花巻の遺跡「安堵屋敷遺跡」その2
花巻の遺跡紹介(17) 安堵屋敷遺跡その2
遺跡の概要
所在地
花巻市石鳥谷町五大堂第15地割
時代
縄文時代 晩期
出土遺物
縄文土器・土偶・土製品・石器
出土遺構
住居跡・埋設土器・ピット・炉跡状遺構・遺物包含層
報告書
- 岩手県埋文センター文化財調査報告書第74集
- 安堵屋敷遺跡発掘調査報告書
- 添市川筋河川改良事業関連遺跡発掘調査
(昭和58年度)

解説
安堵屋敷遺跡(あんどやしきいせき)で発見された遺構は、縄文時代晩期(じょうもんじだいばんき)(約3,000~2,300年前)の住居跡2棟、炉跡状遺構(ろあとじょういこう)1基、ピット5基、埋設土器(まいせつどき)5基、遺物包含層(いぶつほうがんそう)です。
2棟の住居跡は、ほぼ同じ位置で上下に重なるように見つかりました。上位の住居跡(BJ54-1住居跡)は、壁が失われており、大きさや形状ははっきりしませんが、貼床(はりゆか)(住居の床を平らにするために貼った土)の範囲からみて、直径3.5メートル前後の規模の円形と見られます。中央には石囲炉(いしがこいろ)が作られています。下位の住居跡(BJ54-2住居跡)は、直径が2.8~3.3メートルの円形で深さは10~20センチメートルです。中央には石囲炉が作らています。この住居に貼床は見られませんでした。
このように、発見された住居跡はわずか2棟ですが、大量の土器が見つかっていることから、調査を行った範囲の外側に集落が広がっていたのではないかと推測されます。


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