花巻の遺跡(38)「上好地遺跡」を紹介します
花巻の遺跡紹介(38) 上好地遺跡
遺跡の概要
所在地
花巻市石鳥谷町好地第12地割
時代
縄文・弥生・平安
出土遺物
縄文土器・石器・弥生土器・土師器・須恵器
出土遺構
竪穴住居跡・竪穴状遺構・土坑・陥し穴・溝跡
報告書
○石鳥谷文化財発掘調査報告書第5集
石鳥谷町上好地遺跡発掘調査報告書-平成13年度-

解説
上好地(かみこうち)遺跡は花巻市石鳥谷町(いしどりやちょう)好地にあり、JR東北本線(とうほくほんせん)石鳥谷駅の北東約3.1kmに位置しています。標高(ひょうこう)は約96mで、北上川西岸(きたかみがわせいがん)の中位段丘面(ちゅういだんきゅうめん)上に立地(りっち)しています。
本遺跡(ほんいせき)は平成13年に工場の建設(けんせつ)に先立(さきだ)ち発掘調査(はっくつちょうさ)が行われました。その結果、縄文時代後期後葉(じょうもんじだいこうきこうよう)(約3,500~3,000年前)の竪穴住居跡(たてあなじゅうきょあと)1棟(とう)と縄文時代の陥(おと)し穴(あな)が17基(き)見つかり、縄文土器や石器が出土しました。また、平安(へいあん)時代(約1200~1100年前)の竪穴住居跡6棟と土師器(はじき)や須恵器(すえき)などの遺物(いぶつ)が見つかりました。調査区内(ちょうさくない)からは、他にも縄文時代前期(ぜんき)・晩期(ばんき)・弥生(やよい)時代の土器片も見つかっているため、この時代にも何らかの生活が営(いとな)まれていたことは間違いありません。
このように本遺跡は、縄文時代には主に狩(か)り場(ば)として利用され、平安時代になると生活の場となるなど、長きに渡(わた)って利用されていたと思われます。

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