令和6年7月 定例記者会見を開催しました

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ページ番号1022055  更新日 令和6年8月7日

記者会見の様子

開催日時

令和6年7月31日(水曜)午前10時30分から午前11時45分まで

開催場所

花巻市役所本庁本館3階 302会議室

会見項目

  1. 「イーハトーブフェスティバル2024」を開催します~8月31日・9月1日の2日間、宮沢賢治童話村で開催~
    <担当 生涯学習部 賢治まちづくり課>
  2. 第34回石鳥谷夢まつりを開催します
    <担当 石鳥谷総合支所 地域振興課>
  3. 花巻中央エリア社会実験~花巻みち活street to park challenge2024~を開催します
    <担当 商工観光部 商工労政課>
  4. 「パリ2024オリンピック」のパブリックビューイングを開催します~花巻ゆかりの選手2名が出場~
    <担当 生涯学習部 スポーツ振興課>
  5. スタジオジブリ「風の谷のナウシカ」特別上映会を開催します
    <担当 生涯学習部 花巻市文化会館>
  6. 高村光太郎 歌人中原綾子宛ての手紙等が寄贈されました
    <担当 生涯学習部 生涯学習課>
  7. 花巻市長が令和6年建設事業関係功労者等国土交通大臣表彰を受賞しました
    <担当 建設部 道路課>
  8. 第34回宮沢賢治賞・イーハトーブ賞の受賞者を決定しました
    <担当 生涯学習部 賢治まちづくり課>

冒頭コメント

上田市長

暑い日が続きますけれども、7月の定例記者会見にご参列いただきまして大変ありがとうございます。

今週月曜日(7月29日)に東京に行きまして、中央省庁とか国会議員の先生方に要望活動をさせていただきました。現地の最高気温が38度ありまして、霞が関と永田町を歩き回りましたけども、だいぶバテてしまったというのが正直な気持ちでありますが、その中でも色々な話をすることができたのは良かったと思っている次第です。

今、パリオリンピックが開かれておりまして、日本選手が活躍しているということで大変素晴らしい、若い力は本当に素晴らしいなと実感しています。

花巻に話を戻しますと、花巻の若者もすごく頑張っていて、県の中総体で上位に入賞して、東北大会、全国大会へ出場する中学生の皆さんに昨日(7月30日)に来ていただきまして、お話を伺いました。目が輝いているなということで力強く感じた次第であります。

また、市内の高校に目を向けますと、花巻南高校の女子ソフトボール部が、全国ベスト4になったということで、これは大変な成果だったと思います。男子の高校野球については花巻東高校が県で優勝しましたし、花巻北高校が29年ぶりにベスト8に進出したということで、花巻勢が大変活躍した大会になったと思います。さらに、花巻東高校の女子硬式野球部は、第28回全国高等学校女子硬式野球選手権大会で決勝戦に進出し、8月3日に神戸弘陵高校と対戦することになりました。

神戸弘陵高校とは、2回、全国大会の決勝戦で戦っていまして、両大会とも残念ながら優勝には届かなかったんですけれども、今年は3度目の正直ということで、甲子園球場で決勝戦がありますけれども、ぜひ優勝してほしいなと思っております。

花巻東高校の男子硬式野球部についても、昨年も甲子園でベスト8まで進みましたし、今年は投手陣の層が非常に厚い、そして、粘り強い攻撃力や、機動力もあるチームということで、甲子園でも相当期待できるチームではないかなと私は思っています。生徒の皆さんは、優勝するとおっしゃっていたので、ぜひ応援したいと思います。全国には強いチームが沢山ありますけれども、地元に愛されているという点においては、花巻東高校は多分、全国でも有数なチームじゃないかなと思っています。普段の生徒さんたちの様子とかですね、そういうことも大きいと思いますけれども、ぜひ甲子園で活躍して優勝していただきたいなというふうに思った次第であります。

「イーハトーブフェスティバル2024」を開催します~8月31日・9月1日の2日間、宮沢賢治童話村で開催~

上田市長

項目1番目、イーハトーブフェスティバルについてでございます。これは毎年開催しておりますけれども、今年は8月31日、9月1日の2日間、宮沢賢治童話村で開催します。入場料は無料です。

内容でございますけれども、まずは、イーハトーヴ子ども合唱隊によるオープニング、「宮沢賢治の歌」を歌っていただきます。この合唱団は、結成は2005年ですので、20年近くに渡って活動いただいておりまして、色々なところで活動されております。昨年度に引き続いての出演で、合唱の演目は、「星めぐりの歌」「ポラーノ広場の歌」「牧歌」「種山ケ原」などを予定しています。

そのほか、8月31日には、ピアノ弾き語りソロアーティストである日食なつこさんによるライブをやっていただきます。去年も日食なつこさんにはご参加いただきました。日食なつこさんはご存知のように花巻のご出身で、今、全国で活躍されていますけれども、花巻でこのようなライブを開催する機会がなかったということで、昨年実施させていただきました。これが非常に好評でありまして、日食さんも、またやりたいということで、快諾いただきましたので、今年も出演いただけることとなりました。

そして、その後、株式会社スタジオジブリ代表取締役プロデューサーの鈴木敏夫さんによるスペシャルトークを開催します。これも昨年に引き続きの開催となります。昨年は、宮﨑駿さんと高畑勲さんの関係について、非常に興味深いお話をしていただきました。NHKスペシャルなんかでも、そのあと同じようなことをお話していました。そのときに、映画「君たちはどう生きるか」の制作について、昨年もお話しいただきました。スペシャルトークの中で何を話すかは、鈴木敏夫さんにお任せするわけですけれども、今年は「君たちはどう生きるか」を、童話村の野外ステージで上映させていただくことになっておりますし、そうすると、その話も出るんではないかなと期待している次第であります。

「君たちはどう生きるか」は全国において最初の野外上映ということになります。そういう意味では、鈴木敏夫さんの花巻に対する思い、あるいは高畑勲さんや宮﨑駿さんも宮沢賢治に非常に影響を受けているということでありますので、このような開催が実現できたものと感謝しているところであります。

9月1日はシンガーソングライターの安藤裕子さんによるライブ、岩井俊二監督によるスペシャルトークを予定しています。そして映画上映は岩井俊二さんが監督を務めた「キリエのうた」を予定しています。

このイベントは入場無料のイベントですし、素晴らしいゲストの方々に来ていただきますので、多くの方に喜んでいただけるのではないかなと思っております。次のページには、イーハトーブフェスティバルのチラシをつけていますので、後ほどご覧ください。

第34回石鳥谷夢まつりを開催します

上田市長

項目2番目、8月13日(火曜)に石鳥谷夢まつりを開催します。町内の保育園や福祉施設、学童クラブの児童の皆さんらによる手作りの夢行灯で照らされた会場で、約7,000発の花火が打ち上がります。

なお、今年は会場内に屋台の出店はありません。屋台は同日開催されます「酒蔵まつり花火の陣」、こちらは、まちの駅いしどりや酒蔵交流館の向かいにあります、旧宝峰跡地で開催されますけれども、そちらでお楽しみいただくことになりますので、よろしくお願いします。次のページにはチラシもつけてありますので、あわせてご覧ください。

さらにもう一枚、「イーハトーブフォーラム」のチラシもつけております。こちらは、花巻地域の花火になりますけれども、8月24日(土曜)に北上川河川敷で開催します。昨年までは、「ツーデーマーチ」という花巻市内を歩いていただくイベントも同日から2日間で開催していましたけれども、非常に暑い時期でありますし、参加者の健康を第一に考えまして、今年は「第27回イーハトーブの里ワンデーウォークファイナル」として、9月21日(土曜)に開催することとしました。先ほども申し上げたように、最近は8月の終わりでも非常に暑いので、今年は時期をずらして9月に実行するということにさせていただきましたし、今年が最後ということになりますので、そういう意味では、毎年楽しんでいただけた方を中心に、ぜひ参加いただきたいと思っています。

花巻中央エリア社会実験~花巻みち活street to park challenge2024~を開催します

上田市長

項目3番目、花巻中央エリアの社会実験についてです。昨年も実施しておりますし、今年もすでに何度か実施しておりますけども、8月に実施する内容について固まりましたのでご報告させていただきます。

8月24日(土曜)には「上町ストリート&パークチャレンジ~ハナビノヒ」として、飲食店の出店やストリートハンドボール、ダンス、DJタイム、こども乗り物広場などを行います。また、7月28日(日曜)から9月29日(日曜)までの毎週日曜日については、「上町子ども乗り物広場 on Sunday」として、子ども向けの乗り物などが楽しめる内容となっています。実施事業者は2つとも上町家守舎です。

当日の車両交通規制やバスのう回運行については、資料5ページに記載しております。

「パリ2024オリンピック」のパブリックビューイングを開催します~花巻ゆかりの選手2名が出場~

上田市長

項目4番目、パリオリンピックに出場される花巻ゆかりの選手のパブリックビューイングを開催いたします。まず、8月11日(日曜)、午後5時30分から10時まで、自転車トラックレースのケイリンに出場される中野慎詞選手の競技を見ていただきます。会場は新堀振興センターの講堂です。

中野選手は新堀のご出身ですので、新堀地区コミュニティ会議の主催で行っていただくことになります。中野選手の主な成績を資料に書いていますけれども、非常に活躍されている選手でありますので、メダルも期待できるんじゃないかなと思っているところであります。中野選手は8月6日(火曜)~8日(木曜)のチームパシュートにも出場しますけれども、そちらはテレビ放送の予定がないということで、パブリックビューイングは8月11日だけということになります。

次に競歩です。髙橋和生選手が男女混合競歩リレーに出るということで、8月7日(水曜)、午後2時20分から5時50分まで、会場はなはんプラザ1階のCOMZホールです。髙橋選手、北上市出身、水沢中学校卒業でございますけれども、花巻北高校の卒業生ということで、今回、パブリックビューイングをさせていただくということにしたわけでございます。

それから、これはまだ日にちなどは決まっておりませんけれども、花巻東高校の甲子園大会のパブリックビューイングにつきましても、実施を予定しています。組合抽選会が8月4日に予定されておりまして、その結果によって、パブリックビューイングを開催するということを考えたいと思っています。

(参考:8月13日(火曜)の第4試合で有田工業(佐賀県)と滋賀学園(滋賀県)の勝者との対戦が決定。なはんプラザでパブリックビューイングを開催予定です)

スタジオジブリ「風の谷のナウシカ」特別上映会を開催します

上田市長

項目5番目、スタジオジブリの「風の谷のナウシカ」特別上映会を花巻市文化会館で開催します。1回目が8月9日(金曜)、午後6時から、2回目が8月10日(土曜)、午後2時からということになります。入場料は無料ですけれども、現在開催中の「アニメージュとジブリ展」花巻市博物館展の入場チケットまたは半券をご提示いただく必要があります。

また、文化会館のバックヤードツアーを同時に開催するということにしておりまして、8月9日(金曜)の午前10時、午後1時、10日(土曜)の午前10時から、各回定員20人程度で実施させていただく予定としています。

そのほか、資料7ページの下段には文化会館の今後の主な事業予定を記載しています。「スイングキッズジャパンツアー2024花巻交流公演」、「花巻市民芸術祭」、「福井敬テノール・リサイタル」、「特選!ぎんどろ寄席」、「ジムバトラーグループジャパンツアー」などを開催予定です。

文化会館については、非常に大きな整備をしているところでありまして、昨年は2億5,000万円ほどかけてスピーカーなどを変えまして、非常に音響が良くなったという評価をいただいております。来年はトイレを改修して、洋式トイレを増やしますし、電源についても、そろそろ変えなければなりません。これにも数億円かかる見込みですけれども、進めていきたいなと思っています。このように非常に大きなお金をかけて文化会館を維持しているわけでありまして、こういう芸術に関わるイベントを今後もできるだけ多く開催していきたい、それによって市民の方々に喜んでいただきたいと、そのように思っている次第です。

高村光太郎 歌人中原綾子宛ての手紙等が寄贈されました

上田市長

項目6番目、高村光太郎が歌人中原綾子宛手に書いた手紙など64点が市に寄贈されました。寄贈者は、中原綾子さんのお孫さんの中原毬也(まりや)氏、米国カリフォルニア州にお住まいの方です。高村光太郎の書簡についてしっかり保存したいというご意向をお持ちになり、高村光太郎記念館を訪問されて、寄贈の申し出をいただいたということです。

中原綾子さんについてですが、与謝野晶子さんの門下の歌人で、文芸誌「明星」の同人です。高村光太郎も「明星」の主な寄稿者でありまして、綾子氏と親交がありました。後に綾子氏が主宰した雑誌「スバル」などにも高村光太郎は寄稿しておりまして、今回寄贈いただいた手紙にもその原稿が見られます。

そういう意味では非常に貴重なものを寄贈いただいたと思っておりまして、今後、資料を整理した後に、高村光太郎記念館で展示をしていきたいと考えています。

花巻市長が令和6年建設事業関係功労者等国土交通大臣表彰を受賞しました

上田市長

項目7番目、私が7月10日に国土交通大臣表彰を受賞したということであります。

これは道路事業の関係で、全国の市長さん町長さんは全部で4人ですかね、今回受賞したということであります。

以上であります。

項目1~7に関する質問

パブリックビューイングについて、花巻ゆかりの選手がパリオリンピックに2人出場することについて、市長の思いは。

【上田市長】
我々が子どもの頃は、花巻から全国レベルの選手というのは、なかなか出ませんでした。したがって、オリンピックの選手が出るというのは夢みたいな話です。それを言ったら、今の花巻東高校の活躍をはじめ、花巻の若い人たちの活躍もみんな同じですけれども。ですから、花巻ゆかりの若い人たちの活躍が目立つということは、非常に嬉しいことだと思っています。

今回のパブリックビューイングについて、多くの皆さんで集まって応援することによって、やはり選手にとって大きな応援の力になるということを期待したいですし、子どもたちを含めて、非常にいい思い出になるんじゃないかなと、そうなればいいなと、そのように考えています。

第34回宮沢賢治賞・イーハトーブ賞の受賞者を決定しました

上田市長

第34回宮沢賢治賞・イーハトーブ賞の受賞者について、発表させていただきます。宮沢賢治賞には杉浦静様。宮沢賢治の詩の草稿を中心に、テクストの意味内容の変遷とその生涯における位置づけを精密に検討することによって、実証的な草稿研究と思想レベルの研究を新たな次元で統合した、著書『宮沢賢治 生成・転化する心象スケッチ』に対して受賞いただきます。

宮沢賢治賞奨励賞は該当なしといたします。

イーハトーブ賞でございますが、伊藤卓美様。木版画家として長年「宮沢賢治」と「民俗芸能」をライフワークに、賢治の作品の版画を暮らしの中で使える「歌留多」や「蔵書票」という形で制作し、また各地の民俗芸能を独自に調査して、詩情あふれる作品に記録し続けてきた業績に対して受賞いただきます。

イーハトーブ賞奨励賞は2名の受賞者の方がいらっしゃいます。

1人目は、アスィエ・サベル・モガッダム様。宮沢賢治の作品や世界観に対する深い共感に基づいて、ペルシャ語翻訳による賢治の詩集と童話集を、いずれもイランで初めて刊行するとともに、長年にわたって現地の日本人学校の生徒さんにペルシャ語を教えるなど、日本とイランの相互理解と親善に貢献してきた功績に対して、受賞いただきます。

同じくイーハトーブ賞奨励賞には海津研様に受賞いただきます。宮沢賢治の童話や詩を題材として、温かく細密な絵画を数多く制作し、独自のアニメーション作品にも結実させる一方で、戦争やハンセン病など社会的に意義深いテーマでの制作活動にも積極的に取り組んでいただいたわけであります。

宮沢賢治賞・イーハトーブ賞の贈呈式につきましては、9月22日、午前10時より、なはんプラザCOMZホールで開催いたします。

宮沢賢治学会イーハトーブセンター大沢代表理事

引き続き、選考結果および理由についてご説明いたします。

選考対象は宮沢賢治学会イーハトーブセンター会員の推薦によるものであり、選考会議は2回行いました。宮沢賢治賞については、選考対象は15件で、3件が2次選考に残り、1件が本賞に選出されました。奨励賞は該当者なしとなりました。

本賞を受賞した杉浦静氏は、この30年以上の宮沢賢治研究の成果を著書「宮沢賢治 生成・転化する心象スケッチ」に集大成し、2023年10月に刊行しました。本書の前半で杉浦氏は「春と修羅 第二集」を中心に詩の草稿の状態とテクストの推敲過程を継時的に詳しく分析し、そこに賢治の宗教意識や社会意識、さらには世界観の変化を細かく読み取ることによって、彼の生涯における思想の展開の道筋を見事に浮き彫りにしました。また「歌稿」や「音楽用五線ノート稿」というものがあります。それについても草稿の実態や手入れ時期の推定をもとに独自の考察を行って、新たな仮説を提唱しています。本章の後半では賢治の作品におけるいくつかのトピックを深く掘り下げ、ここでも多くの新たな知見を示しました。本書を貫く実証的で緻密な研究手法は、賢治が遺した厖大な草稿を分析する上で、今後の規範ともなるものであり宮沢賢治賞にふさわしいとし、選考しました。

イーハトーブ賞に移ります。

選考対象は14件、4件が2次選考に残り、1件が本賞に、2件が奨励賞に選出されました。

本賞の伊藤卓美氏は、1967年に初の個展を開いて以来、「宮沢賢治」と「民俗芸能」をライフワークとして、長年にわたり第一線で木版画を制作しています。宮沢賢治に関しては、その作品の一場面を印象的なテクストとともに取り出し、「歌留多」や「蔵書票」という形にして、人々の日々の暮らしの中に生きる版画を制作してきました。これは生活と芸術の一体化を目指した賢治の理想にも通じるものであり、また、東北を中心に各地の民俗芸能を独自に調査して制作した美しい版画作品は、伝承の貴重な記録ともなっています。最近は「東京江戸百景」というテーマで、広重以来の浮世絵の伝統を現代に引き継ぐ創作も積み重ねておられます。

以上のように、優れた木版画によって宮沢賢治の作品世界を表現し、賢治も愛した民俗芸能を記録してきた業績はイーハトーブ賞にふさわしいとし、選考しました。

奨励賞のアスィエ・サベル・モガッダム氏は、イラン在住の日本文学研究者で2回の日本留学の成果も踏まえて、2015年にペルシャ語翻訳版の宮沢賢治詩集を、2018年にはペルシャ語翻訳版の宮沢賢治童話集を、いずれもイランで初めて刊行しました。 サベル氏は「賢治の作品には、国境を越えて人の心から心へ伝わり、世界の人々をつなげる力がある。」と評価し、またその作品世界における人間と自然との交流に深く共感しつつ翻訳を行っています。また、サベル氏は在イラン日本国大使館附属日本人学校でも長らく教壇に立ち、現地在住の日本人にペルシャ語を教えることで、日本とイランの相互理解に貢献し、2023年には在イラン日本国大使館の表彰も受けておられます。このような優れた宮沢賢治の翻訳とイランと日本の親善に資する功績はイーハトーブ賞奨励賞にふさわしいとし、選考しました。

同じく奨励賞の海津研氏は、身近な生命や自然をテーマとして、温かく細密な絵画やイラストを多数制作しており、とりわけ宮沢賢治の童話や詩を題材とした創作に意欲的に取り組んでいます。中でも「なめとこ山の熊」や「セロ弾きのゴーシュ」など、人間と動物が心を通わせる情景の描写は魅力的で、「よだかの星」をモチーフとしたアニメーション「よたか」も独特の質感がある。一方、海津氏は沖縄のひめゆり平和祈念資料館で「アニメ ひめゆり」の原画制作を担当し、最近の同館リニューアルの中心となる大作も制作しました。2024年には国立ハンセン病資料館での企画展示にも参加するなど、社会的な活動にも積極的に携わっています。

以上のような宮沢賢治の作品に基づいた創作活動と、種々の社会的実践はイーハトーブ賞奨励賞にふさわしいとし、選考しました。

続けて、宮沢賢治学会イーハトーブセンター功労賞についてご説明いたします。

この賞は、宮沢賢治学会イーハトーブセンターが独自に贈賞しているものですが、今回は父の代に宮沢賢治から直接受けた農業指導を受け継いで、賢治の教えを現代に生かす農業実践を続けるとともに、石鳥谷町地域における賢治の顕彰活動の中心となって、その精神の普及に長年取り組んできた業績に対して、板垣寛様に贈賞することにいたしました。

選考経過およびその理由について。選考対象は8件。4件が2次選考に残り、1件に決定しました。

板垣寛氏は、花巻市石鳥谷町地域で、先祖代々農業に携わっています。父の板垣亮一氏が宮沢賢治から数回にわたって直々に農業指導を受けた縁を引き継いで、賢治の教えに従った肥料の配分や植栽方法を今に伝える農場を運営し、現在も毎年、陸羽一三二号の栽培を続けておられます。また、1994年の葛丸ダムにおける「葛丸」歌碑の建立や、2006年の「道の駅 石鳥谷」における「三月」詩碑の建立に際しては、中心となって活動し、石鳥谷農業伝承館の設立や、石鳥谷肥料相談所跡の説明板設置にも尽力されました。

以上のような賢治の精神を伝える農業実践や、長年にわたる賢治の顕彰活動は、宮沢賢治学会イーハトーブセンター功労賞を贈呈するにふさわしいということで判断いたしました。以上です。

項目8に関する質問

宮沢賢治賞とイーハトーブ賞の違いは。宮沢賢治賞の方は研究や評論で、イーハトーブ賞の方は創作や実践的な活動という捉え方でよいか。

【宮沢賢治学会イーハトーブセンター大沢代表理事】
簡単に言うと、宮沢賢治賞は研究、イーハトーブ賞は活動ということになりますが、もう少し詳しく言いますと、宮沢賢治賞の場合はここ3年以内の研究や創作に対してということになります。そしてイーハトーブ賞の方は活動だけではなくて、作品も含めたいろいろな活動、業績、それは3年以内に関わらずということで判断しております。

宮沢賢治賞奨励賞が該当なしということだが、その理由は。

【宮沢賢治学会イーハトーブセンター大沢代表理事】
選考の中で、何点か候補はあり、若い方の著書等もあったのですが、やはり研究上整備されたものではなかったので、今回は見送らせていただきました。

担当

総合政策部 広報情報課 広報係

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