花巻の遺跡(30)「花巻城跡」その6を紹介します
花巻の遺跡紹介(30) 花巻城跡その6
遺跡の概要
所在地
花巻市城内・花城町・仲町

時代
縄文・中世・近世
出土遺物
縄文土器・石器・陶磁器・瓦・金属製品・木製品
出土遺構
堀・土塁・石垣・掘立柱建物跡・溝跡・井戸等
報告書
- 花巻市埋蔵文化財調査報告書(旧花巻市)
第6・14・16~18・23・25・27・29・31・33・35集 - 花巻市埋蔵文化財調査報告書(合併後)
第9・13・14・18・19・21・24・26・27集

解説
花巻城跡(はなまきじょうあと)の発掘調査(はっくつちょうさ)では屋根瓦(やねがわら)が多く出土(しゅつど)しています。この瓦(かわら)は「燻瓦(いぶしがわら)」と呼(よ)ばれる銀色(ぎんいろ)から灰色(はいいろ)の色合(いろあ)いを持(も)つ瓦です。瓦を作る最終工程(さいしゅうこうてい)で燻(いぶ)すため色付(いろづ)き、名前もここに由来(ゆらい)しています。
燻瓦は、御殿(ごてん)が建(た)っていた本丸(ほんまる)から丸瓦(まるがわら)・平瓦(ひらがわら)・軒丸瓦(のきまるがわら)、行政施設等(ぎょうせいしせつとう)が集中していた二之丸(にのまる)からは丸瓦・平瓦が見つかっています。武家屋敷(ぶけやしき)が並んでいた三之丸(さんのまる)では、丸瓦・平瓦・軒丸瓦・桟瓦(さんがわら)が見つかっています。
本丸から三之丸までの範囲(はんい)で、燻瓦が見つかっていますが出土量(しゅつどりょう)は、あまり多くありません。そのため、ある限(かぎ)られた建物(たてもの)か、あるいは建物の一部分(いちぶぶん)のみに葺(ふ)かれていた可能性(かのうせい)が考えられます。
本丸で行われた内容確認調査(ないようかくにんちょうさ)で、丸瓦と平瓦の破片(はへん)が出土しました。丸瓦と平瓦を交互(こうご)に組(く)み合(あ)わせて葺く方法を「本瓦葺(ほんがわらぶき)」といい、城(しろ)や寺社(じしゃ)の屋根に見られます。このことから、本丸あるいは周辺施設(しゅうへんしせつ)に本瓦葺の建物が在ったと考えられます。しかし、瓦の出土量が少ないため、本丸御殿(ほんまるごてん)が本瓦葺であったかは今も分かっていません。
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このページに関するお問い合わせ
花巻市総合文化財センター
〒028-3203 岩手県花巻市大迫町大迫第3地割39番地1
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