましたように、特に痛みが大きいということで、50万円の交付をするということを決めたわけでありますけれども、飲食店については申請受付件数354店舗、支給総額が1億7,700万円、自動車運転代行業については10事業者、支給総額500万円になっております。
次に花巻市ひとり親世帯臨時特別支給交付金の実績でありますけれども、これについては、国は基本給付を2回しまして、追加給付は1回やったわけでありますが、我々としては、長期にわたり影響を受けているひとり親世帯を支援するために、もう1回分の追加給付を市独自にやるということで、5万円の交付をさせていただいておりまして、対象件数は142件、支給合計金額は710万円になっております。
これについては明日、銀行に振り込み、支給させていただくということにしております。
宮沢賢治草稿とみられる「S博士に」のインク元素分析の結果等について
市長
2番目の宮沢賢治草稿とみられる「S博士に」のインク元素分析の結果でございます。
これは、総合花巻病院から、移転に伴い宮沢賢治関連の資料等をご寄付いただいたわけですけれども、その中で宮沢賢治草稿とみられる「S博士に」、総合花巻病院の創設者の佐藤隆房博士ということで間違いないわけですが、その草稿が見られることから、そのインクと用紙の元素分析を行ったということであります。これは大塚巧藝社という分析機関にお願いしたわけでございますけれども、宮沢賢治の直筆草稿であるという鑑定結果が出たということであります。
次の10ページ目の中に、草稿の文章が載っておりまして、これ自体は宮沢賢治全集10巻月報1に載っているわけでありますけれども、佐藤隆房博士は宮沢賢治の主治医でした。あるいは当時の総合花巻病院の庭の中に宮沢賢治が設計した花壇を作ったときに、宮沢賢治の残した文書によると、佐藤博士にいろいろなことを言われて面白くなかったみたいなことが書かれている文書もありますが、その後、佐藤博士と話して非常にいいものができたというような文書も残している、そういう形で宮沢賢治とは非常に深い交流のあった方と聞いております。
この文書については、宮沢賢治の名前を世の中で高める活動をされた宮沢賢治の弟・宮沢清六氏が佐藤隆房博士に贈ったということでありまして、その意味でも、極めて由緒のある文書ではないかと思っております。
この資料については、花巻市博物館で保管し、宮沢賢治記念館と連携を図りながら機会をとらえ、公開も視野に入れながら進めていきたいと考えております。
宮野目学童クラブの増築工事が完了しました(定員を60名から80名に増員し、待機児童を解消)
市長
3番目でございますけれども、宮野目学童クラブの増築工事が完了したということであります。
学童クラブの定員を60名から80名に増やしたということで、この整備につきましては2月19日に完了しまして、完了検査が2月25日に終わりました。整備費は2,577万8,000円ということであります。この財源ですけれども、国及び県からも補助をいただいております。
宮野目は、本館地区を中心に新しい住宅がよく建設される場所でございまして、ご家族がほかから移って来られることが多い地区ですが、待機児童が平成31年4月の段階では8名、令和2年4月の段階で3名でしたけれども、この増築により20名分の面積を確保することで待機児童がゼロになり、それでも77名の方が今回入所されるということですから、20名の増員は本当に必要だったなということを改めて感じている次第であります。
4月から医療用ウィッグ購入費補助の補助上限額を拡充します
市長
医療用ウィッグ購入費補助の補助上限額を拡充するということでございます。
がん治療によりまして、ウィッグが必要になっている方々、大変費用が高いということで、この補助を昨年から実施してきたわけでありますけれども、大変好評をいただいております。
昨年4月1日から今年3月26日まで、約1年ですけれども、補助実績は21件、補助額合計40万3,000円をご利用いただいております。利用した方々から非常に良いという評価をいただいておりますが、この補助金額は、市が補助した場合に、その2分の1、1件当たり1万円の上限で県が補助するということで2万円にしたわけでありますけれども、2万円では少ないのではないかということから、今回3万円に増額をさせていただいたということでございます。
4月から市税等のスマートフォン決済を開始します
市長
次に5番目の4月から市税等のスマートフォン決済を開始するということでありますけれども、市県民税、固定資産税、軽自動車税、国民健康保険税、介護保険料、後期高齢者医療保険料の支払いについて、スマートフォン決済をできるようにするということでございます。
今までは、窓口で支払っていただく、もちろんそうなのですが、口座振替やクレジットカードで支払えるようにしているわけでありますけれども、それに加えて今回、PayPayによって支払えるようにさせていただいたわけであります。
このイメージとしては、13ページの下に書いておりますけれども、普通のPayPayの支払いと同じようにバーコードを読み取っていただいて、そして支払うということでありまして、非常に簡単にできるわけであります。皆さんPayPayに慣れてきていると思いますので、簡単に利用できるのではないかなと思っています。
そして、これを利用する場合、口座振替にしている方については、口座振替の廃止手続きをしていただくということであります。
また、納付しても領収印のない納付書が手元に残りますので、支払った方は覚えているとは思いますが、二重に納付することにないように注意していただきたいと思います。
実はPayPayのほかに、LINE Payも使うということを考えていたわけでありますけれども、LINEは今、ご存じのような状況でありますから、今慌ててLINE Payを使う必要はないのではないかということで、現時点においてはLINE Payの使用は見合わせていただいて、PayPayだけにさせていただくということになります。
インフルエンザ予防接種費用軽減事業の実施状況について
市長
最後に、インフルエンザの予防接種費用軽減事業の実施状況についてであります。
インフルエンザの予防接種については、高齢者も3,000円強の補助をしておりますけれども、それに加えまして、小学生以下の支援のほかに、令和2年度から中学生及び妊婦も1人1回当たり補助額上限3,000円の補助をしてきたところであります。
接種実績でありますけれども、小学生以下については対象者が8,157人、1人2回接種で延べ接種数は11,520人、接種率が70.6パーセントでございまして、昨年より増えている状況であります。中学生については対象者が2,434人、延べ接種数が1,331人、接種率が54.7パーセント、妊婦については対象者が363人、延べ接種数が162人、接種率が44.6パーセントという状況になっています。中学生・妊婦については、1人1回の接種ということになります。
本年度のインフルエンザの流行ですけれども、ほとんどなかったという状況であります。これがインフルエンザの予防接種をした効果かどうかということでございますけれども、それよりは、やはりコロナ禍の対応のためにマスクの着用、手洗い、手指消毒の徹底、あるいは3密を避けること、感染拡大地域への旅行などの自粛によって、こういうインフルエンザの感染者がほぼゼロに近い状況になったのではないかなと思います。
逆に言いますと、インフルエンザの感染の拡大は防げますが、同じことをやっていても新型コロナウイルス感染症は防げないという証左だと思います。ですから、それだけコロナ禍はやはりインフルエンザと違うものだということを改めて感じるところであります。
主な質問
今回の新型コロナウイルスワクチン接種対象者の91歳以上の方は何人いるか
健康福祉部長
市内の91歳以上の方ですが、3月9日時点で2,699人いらっしゃいます。そのうち施設に入っていない方は、2,102名ということになります。
2,102人の中からどのように975人分を選んでいくのか
健康福祉部長
選ぶというよりは、今申し上げた2,102名の方々に、まずご案内を差し上げます。その上で接種を希望する方に予約をいただくというような考え方でございます。
接種希望者が975人以上になった場合どうなるか
健康福祉部長
975人を超えた場合、その後の地域における接種会場にご案内させていただくということで考えております。
975人を超えた場合、実際に接種する人を選ぶ主体は市になるのか
新型コロナウイルスワクチン接種対策室長
どうしても数が限られていますので、申し訳ありませんが予約をいただいた順、先着順になってしまいます。その後、各地域の方も案内して、地域であぶれた分につきましては、ワクチンが届き次第ですが、例えば県立病院などにその分をご案内することとしておりますので、いずれ受ける機会については提供させていただきます。
それから、この2,102名でございますが、入院中の方の数が掴めませんでしたので、少し人数が多い形での抽出になってございます。
基本的には、医療従事者がワクチン接種をしてから高齢者の接種という大型のプロセスで始まった計画だったが、総合花巻病院の医療従事者はまだ接種できていない状況。ワクチンを配分する主体が、医療従事者に対しては県、高齢者については市ということで、追い越し現象が起こっているのか
市長
できれば4月21日の前に、医療機関に対するワクチンが総合花巻病院、医師会の先生を含めて来ればいいのですが、多分少なくとも医療関係者全てに行き渡るだけのワクチンが4月21日以前に来ることはないだろうと予測しています。
そうしますと、医療従事者の中でワクチンの接種を受けてない方が、高齢者のワクチン接種に携わるということは当然想定されるわけです。これについては、医療従事者、医師会とも相談させていただきましたけれども、先生方は細心の注意を払って消毒している中でやりますので、それについては問題ないだろうとのご意見をいただいておりまして、ワクチン接種をしていない医師とかそういう方が、高齢者のワクチン接種をする、当然体調が悪いとかそういう場合には代わっていただくことなりますけれども、そういう形になると想定しております。
高齢者のコロナワクチン接種の予約はいつから始めるのか
新型コロナウイルスワクチン接種対策室長
それぞれの会場によって違いますけれども、おおむね接種日の3週間前に通知を出す予定です。通知が届くタイミングがあると思いますので発送の3日・4日後ぐらいから土日も入れて10日間ぐらいを予約の期間といたします。その上で、残り1週間ぐらいで交通手段等を調整してご案内するといったスケジュールを考えてございます。
LINEを使った予約について、総務省からの回答待ちということだが、LINEを使えるかどうかを判断するデッドラインはいつと考えているか
市長
使えるようになったらとすぐ使えますので、デッドラインというものはないと思います。3月27日に間に合わなければその後になるかもしれませんが、使えるようになったら使うということだと思います。
ただ、LINE Payを使うのは若い方が多いでしょうから、そういう意味では高齢者の方々の予約のときにLINE Payが使えるかどうかというのは、それほど大きな影響はないのかなと思っています。
この集団接種のやり方は、年齢で区切るということも含めて、ほかの自治体の事例を参考にしたか。あるいは先進事例はあるか
新型コロナウイルスワクチン接種対策室長
やり方を考える際につきましては、厚労省の方で示している接種の要領などがあり、接種の手引というものもあります。それに則って、受け付けして予診してと、そういった流れについては医師会の先生方とこれまで6回の準備会、意見交換等を含めて開催し、実際に小さな会場を作って、見ていただいたりしながらやってまいりました。それぞれの場面でリリースされている厚労省の事例なども参考にはしておりますけれども、基本的にはそういった手引を見て医師会の先生方と一緒に組み上げてできたという状況です。
例えば91歳ないし85歳で区切るなど、そういうことをしている自治体が結構あるという認識で良いか
市長
そういう情報はないのですが、やはり65歳以上と言っても、花巻市の場合は3万4,000人を超えますから、もう少し年齢を区分けした方がいいという意見があったことは事実で75歳以上という意見が議会でもありました。そういう中で、我としてはいずれにしろ国の手引・指針に基づいて決めなくてはいけないということでしたけれども、国の方の指針でもワクチンの供給も非常に遅れるという、そういうことも事情があったのだと思いますが、年齢で65歳以上についても、供給量によっては年齢区分を作っても良いということが3月12日付の手引きの中ではっきりと書かれています。
ですから、それに基づいて行ったということでありまして、ほかの自治体がそうであるかどうかは別にしましても、我々としては国の指針に基づいてそういうことを決めさせていただいたということです。
あとは非常に人数が少ない場合、効率的に実施する方法としては、おそらく高齢者の施設に入居されている方を、施設において集団接種するのが1番簡単です。これについては、花巻市医師会の先生方と相談させていただいた結果、最初の段階での集団接種はむしろ数が少ない集団接種でやった方がその後のいろいろな課題も分かるわけですから、それをまずやった方がいいのではないかというご意見もいただいて、そういう形にしたということがあります。
我々としては、国の指針に基づいていると思っておりますが、実はそうではなく高齢者施設を先にやると決めている市町村が、少なくても県内においては多いという理解はしています。
国や県に対する考えや思いについて市長から何かあれば
市長
これは、厚労省も含めみんな初めてのことで、そして残念ながら日本では、ワクチンの開発できなかったわけです。これについていろいろな理由があると思いますが、一つはやはり、一般論としましては日本の製薬会社の規模が小さいというようなことですね。
そういう意味で、外国の大手の製薬会社あるいはその先進的な企業に比べると、開発能力が多分大きくなかったのだということがあると思います。
それからもう一つ、この前新聞で、がんの免疫療法の専門家の方が、日本においてはmRNAワクチンとか、そういう研究がそもそも遅れたというお話をしていました。今回、非常に早く外国でワクチンができたのは、その研究が進んでいたという事情があるということ言っていました。
そういうことを考えると、日本においてこのワクチンの開発ができなかったということについて、厚労省がどうというのは、私は違うと思います。国の全体としての科学的な力が落ちているという状況があると思います。
その上で全世界的に見て、ワクチンの生産量がまだ十分ではない中で、どうやって供給の交渉をするかということですよね。これについては、やはり難しい問題があって、例えば日本の文化と国際取引の常識が少し違うのだと思うんですよね。私はニューヨークで法律の仕事をしましたからそのような常識の違いがあることは分かります。
そういう中で、なかなかそれに対応できなかったということについては、厚労省の個々人の方の問題ではなく、日本の文化的な部分があってそういう国際取引をきちんと早くやるだけのノウハウがやはり欠けている部分があったかもしれない、具体的に分かりませんから批判はできませんけれども、とにかく個々人の進め方が悪かったということは言えません。
政治家も同じだと思います。結果的にこのようになったということで、今回の経験がありますから、今後の課題として考えていく必要があるかもしれませんけれども、国に対しての批判は、私は持っていません。
花巻・遠野地域外来センターが休止するということだが、これまでどれぐらいの方が受けたか。また、場所は今までどおり非公開にするのか
市長
これは、検査人数についても公開してはいけないということなっていますが、開設以来、多いときで3人ぐらいの方が検査を受けたことがありました。ここ1カ月ぐらいはほぼありませんが、それまでは毎回2人ないし3人ぐらいずつ検査を受けた方はいらっしゃいました。
場所を非公開にするということにつきましては、厚労省の指針で指示されたところでありまして、そこはまだ変わっていないと思っていますので、公開はいたしません。
「S博士に」について、これは花巻市にとってはどんな意味合いのある発見になるか
市長
佐藤隆房博士は、先ほど申し上げましたように総合花巻病院の創設者なんですね。当時は花巻共立病院でしたが、そのときには花巻の有力な方が支援し、花巻の医療を守ってきました。そういう意味では偉大な先人の一人です。
佐藤隆房博士と宮沢賢治の関係は先ほど申し上げたように、研究者に相当研究されていまして、我々も分かっているところですけれども、その博士について、宮沢賢治の思いを書いてもらったということで、原稿自体に宮沢賢治が書いた直筆のものが見つかったということは、我々としては非常に大きなものだと思っています。
そのほかにも、高村光太郎は8月10日の花巻空襲で宮沢賢治の自宅の離れから焼け出された後、佐藤隆房博士の自宅の離れに住んでいた時期もありますし、そういう意味で花巻の関連する偉人の宮沢賢治や高村光太郎とも親交がありました。ですから、そういう方に宛てた宮沢賢治の直筆のものが見つかったということで、これは大事していかなくてはいけないと思っています。
今まで賢治記念館にあったデータはどういう扱いになるか
市長
それはそれで残さなくてはいけないと思いますが、直筆のものは直筆で大事にしなくてはいけないですよね。あとは、いろいろな部分で展示等はデータの方がやりやすいですし、直筆はそれこそインクが消えてしまわないような処理等をしなくてはいけないですし、常設展示ができるようなものではないですから、そういう意味ではデータも大事ですので、残しておかなければいけないと思います。
昨年6月に寄贈されたものが直筆である可能性が高いということだが、これまで本物とされていたデータの位置付けは誰かが複製したものだという研究が進んでいるのか
教育長
賢治研究が進んできて、賢治全集あるいは年譜を編集するにあたって、生原稿の持ち主等について全部当たり、そのときにこの「S博士に」については佐藤隆房先生が所蔵しているということで、佐藤隆房先生にお願いして資料を提供していただいて、そうやって現在の保管状況になりました。
ただ問題は、今回真贋を問うようなもので確率の高いものが出てきたのですが、原稿そのものの記述については同じなわけですね。そういった意味で、賢治の晩年の作品として、特に疾中異稿と呼ばれるものの中での価値については変わらないと思います。
昨年にもお話し申し上げましたように、佐藤先生がこれを複製したという動きはあって、複製したときの金型と言いますか精密な版なのですが、それも残されていたということで、果たしてどれが本物かということで今回話題になりました。そして検査をしたところ、その三つの中で、赤いインクで最初に書かれていて黒いもので修正されていたもの、これについて調査し同時期のものとほぼ同じものを使って書かれているということで、恐らく今回ご紹介したものが本物の原稿であるという確率が高いだろうと思います。ですから、作品そのものの記述については、文字が違うとか、行が違うとか、中身が違うとかということがないので、それは問題ないと思います。
宮沢賢治記念館主査(学芸員)
今お話があったように、作品としての価値が変わらないということについてはそのとおりで、ただ今まで定説とされていたことがちょっと違ったということもありました。インクが今回反転しているのではないかということもあったのですが、科学的に同時期に書かれた「ひるすぎの三時となれば」という原稿と比較したところ、ほぼ同じ成分のものが検出され、この直筆が間違いなく佐藤先生のところで大事に保管されていたものということで、そういった結果が出たということについて、私たちは今後もこういった結果を大事にしてこれからの賢治研究にも励んでいきたいと思っております。
教育長
佐藤先生と宮沢賢治との親交というのが、今回クローズアップされたと思います。昭和3年に、宮沢賢治が羅須地人協会で倒れ、その後、ずっと佐藤先生にも見ていただいて、そして「S博士に」はおそらく佐藤先生のことだと思いますし、そういったものを例えば戦中、宮沢賢治の実家が火災に遭った後に、清六氏がそれをわざわざ佐藤先生にお届けしたというくらい非常に親密でリスペクトしていたという部分でしょうか。それ以外にも、以前お示しした連句のような俳句も残されていますし、これも佐藤先生が最初に句を立てられて、宮沢賢治がその後、連句のような対句と言うんでしょうか、そういったことをしており、患者と医師という関係以上に、非常に親密な関係であったというようなことがにじみ出ているということ自体が非常に意味のあるものではないかなと私は思います。
担当
広報係
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