花巻の遺跡(41)「大曲遺跡」を紹介します

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ページ番号1023181  更新日 令和7年3月4日

花巻の遺跡紹介(41) 大曲遺跡

遺跡の概要

所在地

花巻市石鳥谷町戸塚第9・11地割

時代

縄文・平安

出土遺物

縄文土器・土師器・須恵器・刀子・鉄製品・石器

出土遺構

竪穴建物跡・土坑・陥し穴・焼土遺構

報告書

○岩手県文化財調査報告書第34集
『東北新幹線関係埋蔵文化財調査報告書2』
○岩手県文化財調査報告書第120集
『岩手県内遺跡発掘調査報告書(平成16年度)』
○岩手県文化振興事業団埋蔵文化財調査報告書第505集
『平成18年度発掘調査報告書』

遺跡範囲です
遺跡範囲

解説

大曲遺跡(おおまがりいせき)は、花巻市石鳥谷町戸塚(はなまきしいしどりやちょうとづか)にあり、JR東北本線石鳥谷駅(とうほくほんせんいしどりやえき)から南東(なんとう)約3.8キロメートルに位置しています。標高は約92mで、稗貫川右岸(ひえぬきがわうがん)に形成(けいせい)された低位段丘上(ていいだんきゅうじょう)の微高地(びこうち)に立地(りっち)しています。
本遺跡の調査は、昭和49年に東北新幹線(とうほくしんかんせん)の建設(けんせつ)に伴(ともな)う調査、平成17・18年に圃場整備(ほじょうせいび)に伴う試掘(しくつ)及び発掘(はっくつ)調査が岩手県教育委員会や岩手県埋蔵文化財センターによって行われました。
昭和49年に行われた調査では、平安時代(へいあんじだい)(9世紀代)の竪穴建物跡(たてあなたてものあと)1棟(とう)や土師器(はじき)の甕(かめ)や坏(つき)が出土しています。特徴的(とくちょうてき)な出土遺物(しゅつどいぶつ)として、底部裏(ていぶうら)に網代状(あじろじょう)の敷物(しきもの)の圧痕(あっこん)が残(のこ)る土師器坏があります。ロクロで成形(せいけい)した坏の形状や大きさを模(も)して、手づくねで作られたものです。
その後、平成18年に遺跡東側で行われた調査では、縄文時代の溝状(みぞじょう)の陥(おと)し穴1基(き)、平安時代(9世紀後半~10世紀初頭)の竪穴建物跡1棟、土師器の甕や坏、須恵器(すえき)の甕、刀子(とうす)などが見つかりました。
これらの調査成果から、本遺跡は縄文時代には狩(か)り場(ば)として、平安時代には集落(しゅうらく)として利用(りよう)された複合(ふくごう)遺跡と考えられます。

竪穴建物跡全景写真(1974年調査)
竪穴建物跡全景写真(1974年調査) 岩手県画像提供

大曲遺跡シート1-1

大曲遺跡シート1-2

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