花巻の遺跡(26)「花巻城跡」その2を紹介します

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ページ番号1017051  更新日 令和4年8月2日

花巻の遺跡紹介(26) 花巻城跡その2

遺跡の概要

所在地

花巻市城内・花城町・仲町

花巻城跡の遺跡範囲です
花巻城跡遺跡範囲

花巻城跡(はなまきじょうあと)は中世(ちゅうせい)~近世(きんせい)の花巻(はなまき)を語(かた)る上で欠(か)くことのできない貴重(きちょう)な遺跡(いせき)です。これまで、住宅建設(じゅうたくけんせつ)や内容確認(ないようかくにん)に伴(ともな)う発掘調査(はっくつちょうさ)が31回行われており、また堀跡(ほりあと)の規模等(きぼとう)を探(さぐ)るために地中(ちちゅう)のレーダー探査(たんさ)を6回実施(じっし)しています。この他に開発前(かいはつまえ)の試掘調査(しくつちょうさ)や立会(たちあい)などでも遺構(いこう)や遺物(いぶつ)が見つかっています。

今回は、本丸跡(ほんまるあと)の調査内容(ちょうさないよう)について紹介(しょうかい)します。

本丸御殿の土台跡です
本丸御殿の土台跡(令和3年度調査)

解説

本丸跡(ほんまるあと)は城内(じょうない)の北端(ほくたん)に位置し、東西(とうざい)約190m×南北(なんぼく)約90mの規模(きぼ)で、西側には土橋(どばし)で連結(れんけつ)した馬出(うまだし)と呼ばれる小規模(しょうきぼ)な曲輪(くるわ)が付属(ふぞく)しています。本丸内には藩主(はんしゅ)の御成(おなり)の場であり、行政施設(ぎょうせいしせつ)でもある本丸御殿(ほんまるごてん)が建っていました。本丸への入り口は西側の西御門(にしごもん)・南側の台所門(だいどころもん)の2つがあり、現在西御門は復元(ふくげん)されています。


 これまでに西御門復元整備関連(せいびかんれん)やレーダー探査(たんさ)、御殿跡の内容確認(ないようかくにん)などで10度の調査(ちょうさ)が行われています。西御門跡の調査では、門の規模は東西6.4m×南北5.6mで、石の上に柱(はしら)を建てた礎石建物(そせきたてもの)と分かりました。西御門付近の土塁(どるい)や土橋などでは石垣(いしがき)や石垣の裏込石(うらごめいし)も見つかり、石垣は自然石(しぜんせき)をそのまま積(つ)み上(あ)げる野面積(のづらず)みで構築(こうちく)されていたことが分かりました。御殿跡の内容確認調査では直径1m~1.5m程度(ていど)の円形(えんけい)の石の集まりが連続的(れんぞくてき)に見つかり、これは礎石の下の根固(ねがた)めの栗石(ぐりいし)で、御殿の土台跡(どだいあと)と考えられ、建物の規模や位置の判断材料(はんだんざいりょう)になります。出土遺物(しゅつどいぶつ)は陶磁器(とうじき)・はさみ・キセル・古銭(こせん)などがあったほか、瓦(かわら)や釘(くぎ)などの建築資材(けんちくしざい)もみつかりました。


 現在(げんざい)は公園(こうえん)として活用(かつよう)されていますがこのような当時(とうじ)の城(しろ)の建物の痕跡(こんせき)が地面の下に眠(ねむ)っているのです。

花巻城跡シート2-1

花巻城跡シート4-2

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〒028-3203 岩手県花巻市大迫町大迫第3地割39番地1
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