【令和5年3月1日掲載】花巻産の厳選素材を使用したジェラート(森のジェラート・ポエーマ)
花巻南温泉峡入口にジェラート店がオープン
令和5年(2023年)1月2日、首都圏から移住したご夫婦が、花巻南温泉峡の入口にジェラート店『森のジェラート・ポエーマ』を開店しました。洋風建築の店舗兼住宅で、ひときわ目を引く色鮮やかなグリーンの外観が特徴的であり、花巻産をメインとした季節の野菜・果物などを豊富に使用したジェラート、冬季限定のアップルパイを販売しています。
手作りで温かみのある木製のテーブルや椅子、金子夫妻の持つほっこりとした癒しの雰囲気はまさに『森のジェラート屋』、そんなお店を取材させていただきましたのでご紹介します。
開店までの道のりその1~花巻への移住~
店主の金子二郎さんは神奈川県横浜市生まれ。当時、横浜と千葉を結んでいたフェリーの波止場近くで営業していたパン屋で育ちました。そこで、たくさんのお客様に恵まれ、順調に店舗経営している両親の姿を見て、「将来は自分のお店を持ちたい」という夢をいだきました。
首都圏で高等専門学校の教諭などをされていましたが、奥様の実家の事情で岩手に移住を検討する際、幼いころからの夢をかなえるため、店舗付きの住宅物件を探されたそうです。ご自身の目で見て歩く中で、「花巻南温泉峡の入口というロケーションの良さや建物の外観」に惹かれ、現在の物件を購入し、令和元年(2019年)4月に花巻へ移住しました。
開店までの道のりその2~花巻への移住後~
移住後は、前職の経験を活かしつつ盛岡の特別支援学校に勤務しながら、定年後どのようなお店をやろうかずっと考えていたそうです。特別支援学校に勤めている中で、「自分のお店を持つなら特別支援学校を卒業した生徒の働き口となるような店にしたい」という想いを持ち、比較的誰もが作業しやすいジェラート店に目をつけ、県内を中心として隣県などのジェラートを食べ歩いた結果、誰もが好きで、苦手な人があまりいないという魅力を再確認し、ジェラート店の開業を志しました。
令和4年(2022年)6月に特別支援学校を退職し、開店までの準備を進めることとなりますが、その準備にあたっては、市の創業支援拠点『ビジカフェはなまき』へ相談したとのこと。初めは何から手を付けていいかわからない状況だったそうですが、専門のコーディネーターをはじめとした関係機関の方が寄り添い、しっかりとサポート。製造機器の購入経費に国の『小規模事業者持続化補助金』を活用するための申請書類作成や保健所の営業許可申請の手続き確認、交通量調査などのマーケティングに関するアドバイスなど、開店にかかる様々な課題解決や負担の軽減を図ることができ、金子さんは「色々な方に助けられて開店することができた」と大変感謝していました。
花巻産の農産物をジェラートとして全国へ発信
ジェラートは、花巻産の牛乳ベースに、ブルーベリー・かぼちゃ・いちご・よもぎみるく・ラムレーズン・黒ゴマ味など、花巻産をメインとした野菜や果物のフレーバーを季節に応じて提供するほか、子供から喜ばれる定番の濃厚みるく・チョコ・クリームチーズ味や甘さの苦手な方からのリクエストへ応えるための紅茶味など、豊富な種類を取り揃えています。また、製造機器は県内では数少ないこだわりのものを使用しており、滑らかな口当たりを楽しむことができます。
使用している野菜や果物は金子さんが厳選。ご自身で市内産直をまわり、気に入った品物の生産者へ直接連絡を取り、仕入れに関して交渉しているそうです。金子さんのフットワークの軽さに驚かされるとともに、地元のものを大切に使い美味しいジェラートを作りたいという強い気持ちが感じられます。
今では生産者との深いつながりを持つことができ、「みなさん親切でありがたい」と金子さんが語る一方、生産者から「自分が生産した農産物が、ジェラートとして幅広い方に食べてもらうことができてうれしい」という声も多くいただいているそうです。お店を訪れるお客様は温泉の宿泊者も多く、全国各地の方が花巻の農産物に触れられる機会となることが期待されます。
このジェラートのほか、冬季限定でアップルパイも販売しています。金子さんの実家のパン屋で作られていたものを再現したもので、昔ながらの優しい甘さが特徴的。数量限定のため早いときは開店1時間で売り切れてしまうこともあるとか。
改めて、この季節おすすめのジェラートの味を伺うと「全ておすすめできるが、3月はいちごが旬で特におすすめ」と語っていました。
店名‘森のジェラート・ポエーマ’に込められた想い
ポエーマという言葉はイタリア語で『詩』を意味します。店内の壁やテーブルにも詩やエッセイを飾り、「詩のように人々の生活に寄り添い元気と笑顔を与える」、そんな想いをこめて、『ポエーマ』という店名を名付けました。
店内のテーブルや椅子は、金子さんの手作り。温かみのある木材を使用していることのほか、全て丸みを持たせています。これは「子供を含め誰でも安全に」という考えからのもので、金子さんの心の温かさが伺えます。
くまのクッキーのトッピングも特徴的です。全部で計4種類あり、奥様考案でそれぞれに意味を持たせています。このくまも『森のジェラート屋』としてのアクセントとなっています(実際に店の近くに熊が出没することも結構あるらしい・・・)。
今後の展望
現在は、金子さん夫婦のみで営業されている『森のジャラート・ポエーマ』。ジェラート店を選んだ一番のポイントとなった「特別支援学校の卒業生の働き口を作りたい」という想いは変わらず、令和5年(2023年)の4月からは1人従業員として雇用することを検討されています。
今後はさらに、首都圏でのジェラート販売も視野に入れ、製造量が増えたら雇用も増やしたいという想いも抱いています。特別支援学校に勤務していた経験のある金子さんならではのアイディアで、特別支援学校の卒業生が、地域とともに生き生きと働き暮らしていく場としても期待が高まります。
店舗情報
森のジェラート・ポエーマ
住所:花巻市湯口字鳥谷32-5
電話番号:0198-41-5465
営業時間:午前9時30分から午後5時
定休日:火曜、水曜
駐車場:8台あり
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