花巻の遺跡(39)「大地渡遺跡」を紹介します
花巻の遺跡紹介(39) 大地渡遺跡
遺跡の概要
所在地
花巻市石鳥谷町大瀬川第5・7・11地割
時代
縄文・平安・近世
出土遺物
縄文土器・土師器・須恵器・石器・石製品・斧状土製品・堅果類・古銭
出土遺構
竪穴住居跡・溝状遺構・遺物包含層・墳墓跡
報告書
○岩手県文化財調査報告書第56集
東北縦貫自動車道関係埋蔵文化財調査報告書-7-

解説
大地地(おおちわたり)渡遺跡は花巻市石鳥谷町大瀬川(いしどりやちょうおおせがわ)にあり、JR東北本線(とうほくほんせん)石鳥谷駅の北西約4.5kmに位置しています。標高(ひょうこう)は約148mで、低位段丘面(ていいだんきゅうめん)上の南縁近くに立地(りっち)し、遺跡の南側には葛丸川(くずまるがわ)が南東に向かって流れています。
本遺跡(ほんいせき)は昭和49年に東北縦貫自動車道建設(とうほくじゅうかんじどうしゃどうけんせつ)に伴(ともな)い、岩手県教育委員会(いわてけんきょういくいいんかい)による発掘調査(はっくつちょうさ)が行われ、主に縄文時代中期(じょうもんじだいちゅうき)(約5,000~4,000年前)の竪穴住居跡(たてあなじゅうきょあと)が10棟(とう)、捨(す)て場(ば)と見られる遺物包含層(いぶつほうがんそう)、縄文土器や石器などが見つかりましたまた、平安(へいあん)時代(約1200~800年前)の竪穴住居跡2棟と土師器(はじき)や須恵器(すえき)などの遺物(いぶつ)が見つかりました。
縄文時代の遺構(いこう)については、中央の広場(ひろば)を囲(かこ)むように住居群が孤状(こじょう)に配置(はいち)され、集落の西側と南側には遺物の捨て場を設(もう)けた集落の構成(こうせい)となっています。これは、同時期(どうじき)の代表的(だいひょうてき)な環状集落(かんじょうしゅうらく)として知られる紫波(しわ)町の西田(にしだ)遺跡と似ており、縄文時代中期の集落を知る上で重要(じゅうよう)な遺跡です。

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