【令和6年12月4日掲載】工業製品の地産地消を考えたコラボヘッドホン(アツデン株式会社)
アツデン株式会社ってどんな会社なの?
1952年(昭和27年)に日本圧電気株式会社として設立し、2024年(令和6年)で創業72年目になる「音響機器メーカー」です。
本社は、東京都三鷹市にあり、製造工場は花巻市石鳥谷町にあります。
レコードピックアップ部の部品供給から創業し、のちにアマチュア無線・各種オーディオ機器受託製造など、一貫して「音と無線の技術」を蓄積してきました。
「製造業ではなく、創造業」として常に、半歩先を見据え世にないものを自ら作ってきました。現在も大手オーディオ機器メーカー様へのOEM製造供給をはじめ、業務用マイクロホンで世界的に定評のある自社ブランドを開発・製造・販売しております。
信頼できる音づくり、ものづくりを掲げ、メイドインジャパンにこだわり、今後もお客様の感性に訴えかける製品を世界へ発信し続けていきます。
モニター用ヘッドホンとは?
モニター用ヘッドホンは、音の正確な再現と詳細なモニタリングを必要とするプロフェッショナルな音響作業に欠かせないヘッドホンです。
低音域から中音域・高音域に渡ってフラットな周波数特性と高い解像度、原音に忠実な音質を特徴とするため、音楽制作や放送業務などで非常に重要な役割を果たしています。
なぜ、えふえむ花巻とモニター用ヘッドホンの商品企画が始まったのか。
アツデン株式会社は、2024年1月からえふえむ花巻で毎週金曜日16時40分から12分間(再放送は翌週水曜日12時)の「アツデン至高の音を求めて」という番組を放送しております。
アツデン株式会社事業統括部長の白田正敏さんが初回の収録でスタジオ入りした時、モニター用ヘッドホンに目を奪われました。そのモニター用ヘッドホンは、アツデン株式会社がある得意先から受託生産しているヘッドホンだったからです。
白田さんがえふえむ花巻局長の落合さんに、なぜこのヘッドホンを使用しているか聞いたところ、当初は花巻市から支給されたヘッドホンだったそうです。もちろん、アツデン株式会社が生産していることを知らなかったそうです。そして、ヘッドホンが劣化して新しく購入することになったとき、局内でアンケートを取った結果、ヘッドホンの音質が良いという理由で購入したことを聞きました。
そこで、白田さんはヘッドホンの音質を褒めていただけたことに感動して、落合さんにラジオ局に特化したモニター用ヘッドホンの商品開発を提案したことがこの商品の始まりになります。
ラジオ局に特化したモニター用ヘッドホンの商品開発への挑戦
今回の商品企画の論点は、ラジオ局に特化したモニター用ヘッドホンです。ラジオ局では、ラジオパーソナリティやオーディオエンジニアがヘッドホンを使用します。
まずは、「ラジオパーソナリティやオーディオエンジニアが求めるヘッドホンとはなにか」をヒアリングしました。
そして、以下の意見をいただきました。
- 「生の音」をそのまま再生してくれること。「人間の声」に強いことが大切
- 長い時間の番組もあるため、長時間使っても疲れない軽量の物
- 毎日のように利用され、使用頻度が高いため、耐久性も重要
- 長時間の使い心地向上のため、パッドも重要
この貴重なご意見を基にアツデン株式会社でサンプルヘッドホンを3つ作製しました。実際にサンプルヘッドホンを数か月間ラジオパーソナリティやオーディオエンジニアの変数などで使用していただき、評価し3つの中から1つを選定しました。
選んだ理由は、低域強めのラジオに適しているとの意見が多かったです。また、えふえむ花巻に収録で来たミュージシャンがサンプルヘッドホンを使用して自分の曲を聞いたとき、とてもよく聞こえたためすぐに買いたいと言われたそうです。
通常であれば選定したサンプルヘッドホンの音質で量産化するプロセスになりますが、今回はさらに音質にこだわりたく、本社から技術部を花巻に呼んで商品開発会議を実施しました。その会議を公開商品開発会議として7月の番組で流すラジオ番組として日本で初めて試みました。
商品開発会議では、さらにブラッシュアップしたサンプルヘッドホンを落合さんに使用してもらいながら、さらなる改善点を指摘してもらいました。
ラジオパーソナリティは、生の音を再生するヘッドホンを求めているため、サンプルヘッドホンのどの辺りの音が生の音と違って聞こえるのか詳細に説明してもらいました。
まだ、足りなかった生の音は、「吐息」でした。
はぁ~。という音の正確な再現ができていなことが判明しました。
この吐息の生の音を再現させることで、ラジオ局に特化したモニター用ヘッドホンになると確信しました。
デザインもこだわりました。デザインのコンセプトは以下のとおりです。
【カラー】
アツデン株式会社のコーポレートカラーのブルーとえふえむ花巻のカラーのオレンジ、花巻市の市章であるブルーとオレンジを融合したデザインになります。
本体の色は、メイドインジャパン、メイドイン花巻を伝播するため、日本の伝統色であり、岩手の伝統工芸品である南部鉄器の色味に似ていることを理由に「鉄紺」を選定しました。
【ロゴ・デザイン】
ロゴを「78.7」とすることで、見た人が「なにの数字?どんな意味?」と想像力を掻き立て検索を促したい思いが込めています。
そして、発見した喜びと「78.7」の数字がラジオのMHzだと知ることで、えふえむ花巻のリスナーの潜在顧客候補へ誘導したいと考えました。
老若男女問わず幅広い年齢層にも受け入れられるデザインを意識しています。
【ヘッドパッド・イヤーパッド】
アニマルフリーで環境にも配慮したシンセティックレザーを選定しました。
アニマルフリーとは? |
動物由来の成分を含まない素材のことを指します。ファッションの世界で使われる動物性素材には、毛皮や羽毛、皮革などがあり、 動物性素材の製品を作るために多くの動物が犠牲になってきました。
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シンセティックレザーとは? |
見た目も肌触りもプロにも判断できないほど精巧に作られた人工皮革です。本革のような経年劣化がないうえに、耐久性にも優れた素材ですので、 見た目の美しさが持続してお手入れも楽です。 |
【外観塗料】
塗膜の劣化・軟化に対して耐久性に優れている塗料を使用しました。
ファインテクスチャー(滑らかさ・上質な表面)を追求することで、しっとりした柔らかい触り心地を実現しました。
工業製品の地産地消ってなに?
地産地消と聞くと、地域で生産された農作物や食品をその地域内で消費すると思われる方が多いと思います。なぜ工業製品の地産が少ないのか。それは、生産拠点を海外の工場としている会社が多いからです。アツデン株式会社は、花巻市石鳥谷町に工場があります。
そして、アツデン製品や受託製品は、この花巻の工場ですべて生産しています。花巻の工場で作ったヘッドホンをえふえむ花巻のスタジオで使用することは、工業製品の地産地消になると考えています。
しかし、この工業製品の地産地消運動は、企業だけでは厳しく行政の協力がなくては成立できません。えふえむ花巻と協同商品開発したヘッドホンを花巻市内の学校や公共施設などで使用することで工業製品の地産地消になります。そして、花巻市民に地元企業の製品を知ってもらう機会の提供になります。
もしかしたら、製品を気に入って就職する人もいるかもしれません。これは、アツデン株式会社だけでなく、花巻市内企業にも工業製品の地産地消運動に賛同いただきながら、地元花巻で消費できる仕組みを作りたいと考えています。結果、地域活性化と企業の発展にも貢献できると思っております。
ふるさと納税の返礼品になりました!
ふるさと納税の返礼品に会議用ヘッドセット(花巻市限定モデル)を作製しました。
ヘッドセットには、花巻市のゆるキャラ「フラワーロールちゃん」をデザインしております。
- 通信専用に開発されたユニットを採用し、中音域を重視した音声に特化した高音質モデルです。
- 人間工学に基づき設計され、安定した装着感で長時間使用にも疲れにくいオーバヘッドタイプです。
- アジャスターで使いやすい長さに調節できるヘッドバンドを採用しています。
- 周囲の雑音を拾いにくい、高性能マイクを採用しています。
- マイクを最適な位置に調整できるフレキシブルアームを採用しています。
- Φ3.5ミリメートル4極ミニプラグを搭載し、スマートフォンやタブレットPCでもそのまま使用できます。
企業情報
工場住所:〒028-3171 花巻市石鳥谷町中寺林7-106-1
電話:0198-45-3611
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