【令和4年3月9日掲載】こだわりのコーヒー&キッシュ(MISSING PIECE)
桜町に新しいカフェがオープン!
新型コロナウイルス感染症の影響が少し落ち着きを見せていた2021年の年末、花巻市桜町に1軒の新しいカフェがオープンしました。自宅の1階部分で開業したカフェでは、こだわりのコーヒーとキッシュを楽しむことができると、オープンから2か月ほどしか経過していないにもかかわらず、連日多くのお客様の利用で大盛況です。
お店の名前は「MISSING PIECE」。コロナ禍で飲食業界が非常に厳しい状況にある中、お客様を笑顔にするため、日々奮闘しているお店を取材させていただきました。
カフェ開業への想い
カフェを開業した瀬川幸子さんは、福島県のご出身。高校卒業後は、全国チェーンのホテルでの勤務を経て、20歳ころから抱いてきた夢である「カフェの開店」を見据えて、23歳の時に上京します。上京後は、カルディコーヒーファームのカフェ部門に就職し、コーヒーの淹れ方や調理、接客などを学んでいました。その後、花巻市出身である旦那さんと共通の趣味を通じて出会い結婚し、瀬川さんは専業主婦となり、花巻へ移住してきました。
「最近では花巻にもカフェが少しずつ増えてきましたし、近隣では全国チェーンのカフェができたり、コンビニでもコーヒーを購入することができるようになったりと、コーヒーが身近な存在になってきたと感じます。10年ほど前に花巻に移住してきた当初はカフェが少なくて、『花巻の人はどこでコーヒーを飲むんだろう』と不思議に思っていました。」と語る瀬川さんは、花巻移住後に3人の子宝に恵まれますが、「いつかカフェを開きたい」という夢が胸の中には常にありました。
2016年からは、大手全国コーヒーチェーンであるスターバックスで働いていましたが、「地域の人にとっての憩いの場を作りたいという」思いが日に日に強くなり、2021年で退社。長年の夢であったカフェの開業に向けて動き始めます。
開業に向けて
会社を退職した瀬川さんはカフェの開業に向けた準備を始めますが、開業までは苦労の連続でした。
「子育てをしながら開業準備をするのが、こんなに大変だとは思ってもいませんでした。新型コロナウイルス感染症の影響で、海外から機械が入ってこず、オープンを予定より遅らせなければなりませんでした。また、メニューの試作、業者さんや金融機関との打ち合わせ、一人での営業に向けて『一度に多くの人が来た際のシミュレーション』といったオペレーションの見直しなど、やらなければならないことは山積みでしたが、その間にも子どもの学校の行事などがあったりと、『本当に開業できるのかな?』と不安に思うこともありました。」と語る瀬川さんですが、開業が間近に迫った11月の不思議な出会いが、カフェの開業を後押しします。
「市内のはんこ屋さんに名刺を作りに行った際に、ロゴやステッカー等の相談もしていたんですが、たまたま隣にいらっしゃったお客様から『新しいお店に必要なものを作るなら、市の補助金を使ったほうが良いよ』というアドバイスをいただきました。」という不思議な縁で、花巻市ビジネスインキュベータ内に設置している「ビジカフェはなまき」のコーディネーターに相談を持ち掛けました。
相談対応を行った花巻市起業化支援センターの片山コーディネーターは、花巻市の補助金である「企業競争力強化支援事業補助金」を紹介し、ロゴの作成等を提案したほか、開業に必要な書類作成や花巻市でキャンペーンを行っているPayPayの利用手続きなどを支援、カフェの開業に向けた準備を加速させていきます。片山コーディネーターは開業後の現在は経営指導等の支援を行う予定としているなど、アフターフォローにも余念がありません。
「MISSING PIECE」ってどんなお店なの?
冒頭にもお伝えした通り、MISSING PIECEは2021年の年末に開業と、開店からまだ2か月ほどしか経過していない非常にフレッシュなお店です。オーナーの瀬川幸子さんは、3人の子育てに奮闘しながら、仕込み、調理、接客を含めすべて一人で店を切り盛りしています。
当初からカフェを開く前提で設計・建築されたご自宅1階のカフェスペースは、木の温かみが特徴のおしゃれな雰囲気の店内となっています。「お客様がほっと落ち着くことができるような空間になるよう、床には無垢材を使用するなど木のぬくもりが感じられる内装にしました」と木やコーヒーの香りがあふれる店内には、カウンター席を2席、テーブル席を12席ほど設けてあります。
「ずっと前から『いつかカフェを開きたい』と夫にも子どもにも話していたので、快く応援してくれています。アクティブな私の活動を応援してくれる家族には感謝ですね」と、ご家族の理解も得ながらカフェの営業を行っています。
メニューには、こだわりのコーヒーや紅茶などの飲み物を扱っているほか、キッシュやパン、マフィン、クッキーなどの軽食も扱っています。フードメニューはマーガリンやショートニング、白砂糖を使わずに仕上げるなど、身体に優しい商品の提供を心がけています。「食品を購入する際は、成分表をしっかりと確認するんですが、『この成分や調味料等は本当に必要なものなのか?』というのを気にしていました。不要な成分等を使用せずに作れるのであれば、シンプルなものを作りたいという想いからフードメニューを作った結果、身体に優しい商品に仕上がっています。」と語るように、卵・バターを使用しないお菓子やグルテンフリーのお菓子など、お客様の身体を気遣った商品が数多く並んでいます。
なかでもおすすめのメニューは、コーヒーとキッシュ。
大手コーヒーチェーン店で働いていたことから、コーヒーに対しては並々ならぬこだわりをお持ちの瀬川さん。MISSING PIECEでは、花巻市太田にある「珈琲自家焙煎の店 猫リラ」から仕入れたコーヒー豆を使用していますが、「猫リラさんのコーヒー豆は種類の多さもさることながら、鮮度の良さが抜群です。コーヒー豆も農産物の一種ですから、鮮度が命なんです。」と語る瀬川さんのお店では、コーヒー豆は密閉保存して鮮度を保つ工夫を凝らしています。
また、「火入れをするだけでもコーヒー豆の酸化は進みますが、豆を挽くことで空気に触れる面積が大きくなり、さらに豆の酸化も進んでしまいます。手間はかかりますが、鮮度を保つために注文の度に豆を挽くようにしています。ドリップコーヒー、エスプレッソ、ディカフェ用でも求める風味が異なりますので、それぞれ異なるコーヒー豆を仕入れています。」と徹底したこだわりぶり。
さらに、高級豆としても知られるエチオピア産の「ゲイシャ」も他店と比べて安価に提供しており、「お客様から『こんなに安くて良いの?』と驚かれます」と瀬川さんは笑って教えてくださいましたが、ランチにサービスとして提供されるコーヒーも含め、店で使用するコーヒー豆はすべて風味豊かなスペシャリティコーヒーのみと、コーヒーに対する妥協は一切ありません。
コーヒー豆のみならず、機械にも深いこだわりがあります。「ラ・マルゾッコというイタリアのエスプレッソマシーンを導入していますが、北東北でこの機械を使用しているのはうちの店だけだと営業の方に言われました。」と語る希少な機械のほか、温度調整のできる電気ケトル、時間や抽出量を計測できるスケール(計量器)など、おいしいコーヒーを入れるため、機械にもこだわりぬいています。
取材当日はミャンマー産のドリップコーヒーをオススメしていただきました。「コーヒー豆はエチオピアやコロンビアなどが有名ですが、ミャンマー産のコーヒー豆も非常においしいです。今回仕入れたコーヒー豆は酸味とコクのバランスが抜群で、コーヒーが苦手な方でも飲みやすく感じることができると思います。サービスのコーヒーも含めて、お客様にはおいしいものを召し上がっていただきたいですね。」と、コーヒー好きな方であれば、瀬川さんとのコーヒー談議に花が咲きそうなほど、コーヒーに対する深い知識と愛情がMISSING PIECEの魅力です。
また、キッシュは日替わりで3種類ほどを準備されていますが、季節の食材を取り入れることを意識しているそうです。「キッシュは、卵や生クリームを混ぜたものにベーコンやチーズ、玉ねぎなどの具材を加えて、パイ生地やタルトの器に流し込んで焼き上げるフランスのロレーヌ地方の郷土料理ですが、ご自宅で作ることはめったにない料理かと思います。私も大好きな料理なんですが、特別感がある料理だからこそ、お客様にはおいしいものを召し上がっていただきたいと思い、地元である花巻の野菜や食材、季節の食材を取り入れるように工夫しています。」とこだわっているキッシュですが、早い日にはランチで完売することもあるとのこと。
「休日は家族連れの方が多いですが、一人でふらっと来店される男性の方もいらっしゃいます。最近はありがたいことに多くのお客様にお越しいただいており、お店の駐車場が満車で駐車できないということもあります。コーヒーやキッシュはテイクアウトも可能ですし、ご連絡いただければお取り置きや予約もできます。」とのことですので、お店に伺う際には事前の連絡をオススメします。
今後に向けて試作の日々
取材当日は、冬の寒さも緩み始めた2月末。気温も少しずつ上がり、道端の雪も解けつつある日の午後にお店に伺いました。
オープンしてから初めての春を迎えるMISSING PIECEですが、「季節の食材を使ったメニューを考えるのも楽しいですね。」と語る瀬川さんの手により、現在は春に向けたメニューを試作中です。「春限定のドリップコーヒーを検討していますし、春ということでイチゴを使用したメニューを考えています。ストロベリーラテなんか面白そうですよね。夏に向けてフラッペも出したいです。」と、瀬川さんの頭の中にはすでに、様々なメニューの案が次々と思い浮かんでいるようです。
「花巻市では新型コロナウイルス感染症の対策として様々な支援策を実施していただいていますが、PayPayの利用登録の際に「花巻のPayPayキャンペーンは利用者数が多い」と営業の方から伺っていますので、今回のキャンペーンには非常に期待しています」と瀬川さんが語る「第5弾がんばれ花巻!対象のお店で最大20パーセント戻ってくるPayPayキャンペーン」は、3月1日から31日までの1か月間で実施されています。
「MISSING PIECE」という店名は、「足りないカケラ」という意味だそうです。
「一人でゆっくり過ごしたい、ご褒美においしいものを食べたい、友達とおしゃべりをしたい、コーヒーを飲みながら本を読みたいなど、お客様がお店に来る理由は様々かと思います。お客様の日常の中で『何か足りない』と感じている部分があるならば、『この店にお越しいただくことで、お客様の足りないと感じている部分を埋められるような場所にしたい』という想いで、この店名にしました。また、お店としてもお客様がいらっしゃって初めて、足りないカケラが埋まって完成するものだと思います。来店された方が安心できるような店を目指して行きたいです。」と語る瀬川さんは、春の訪れとお客様の来店を心待ちにしています。
店舗情報
MISSING PIECE
住所:花巻市桜町1丁目391-6
電話番号:0198-41-3241
営業時間
火曜:午前11時から午後3時
水曜から土曜:午前11時から午後5時
定休日:日曜、月曜
注)営業日、営業時間等は変更となる場合がありますので、お店のインスタグラムページでご確認ください。
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