【令和5年7月10日掲載】子どもたちの居場所づくりを(ほめのばフリースクール)

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ページ番号1018729  更新日 令和5年7月10日

花巻市内にフリースクールが開設!

皆さまは「フリースクール」をご存知でしょうか。フリースクールとは、何らかの理由で学校に行くことが難しくなってしまった子どもたちが、他の同年代の子どもたちと交流を行いながら、自身が興味を持つ分野について自由に学ぶことができる民間の施設のことをいいます。

文部科学省が公表している統計(令和3年度)によると、何らかの理由で学校に行くことが難しくなってしまった子ども(小中学生)は全国で約24万人、岩手県でも約1,700人おり、多くの子どもたちが自分の居場所を見つけることができずに悩んでいます。

今回は、こうした子どもたちの居場所を提供するため、昨年6月に新たに開設されたフリースクールである「ほめのばフリースクール」を取材させていただきましたのでご紹介します。

ほめのばフリースクール外観

ほめのばフリースクールについて

ほめのばフリースクールは、花巻市内を拠点に活動する「NPO法人はなのば」によって、令和4年6月に開設されました。ほめのばフリースクールの代表を務める小國奎馬さんは大迫町のご出身で、自身が経営する学習塾を通じて多くの子どもたちやその親と関わる中で、不登校で苦しむ子どもや不登校を経験している子どもの親の実態を知り、「子どもたちの居場所を作ってあげたい」という想いから、フリースクールの開設を考えるようになります。

「NPO法人はなのば」には小國代表のほか、自身の子どもが不登校の経験のある方や、元教員で不登校の生徒と関わってこられた方など、それぞれの立場の中でフリースクールの必要性を目の当たりしてきた方が在籍されています。ほめのばフリースクールは、このような「子どもたちの居場所を作ってあげたい」という方々の強い想いが集まって設立されました。

近年、企業活動や教育現場など様々な場面でウェルビーイング(Well-being)という言葉が注目を集めています。ウェルビーイングとは、Well(よい)とBeing(状態)を組み合わせた言葉で、個人の権利や自己実現が保証され、心身共に満たされている状態であるという概念のことをいいます。教育現場においても、「子どもたちが安定した生活環境を持ち、希望や夢への期待を持って生活できている状態=健康で安定した生活を実現できている状態」であることが重要とされています。このような中、学校へ行くことが難しくなってしまった子どもたちのウェルビーイングを実現するためには、ほめのばフリースクールのようなフリースクールの存在が必要不可欠です。

小國代表は「ほめのばフリースクールがこれからの社会を担う子どもの居場所となるとともに、教育現場と共同して子どもたちの成長を促すことで、地域・社会に貢献していきたい」と力強く話されます。

ほめのばフリースクール 小國代表
ほめのばフリースクールの小國代表

フリースクールではどんなことをしているの?

ほめのばフリースクールでは子どもたちの自主性を尊重し、自ら興味を持ったことを積極的に取り組むことを重視しています。勉強や運動はもちろんのこと、ICTを活用した交流(プログラミング、eスポーツ、動画制作等)や地域との交流(高齢者との交流や農業体験等)など、その活動内容は多岐に渡ります。取材時にフリースクールへ来ていた子どもたちは、教育版マインクラフトを通じて、みんなで積極的にコミュニケーションをとりながら、自身の創造する空間づくりを楽しんでいました。

(※)教育版マインクラフトとは・・・人気ゲーム「マインクラフト」が学校の授業用にカスタマイズされたもので、子どもたちが自由な発想力を使いながら創造的なアイデアを開発できるように設計された、楽しくて効果的な教育ツール。それぞれのパソコンから同じ空間に入り込むことができ、プレイヤーである子どもたちはその中で、石や土、木や鉄などさまざまなブロックを組み立てたり壊したりして、自由なものづくりや冒険を楽しむことができます。

フリースクール内のパソコンは、ほめのばフリースクールの取り組みを支援する市内企業から無償で提供されたパソコンを活用されているとのことです。中には体験活動の一環として、パソコンを自ら修理して使うこともあるそうです。企業活動においてもウェルビーイングが注目される中、市内企業でもウェルビーイングの実現に向け、教育活動等への支援といった取り組みが進められています。

ほめのばフリースクールの様子(1)
市内企業から無償提供されたパソコンを子どもたちが自ら修理して活用します
フリースクールの様子(2)
教育版マインクラフトを通じて積極的なコミュニケーションが図られています
フリースクールの様子(3)
子どもたちは綺麗な施設の中で、自ら興味を持ったことに取り組むことができます

フリースクールに通う子どもたちからは、「楽しく友達と話せているので来てよかった。」「毎週参加していて、変わったことは、外に出たいと思えるようになったこと。週1~3日、自転車で散策するようになった。」など、ほめのばフリースクールに通うことで自分が変わり始めたことを実感する声を聞くことができました。

また、子どもたちの親からも「自分で進んで準備をするようになった。親として特に嬉しかったのが、ご飯をたくさん食べるようになったことです。これからも元気で過ごしてほしいです。」「花巻にこのような居場所があるのは知らなかった。悩んでいるのは自分だけではないと知って安心した。」など、多くの喜びの声が寄せられています。

小國代表は、「フリースクールで一番大切にしていることは社会的自立です。科目の勉強ができることも大切ですが、それだけでは社会的自立には繋がりません。フリースクールを通じて、コミュニケーション能力や自分が成長して大人になった時の「生きがい」を見つけて、社会的に自立する力を身につけて欲しいと思います。」と力強くお話しされます。

今後の展望について

今後の展望をお伺いしたところ、「今後はフリースクール事業を展開しつつ、小学生・中学生のみならず、高校生も含めた居場所づくりの活動をしていきたいと思っています。特に高校生に関しては、卒業後のキャリアサポートが必須となるので、各支援団体との連携も幅広く図りながら、フリースクール事業を拡大させていきたいです。さらに、社会で働くことに不安を抱える若者の就労支援を行うなど、若い力を社会の担い手として成長させることで、人手不足に悩む市内企業へ就職も斡旋していきたいと考えています。」とさらなる事業拡大に意欲を見せます。

その第一歩として、将来的には通信制高校の開校も検討されています。「高校卒業資格を取得できるようにし、働くための力を身に着けることで、卒業生が市内企業へ就業できるよう支援していきたいです。そのためには、教育機関だけでなく、市や学校、保護者など地域社会へ広く周知を行い、賛同してくれる大人たちと共に子どもたちに自立する力を身につけてもらえるよう支援していきたいです。」と力強く語ってくださいました。

子どもたちの支援はもちろんのこと、人口減少等によって市内企業の人手不足が聞かれる中、ほめのばフリースクールのさらなる活動が期待されます。

施設情報

ほめのばフリースクール(特定非営利活動法人はなのば)

住所:花巻市桜台2丁目27-14(ほめのば学習塾内)

電話番号:080-5866-2389(代表:小國 奎馬)

開校日:毎週火曜日・金曜日 午前10時から午後0時、午後1時から午後3時

毎週木曜日 午前10時から午後0時

※その他、詳細については直接お問合せください。

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